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1121冊目 沈黙の壁―語られることのなかった医療ミスの実像

沈黙の壁―語られることのなかった医療ミスの実像沈黙の壁―語られることのなかった医療ミスの実像
(2005/09)
ローズマリー ギブソン、ジャナルダン・プラサド シン 他

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評価:☆☆☆☆


 『新たな疫病「医療過誤」』から引用から始めよう。

 インスティチュート・オブ・メディシン、アメリカ医学研究所による1999年の報告書は、医師ならとうの昔から知っている、「病院は危険なところでもある」という事実を明らかにした。この報告書では、アメリカでは医療過誤によって亡くなる人が毎年四万四千人から九万八千人にのぼることが強調された。(略)その後五年を経た今日の状況は、誰の目にも、どう贔屓目に見てもよくなっているとは到底映らない。
(p.23より)


 本書でも、同じ調査を元に、医療ミスで死亡する人の数を年間10万人と見積もっている。何故この引用の最大値を取るのか?それは、この数字が病院で起こっているものだけだからだ。つまり、医療ミスが起こった後、ケアセンターに放り込まれてそのまま亡くなるような方は、統計から漏れている。

 10年間で100万人が死ぬような産業が、他に許されるだろうか?

 著者たちは何度も何度もそう問いかける。なにせ、自動車事故とHIVによる事故と殺人の被害者を足してもまだ医療ミスの死の方が多いのを見れば当然だろう。

 事故が生まれる背景は、本当に些細な事だったりする。似た名前の患者の取り違え、指示書に書かれた文字が汚くて判別しづらい、桁の間違い、etc。インターンの過酷な状況(週80時間の勤務!)、看護師不足もまた事故の原因だ。

 ITの遅れには本当に驚いた。

 検索や照合は人間がやったら必ずミスが起こるが、コンピューターなら迅速かつ精確にできるのだから、これを活用しない手はない。そうすれば、人間は機械になどとても出来ない判断するという高度な活動に注力できる。投薬の指示などには絶大な力を発揮するのは間違いないと思う。それなのに、アメリカでは大病院ですらろくにIT化が行われていない。指示書が読み難いならと綺麗な字を書くために講師を雇って勉強会を開いたなんて聞くと空いた口が塞がらない。

 流石に、本書が記されたのは10年以上前のことなので、今では状況は違うのだろうが……。

 本書は、医療ミスが引き起こしてしまった悲惨な事故を幾つも取り上げ、システムとしてどこに欠陥があったのかに光を当てている。それによって問題の在り処をはっきりさせ、悲惨な事故を繰り返さないためのヒントが沢山得られていると思う。ミスを犯してしまったら、責任を認めて正直に被害者に詫びることも含め。なんと、それによって医療訴訟を起こされるリスクは半減するというのだし。

 ミスを防ごうと思う全ての人にとっては改善に向けたヒントが山ほど散りばめられた素晴らしい本になっていると感じた。悲劇を悲劇で終わらせないために、システムの改善を行う必要があろう。

 日本のことも気になる。和田移植を描いた『凍れる心臓』では、同僚を守るために和田移植は問題なかったとの見解を発表した医師の姿があった。日本の医療ミスにももっと光が当てられるべきだろう。その時、できれば犯人探しに堕さないようにして欲しい。それは事故を隠す動機になる上、再発防止にも繋がらないから。

 そういうのも、私の妻が、医療ミスに遭遇しているから。帝王切開で長女を産んだ際、出血が酷く、妻は看護師にそう訴えたのだが、術後はそんなものよ~と聞き流されていた。「余りにも血が出すぎるからおかしい」と夜になってまた訴えたところ、傷が塞がっておらず出血が続いていたのが判明したのだ。もし妻がなんでもないという看護師の言葉を信じて、術後の疲れで眠ってしまっていたら。最悪、妻は死んで居たかもしれない。そうなれば、妻の訴えなど無かったことにされて不可避の死とされてしまった可能性が高い。同様な医療ミスは、本書に沢山載っている。

 医療に携わる側も、お世話になる側も、十分に注意をしていかなければならないのだろう。ミスは必ず起こる。それを防ぐための障壁は、多ければ多いほど良いのだから。


関連書籍:
新たな疫病「医療過誤」新たな疫病「医療過誤」
(2007/03)
ロバート・M. ワクター、ケイヴェ・G. ショジャニア 他

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凍れる心臓凍れる心臓
(1998/04)
共同通信社社会部移植取材班

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ミスをしない人間はいない―ヒューマン・エラーの研究ミスをしない人間はいない―ヒューマン・エラーの研究
(2001/11)
芳賀 繁

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ノンフィクション | 2012/12/21(金) 22:36 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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