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321冊目 電波男
電波男

本田 透著

三才ブックス (2005.3)

\1,500

評価:☆☆☆☆


 自由恋愛は人を幸福にしたのか。

 もちろん、応という人はいるだろう。私も長年非モテをやってきて、今も根本的には非モテのままだけれども、どういうわけか配偶者を得て、いまや親莫迦街道まっしぐらであるわけだけれども、それまでの長い間非モテである自分を呪った。

 というと嘘になる。自分は呪わなかった。むしろ、自分よりも圧倒的に莫迦そうな男が好かれているのを見ると頭にきた。

 実のところ、自由恋愛社会の到来は多くの人を幸福にはしていないのではなかろうか。『負け犬の遠吠え』なんて本がでたけれど、結構なカネを稼ぎ、男ともそこそこ遊び、知性や教養で誇る点がある女性が30代だというだけで負け犬を自称して居るのを見て30代の女性を理解した気になってはいけない。30代独身女性のほとんどは年収300万円以下で1/4は処女であるという統計もある。自分を“負け犬”などと嘯(うそぶ)くのとは大きな違いだ。

 さて、ではなぜ女性が結婚しなくなったのか。“負け犬”と嘯く女性達によれば、男が情けなくなったから女が余るのだという。要するに、女と付き合う度量のない情けない男がオタク趣味に走って恋愛市場から零れ落ちるからだということになる。

 しかし、そうだろうか。私が思うに、結婚したくてもできないという女性が増えたのは、むしろ女性に経済力が付き日常で多くの男性と接する機会が増えたことにあると思う。

 経済的な側面から言うと、私も女性の多くが決して高くない給与を強いられている現実を知っている。しかし、実家暮らしを選択可能であればその少ない給与の多くを趣味に使うことができるわけで、事実の問題として海外旅行に出かける比率は女性の方が圧倒的に多い。

 そうしてみると、今の絶対的な収入は少なくとも、そこそこ自由に遊ぶだけの金銭的、時間的な余裕がある人が、未経験で金銭的にも時間的にも余裕がなくなる結婚・育児に踏み切るかというと、余程の強い誘引がなければそうはならないだろう。畢竟、女性はより高収入の男に群がることになる。

 次いで容姿。これはもう論じるまでもないことで、ハンサムはモテる。ああ、ハンサムが憎い。しかし、女性は顔じゃない、性格だと主張する。現実にモテるのがハンサムなのに、なぜ女性は主観的に性格で区別しているというのかというと、男性のあなたがゲジゲジやアフリカツノガエルやアスワンツェツェバエやコモドドラゴンやクトゥグアを恋愛対象としないのと同じように、ハンサムではなくカネもない男は判定にかけられる前に失格になってしまって視界にすら入れてもらえなくなるのだ。

 しかし、考えても見て欲しい。ほとんどの人間は美男美女なのか。ほとんどの人間が大金持ちなのだろうか。否。断固として、否。反対にほとんどの人間は美形でもなければカネもないのである。

 小谷野敦が『帰ってきたもてない男』で指摘したとおり、恋愛なんて美男美女という特権階級がやるものなのだ。それなのに自由恋愛こそすばらしいということになると、あぶれる男女が溢れかえるのは理の当然である。

 前置きが随分と長くなってしまったが、そんな世の中に対してオタクにはオタクの言い様はある。そんな、オタクの、オタクによる、オタクのための二次元宣言こそ本書である。

 『帰ってきたもてない男』と大分話題が重なるが、同書で展開されていた自由恋愛社会は人を幸福としたかという命題をより噛み砕き、より具体的に述べているのが魅力だろうか。

 正直、かなりのゲテモノだろうと手に取ったのだが、論旨は明快だし取り上げる例はなかなか面白いしで、予想外に楽しむことができた。全てのアナログがデジタルに置き換わってきた以上、アナログ女(三次元)からデジタル女(二次元)へ男の趣味が変わるのは必定だなどという意見はまあ流すのが良いのだろうけれども、無視し得ない指摘が数多くあるように思う。

 まあ、二次元は男から見た理想の女を取り上げているわけで、二次元にはまるのは分からないでもないが。自由恋愛社会の到来は、どうしてもカネと優れた外見を持つ一部の者が独占してしまうし、そうなれば他の衆生も同じ道を歩むのは当然。結局、自由恋愛社会は帰結として愛ではなくカネ(か見た目)を前提として成り立つ打算の産物に堕したというのは一理ある。

 とはいっても、その前の社会がすばらしかったとはとても思えないが。

 思うに、この分野においては、ほとんどの人が満足する社会モデルなんて存在しないのではなかろうか。一部の昆虫のようにオスが極端に少なく、オスのほとんどがハーレムを持てるような社会では別かもしれないけど。

 この場合に恐ろしいのは、みんながハーレムを築いているのに自分だけ一人きりということではないか、と思う人も居るだろうが、大丈夫。安心して欲しい。そういう種では、漏れなくオスは交尾に奮闘してあっというまに死んでしまうから。

 実際の社会で理想とする生活をできないなら、理想を少なくとも脳内で築くことはできるわけで、生活のためにしなければいけないことが減れば減るほど理想を妄想する時間は長くなる。その結果、妄想を中心に生きていくことも容易になる。そして、そういう生き方は別に不幸ではない。

 例えの話だが、自分は夫婦円満だと思っていても、相手は退職金が出たら離婚しようと思っているかもしれない。そうであっても本人は離婚を切り出されて右往左往するまでは幸福な生活を送っていくだろう。これだって妄想に生きているのと、実は変わりがない。だとしたら、別に二次元という仮想の世界に幸せを見出すのも問題視すべきではなかろう。

 どうやら二次元趣味はいくところまで行ってしまうと三次元には興味がなくなるらしく(あるいは単に面倒くさくなるらしく)、「三次元なんかに興味あるか、ばーか」宣言なんてものもある。私は賛同しませんが。

 オタク=気持ち悪いとか、オタク=犯罪予備軍とのイメージを持たせようとする一部勢力への批判など、自分がオタ趣味を持たなくても読んでおいて損はないと思う。かなり面白かったのだが、書くべき内容に対して文章が長すぎるのが欠点。って、お前が言うな、と言われたら返す言葉がありません。

 なお、(間違う人はいないとは思いますが)これは非モテオタクが美女と付き合うことになったというフォークロア、電車男とは違うので間違いなきよう。
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未分類 | 2007/05/18(金) 23:38 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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