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1432冊目 法医学現場の真相――今だから語れる「事件・事故」の裏側
法医学現場の真相――今だから語れる「事件・事故」の裏側 (祥伝社新書200) (祥伝社新書 200)法医学現場の真相――今だから語れる「事件・事故」の裏側 (祥伝社新書200) (祥伝社新書 200)
(2010/04/01)
押田 茂實

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評価:☆☆☆☆☆


 不審な死を遂げたもの言えぬ死体に残された痕跡から死因を明らかにする法医学。その性格上、事件が起こった時には犯行の態様を明らかにすることで犯人逮捕に力を発揮し、事故現場では遺体を遺族に返すために奮闘する。

 そんな仕事に従事してきた著者が、今だから語れるという話題を多く取り上げ、法医学がどのようなものなのかを教えてくれる。

 話題が実に豊富であることにまず驚く。目次から章立てを拾ってみよう。

第一章 DNA鑑定最前線
第二章 殺人事件の真相
第三章 大災害の現場から
第四章 「医療事故」解析の足跡

 DNA鑑定といえば、つい先日、袴田事件での実にインチキな証拠の捏造が指摘されていたが、本書を読むとあれは将に氷山の一角のようだ。他にも足利幼女殺人事件、大分みどり荘短大生殺人事件、東電OL殺人事件等の冤罪とされた事件にもかなりのページが割かれているのであるが、読むと怒りが沸々と湧いてくる。

 証拠は、被疑者が真犯人ではないことをしっかり示していた。きっと、それを認識していた検察官は沢山居たはずだ。それなのに、まるで間違いを糊塗するかのようなことをしてきたのである。しかも、裁判官もそのデタラメな証拠を吟味せず、検察の作り上げたストーリーに乗って安易に有罪判決を出してきた。その背景も記されているが、唖然とするばかり。今では技術が進んでいて同じことは起こらないようだが、警察も検察も幾らでも卑劣なことをやるということは知っておくべきだろう。裁判官の無能も。(裁判官に関しては有罪率を見ただけで異常であることはどんな莫迦にでも分かる)

 その結果、何が起こったのか?大きな害は3つ。1つは、犯人でもないのに自由を奪われ、時に死刑の恐怖を味合わなければならない人を生んだこと。次に、真犯人を野放しにしてしまったこと。そして最後に、その他大多数の真面目な検察官の信頼すらも失墜させたことだ。

 事件についての記述は腹が立つことが多かったが、事故についてはもう頭を下げることばかりだ。日航機123便の事故では御巣鷹山から引き上げられてきた大勢の方の遺体の身元を特定すべく、50度を超える体育館で奮闘した。あるいは阪神大震災でも、多くの苦難を乗り越えて活躍されてきたようだ。

 これらの貴重な記録を残し、後世のために役立てようとする著者の心意気には本当に頭がさがる。

 終章の医療事故は、ちょっと浮いているように見える。しかし、こちらは著者がライフワークとして取り組んできたことで、これもまた記録を残そうという思いから出ているとのことで、納得した。

 法医学者がどれほど重要な存在か、実感させてくれる本。卑劣な犯人を捕まえ、不幸にして亡くなられた方を遺族へ返す彼らの活動を知るにはうってつけの一冊だ。また、近年冤罪とされた重大事件がどのようなものかを知るのにも向いている。これは、著者が警察や検察内部の人間ではなく、私立大学に属していたからこそ出来たことかもしれない。そう思うと、国の力が強すぎるのも考えもの、というところにまで考えが及ぶ。社会のあり方まで考えさせる貴重なノンフィクションである。
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ノンフィクション | 2014/05/04(日) 23:20 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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「味わう」の変化だから「味わわなければならない」が本来の表記なのだが、編集者の校正を経ないインターネットでは、既に「味あわなければならない」という表記が珍しくなくなった。
それでもSkywriterさんのBlogでこの表記を目にするとは、思わずちょっと驚いてしまった。
「味あわなければない」が辞書に載るのも遠くないかもしれない。

2014/05/10 土 00:55:35 | URL | B46 #qbIq4rIg編集
> 「味わう」の変化だから「味わわなければならない」が本来の表記なのだが、編集者の校正を経ないインターネットでは、既に「味あわなければならない」という表記が珍しくなくなった。
> それでもSkywriterさんのBlogでこの表記を目にするとは、思わずちょっと驚いてしまった。
> 「味あわなければない」が辞書に載るのも遠くないかもしれない。

B46さん、確かにご指摘の通りですね。お恥ずかしい。。。
2014/05/10 土 12:39:27 | URL | Skywriter #-編集
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