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239冊目 ガイアの復讐
ガイアの復讐

ジェームズ・ラブロック著 / 秋元 勇巳監修 / 竹村 健一訳

中央公論新社 (2006.10)

\1,680

評価:


 著者のジェームズ・ラヴロックはガイア説の提唱者として広く知られている。では環境分野の人物なのかというとそれは違う。彼は化学者で、偉大な発明者でもある。
 
 彼がガイア説をひらめいたのは、地球の大気に酸素とメタンが安定して存在していることから。酸素は高い反応性を持つので、通常メタンと同時には存在できない。それなのに大気中の酸素-メタンバランスは恒常性をもっているのはなぜか。ラブロックが考えたのは、地球を一つの生物とし、生物が自分の体を一定の条件に保つように地球もまた同じような調整を行っているのだ、ということ。
 
 ガイア説はその巧みな隠喩によって科学の世界を離れ環境に興味を持つ人々(なかでもしばしば過激な環境原理主義者)から支持を受けた。皮肉なことに、科学者たちは地球を生物と見做す隠喩を隠喩としては捉えなかった結果として猛烈な反対を行うことになる。不幸の始まりだろう。
 
 しかし、ガイア仮説は使い方によってはとても役に立ちそうだ。地球を人間に喩えることで表層の滋養が失われることがどれほど大きな影響を持ちうるのかを説けば、多くの人には化学的な説明よりも遥かに説得力を持つだろう。だからラヴロックはガイア説に固執する。私から見ればちょっとやりすぎに見えるほど。
 
 世間に余りにもラヴロックの誤解が広まってしまっているからこそ、ラヴロック本人の言はより価値を持つ。本書を読めばラヴロックが頑迷な環境主義者などでは決してなく、地球の熱収支に鋭敏な優れた化学者であることが分かるだろう。
 
 科学の世界に身をおきながら環境にも多大な関心を持ち、バランス感覚に優れるとなると並大抵の才能ではとても対応できない。しかしラヴロックはその数少ない才能の持ち主である。本書には科学と技術が作り上げた現代文明に対するイチャモンは無く、ラヴロックが熟慮の結果としてたどり着いた提案に満ちている。これができる人がどれほどいるだろうか。
 
 猛烈な反応性によって明らかにがんを引き起こしているだろう酸素に囲まれながら、ようやく検出できる程度の発がん性物質の脅威を煽ることの当否、原子力を使うことの必要性、化学物質を余りに忌避しすぎる”環境負荷が少ない”と信じる行為による環境破壊など、学ばされることは多い。環境問題に興味がある方は是非一読されることをお勧めしたい。
 
 ただ、私としてはラヴロックがあまりにも生物による地球環境の恒常性維持に注力しすぎているのが気になる。実際には炭素の循環という無機的なシステムによっても地球環境の恒常性は保たれているわけで、それに言及があっても良かったように思われてならない。また、チェルノブイリ後の死者がわずか数十人であるということは述べるが、若年層で甲状腺がんの発生率が高まったことには触れられていないのが残念。そうしたデータがあってこそ冷静な思考ができるのだから。

 なお、チェルノブイリの影響についてはチェルノブイリ事故の健康影響に詳しい。興味がある方はこちらにも是非目を通して欲しい。
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その他科学 | 2006/12/16(土) 11:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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