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707冊目 自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来
自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)
(2008/12)
グナル ハインゾーン

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評価:☆☆☆☆☆


 残念なことに、中東で、南アジアで、南アメリカで、アフリカで、テロや紛争に関する悲惨なニュースが絶えることなく報道されている。その度に、我々は南北格差や危険な独裁者、民族や宗教を背景にした対立構造について解説を目にすることとなる。

 しかし、著者はこれら民族や宗教、貧困が悲劇の真の原因ではない、と喝破する。では何が原因なのか。その答えとして挙げられるのが、ユース・バルジ。

 この聞きなれない言葉は、戦闘能力の高い15〜25歳の青年層を示す言葉である。ユース・バルジが人口の30%を超えると、自爆テロや内戦の恐れは一挙に高まると著者は指摘する。

 ユース・バルジが30%を超えるとなぜ、テロや内戦が起こるのか。それは、人口比率を考えてみれば答えが見えてくる。即ち、ユース・バルジの占有率が高いということは、一組の夫婦が産む子どもの数が多い、ということ。それは直ちに、次男、三男以下の男達が、社会からあぶれることを意味する。考えてみれば、たかだか10数年程度で産業の規模を倍々ゲームで増やせるわけも無いのだから当たり前の話である。

 社会に身の置き場のない若者は何をするのか。それは、自分の居場所を得るために、高い地位や報酬を目的に、何でも行うようになる。その結果が続発する自爆テロであり、自滅的な内戦である、というのだ。

 刺激的なこの仮説は、世界の過去と現在を上手く説明できている。本書で指摘されている通り、大航海時代にヨーロッパが世界を席巻したとき、将にヨーロッパではユース・バルジの占有率が高かった。エルナン・コルテスフランシスコ・ピサロといった南米の征服者達に従ったのは次男、三男たちだったのである。しかも、この時ヨーロッパにはまだ彼らの居場所は無いわけではなかった。悲惨なペスト禍から人口は回復しきっていなかったためだ。しかし、ユース・バルジは30%を大きく超えていたのである。

 悲惨なニュースの聞こえてくる地域と、ユース・バルジの占有率は本書の中で纏められている。その余りの相関の高さには驚かされるほどだ。日本のことを考えてみても、満州事変から太平洋戦争へと突き進んだ時期は例に漏れずユース・バルジが危険水準を超えていた。その後のベビーブーム世代がユース・バルジに差し掛かったとき、何が起こったか。それは全共闘や核マル、中核といった過激な若者たちだったことを想起すべきだろう。

 多くの実例を挙げていることから、本書の指摘はかなりのところ当たっていると感じさせる。ニュースで伝えられる事実の裏に潜む見えない原因に注意を喚起してくれている功績は大きい。今後も人口学からの警告に目を向けていくべきだろう。
 それでも、日本軍が南京で20万以上を虐殺した、などと中共側の主張を丸呑みしているのは頂けない。総合的な信用度が下がってしまう。

 中国側の主張ばかりが一人歩きして世界で真実と思われるようになっているのは残念。
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ノンフィクション | 2009/08/22(土) 23:58 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)作者: グナル ハインゾーン出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12メディア: 単行本 これは非常に衝撃的なものの見方を知ることの出来る本である。 戦争・内戦が起こるのは何故か? それは、若者の男が多い国
2009/12/26 Sat 23:25:12 | 本読みの記録