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1152冊目 零式戦闘機
零式戦闘機 (文春文庫 や 1-1)零式戦闘機 (文春文庫 や 1-1)
(1980/04)
柳田 邦男

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆☆


 柳田邦男さんは、NHK記者として1966年に発生した3つの航空機事故を追っていた。経緯は名著『マッハの恐怖マッハの恐怖』に纏められているのだが、その中の1つ、全日空羽田沖墜落事故(乗客乗員133名全員死亡したこの事故は、当時単独機の事故では世界最多の犠牲者となった)で、不思議な運命の交差を見つける。

 墜落事故で最後まで見つからなかった犠牲者の遺体が発見された横須賀の夏島。そこは、零式艦上戦闘機、ゼロ戦として知られる二次大戦時の名機のテスト飛行中に空中分解を起こしてパイロットが死亡したところと同じ場所だった。そして、零戦の分解事故も全日空の墜落事故も、原因の解明に当たった者の中に山名正夫教授の名があったのである。

 その偶然に気づいたことから、著者は零戦の開発を追いかけることになる。開発史において、中心にいたのは三菱で設計主務者の任にあった堀越二郎である。勿論、彼とて最初から零戦の構想を得ていたわけではない。零戦で完成されるまでの技術の過去の積み重ねが、この傑作機を産んだのである。本書は、この開発の流れを深く調べ尽くしたノンフィクション。

 欧米と比べて材料技術やエンジンといった要素技術が劣っていた時代に、完成品としての戦闘機でより優れたものを開発するのは至難の業である。だから、そこには幾つものブレークスルーや、凄まじい努力を必要とした。

 まず、堀越は七試艦上戦闘機の設計主務者に任じられる。まだ世界では戦闘機に複葉機が中心だった時代。その中で、堀越は単葉低翼機の開発を目指す。

 そこから物語が始まるのだから、随分迂遠といえば迂遠であろう。

 七試艦戦は制式化されずに終わったが、堀越は続いて九試艦戦の設計主務者を務める。七試艦戦の思想を受け継ぎながら、更に洗練されたこの飛行機は、九六式艦上戦闘機として実を結ぶ。

 九六式艦上戦闘機で開発された翼端ねじり下げが零戦開発に決定的な役割を果たした等、本当に細かいところまで調べ尽くして明らかにしてくれている。本書は戦争そのものにはほとんどページが割かれていないので、ほぼ技術開発物語になっている。

 零戦が出た当時にあって卓越した能力を持っていたのは、機体のありとあらゆるところに細やかで徹底した目配りが為されていたためだと深く納得した。そして、その誕生においての苦渋の選択が、太平洋戦争末期における悲惨な末路へのレールを引いてしまったことも。

 零戦賛美に終わるのではなく、無茶な要求の中で必死に技術を開発する中で、どうしても背負わざるを得なかった限界。全て分かりやすい形で提示されているところが凄い。

 その零戦を、著者はこう総括する。

 世界の軍事史上、日中戦争から太平洋戦争を通じて使われた零戦ほど、長期にわたって主力戦闘機としての責任を負わされ、改造に改造の手が加えられた飛行機はあるまい。それは、零戦がずば抜けて優れた戦闘機であったことを示すものであると同時に、次の飛躍をすることができないまま、一機種にしがみつかざるを得なかった日本の国力の限界を示す象徴的な事柄であった、ということができよう。


 その言葉に深く納得させられた一冊。難しい事も平易に説明できる著者の優れた力を改めて感じさせてくれた。

 技術開発はどのように進むのか。どうあるべきなのか。語ろうとしている主眼がそこにないことは分かりつつつつ、ヘボ技術者の一員として読んだ。なにか身につくと良いなぁ。
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ノンフィクション | 2013/02/26(火) 20:12 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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本書及び本書の長編版(?)の「零戦燃ゆ」も両方読みましたが、零戦の技術開発の面から書かれており、非常に読み応えがありながらも、とても分かりやすい面白い本ですよね。
戦闘機開発を巡る日米の技術開発思想の違いも見えて、これまた、意外と現代の日米の技術思想にも相通ずるところがあるなあと思いました。
日本は、総花的に空戦力、速度、高度など全ての性能に優れた戦闘機の開発を目標にするのに対し、アメリカは、速度だけは優れているとか、高高度を飛ぶことができるとか、特定の性能だけを伸ばした戦闘機を開発を進めていたようですが、戦術面でも、三機で一組で戦うとか、高高度から急襲してヒット&アウェイを行うとか、その性能を生かした戦術とセットでうまく運用していたというのは、アメリカやるなぁ・・・と非常に印象的でした。
日本のハード面(技術開発)での強さとソフト面(運用、戦略)での脆弱さ、そんな部分も垣間見えた気がしました。
2013/03/07 木 22:17:12 | URL | kappa1973 #-編集
kappa1973さん、コメントありがとうございます!

『零戦燃ゆ』は未読だったりします。あのあたりの歴史は読むのが辛いのもあって……

仰るとおり、開発思想の違いは面白いですね。
なんでも欲張って取り入れようとした結果、結局は中途半端なものが出来上がってしまう
というのは周りでもある話なので、身につまされます。
2013/03/07 木 22:52:55 | URL | Skywriter #-編集
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