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1149冊目 スリー・カップス・オブ・ティー

スリー・カップス・オブ・ティー (Sanctuary books)スリー・カップス・オブ・ティー (Sanctuary books)
(2010/03/25)
グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリバー・レーリン 他

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評価:☆☆☆☆☆


 著者の1人、グレッグ・モーテンソンは、アフリカ育ちのアメリカ人で、軍を経て登山家となった人物である。エヴェレストに次ぐ標高を誇り、その頂点を極めるのはエヴェレストよりも困難と言われる、K2山頂を目指したグレッグたちは、予期せぬ出来事も重なり、頓挫を余儀なくされる。

 その帰路、グレッグは恐らく生涯最大の危機に見舞われる。道を失い、生きるのに必要な道具を運んでくれるポーターからもはぐれ、たった1人で彷徨うことになったのだ。彼が命からがら辿り着いたのは、コルフェ村というパキスタンの小さな村。ここは、彼が来るはずの所ではなかった。間違った道を選んでしまったのだ。だが、この道は、彼を新たなる地平へ導くものとなる。

 命を助けてもらったお礼に何ができるか。その答えとしてグレッグが見つけたのは、学校を建てること。ここでは、この貧しい地域では、たった1万2000ドルで学校が建てられる。それなのに、この村の子供達は、地面の上で勉強をしなければならない。勉強道具も欠けている。

 こうしてグレッグの新たな冒険が始まる。アメリカに戻り、資金を作ってコルフェ村に学校を作るのだ。有名人に580通の手紙を出したり、公演を開いたり。パトロンに巡り会え、いよいよ学校が作られるところは感動するシーンだ。なにせ、村人が総出で学校づくりに精を出すのだから。

 コルフェ村の村長、ハジ・アリは、コーランを大切に大切にしている。しかし、彼にはその内容を知ることはできない。彼は、字を読めないから。だから、彼は自分の子供達にはなんとか教育を受けさせてやろうと強く願うのだ。ハジ・アリとグレッグの交感が、2人の夢に向かって他の人々を動かしたのだ。

 イスラム教の、それも教育を受けていない片田舎の老人と聞けば、つい偏狭な人物像を思い描いてしまう。しかし、ハジ・アリはそのような類の人物ではない。女子にも教育の窓口を開こうとする。篤い信仰を持ち、それでながら自分だけの正義に凝り固まらず、善意を持ち続ける人物。こうした人物こそ、賢者と呼ぶに相応しい。

 母親が教育を受ければ、子どもたちの衛生環境や教育環境は飛躍的に向上する。不衛生やちょっとした怪我で死なずに済む者がでる。それだけでも教育の価値は高い。

 『自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来』によれば、若い世代の人口割合が高まるのは、社会の不安定さを増す、という。女性が教育を受ければ、バース・コントロールにも向かうだろう。それは、社会の安定にもつながる。

 そう。グレッグのやっていることは、単なる慈善事業というだけではない。世界をより安全なところにしようとする営みの一つでもある。

 知り合ったパキスタンの将軍の言葉が示唆的だ。

 「(略) アメリカの場合、敵の力の源は、オサマでもサダムでも、ほかの誰でもない。無知こそが敵だ。これを打ち負かすには、この人たちと友好な関係を築き、教育と産業を提供し、現代社会に招き入れることだ。そうしなければ、戦いは決して終わらない」

 そうだろう。

 無知で仕事の無い若者は、テロ組織に組み入れられやすい。そして、彼らを狙う者もいる。サウジアラビアの金持ちが建てる神学校(マドラサ)。ここでは神学校では、ろくに教育を受けたこともない人物が教師として生徒を導くという。だが、彼らに何を教わることができるだろう?彼らは、何を生徒に伝えることができるだろう?答えは決まっている。偏狭な正義感に基づく排外主義しかない。

 グレッグの奮闘は、迂遠ではあっても確実に平和に向かうものだと思う。

 だが、そうしたことをさて置いても、本書は実に面白い。パトロンになってくれた一癖ある資産家、彼を通じてエヴェレストに初登頂したエドモンド・ヒラリーとの出会い(彼が後生においてネパールの開発に尽力し、学校を建てていたのは知らなかった)、女性との出会いと別れ、屈強な男たちに囚われてしまった事件、等々。そして、苦難に遭うたびに、周りに人間を自分の世界に引き入れてしまうグレッグの姿。

 まるで小説ででもあるかのような、起伏に飛んだ物語。そうでありながら、正義に酔わない冷静さ。加えて、辺境の地に生きる人々を活き活きと描き出す筆致。ノンフィクションの傑作だと思う。ノンフィクション好きのみならず、中東に興味がある全ての方に強くお勧めしたい一冊。



関連書籍:
自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)自爆する若者たち―人口学が警告する驚愕の未来 (新潮選書)
(2008/12)
グナル ハインゾーン

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ノンフィクション | 2013/02/19(火) 20:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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