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15冊目 失われた恐竜をもとめて 
失われた恐竜をもとめて

ウィリアム・ナスダーフト著 / ジョシュ・スミス著 / 奥沢 駿訳 / 真鍋 真監修

ソニー・マガジンズ (2003.8)

\1,890



新・恐竜論

ヒサ クニヒコ著

PHP研究所 (2004.3)

\1,995

評価:☆☆☆☆☆

 今回は豪華に(?)恐竜の本を2冊紹介。1冊目は、恐竜の発掘にまつわるフィールドの仕事で、2冊目は恐竜論である。どちらに興味が惹かれるかは人それぞれなのであろうが、一般受けとしては後者のほうだと思われる。なぜなら、恐竜の図版がいっぱいあるからである。

 さて、失われた恐竜をもとめて  最大の肉食恐竜をめぐる100年の発掘プロジェクトは、1911年に物語が始まる。ドイツ人古生物学者、エルンスト・ストローマーが世界でも稀な巨大肉食恐竜である、スピノサウルスの化石を発見したのだ。しかし、その骨は苦難の道を歩まされる。一次大戦の影響で、ドイツに骨を送り返すことができない。ようやく送り返したら骨は砕け散っていて、ストローマーの偉大な努力によって復元されるや、今度は二次大戦の魔の手が迫る。ストローマーの懸念は現実のものとなり、空爆によって化石は永遠に失われることになってしまった――。それから100年ほど後、今度はアメリカの若き古生物学者たちが、失われたスピノサウルス再発見のためにエジプトの漠たる砂漠に降り立った・・・

 本書ではこの二つのグループの軌跡を、時に時間を行きつ戻りつしながら追いかけている。実際の化石探査がどのようなものなのか。研究者はなにを求めているのか、そしてどのような人々なのか、ということが余さず語られる。準備段階の苦労、発掘時の苦労、発掘後の苦労など、化石を眺めているだけでは分からないものが垣間見えて面白い。

 2冊目の新・恐竜論  地球の忘れものを理解する本は漫画家であるヒサクニヒコによる、恐竜を等身大の生物として記述しようという試みである。恐竜は温血動物だったのか冷血動物だったのかという論争があるが、その冷血動物説に無理があることを指摘したり、恐竜の中で最も人気のあるティラノサウルスの捕食者説と腐肉漁り(スカベンジャー)説のどちらがもっともらしいのか、など面白い話題が多い。恐竜の模様はどうなっていたか、など今となっては誰にも立証できないことも、生活様式などからどのような姿が自然であるかというところまで踏み込んで議論していたりするのは非常に面白い。ただ、進化論に関してはちょっと違うんじゃないかな?という点も散見されるが、そのあたりは実際に読んで突っ込みを入れて欲しい。

 この本をもっと魅力あふれるものにしているのは、その図版の多さであることは間違いないであろう。表紙からして肉食恐竜の化石の前を様々な恐竜が横切っているイラストである。挿入されている絵や写真もフルカラーで、おまけにスペースをけちっていないので細部もよく分かる。専門家顔負けの恐竜マニアには向かないだろうが、多くの恐竜好きを満足させるできではないかな?と思う。
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地球史・古生物・恐竜 | 2004/05/10(月) 10:36 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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