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176冊目 アメリカの原理主義
アメリカの原理主義

河野 博子著

集英社 (2006.7)

\714

評価:☆☆☆☆


 原理主義、と聞くと多くの方が思い浮かべるのはイスラム教原理主義ではなかろうか。アメリカの同時多発テロ、アフガニスタンを支配していたタリバン、核開発を巡ってアメリカと対立を続けるイスラム国家イラン、そしてイスラエルと闘争を繰り広げるヒズボラ。イスラムの原理主義について話題は事欠かなかった。
 
 その一方で、アメリカの原理主義は語られてきただろうか。一部の関心がある方にしかアメリカにおける原理主義は問題視されず、極端な人々が唱える少数意見に過ぎないと思われてきたのではなかろうか。
 
 しかし、アメリカはピューリタンによって建国された国。キリスト教の原理主義とでも言うべき人々が多数いるのが実情である。著者は多くの取材を通して、この原理主義運動が今のアメリカの政治を動かしていることをあぶりだす。
 
 アンケートによると、アメリカ人のほとんど全てはマリアの処女懐胎を信じている。天使の実在も信じている。良くも悪くもキリスト教が社会の根底にあり、アメリカを特徴付けるものになっている。
 
 その結果、極端な話でハリー・ポッターが流行すれば、魔法などは悪魔が使うものだから魔法に対するわずかな好意的解釈は赦されないと反発する勢力がいる。
 
 思わず笑ってしまうかもしれないが、それがアメリカの現実である。処女懐胎は、”「若い女」マリア”と書いてあるのを翻訳する際に”「処女」マリア”と訳してしまったのが起源で初期のキリスト教徒の誰一人として処女懐胎など主張していなかったというのに、今では処女懐胎こそアメリカの常識なのである。
 
 アメリカの原理主義は少なからずキリスト教原理主義である。そのため、原理主義においては宗教的右派が中心的な役割を担い、ブッシュJr.政権はその尻馬に乗っている、という意見も聞こえてくる。2004年の大統領選挙では、ブッシュは確かに宗教的な価値観を訴えて戦った。その結果、都市部以外のほぼ全ての選挙区を押さえての勝利につながったのは事実である。
 
 しかし、著者はそんな見方には賛同しない。宗教的右派と政治的右派は接点も持ちながら別個の運動であることを丁寧に描き出す点は大変興味深い。
 
 また、妊娠中絶の是非を巡って争ったロウ対ウェルド事件で、原告の女性は中絶賛同派に利用されただけとの不満を抱き、後に中絶反対派に”転向”するなど、リベラル派が社会の支持を失っていった経緯を描き出しているところも面白い。
 
 保守派がなぜ力を持ち、リベラルが力を失ったのか。また、アメリカ政治の背後にある複雑な思想の絡みを原理主義という切り口で上手く纏め上げている名著であると思う。


 なお、本書はish☆走れ雑学女ブログ にあるこちらの記事を読んで購入しました。本も面白かったのですが、このブログの文章も大変に面白かったので、もし興味を持たれたら是非訪れてみてください。
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ノンフィクション | 2006/08/17(木) 21:03 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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