カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


宣伝目的以外のあらゆるコメント、TBを歓迎します。

↓ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してください。


にほんブログ村 本ブログへ


kids goo弾かれサイトですので閲覧はご注意を。頭が悪いのが伝染する恐れがあります。
notforkids.jpg

FC2カウンター
最近の記事
Tree-Arcive
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
巡回先

にほんブログ村 本ブログへ



うちの子も元捨て犬です。今はすっかり我が家の一員。甘えるのは下手だけどとっても可愛い子です。

Skywriterさんの読書メーター

ブロとも申請フォーム
ブロとも一覧
ブログ内検索
RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- | |

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

317冊目 やがて消えゆく我が身なら
やがて消えゆく我が身なら

池田 清彦著

角川書店 (2005.2)

\1,365

評価:☆☆☆☆☆


 構造主義生物学者で早稲田大学教養部教授である池田清彦さんのエッセイは(語彙の無さを顕わにするようで恥ずかしいが)凄いの一言に尽きる。何が凄いかというと、無駄に飾ることなく、身も蓋も無いことを言っていることである。自分が正しいことを主張していると信じる人間にありがちな高い視点から説得してくることもなく、ただ自分の意見を指摘しているのはなかなかできるものではない。私のように辺境の地のブログでダメな書評を書いていても自分を飾ろうとしてしまうのに。

 衒学的なてらいはない。どの文章も、中学生以上だったら分かる程度のものだし、複雑怪奇な論理構造も持っていない。いや、だからこそ分かりやすいのか。そのあまりの直接的表現に、時には反発を覚えることもあるが、その視点の確かさと説得力に目を見張ることにことになる。

(略)教育現場は今、明るく滅びつつある。全校生徒が明るくあいさつをして、塵ひとつ落ちていない校舎で、卒業式には全員直立不動で「君が代」を歌っている、なんてのは、どう考えても北朝鮮ではないか。完全にオワッテイル図である。
(P.229)


 というような一言に、私ははっとさせられる。全体主義が蔓延した社会からは確かにこの通りの映像が届けられる。しかし、その映像を美しいと思う人はいない。美徳であってもその美徳を全員が共有することを強制されたとき、そこには民主主義の姿はなくなっている。あるのは全体主義だけ。また、こう言って諭す。

 もう少し体の調子が良くなったら、もう少しお金ができたら、もう少し暇になったら。多くの人はそう思って、自分にとって最も大事なこともやらないで、時間だけはどんどん過ぎてゆくのである。しかし、もしかしたら、体の調子はこれ以上良くならず、お金は決して増えず、暇にもならず、気づいた時には不治の病を宣告されているかもしれないではないか。
(P.85-86)


 重要な指摘である。今の奴隷労働からは逃げたい気持ちが募る。そもそも真面目に働くのは未来を担保に今を犠牲にしているわけで、会社においてさしたる未来を夢見ているわけではない私が、自分のやりたことに費やせる時間のほとんど全てを犠牲にしてもしかたがない。中には仕事が趣味だと言う無趣味でかわいそうな人奇特な人もいるだろうけど、そういう人こそ上の指摘を考えてみて欲しい。

 こんな調子で、自然保護は金持ちの道楽だと断じ、趣味の昆虫採集を語り、労働や犯罪について意見を述べる。よくぞ言ってくれたと思うものもあれば、著者は何を言っているのだと思うものもある。しかし、どれも考えさせられるのは事実なのだ。そして、文章を与えるだけではなくて、読者に考えさせるというのは実は大変なことなのだ。それは、主題がきちんとしていないといけないし、自分の主張が無ければいけないし、そして他人の心に賛同にせよ反発にせよ、なんらかの波風をたてなければならないのだ。笑って楽しいというのではなく、刺激される楽しみがあるという点で、とても面白いエッセイである。
関連記事
スポンサーサイト

エッセイ | 2007/05/10(木) 23:14 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。