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Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
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BK1書評の鉄人31号。
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1339冊目 富士山噴火―ハザードマップで読み解く「Xデー」
富士山噴火―ハザードマップで読み解く「Xデー」 (ブルーバックス)富士山噴火―ハザードマップで読み解く「Xデー」 (ブルーバックス)
(2007/11/21)
鎌田 浩毅

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 地質学的に見れば、近い将来に富士山は噴火する。絶対確実に。なにせ、地質学的な時間スケールは千年が一瞬だから、外れようがないのだ。我々が生きている間にそれが起こるかどうかは分らないが。

 人間の尺度で言えばそう遠くない未来に噴火するとしても、危機管理の立場からすれば、確実に起こる噴火に対してどのような対応を取るか検討しておくことは不可欠であろう。本書は、そうした立場から富士山が噴火するとしたらどのようなことが起こるか、想定される各モードの災害について、どの範囲でどのような問題が起こるのか、対策はどうするのか、といったことを一般向けに解説してくれている。

 では、どのようなものが害を起こすのか?それは、火山灰、溶岩流、噴石と火山弾、火砕流と火砕サージ、岩雪崩とブラスト、そして泥流である。私のイメージとしては溶岩流、火砕流が被害大、それに火山弾と火山灰の被害小を加えるのかと思っていたが、それだけではないことを教えられた。特に、現代文明にとっては火山灰が広い範囲にわたって深刻な害を与える可能性を示されたのは意外でも有り、備えの必要性を感じさせることも有りで危機感を持たされた。

 その火山灰、非常に細かい粒子になっているのが問題である。これらは車のエンジンやコンピューターのCPUに入り込み、それらを使用できなくさせてしまうので恐ろしい。また、断面が尖ったこの小さな粉体が気管や肺に吸入されてしまうことによる健康被害もバカにならないとなると、範囲としてはこれが一番広くダメージを与えるだろう。救急車や消防車の活動を阻害する点で、間接的な被害も大きそうだ。関係省庁は事前に備えてもらいたいと切に願う。

 直接的な害と言えば、雲仙普賢岳で多くの犠牲者を出した火砕流がイメージに合って、それは間違いではないのだが、泥流もまた同じように、広範囲にダメージを与えると知って驚いた。しかも、噴火によって溜まった噴出物は広く残り続けるので、後の大雨でも泥流が発生するとなると、時間スケールで言えばこれに一番時間をかけないと行けないかもしれない。

 こうした問題に対し、どのタイミングでどう備えるかを丁寧に説明してくれているので読み応えがあった。防災関係者、富士山近傍の市町村にお住まいの方で興味を持たれた方は是非読んでみて欲しい。きっと、自分や家族を救うための知識を得られると思う。
環境 | 2013/12/31(火) 09:22 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1258冊目 古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史
古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)
(2008/06/04)
ブライアン フェイガン

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評価:☆☆☆☆


 『歴史を変えた気候大変動』で、近い過去にも気候は大きく変動していたことを明らかにしたブライアン・フェイガンが、更にスケールアップして帰ってきた。今度は、人類2万年の歴史と気候の変動を追っている。

 2万年前といえば、まだ人類は農耕を始めていない。人々は今ほど土地に結びつけられておらず、環境の変化があれば新たなる希望の土地を目指して彷徨ったことだろう。そして人類は世界中に散らばった。

 本書を読めば、その拡散の過程において地球規模での寒冷化と温暖化のサイクルが重要な役割を果たしたことが良く分かる。例えば、今よりも寒冷化していた時代、アラスカとシベリアは海で隔てられてはおらず、ベーリンジアで結ばれていた。人類はこの陸橋を渡ってアメリカへと向かったのだ。

 先日読んだ魅力的な生物地理学の書『なぜシロクマは南極にいないのか: 生命進化と大陸移動説をつなぐ』でも環境の変化が生物の拡散をもたらしたとあったが、人類は様々な道具を使った分、より効果的に新たなる地平を切り拓いていった。

 それを、本書では巨大なポンプに例える。気候条件によって人や他の動物が住みやすい時代になることもあれば、とても生活できない過酷な土地へと変貌することも有る。

 何度も繰り返されるサイクルによって、多くの文明が興り、滅んでいった。メソポタミア、エジプト、ローマ、マヤ等々。特に、中世温暖期はヨーロッパには温暖で安定した時代となった一方で、中米には大旱魃をもたらし、マヤ文明を崩壊に追い込んだことは知らなかった。

 本書の魅力はこのスケールの大きさだ。世界各地で大国が興亡を繰り返す背後には環境のダイナミックな変化がある。世界史では英雄や賢者、あるいは愚者たちが縦横に活躍するような印象だが、こうした見えざる力が働いていたのかと思うと年表の見方すら変わりそうだ。

 なにより、今のこの状態が、得難い宝のように思えてくる。

 現代のように気候が極めて安定している状態はむしろ珍しいことが分かる。地球環境は様々な要因で大きく変動し、テムズ川が凍るような寒波が来襲することもあれば、グリーンランドに緑地ができるくらい暖かくなる時期もあった。その不安定なメカニズムは、いまはちょっと一休みをしているだけだ。

 なので、再び地球環境は大きな変動をするだろう。寒冷化するかもしれないし、温暖化するかもしれない。その変化に、恐らく今の技術力は太刀打ち出来ないだろう。グローバル化が吉と出るか凶と出るか。私としては、人類の知恵に希望を持っていたい。



関連書籍:
歴史を変えた気候大変動 (河出文庫)歴史を変えた気候大変動 (河出文庫)
(2009/02/04)
ブライアン フェイガン

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人類の足跡10万年全史人類の足跡10万年全史
(2007/08/31)
スティーヴン オッペンハイマー

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なぜシロクマは南極にいないのか: 生命進化と大陸移動説をつなぐなぜシロクマは南極にいないのか: 生命進化と大陸移動説をつなぐ
(2011/08/22)
デニス・マッカーシー

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環境 | 2013/08/21(水) 20:18 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1188冊目 移り気な太陽―太陽活動と地球環境との関わり
移り気な太陽―太陽活動と地球環境との関わり移り気な太陽―太陽活動と地球環境との関わり
(2010/11/15)
桜井邦朋

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評価:☆☆☆☆☆


 ちょっと前に読んだ『太陽に何が起きているか』が面白かったため、太陽に興味が湧いて読んでみた。

 アメリカの科学雑誌『サイエンス』の2009年10月12日号に、"What Happened to Global Warning?(地球温暖化に何が起こったか?)"と題する記事が載った。IPCCの不吉な予言に反して、1999年以降は地球の温暖化が止まっている現実の報告だった。奇妙な話である。なにせ、2000年以降の二酸化炭素排出量は、中国の化石燃料使用量の激増に伴ってこれまで以上に激しくなっているのだ。

 二酸化炭素が増えれば温室効果によって地球が温暖化する。それが、二酸化炭素による地球温暖化論の骨子である。しかし、現実はその仮説に従わない。つまり、この説は既に破綻している。破綻した仮説は捨て去るのが科学である。にも関わらず、環境学者達はマウンダー極小期の寒冷化も中世温暖期も無かったことにして、ついでに現在のデータを捏造(『地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震』に詳しい)して、自分たちの教義を守ろうとしている。こんなものは科学ではない。論理的でもない。あるのはただ政治だけだ。マルクス主義が正しいとされたような。

 一方で、地球が受け取る太陽からの熱放射に温暖化の原因を求めるのはナンセンスである。なにせ、その量は極めて安定で、過去の観測でわずか0.2%しか変動しないのだ。

 では、太陽活動は地球環境に影響を与えないのだろうか。

 そうではないところが、宇宙規模の科学の面白いところ。太陽活動は、確かに地球に影響を与えているのだ。それも、決定的な。

 本書では、その魅力的な仮説である、太陽活動の増減に伴う、地球への宇宙線侵入の増減が環境に影響を与えるという説を解説している。この仮説の見どころは、マウンダー極小期のような太陽活動の低調だった時期と地球の寒冷化をきちっと関連付けて説明できるところだ。説明できないからといって無かったことにする詐欺師どもとは大違いである。(環境学者達のメールには、"トリックを使った"等という信じ難い文言まで入っている)

 データも豊富である。太陽活動と気候との相関を、事実に即して語っているので、「おいおい、歴史的な証拠は無視かよ」などと悪態をつかずに読めるのが本当に安心できる。そして、本書を読めば今の穏やかな気候条件の下に暮らしていられるのが幸運だとつくづく感じる。それ程に、太陽活動は大きな変動をするのだ

 宇宙や環境に興味がある方は、是非この知的好奇心を刺激してやまない本を手にとって欲しいと思う。壮大で、魅力的な仮説が目の前にあるから。ワクワクしながら一気に読んでしまった。


 放射線の危険性にしても、二酸化炭素に拠る温暖化にしても、恐怖を煽るだけ煽る人々の存在が不快でならない。クライメートゲート事件は海外では大騒ぎになったのに、日本のマスコミではほぼ無視されている。本こそ出ているが、それを読む人など限られているだろう。彼らの仕事は、目立つネタが必要なのは分かる。しかし、本当のことを伝えて行くことも彼らの使命では無いのか。こうした、冷静な立場もしっかり報じるようになって欲しいし、一般人もしっかり受け止めるようになって欲しいものだと願わずに居られない。

関連書籍:
太陽に何が起きているか (文春新書)太陽に何が起きているか (文春新書)
(2013/01/20)
常田 佐久

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地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震
(2010/06/01)
スティーブン・モシャー、トマス・フラー 他

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環境 | 2013/05/06(月) 19:50 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1186冊目 「地球温暖化」神話 終わりの始まり

「地球温暖化」神話 終わりの始まり「地球温暖化」神話 終わりの始まり
(2012/03/09)
渡辺 正

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評価:☆☆☆☆☆


 地球温暖化については今更説明するまでもないだろう。科学者たちは二酸化炭素の増加によって地球が温暖化していることに合意している、とされていることだ。

 しかし、その実態は実にお粗末で、凡そ科学を名乗るに相応しいものではない。

 もし二酸化炭素による地球温暖化が科学なのであれば、過去に起こったことを説明出来るだけでダメで、未来を予想できる、あるいはそれまで説明できなかった現象を新たに説明できるはずだ。例えば相対性理論では水星の動きが万有引力の法則では説明の付かないゆらぎを見せることを説明したり、重力レンズを予言して観測で正しさを実証した。

 しかし、温暖化は違う。予想は外れ、これがないと説明できない現象も存在しない。IPCCのお歴々は恥知らずにも、中世温暖期の存在をグラフから消去するという暴挙も行っている。グリーンランドでトウモロコシが栽培できた、今より遥かに温暖な時期があったことを認めないのだ。逆に、寒冷化のためにテムズ川が凍結した時期のことも無視してしまう。教義に都合が悪いから、だ。

 懐疑派がデータの開示を要求しても認めない。ウソも大量に紛れている。

 こうした姿勢を見ただけで、二酸化炭素による地球温暖化は科学ではないことが分かる。

 本書では、地球温暖化論がどれほど欺瞞に満ちた出鱈目なものかを舌鋒鋭く追求している。例えば、IPCCはその報告書を纏めるに当たり、世界トップの研究者を任じたと主張する。ところが、学位をとる10年前に執筆している人物が居る。おまけに、中立とは言い難い人物が加わっていることも明らかになっている。なにせ、環境保護団体と二足のわらじを履いているのだ。(環境保護団体が悪いというのではない。中立性を担保できないという意味である)

 あるいは、査読をクリアした文献のみを使用するという。ところが、18,531点の文献のうち、5,587点がグレーなのだ。

 これは、彼ら自身が、彼らの信用性を高めるために講じた処置では無かったのか。何故こんなにもルールが破られなければならないのか。

 答えは単純である。そうでもしなければ、二酸化炭素を犯人とする地球温暖化論を守れないからだ。引いては、彼らの研究資金を守れないからだ。

 恐らく、最終的な決着は10年ほど後に明らかになるのだろう。破綻を来たし、パッチワークで何とか命脈を保とうとしているに違いない。それに研究生命を賭けてしまった人がいるから、消え去ることは無いにしても。それまでの時間を短縮するのは、未来に責任を追う人間が果たさなければならない義務ではないだろうか。なにせ、国家予算は有限で、資金を必要とする問題は幾らでもある。マラリア対策のような。

 本書が述べる世界観は、あなたが聞いてきた"常識"とは違うかもしれない。

 二酸化炭素の増加はそもそも問題ではない。植物が増えるから。地球温暖化も問題ではない。中世温暖期はもっと暖かく、そこでは何も起こらなかった。それに、温暖な時期は文明が栄えた時代だった。

 落ち着いて考えなおすのにうってつけだと思う。薄いし、論理も明快で分り易い。最近のデータも多いので、これからこの問題を知ろうという方にはオススメである。

 『地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す』も併せてお勧めしたい。



関連書籍:
地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
(2008/06/28)
ビョルン・ロンボルグ

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地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震地球温暖化スキャンダル−2009年秋クライメートゲート事件の激震
(2010/06/01)
スティーブン・モシャー、トマス・フラー 他

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環境 | 2013/05/04(土) 19:57 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1092冊目 「反原発」の不都合な真実
「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)
(2012/02/17)
藤沢 数希

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評価:☆☆☆☆☆


 東日本大震災に引き続く福島第一原発事故によって、多量の放射性物質が放出されてしまった。一部の地域には、未だに住民が戻るべきではないレベルの放射性物質が残ってしまっている。

 それはそれで悩ましく、大きな問題ではある。しかし、それを余りにもセンセーショナルに報じてしまったため、まるで原子力発電が諸悪の根源であるかのように捉える人が多数でてしまったことも、大きな問題である。

 本書は、原子力発電をすぐさま廃止してしまったらどのようなことが起こるのかを、エネルギー問題を俯瞰した上で冷静に述べている。

 現実的にすぐさま切り替え可能なのは火力発電だ。しかし、火力発電では空気が汚染される。原発を火力に置き換えたことで、大気汚染を原因とする余計な死は約3,000人にも上ると著者は指摘する。加えて、燃料代だけで少なく見積もって4兆円が余計にかかる。それは個人への負担へ跳ね返る。

 一方で、原発事故による死者は現実には出ていない。危険が過剰に喧伝されている。そして、稼働反対論を唱える人々は再生エネルギーを使うべきだと声高に訴える。

 再生可能エネルギーの最大の欠点は、エネルギー密度が低すぎることにある。風力発電を考えてみよう。風力発電は風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものだ。そのエネルギーは、E=1/2mV^2(mは質量、Vは速度)で与えられる。質量と速度の2乗である。これがどれくらいになるだろう。風速は、台風でも30m/s程度だ。(困ったことに、こんな風速では故障してしまう)

 一方、原子力発電はウランが崩壊して安定的な物質に変わる際に減少する質量をエネルギーに変えている。こちらはE=mc^2(cは光速)で表される。cがどれくらいになるかというと、秒速30万km。つまり、300,000,000m/sだ。これが2回も掛けられるとなると、風力発電と比べてどれくらいの差になるか、想像すらできないくらいだ。

 だから、風力発電で原発一基分のエネルギーを賄おうとすると、山手線の内側の面積の3.7倍程度の土地が必要となる。同様に、太陽光発電では山手線の内側とほぼ等しい面積が必要となる。

 加えて、これらの発電は不安定だ。風のない曇った日は発電できない。バックアップ電源が必要だ。つまり、これらは必要電力の足しにはなったとしても、その中心に据えることはできない。

 本書は、原発の利点、代替案の貧弱さ、電気は足りているとの主張のおかしさを、実に冷静に論じている。著者ほど無邪気に原発推進を唱えるわけではないが、それでもやはり、一度社会インフラに深く刻み込まれてしまったものは容易に捨て去ることはできないと感じる。

 原発稼働に反対される方にこそ、政府はなぜ原発を動かそうとするのかを理解するために読んでみて欲しい。そして、代替エネルギーについて、真剣に考えてみて欲しい。この容易には解けない問題を考えるための、格好の材料になるだろうから。背景となる数字、論理を易しく説いてくれているので、著者に賛同するにせよ反対するにせよ、「エライ人がOOと言うから」という思考停止に陥らずに済む。

 国内の雇用が失われ、電気代が跳ね上がり、生活が不便になってでも原発を使うのは止めたいという正義もあると思う。それにはかなりの覚悟が必要だろう。原発を使うべきではないという方は、是非、この負の側面を見据え、社会を納得させて欲しい。少なくとも、現時点で私は私や家族を苦しめることが確実な、即時の原発廃止には与することができない。リスクのない手段はない。原発も、他の発電方法も。原発のリスクは、メリットの大きさの前には霞むと思う。

 原発について考える全ての方に、考えるための材料として手に取ってもらいたい良書。


 余談だが、本書で安定電源としては役立たずであることが詳述されている太陽光発電は、水を電気分解して水素を作り出すために使うのが良いかと思う。不安定というデメリットを極小化できるのではないだろうか。それは原発を廃止することには結びつかなくても、化石燃料の使用を抑える技術にはなると思うのだ。


関連書籍:

環境リスク学―不安の海の羅針盤環境リスク学―不安の海の羅針盤
(2004/09)
中西 準子

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地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
(2008/06/28)
ビョルン・ロンボルグ

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環境 | 2012/10/13(土) 21:01 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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