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1545冊目 大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか
大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか
(2008/01)
ガブリエル ウォーカー

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評価:☆☆☆☆☆


 科学書コーナーを巡っていて、著者の名前に目が止まった。ガブリエル・ウォーカー。どこかで目にしたことがあるぞ!私の脳が高速に検索を始める。だがしかし、我が灰色の脳細胞はやはりポンコツであった。ようやく著者の正体に気がついたのは、著者来歴の過去の著作リストで、『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』を見つけた時であった。あの面白い本を書いた人なら、こちらも期待できるぞ!

 地球が火の玉状態を終えるのとほぼ同時に、生命の誕生が起こったようだ。それを見ると、生命の誕生は実にありふれた出来事のように思える。しかし、生命に何が必要かを考えていくと、地球が幾重にも生物を守るバリアを用意してくれているかのような錯覚に陥ってしまう。

 とんでもない冒険的な行為から、本書は幕を開ける。遥か遥か上空からのダイビング。その高さ、なんと、約31キロ。私のような高所恐怖症の人間には、想像するだけでも胃が縮み上がるような行為だ。しかし、ちょっと考えてみて欲しい。地球の生命は、たったこの31キロの層で守られていると言っても過言はないのである。地球の半径6400キロから比べたら、20分の1にも満たない、薄皮一枚で。

 本書がまず教えてくれるのは、熱について、である。実は、太陽からの熱と放射性物質の崩壊熱だけが熱源だとすると、地球の温度はもっと遙かに低くなる。水は液体として存在することは無く、従って生命の誕生もありえない。今の地球が液体の水を持つ環境なのは、水蒸気を始めとする温室効果のおかげだ。

 そこに辿り着くまでに、迂遠とも思えるような話の持って生き方をする。大気が実態を持った何かであることをはっきりと示したボイル(ボイルの法則のあの人)、今も大気圧の単位にその名を刻むトリチェリから、酸素を発見したプリーストリー、彼の乱雑な実験をより内容を深めた人物であり、フランス革命で断頭台の露と消えたラボアジエと言った、科学史に残るビッグネームが続々と出てくる。特に、ラボアジエは化学の父とも呼ばれるのだが、彼が処刑されるに至る事情にまで踏み込んでいるので、科学史に加えて伝記の側面もしっかり持っている感じだ。

 酸素の発見と比べると、二酸化炭素の発見史はもっと知られて良いだろう。ジョゼフ・ブラックやスティーブン・ヘイルズといった人物が取り上げられているのだが、恥ずかしながら名前を知らなかった。彼らが動物実験や燃焼実験を繰り返し、二酸化炭素を見つけて行った歴史は、今や中学生でも当たり前にやる実験の裏に天才たちの深い洞察に満ちた発見の歴史があったことを教えてくれる。

 だが、何と言っても知られていないのはウィリアム・フェレルだろう。彼は、地球規模での熱循環について、多大な発見を為した人物である。本書が面白いのは、彼の話題に辿り着く前に、コロンブスの新大陸発見という、大気とは全く関係のなさそうな人物を持ってくるところだ。そして勿論、コロンブスは単なる脱線ではない。ともすれば無味乾燥な事実の羅列になりがちなノンフィクションを最高級に面白い傑作とするために不可欠な優れた導入部なのである!

 気がつけば、複雑な熱循環の概要を知ることができているのは何とも嬉しい。

 地球の平均気温の推移が、二酸化炭素濃度と綺麗に歩調を合わせているという指摘は良い。しかし、それを書くなら、"二酸化炭素濃度が変わるのは平均温度が変わってから"という事実も書いて欲しかった。こちらは実に簡単なメカニズムで、気温が上がると海に溶け込んでいる二酸化炭素が大気中に放出される(気温が下がった場合には溶け込む)ためである。セレブな皆様なら、シャンパン(スパークリングワインなんてケチなものではなく)、私のようなブルーカラーならビールを思い浮かべれば良い。ぬるくなるとすぐ炭酸が出てくる、あの現象が地球規模で起こるという話だ。

 後半は、宇宙に満ちた脅威から大気がどれほど生命を守ってくれているかを教えてくれる。そこには、3つの層が絡んでいる。有害な紫外線から地球を守ってくれるオゾン層、X線で細胞が焼きつくされるのを防いでくれる電離層、そして大量の放射性物質の侵入を防ぐヴァン・アレン帯である。

 これらも、また実に面白い!オゾン層のフロンによる破壊についてはジェームズ・ラブロックが否定側にたったというのも面白い。権威だのなんだのから自由だった彼らしくないように感じもするが、ガイア仮説が行き過ぎて環境は強力な復元力を持つと信じていたのであれば無理からぬ気もする。

 電離層では、何故かマルコーニの話になる。無線を発明した技術者である。そして、その使われた1つの例として、悲劇の豪華客船タイタニック号も深く取り上げられているので読み応えがある!まだ定められたばかりのSOSを無線で発したことが繋がるのだ。そして、なぜ無線が地平線や水平線を超えた彼方にも届くのか、という疑問から電離層に話を持っていく。

 勿論、ヴァン・アレン帯についてはヴァン・アレン教授のイキイキとした好奇心や、オーロラについても話題がでる。

 本書で語られるのは、発見の歴史であり、科学者の生き様であり、知の興奮であり、大発見を前にした政治的・社会的な動きであり、そしてなによりも、地球が奇跡のようなバランスの上に成り立っているという事実である。勿論、大数の法則で説明のできることなのであろうが、だからこそ、より一層、地球の貴重さを感じられてならない。読んで楽しく、得る知識は多い。一級の科学書である!
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環境 | 2014/10/05(日) 19:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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