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1180冊目 人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用
人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用 (ブルーバックス)人は放射線になぜ弱いか 第3版―少しの放射線は心配無用 (ブルーバックス)
(1998/12/18)
近藤 宗平

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評価:☆☆☆☆☆


 昔覗いた放射線生物学の授業では、放射線被曝の悪影響は、それがどんなに微量になってもゼロにはならないと教えていた。このモデルを、直線しきい値なし仮説と呼ぶ。健康に責任を負う機関は、概ねこの仮説に従っていると言って良い。

 一方で、低線量になると、害がはっきりしなくなることも知られている。過去に紹介した、『世界の放射線被曝地調査―自ら測定した渾身のレポート』において、自然放射線レベルの高い地域において、ガンの発生率が見られないことは紹介されていたのではあるが、それは何故か。それは、ガンのような病気は放射線被曝が無くても罹患してしまうものなので、膨大な数字に埋もれてしまうのが原因と言われてきた。

 こうした事実を知っていたので、私もしきい値なしモデルを正しいと思ってきた。本書を読むまでは。

 本書には、広島、チェルノブイリ、そして自然放射線レベルの高い地域から集められた膨大な量のデータを元に、しきい値なしモデルにはそれを指示するだけの証拠がない、つまり仮説は誤りであるということを示している。

 それどころか、低線量の放射線を浴びた人は、統計的に有意に寿命が伸びている、という調査まであるという。原爆でも、低線量の被曝者は男女共に被曝しなかった人より長生きするというのだ。その原因は、放射線への防護策として生物が編み出した、抗酸化作用であるとしている。放射線が害を与える原理を考えると頷ける。

 等と書くと、チェルノブイリの甲状腺ガンはどうなのだと言われる向きもあるだろう。しかし、甲状腺ガンのほとんどは良性であり、発見数の増加は、受診者の増加に伴うものであって、健康被害として悪化が見られるわけではないことも示されている。

 小児白血病にしても、しきい値なしモデルが予言する微増傾向を示すことはない。ベラルーシでは徹底した調査が行われたが、増加は見られなかったのだ。本書はこう結論づける。

チェルノブイリ事故後10年間の追跡調査の結果はつぎのことを証明した。
  原発事故の放射能を被曝しても
    子どもの白血病の危険は心配無用!


 これは低線量に限っての話であるとしても、福島を経験した我々には本当に貴重な結論ではないか。それなのに、しきい値なしモデルのために健康被害を気に病みすぎ、そのストレスで病気になる方も少なくない、という。それを著者はこう喝破する。

 放射能恐怖症をおこさせたデマ情報のほうが、実際の死の灰よりも、比較にならないほど有害であることが実証された。(略)
 恐怖症の第一の原因は、「放射線はどんなに微量でも毒である」という考えが、世間一般の常識になっていることである。この考えは放射線防護専門学者の基本的信念である。(略)この考えには科学的根拠がないことや、低線量被ばくの実際の情報を、被ばくした住民にわかりやすく、正確に知らせる努力を、放射線専門家がおこたっている。原因の第二は、住民が、たくさんの情報の中から、正しい情報を冷静により分ける努力を十分にしないことである。(略)


 では、どうしてこれほどに放射線は危険だと思われているのだろうか。それは、放射線を浴びると危険な時期がある、危険な量がある、ということだ。本書では、放射線の影響がどうしてこうも複雑なのか、その理由を追って分子生物学の分野に踏み込んでいる。しっかり読み込めば、なぜ著者がそれまで信奉していたしきい値なしモデルを捨て、放射線は少しなら心配無用と断言するのか、その理由を追いかけることができる。

 如何なる毒物であろうと、定性的な議論では不十分であって、定量的な議論が必要不可欠である。それを怠れば、水でさえ危険な薬品であるということになってしまう(一度に30リットル飲めば水中毒で死亡する)。

 広島、長崎で犠牲になった方々に報いる一番の方法は、そこから正しい教訓を汲み取ることではなかろうか。その点で、本書の価値は極めて高い。本当に、終章などは全部を引用したいくらいだ。健康への影響を知りたい方は、そこだけで良いので目を通されることを強くお勧めしたい。福島の事故を懸念する全ての方にも。

 本書が役に立つという状況は、不幸なものである。しかし、本書を得たことは、その不幸の中に光明を見出すものではないかと感じた。根拠も出典含めて明示されているのも良い。


関連書籍:
世界の放射線被曝地調査―自ら測定した渾身のレポート (ブルーバックス)世界の放射線被曝地調査―自ら測定した渾身のレポート (ブルーバックス)
(2002/01/18)
高田 純

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医学・脳・精神・心理 | 2013/04/27(土) 20:02 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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