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581冊目 自壊する帝国
自壊する帝国 (新潮文庫)自壊する帝国 (新潮文庫)
(2008/10/28)
佐藤 優

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評価:☆☆☆☆☆


 著者がノンキャリアの外務官僚としてソ連に駐在している最中に、その当のソ連は崩壊。世界のパワーバランスは一挙に崩れることになった。ソ連の自壊を決定付けたのがゴルバチョフに対して行われたクーデターであることは、当時を生きた方には鮮烈な思い出と共に刻まれているのではなかろうか。

 クーデターの渦中にあって、いち早くゴルバチョフが殺されていないとの情報を得たのが著者である。西側は愚か、東側でもほとんど全ての者が知らない情報をなぜ、どのようにして入手できたのか。また、クーデターにあってソ連の政府高官達はどのような動きをしたのか。

 これらの貴重な過去の記録を、リアルタイムでは無いとしても追体験できるのはありがたい。政治家達の策動、否応無く巻き込まれる人々の想いが伝わってきて、一気に引き込まれる。ノンフィクションの傑作が持つ魅力だ。

 新聞やテレビだけからは知りえない現場の生々しい空気を再現できるのは、経験したものだけが持つ特権だ。その経験の欠片を、安全なところに居ながら楽しめるのは読書人の特権であるとしみじみ思う。

 ソ連だけではなく、東欧についても広くかつ深い知識を持つこのような人物を、外務省内の争いで放逐してしまったのは余りにも勿体無い。

 それにしても、一級のインテリの知識量には圧倒される。読書なり思索なり実務なりでどれほどの努力を払ってきたのだろうか。私は趣味で本を読んでいるのではあるが、こういう世界を覗いてみたかった、という思いをついつい抱いてしまった。

ノンフィクション | 2009/01/08(木) 23:55 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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この本は読んでいます。
おもしろいノンフィクションでした。5つ星の評価も納得です。
それにしても、もう文庫になっているとは、月日が経つのは早い…。
2009/01/09 金 22:01:22 | URL | きし #ImNOtvE2編集
お、珍しく被りましたね。
実は私もハードカバーで購入して読んだのですが、この書評もどきを
書くにあたって調べたら文庫化されていて驚きました。

しかし、このような固い内容ではあっても読むべきノンフィクションが
文庫化されると正しく評価されているような気がして嬉しくなりますね。
2009/01/10 土 00:52:53 | URL | Skywriter #-編集
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