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1556冊目 2100年の科学ライフ
2100年の科学ライフ2100年の科学ライフ
(2012/09/25)
ミチオ・カク

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評価:☆☆☆☆☆


 2100年、人類はどのような暮らしをしているだろうか?

 これまでも様々な専門家が様々な未来を予想し、そして無残に敗れ去ってきた。いや、そう言ってしまっては、事実を見誤る。幾つかの予想は、まるで未来から来た使者の預言ででもあるかのように、正確に未来を言い当てた。

 例えばジュール・ヴェルヌ。彼が予想した月への旅は、打ち上げ地点、宇宙船の乗り込むパイロットの人数、旅行にかかる時間、海に着水するという帰還方法を恐ろしいまでに当てた(打ち上げ地点は近傍、という意味でだが)。あるいは、レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼のスケッチした空をとぶ乗り物は、彼の生きた時代にはまだ存在しなかった技術さえ用いることができれば、きちんと空を飛べるものであったという。この2人は本書でも紹介されているが、ここに静止衛星を予言したアーサー・C・クラークを加えても悪くなさそうだ。

 彼らが他の人々と異なっていたのは、科学についての深い洞察を持っていたからである。2100年の未来を予想するのにも、科学を知っていなければならない。そして、著者にはその資格があると言えよう。なにせ、ニューヨーク市立大学の理論物理学教授であり、サイエンス・チャンネルのテレビ番組製作にも深く関わっているというのだから。

 未来を覗く旅の最初は、情報科学について。つい先日、『第五の権力---Googleには見えている未来』でも情報化が語る未来像を覗いたわけだが、本書は更にスケールが大きい。

 この情報科学と深く密接した形で、人工知能が発達する。それは医療の姿を変えるだろう。未来の技術であるナノテクノロジーを概観し、そして一番の懸念であろうエネルギー問題へと進む。人類の文明を永らえさせるには膨大なエネルギーが必要で、化石燃料や核燃料といった、埋蔵量が限られた資源に依存し続けることができない、という指摘は重い。

 続いて、宇宙を眺める。生命の存在しうる天体、宇宙開発と、夢が膨らむ。未来のロケットの話もあるにはあるが、なんといっても目玉は火星のテラフォーミングと軌道エレベーターであろう。後者は『天に梯子を架ける方法―科学奇想物語』にもあった、夢の技術だ。

 また、ここでは外宇宙の探査としてナノテクノロジーを用いた方法が熱く語られる。どでかいロケットを光速に近づけるのはエネルギー的に厳しい(本書はそれでも果敢に挑戦している)が、ナノサイズであれば、簡単に亜光速を出せる。これらを大量にバラ撒くのは悪い方法ではないと思われる。随分前に読んだ『無限アセンブラ』が、それを使った話であった。

 科学や技術が進めば、社会も変わる。宇宙の話の後は、一転して人類社会の展望についてだ。富や文明を語るところでは、歴史の大まかな流れをばっさりと科学中心に切り取り、短い文章で来し方を明らかにする腕には圧倒される。

" 第一の力は重力で、われわれを大地につなぎ留め、太陽の爆発を防ぎ、太陽系をひとつにまとめている。第二の力は電磁力で、街に明かりを灯し、発電機やエンジンを動かし、レーザーやコンピューターの動力源となっている。第三と第四の力は弱い核力と強い核力で、原子核のまとまりを保ち、天の星を輝かせ、太陽の中心に核の火を生み出している。(略)
 そうした力がひとつずつ物理学者の手で解明されるたびに、人類の歴史が変わった。(略)"

P.376より引用

 このように、実に簡潔に4つの力の働き方とそれが人類史に与えた影響を解説してくれているのに感銘を受けた。科学や技術にも限界はあるけれども、これほどまでに人類を幸せにしてきたものは他にないだろう。

 この本では、限界を限界と指摘しながら、ポジティブに未来を語っている。悲観論者が歴史を作ったことはない。夢が沢山詰まっていて、読んでいてとても楽しい。確かにマンガやSFが描いた未来はまだまだ遠いが、1900年ごろの生活と今を比べてみれば、余りの様変わりに愕然とする程だろう。

 本書で描かれる魅惑的な未来にも興味があるが、今既にできている技術の凄さにくらくらする。自分が如何にものを知らないかが鮮明になって、ちょっと悔しいのとまだまだ知るべきことが山ほどあることに嬉しくなるのと、複雑な気持ち。

 しかも、扱う領域は科学や技術だけではない。なんとなれば、こうした進歩は文明にも影響を与えるし、それは巡り巡って政治や社会を変える力となるのだ。加えて、高度に文明化された社会を維持するためには、労働者の質も様変わりする必要がある。となれば、労働者の質を高めるために教育は更に重要なものとなるだろう。

 単なる技術予想にとどまらず、エネルギー問題、教育問題、政治問題まで広く論じているところが余計に刺激的だ。今を生きる身には、こうした分野でまだまだ問題が山積しているように思えるのは事実であるが、長期レンジで見れば、恐らく本書の指摘通り、社会は変革を余儀なくされる。そう思わせるだけの説得力があった。

 未来に近づくのが楽しみになる、そんな一冊。人類社会がどうなるのか、短期的、中期的、長期的に分けて記してあるのも嬉しく、我々自身の思考の訓練にも役立ちそうだ。科学だけではなく、技術に興味がある方にも是非ともお勧めしたい。


関連書籍:
第五の権力---Googleには見えている未来第五の権力---Googleには見えている未来
(2014/02/21)
エリック・シュミット、ジャレッド・コーエン 他

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天に梯子を架ける方法―科学奇想物語天に梯子を架ける方法―科学奇想物語
(2000/04)
ジェイ イングラム

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無限アセンブラ (ハヤカワ文庫SF)無限アセンブラ (ハヤカワ文庫SF)
(1995/11)
ケヴィン・J. アンダースン、ダグ ビースン 他

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その他科学 | 2014/10/22(水) 23:40 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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