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Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
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BK1書評の鉄人31号。
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935冊目 科学の扉をノックする
科学の扉をノックする (集英社文庫)科学の扉をノックする (集英社文庫)
(2011/03/18)
小川 洋子

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評価:☆☆

 幼い頃からなんとなく科学に興味はあったが知識は全然無い、という著者が、好奇心を満たすために研究者に話を聞きに行ってみた、という本。

 訪ねた先は、天文学者の渡部潤一、鉱物学者の堀 秀道、分子生物学者の村上和雄、Spring-8の研究者の古宮 聰、植物学者竹内郁夫、比較形態学・遺体科学の遠藤秀紀、阪神タイガースのトレーニングコーチ続木敏之と、錚々たるメンバー。

 この人、科学分野については何にも知らないんだなあ、というのが素朴な感想。

 宇宙論や遺伝学というよりも、宇宙や遺伝についての雑談的な話(宇宙はビッグバンで始まって130~150億歳くらい)であれば、理科系の授業を少しでも高校で受けていれば知っていると思うのだが、著者は全然知らなかったらしい。表現上のことかもしれないけれど、この程度の知識で最新の知見を探ることなどできようはずも無い。なので、科学の営みやら成果を知るというよりも、作家のきままなエッセイ的な読み方が正しいのだろう。

 違和感が強すぎて不快だったのは村上和雄さんの話。命が偶然から生まれたわけが無いとして、”サムシンググレート”なるものの存在を考えた方が合理的、と彼は主張する。要するに、生物の誕生や進化については神がある程度コントロールしている、とするインテリジェント・デザイン(ID)の1亜種だ。

 IDは、その性格上、証明できない。証明できないことを信じるのは信仰である。信仰を悪いこととは言わないし、科学者が篤い信仰心を持つのも構わないが、それを合理的などと称してこいう場で広めようとするのは絶対に止めて欲しい。それをホイホイとただ聞くだけの著者の姿勢にも不満。科学に興味があったとか、日系サイエンスを捲ってみると~なんてことを言うなら、それくらいのリテラシーは持とうよ。

 また、粘菌の話では、粘菌が植物的だったり動物的だったり、胞子を作る時には柄になって死ぬ個体と胞子を作って生き残る個体に分かれる、という大変に面白い話を紹介したあとで、うかうかとこんなことを書いてしまう。
 柄が発揮する犠牲の精神には、人間的な温かみがある。むしろ現代の日本で失われつつある高度な精神性を、森の奥に隠れた粘菌が人知れず発揮しているようにも思える。


 あーはいはい。良くある、”昔の日本人は礼儀正しくてなんちゃらで素晴らしくって、それと比べると今の若者はクズでどうしようもなくて嘆かわしい”的なアレですねー。この手のボヤキができるのは年寄りの特権なので、小川さんがやるには早すぎです。ついでに、少年の凶悪犯罪やら乳幼児殺害やらは激減しているんですが、それも日本人が人間的な温かみを無くしたからなんですね、そうに決まってます(棒読み)。

 まあ、科学を嫌いだと公言するような方が、とっかかりとして読む分には悪くは無いかもしれない。ただ、本当に科学に興味を持ってもらうには、ID亜種のようなものには批判の目を向けて欲しいと思わずに居られなかった。なので、余りオススメできません。


 それにしても、似顔絵がご本人にそっくりで笑える。私には絵心が絶望的に欠落しているので、この表現力は羨ましい。



※村上和雄さんは熱心な天理教の信者であるとの由。
 天理教について特に思うことは無いが、それが前提にあって合理的に考えるってことは不可能だと思うのだが・・・・・・。


関連書籍:
最新・月の科学―残された謎を解く (NHKブックス)最新・月の科学―残された謎を解く (NHKブックス)
(2008/06)
渡部 潤一

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人体 失敗の進化史 (光文社新書)人体 失敗の進化史 (光文社新書)
(2006/06/16)
遠藤 秀紀

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パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)
(2005/02/08)
遠藤 秀紀

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科学者 | 2011/05/18(水) 22:26 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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875冊目 動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話
動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話 (中公新書)動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話 (中公新書)
(1997/05)
万年 甫

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評価:☆☆☆☆


 診断技術が長足の進歩を遂げた今となっては、生きた脳の活動を診断することが可能となっている。しかし、以前は人の脳を知るために、人間同士の脳を比較するか、他の動物の脳と人間の脳を比較する手法しか取りようが無かった。

 著者は、ひょんなことから脳研究に携わることになった研究者である。そして、脳研究を行うために、様々な動物の脳を採集するのに奔走した、という珍しい体験の持ち主でもある。

 脳を採集する、ということは、必然的に相手は死んでいるということになる。リスやネズミ、せいぜい犬・猫レベルのサイズであれば、遺体を運搬するのも楽だが、これが象やカバ、キリンといった、大きな動物ともなれば話は違ってくる。

 解体からして苦労が付きまとい、解体したら解体したで運搬の苦労が付きまとう。その苦労を、後から振り返って他人に話すと楽しめる話になってしまうから不思議だ。

 上記から明らかなように、最先端の脳科学の魅力を明らかにする、というスタンスではない。むしろ、そのような点から本を読みたいのなら、他に脳関係で優れた本は沢山ある。技術の進歩や研究の深まり等を考えれば当然だろう。著者が研究成果についてほとんど触れていないのはこうした理由に拠ると思う。

 研究にはこんな苦労が付きまとうことがあるんですよ、という苦労譚として読むと、これがまた楽しい。動物の死を前にして、その死を無駄にせず研究に活かすという理念も、例えば象の分厚い頭蓋骨をどうやってこじ開けよう、という問題の前には吹き飛びそうだ。おまけに、著者はほぼ徒手空拳、初めての動物解剖を設備もなにも無いところでやろうというのだから大変だ。

 サブタイトルになっているキリンの首を担ぐ、というのも同じような状況。ただ、こちらは脳だけではなく、首から上を動物園から大学まで運びたい、という話である。予算も限られた時代ゆえ、解体したキリンの首を徒歩と電車でなんとか運ぶ話は、こんなこともあったのかと思わされることしきり。なぜ首から上が必要なのか、という理由もしっかり載っているので、興味本位で見てみるのも楽しいと思う。


関連書籍:
パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)
(2005/02/08)
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科学者 | 2010/10/16(土) 07:11 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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872冊目 科学は不確かだ!
科学は不確かだ! (岩波現代文庫)科学は不確かだ! (岩波現代文庫)
(2007/01)
リチャード・P. ファインマン

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評価:☆☆☆☆


 ファインマンと言えば、物理学、とりわけ量子力学の発展に偉大な足跡を残した人物としてまず知られている。朝永振一郎らと共にノーベル賞を受賞したため、日本でもファインマンの名を知る人は多いのではないか。次に、彼が多彩な才能を持ち、多岐に渡る分野で活躍したことも有名だろう。

 若き日にマンハッタン計画へ参加したのを皮切りに、老年のチャレンジャー号爆発事故究明に奔走する等の公的な活躍、と聞けば、仕事人間を想定するかもしれないが、人生をとても楽しんだことが、更に魅力を高めている。

 ボンゴを叩き、絵を描いては古典を開き、冗談が好きで、そして神を信じなかった。権威を信じず、共産主義の独裁体制を嫌い、自由を愛した自由人だったのだ。

 本書は、そんなファインマンが大学で行った講演を訳したものである。

 ファインマンが繰り返し述べるのは、科学は不確かで、だから面白いということ。そして、科学を語ろうとする一環として、神を語り、宇宙人の乗り物としてのUFOを語り、テレパシーを語る。政治や宗教という、専門ではない分野にまで踏み込んでいく。その奔放さが、実に自由人たるファインマンの面目躍如、といった感じだ。

 科学は、杓子定規で決まりきったことを明らかにするだけの単調なものだ、と思っている方は、是非本書を読んで見て欲しい。科学は不確かな仮説だらけで、まだ誰も知らぬ知のフロンティアを開拓することがどれほど楽しいことなのか、その一端を掴むことができると思う。
科学者 | 2010/10/07(木) 23:33 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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871冊目 誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険
誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)
(2005/09/22)
オーウェン・ギンガリッチ

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評価:☆☆☆


 コペルニクスは地動説を唱え、天動説への致命的な一撃を与えた人物として知られている。当時にあって、画期的だったこの論が記されたのが、『天体の回転について』である。

 この画期的な本を、”誰にも読まれなかった本”と酷評したのはアーサー・ケストラー。さもありなん、この本は、読み物として読めるのは最初の5%程で、残りは計算などの、地動説を裏付ける数学的な根拠が記されていたというのだから。

 ところが、著者は『天体の回転について』の初版本の中に、最初から最後までびっしりと書き込みがされているのを発見する。この発見は、著者をコペルニクスの初版本巡りというとんでもない旅に導くことになってしまった。

 まだ分厚い鉄のカーテンが下りていた向こう側のソ連や中国にまで調査の手を伸ばした結果、ケストラーの言い分が誤っていた事がはっきりする。コペルニクスの本は、決して誰にも読まれたかったわけではない。知的興奮の本として、初期の天文学を発展させた人々らに広く読まれていた。

 初版本を読んだ人々の名前がまた豪華で、血液が循環していることを発見したウィリアム・ハーヴェイや、天文学の分野で名を残すティコ・ブラーエにヨハネス・ケプラー、地図の表し方にその名を残すメルカトルら、錚々たる名が連なる。どうして彼らが本を所有していたのかは、著者の探求の中で明らかにされていくのだが、その過程が面白い。書き込みの筆跡を追い、内容を追う。しかも、その前段階として世界中の初版および再版を探し出す。

 稀覯本から見えてくる世界、というのが実に面白かった。また、古書市場での相場など、一冊の本が天文学額的な数字になっていくのも、外野としては面白い。私個人としては、本の内容にしか興味が無いので、熱意は分からなかったが。それでも、一冊一冊手作りだった時代の美しい装丁については見てみたくなってしまったので、古書の魅力恐るべし、といったところか。


※10/6 地動説と天動説とを取り違えていたのを修正。Lixさん、ご指摘深謝します。
 ・・・・・・なんでこんな間違いをしちゃったんだろう。。。


関連図書:
古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)
(1999/09)
ローレンス ゴールドストーンナンシー ゴールドストーン

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科学者 | 2010/10/04(月) 22:43 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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700冊目 自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
(2007/02)
レスリー デンディメル ボーリング

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評価:☆☆☆☆


 様々な分野において、人体実験は必要である。例えば薬の治療効果。これらは治験などという見目麗しい名前を与えられているが、やっていることは人体実験に他ならない。極力安全に配慮して行われているということだけが唯一特筆されるべきことだろう。あるいは宇宙飛行士。彼らが行っているのは、将に実験に他ならない。だからこそ、地球に戻った後は厳密な医療検査が行われてきた。

 本書は、その人体実験の中でもとりわけ、自分の体を使って実験を行った科学者たちを取り上げている。

 人間はどこまで熱に耐えられるのか。消化とはどのような現象なのか。麻酔や心臓カテーテルが用いられるようになるまで。致死性の高い疫病の感染経路を突き止める。危険に対処する。

 取り分け胸を打つのは、医学実験であろう。キューバやアメリカで多くの犠牲者を出していた黄熱病の感染経路を調査するために、自ら実験台となったジェシー・ラジアは、蚊が黄熱病の病原体を媒介することを示すことに成功した。しかし、彼の命は黄熱病に奪われてしまったのである。このあたりは『ウイルスの脅威―人類の長い戦い』にかなり詳しく書かれている。

 また、手術の際に先人に感謝せずに居られない、麻酔。3人の男が、誰が第一発見者かを巡って激しく争ったものの、誰も麻酔によって満足のいく人生を送ることができなかった。こちらは120冊目で紹介した『エーテル・デイ―麻酔法発明の日』がメインテーマとしている。

 有名どころも顔を見せる。その最大の人物はマリ・キュリーだろう。キュリー夫人として知られる彼女は、夫のピエールと共に1903年にノーベル物理賞、1911年には単独で同化学賞を受賞する。おまけに娘のイレーヌも夫婦で同化学賞を受賞するという偉業を成し遂げる。

 彼女を取り上げているのは、夫婦で病気の細胞に放射線を照射すると、病気の細胞が死んで健康な細胞が再生されるという発見を自らの体で行ったものである。しかし、本書で紹介される他の点は、単純に科学者として新たな元素であるラジウムの発見に注力した、

 次の有名人はJ・B・S・ホールデンだろう。危険なガスとどう付き合えばいいのか、ホールデンとその父は熱心に研究したという。それがなければ、炭鉱や潜水艦などで更に多くの犠牲者が出たに違いない。

 なぜ彼らは自分の体を使っての過酷な実験に挑んだのか。それは、危険である以上、他人の体を使うわけに行かないと考えたためである。彼らの実験は可能な限りコントロールされたものが中心であり、単なる無謀とは一線を画すべきものだ。そして何より、それらの実験から得られたものの多さは特筆すべきである。

 異色の科学者列伝であり、異色の科学史でもある。加えて、読み物としてとても面白い。科学が拓いてきた地平の一端を垣間見ることができる本だと思う。



 これで700冊目。随分来たなあ。
科学者 | 2009/08/08(土) 22:38 | Trackback:(0) | Comments:(1)

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