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1165冊目 恐怖の2時間18分
恐怖の2時間18分 (文春文庫)恐怖の2時間18分 (文春文庫)
(1986/05/11)
柳田 邦男

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評価:☆☆☆☆☆


 ペンシルベニア州の州都ハリスバーグの郊外に位置するスリーマイル島。この周囲3マイルの小さな島の名は、原子力発電所の存在によって世界中に知られることになる。1979年3月28日に発生したスリーマイル島原子力発電所事故によって。

 二次冷却水の循環が停止してしまったことに始まった事故は、瞬く間に規模を拡大、一次冷却水が沸騰して失われてしまう。様々なデータをトータルで判断するなら早急に一次冷却水を補給しなければならないことは明らかだったが、人間工学を無視した設計は、技術者たちに誤った対応を取らせるばかりだった。

 結局、一次冷却水が漏れ出している加圧器の弁が開いたままで固着していることに気づくまで2時間18分が経過してしまい、炉心が一次冷却水から顔を出して空焚き状態となる。そして、放射性を帯びた一次冷却水が環境中に放出されてしまったのだ。

 本書はこの間の経緯を克明に追ったノンフィクションである。巨大システムの事故を多く追ってきた著者ならではの、かなりつっこんだ技術的なところまで踏み込んだ解説によって、問題がどこにあったかが分かりやすくなっている。

 愕然とするのは、この大きな事故をもたらした要因は、一つ一つを突き詰めていくと実に些細とも言える欠陥であること。それらが累積され、臨界点を超えた所で大事故が発生したように見られることだ。

 例えば、原因系としては肝心の加圧器の弁は、実際の開閉状態を示しているのではなく、指示された内容を示していることだったことである。あるいは、拡大させた要因としては一度異常が起こるや、30秒で85回も次々に警報が鳴り響いたり警告灯が137個も大量に点灯したりしたことで真の原因が何か分かりにくく成ってしまったことである。

 加えて、技術者がこの巨大システムを扱う上において真に必要とされる、原子炉内の状態を読み取るにはデータをどう判断すべきかを深く理解しては居なかったことも挙げておくべきだろう。

 巨大システムと付き合わなければならない近代文明の中で生きていくためには、技術やシステムに対する理解が必要不可欠であり、この事故事例は我々の意識に強く呼びかける点で貴重なものであると思えてならない。

 事故についての詳細が第一部なら、第二部は、事故が社会に与えた影響を追っている。

 錯綜する情報によって冷静さが失われる恐ろしさ。本書においては、環境中に放出された放射性物質は極めて微量であるにも関わらず、5マイル以内の住人に避難が呼びかけられてしまうことでその頂点を迎える。

 数値の持つ意味をきちんと理解することも、説明することも、結果的には出来なかった。不十分なデータと曖昧な根拠による実態に即さない判断が混乱を招いてしまったのである。福島での原発事故で我々も体験してしまったことと、重なる。

 曖昧な情報しか得られなくても何らかの決断を下さざるを得ないことが政治には付き纏う。それでも、判断を下すには、それまでに得られている情報の精度を高める努力と、客観的な判断基準が必要とされるはずだ。

 情報の取り扱いと、それを受け止める側の姿勢についてまで考えさせる、深い本である。
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技術 | 2013/04/03(水) 19:30 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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