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684冊目 朽ちていった命―被曝治療83日間の記録
朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)朽ちていった命―被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)
(2006/09)
NHK「東海村臨界事故」取材班

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評価:☆☆☆☆☆


 JCOの東海村施設で発生した臨界事故。ウラン溶液を余りにも杜撰に扱った結果、臨海事故が発生、作業に当たっていた3人がのうち、2人が強烈な放射線を浴びた。そのうち、より至近で作業を行っていた大内さんは、致死量8Sv(シーベルト)を大きく超える20Svの放射線を浴びた。

 大内さんは東大病院に搬送され、そこで最先端の医療と親族らによる懸命の介護を受けるが、治療の甲斐無く、事故発生83日目に、遂に亡くなった。本書は臨界事故から大内さんが亡くなるまでの壮絶な戦いの記録である。

 私は大学時代、少しだけ放射線を扱ったことがある。その関係で、放射線が人体に与える影響についてはやや専門的な授業も受けていた。だから、大内さんが浴びた放射線が致死的な量であることはすぐに理解したし、そんなに長くは生きていられないだろうとも思った。その予想自体は正しかったわけだけれども、その裏で展開されていた懸命な治療と、その努力を嘲笑うかのごとき放射線が人体に与える影響の恐るべき実態にはとても思いが至らなかった。

 放射線は、最も活発に分裂する細胞を狙い撃ちにする。それは皮膚を生み出す細胞であったり、免疫を司る細胞だったり、粘膜の細胞である。これらが失われたらどうなるか。古くなった皮膚は剥がれ落ちるが、新しい皮膚は無い。免疫力が極端に下がるため、通常の免疫力を持つ人ならかからないような感染症に侵される。粘膜が失われるため消化すらできなくなる。そして、この状態は放射線を浴びた人が生きる限り、永遠に続く。

 導き出されるのは冷厳な結論。即ち、今でも放射線を浴びすぎてしまった人にできる根本的な治療は無いということ。

 それでも、大内さんの事例は次以降の悲劇を少しでも防ぐきっかけになり得るのではないだろうか。放射性物質の杜撰な取り扱いだけではなく、取り扱う側の注意すべきことや、そして、致死量ではない放射線を浴びてしまった場合の救急医療について。

 いい加減な管理体制、危険を忘れたあってはいけない事件。そこから何かを学ぶことが、失われたお二人の命に報いる唯一のことだと思う。不完全な存在である人間が、潜在的には常に危険を持ち続ける核を手放さないのであれば、事故はいつか再発する。その時に、今回の事例を役立てるのに貴重な記録になっていると思う。



 私事だが、事故と同時期、私も大切な家族の回復を必死に願っていた。だから、大内さんのご家族の姿が当時の私の周りと被ってならなかった。助からないとなったとき、医療がどうあるべきなのか、きっと正しい答えなんか無い。もう助からないは死ではないというのが、せいぜい掴み取れるぎりぎりの共通認識だと思う。

 本書でも苦悩する医療従事者の姿がありのままに表現されている。そして家族の懸命な姿も。

 医療従事者の側からも、被災者の側からも、被災者を支える家族の側からも、救急医療について考える良い機会になると思う。
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ノンフィクション | 2009/07/03(金) 22:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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