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評価:☆☆☆☆


 1950年台のソ連では、激動としか言い様がないほどの激しい変化が社会を揺るがしていた。1953年にスターリンが死去し、その権力はフルシチョフが継承する。そして1956年、彼は突如としてスターリン批判を発表、スターリン体制で行われた数々の非道な行為を白日の下に晒した。

 それは同時に、ソ連の圧政に苦しむ東側の人々へ自由の到来を予想させた。同年、ハンガリーでは大規模な反ソ連の蜂起が起こる。しかし、ソ連はそんな背信を許さなかった。直ちに戦車隊がハンガリーを制圧、ナジ・イムレ首相は処刑される。蜂起は、西側からも見捨てられたのだ。所謂、ハンガリー動乱である。

 一方、ソ連では諜報機関が名称や規模を変えながら、隠然たる勢力を保持し続けた。チェーカー(反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会)がやがてKGBへと改組されるのが1954年のことである。ただし、強制収容所の余りの多さに『収容所群島』とも皮肉られた状況は、やや改善を見せたのは事実だった。

 つらつらとこんなことを書いてきたのも、本書を理解するにはこの辺りの流れを知っていなければならないからだ。全く、なんという小説だ(笑)

 主人公は、前作『チャイルド44』で、まさかチェーカーの隊員が主人公の物語が出るとは!と世間を驚愕させたレオ・デミドフ。前作のラストシーンを引き継ぎ、新たに生まれた殺人課で活躍している。子供を産めない体の妻と2人の養子。幸せな生活のはずだった。

 印刷工殺人事件の現場に向かったレオは、それが殺人ではなく、自殺を殺人に見せた偽装であることを一瞬で見抜く。そして、彼の慧眼は、気がかりなものを見逃すことはなかった。自殺した印刷工が最後に組んでいた文章のうち、"エイへは拷問を受け"という短い言葉が残されていたことがそれだ。

 ソ連のおぞましい闇い過去。そして、それ同時にレオの闇い過去でもあった。チェキストだったレオは、何人もの人間を反革命分子として捕らえることで大粛清の一翼を担っていたから。

 印刷工は、元チェーカーだった。どうやら何者かが、彼を自殺に追いやったのだ。レオの元上司が脅迫に屈して自殺するに及び、ある可能性が浮上する。これは、チェキストへの復讐なのではないか、との。

 レオが初めてチェキストとして深く関わったある逮捕劇がその奥に見え隠れてしていた。

 読者には、安易な勧善懲悪など与えられていない。チェーカーといえば、民衆の弾圧に当たった恐怖の存在であった。ほんのちょっとした言動が、死や強制労働に結びついた。無実にも関わらず辛酸を嘗めることを余儀なくされた人々が、彼らに復讐したいと思うのは行けないことだろうか?

 そして、もう一つの深い断絶がある。しかも、家庭内に。養子のゾーラは、レオを両親の敵であると思っているのだ。ゾーラは、目の前で両親を殺されている。レオは、それを止めようとした。しかし、彼はその場のリーダーでもあった。罪滅ぼしとしてゾーラの愛情を勝ち得ようとする心は、しかし少女に見ぬかれていたのだった。

  強制収容所への潜入を含め、次から次へとレオを苦難が襲う。レオを狙うのは何者なのか。何が狙いなのか。彼は安寧の日々を手に入れることができるのか。激動期のソ連という、舞台にしにくい時代と国を、上手く表現しているのには相変わらず脱帽だ。

 官僚機構の壁やら何やらで、危機が去ったと思えば新たなるピンチがやってくるので、一度読み始めたらなかなか読むのを止めるのが難しい。

 ただ、これが1冊であればハラハラドキドキで済んだかも知れないが、上下2冊分、一難去ってまた一難を繰り返されると、ドキドキするのに飽きてくるというのは否定出来ない(苦笑)。

 また、前作ではチカチーロをモデルにした殺人犯を捕らえることが目標だったが、今作では遥かに大きなことがテーマ(ネタバレになるので明かしません^^;)で、壮大になった分だけご都合主義も感じられてしまうのはちょっと残念だ。

 それでも十分に面白かった。次作でレオを主人公にした物語は最後のようなので、読んでみようと思う。


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その他小説 | 2013/09/04(水) 19:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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