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567冊目 空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか
空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫)空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫)
(2000/12)
ジョン クラカワー

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評価:☆☆☆☆


 クラカワーの本はこれが3冊目。最初に読んだのは『信仰が人を殺すとき - 過激な宗教は何を生み出してきたのか』で、明晰な論理で宗教を語りながらも突き放すわけでもない絶妙な距離感に惹かれたのを覚えている。

 その著者は、山登りを人生の一部としており、難所を単独登攀するなどその世界では知られた人物。だが、それも過去の話。今ではアウトドア誌『アウトドア』に記事を寄せている作家となり、山登りは趣味の世界に押しやられていた。エヴェレスト登山の話が舞い込むまでは。

 1996年、観光登山グループに混じってエヴェレスト頂上を制し、その模様を記事にする。それを目的に、著者は熟練の山岳ガイド、ロブ・ホール率いる遠征隊に参加する。同時期、日本人女性の難波康子らを含むスコット・フィッシャー隊、台湾隊、南アフリカ隊などがやはりエヴェレストを窺っていた。

 5月10日、クラカワーや難波らは標高8,848メートルのエヴェレスト頂上に到達する。天候に恵まれ、頂上を目前に控えるヒラリー・ステップは大渋滞だった。この渋滞が、多くの人々の生死を分けることになる。わずか数時間後、エヴェレストを嵐が襲うのだ。結果、難波康子を含む12名が帰らぬ人となった。

 幸運にも生還したクラカワーが、エヴェレスト遭難の模様を克明に記しているのが本書である。

 酸素が極めて薄い遥か高みを目指すことの苦難は読むだけで恐ろしいほどだ。低酸素の影響で頭脳は働かなくなり、運動力は落ちる。それを回避するために酸素ボンベを背負っていけば、酸素が切れたが最後、一気にダメージが襲い掛かる。8,000メートルの彼方では、僅かな、本当に僅かな差が生と死を冷厳に分けてしまう。パーティーを悲劇が襲うところは将に圧巻である。

 当事者にしか書けない、臨場感溢れた文章で、ノンフィクションながら一気に読ませる。山岳ものに興味がある方はぜひ手に取っておくべきだろう。なにせ、山岳ものそのものにはさして興味のない私ですら内容に引き込まれたから。


 それにしても、原題の”Into Thin Air”を『空へ』と訳したのは天才的。文章も翻訳であることを全く感じさせないほど自然でなじみやすかった。著者の腕に加え、こうした優れた訳者についても特記しておきたい。
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ノンフィクション | 2008/10/06(月) 23:56 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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