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1596冊目 残夢整理―昭和の青春
残夢整理―昭和の青春 (新潮文庫)残夢整理―昭和の青春 (新潮文庫)
(2013/01/28)
多田 富雄

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評価:☆☆☆☆


 ざんむせいり。通常であれば、残「務」整理と書くべきところを、「夢」としているのに気がついて手に取れば、それは『免疫の意味論』で専門家以外の人々の間でも高い評価を得た多田富雄さんの本だった。

 生きることは、死を見つめ続けることに他ならない。親しい人の、そして、自分自身の、死を。

 本書は、著者が自分の前を通りすぎていった死者のことを、深い愛惜と共に語ったエッセイである。それは親族であったり、学生時代の友人であったりと、実に多様だ。共通するのは、著者が彼らと深く付き合ったこと、そして全編を通じて流れる重苦しい雰囲気である。

 温かみに溢れながらも、どこか死の香りを漂わせる冷たさを感じさせる文章。そう感じながら読み進めていって、後書きに辿り着いた時、その理由がはっきりした。

 この短編を書いている最後の段階で、私は癌の転移による病的鎖骨骨折で、唯一動かすことができた左手がついに使えなくなった。鎖骨を折ったことは、筆を折ることだった。書くことはもうできない。まるで終止符を打つようにやってきた執筆停止命令に、もううろたえることもなかった。いまは静かに彼らの時間の訪れを待てばいい。昭和を思い出したことは、消えてゆく自分の時間を思い出すことでもあった。

(p.228より)

 病に侵されながらも執筆を続けた著者の、絶筆であった。唯一動く左手で、時間をかけて紡いだのは、共に生きた人との思い出であるのと同時に、死を受容するためのものだったのだ。失われた人への寂寞とした感じ、消えゆかんとする自らの生が、どこか重低音らしく全編を漂っていたのも不思議なことではなかったのだ、と納得した。

 旧制高校時代、そして大学時代の悪友たちとの交流。親戚。学問の師。それに、親しく付き合うことになった能楽師。ある者は自ら死を選び、またある者は若くして病に倒れた。だが、誰もが自分の中の、名状しがたい何かに突き動かされていた。

 医学部に進みながら文学関係者とも親しく交わり、能にも深くのめりこんだという著者の懐の深さが、彼らのとの親交を産んだのかもしれない。

 これほどにも深く他人と付き合った著者を、羨ましく思えてならなかった。そして、このような文章の名手を失ったことが残念でならない。いつか、また他の本も手にとってみよう。


関連書籍:
免疫の意味論免疫の意味論
(1993/04)
多田 富雄

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エッセイ | 2014/12/09(火) 23:27 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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