カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


宣伝目的以外のあらゆるコメント、TBを歓迎します。

↓ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してください。


にほんブログ村 本ブログへ


kids goo弾かれサイトですので閲覧はご注意を。頭が悪いのが伝染する恐れがあります。
notforkids.jpg

FC2カウンター
最近の記事
Tree-Arcive
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
巡回先

にほんブログ村 本ブログへ



うちの子も元捨て犬です。今はすっかり我が家の一員。甘えるのは下手だけどとっても可愛い子です。

Skywriterさんの読書メーター

ブロとも申請フォーム
ブロとも一覧
ブログ内検索
RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- | |

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

265冊目 野中広務差別と権力
野中広務差別と権力

魚住 昭〔著〕

講談社 (2006.5)

\730

評価:☆☆☆

 もうすっかり過去の人となった野中広務についての評伝を手に取ったのは、魚住昭の名を見出したからである。彼の著書はかつて本ブログでも過去に紹介した『特捜検察の闇』、陸軍の参謀から伊藤忠に入りインドネシア賠償ビジネスを取り仕切った瀬島龍三を追った『沈黙のファイル』、新聞と権力とのあり方を良くも悪くも決定的に変えたナベツネの姿を明らかにした『渡邉恒雄』の3作を読んだことがある。いずれも確かな取材と緻密な構成により迫力を感じさせたものだ。過去の人を眺めてみるかとの私の思惑は、図らずも現在の政治の枠組みの裏面史を解きほぐしてくれる本への出会いにつながった。

 権謀術数を駆使し、対立相手を容赦なく潰してきた強面の政治家、野中広務。彼の出自から権力争いで小泉に敗れて引退するまで、まさに彼の政治生活全てを対象として、しばしば闇に隠れがちな政治家の姿を明らかにした功績は大なるものがある。特に野中が自公連立や自民党の下野に始まる政治再編の渦中にあり、多くのシーンで重要な役割を演じてきたからには。

 本書から明らかになる野中の姿勢は、鵺のようなものと言わざるを得ない。野中には確固たる思想や信条はなく、あくまでも調停者としてその本領を発揮してきた。保守から革新へ、そして革新から再び保守へという政治的立場の変遷に留まらず、沖縄問題での対応のあり方や創価学会との合従連衡に有能な調停者としての野中の辣腕が光る。

 しかし、それは光らせるべきものなのか、疑問が残って仕方がない。もちろん、リアル・ポリティクスの中で自分を守りつつのし上がるには調停能力が必要なのは当然だ。しかし、守るべきものがないのに調停だけしてどうなるというのか。自分のヴィジョンを現実に移すために奮起するのではなく、時代の潮目を見て裁定を降すのは、なにも中央政界の政治家に任せなければならないような仕事ではないように思えてしまう。

 それにしても本書から明らかになる近年の政治の世界における激動には目を見張るものがあった。しばしば小沢一郎を中心にして語られるこの時期が、野中の側から語られることで複雑な世界を理解する端緒を与えてくれるものがある。また、個々の話にも驚くべきもの、政治への憂慮を持たずにはいられなくなるようなものも多々ある。

 自公連立に絡む闇として、公明党顧問の藤井富雄が山口組系暴力団組長の後藤忠政の密会ビデオの話題は衝撃でもあった。国の政治を担うべき政党が裏で暴力団と結びつき、支持母体の宗教団体へ便宜を図るというのは余りにも醜悪である。また、元学会幹部の岡本の証言にもあの恐るべき団体が宗教から離れて政治への容喙を通じて権力を振るう様が見て取れ、暗澹とした思いにさせられる。中でも学会との連携では政治と宗教が結びついた際の恐るべき姿を垣間見ることができる。

「学会には国会議員のブラックリストがあるんです。誰がどこでどう発言したか、どんな反学会の動きをしたかが全部記録されている。それをもとに『この議員は敵性です』と一言いえば簡単にその議員を落選させられる。(略)こうなると議員たちは二度と学会を批判しなくなり、学会批判は政権のタブーになっていくんです」
p.334より


 さすが、フランスなどから公式にカルト認定されている団体は違う。稀代の愚策、地域振興券の実施は公明の浜四津が提出し、自公が協力体制を保ち信者の支持を得るためだけに行われた。その渦中にも野中がいた。7000億円に及ぶ支出はもちろん国民が支払ったわけだが、その効果は?自公の絆が強まっただけで経済の好転には全く結びつかなかった。国民の金を使って権力者たちが連携するための手段とするとは呆れて物が言えない。

 だが、その一方で彼は自らが被差別部落出身だとの来歴を隠すことなく差別と戦ってきたことは認めなければならない。麻生太郎が「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」と発言したことを彼は赦さなかった。その怒りは我々も共有しなければならない。政治の中にまで色濃く残る差別意識は、決してこの国を棲みやすいように変えていきはしないだろうから。あるいは、ハンセン病の訴訟で前例なき“控訴せず”を導き出したのも野中だった。弱者に向ける彼の真摯な目線には注目すべきだろう。

 現在が過去の上に成り立っていることを考えると、野中が引退したからといって彼の評伝が直ちに時代遅れになるわけでもないことに改めて気付かせてくれた。“抵抗勢力の領袖”としてだけではなく、権力に生き最後は悄然と表舞台から姿を消した政治家のあり方に私の理想は重ならなかったが、それでも彼の評伝を読めたことは幸いだったと思う。
関連記事
スポンサーサイト

ノンフィクション | 2007/02/07(水) 23:03 | Trackback:(1) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

オフイス・マツナガです。TBさせていただきます。これは、ブロガーさんにアンチョコとしておすすめの一冊。うちのボスとは、長年の友人というか、大先輩で、ある時は戦友、あるときライバルとして活躍された橋本伸さん。正規の日本共産党の党員で、赤旗編集局の顔として活
2007/03/06 Tue 14:01:34 | 現役雑誌記者による、ブログ日記!


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。