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1164冊目 もうひとつの青春―同性愛者たち
もうひとつの青春―同性愛者たち (文春文庫)もうひとつの青春―同性愛者たち (文春文庫)
(1997/12)
井田 真木子

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評価:☆☆☆☆


 同性愛は、生物の目的を「子孫を残すこと」とすれば、合理的な存在ではないように感じさせる。それなのに、どうやらゲイには遺伝の影響が大きい、と言われる(但し、単一の”ゲイ遺伝子”があるというわけではない)。それも、母方からの遺伝であることが強く示唆されている。環境の影響という点では、妊娠中のストレスが大きい。大きな戦争の最中に生まれた子供は同性愛になる可能性が高いことからそれが示唆される。

 性的な指向は、個人の選択ではない。また、倫理の問題でもない。誰もが自然と同性あるいは異性を好むようになる。その多様性は、人間の存在の不思議さ・面白さを表しているし、同性愛者が生み出した素晴らしい芸術作品を見れば、彼ら・彼女らの存在は、人類社会を豊かにしてくれたとも見える。

 いずれにせよ、同性愛は太古の昔から一定の割合で存在したし、今も少なからぬ人が同性愛者として生きている。

 ところが、時代によって、社会によって、彼らの置かれる立場は大きく異なる。

 プラトニックラブの語源になったプラトンの生きた時代は同性愛に寛容だった。プラトンが言うには、天上界では2人分の魂がセットになっていて、男女の組み合わせもあれば男男、女女の組み合わせもある。そして、魂が地上に降りた後は、離れ離れになってしまったもう一つの魂を求めると主張した。恐らくは自分の同性愛指向を説明するためであっただろう。だから、本義から言えば、プラトニックラブは同性愛を指すのではなかろうか。

 日本でも戦国武将や僧侶たちががお小姓を可愛がっていたことがあるし、中国でも王様が男色に嵌っていたことがある。

 一方で、ユダヤ教は同性愛に不寛容だった。レビ記にこうある。”「男がもし、女と寝るように男と寝るなら、ふたりは忌みきらうべきことをしたのである。彼らは必ず殺されなければならない。その血の責任は彼らにある。」”

 この非寛容な教えがユダヤ教を起源に持つキリスト教やイスラーム教に引き継がれたことで、不幸なことに、同性愛に対しては生きづらい時代が長く続いている。その影響は、今も残るのであろう。

 多様性に対する寛容さを失った日本でも、状況は変わらない。同性愛者は偏見により、少なからぬ社会的な不利益を被っている。

 今ではNPO法人となっている、同性愛者の古参団体であるアカー/動くゲイとレズビアンの会(Occur:アカー)が、青年の家を使用しようとして拒否されたことに端を発する裁判。その主役は、決して芸能人やら新宿二丁目のオカマバーの人々のような特別な人ではない。どこにでも居る、市井の人々である。

 そんな彼らの姿を追い、共にゲイパレードを体験したり、国債エイズデーに参加したりした記録が本書。

 まだインターネットが無く、同性愛者が互いの情報を知り合うことが出来なかった時代。その中で、正しい情報のやり取りを目指す互助会的な組織としてアカーは生まれた。ホモフォビア(同性愛嫌悪)に対抗して異性愛者を憎む人もいたこともあれば、裁判に疲れきってしまう人もいた。純情な青年もいれば、大勢との人との性交渉によってHIVに感染した男性もいる。

 多様な人々の来歴を追い、彼らがどんな人々なのか、見れば見るほど、どこにでもいる普通の人でしかない。彼らが性的な指向が同性に向いているという、そのたった一点のみで排撃されるのは、好ましいことではないと思う。政治的な思想であれ、性的な好みであれ、多様なありようを認め合うことが豊かな社会をもたらすと思うからだ。

 その思いは、私の性的な指向とは無関係なので、自身のことを述べるのは控える。

 ゲイであろうとストレートであろうと関係なく、互いを個人として認め合えるのが成熟した大人の態度というものではなかろうか。

 尚、今ではどうか知らないが、1990年代のゲイパレードでは、ゲイの中にも白人男性を頂点とする階層があって、厳然たる差別があったという。有色人種のレズビアンは、最下層。そこに人間の業の深さが見られる気がしてならない。


 それにしても、1993年にHIV感染をカミングアウトした大石敏寛さんが今もご存命で、著者の井田真木子さんがお亡くなりになっていることに、人生の先の見えなさを実感する。大石さんのさらなる活躍と、著者への哀悼を祈念しつつ更新としたいと思う。


関連書籍:
神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)
(2010/04/24)
石井 光太

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ノンフィクション | 2013/04/01(月) 20:39 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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