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1107冊目 怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史

怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)
(2010/10/13)
鹿島 茂

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評価:☆☆☆☆☆


 ナポレオンと、外相タレーラン、警察長官フーシェの3人を軸に据えた『情念戦争』が、信じられないほど面白かったことから本書も迷わず購入したのではあるが、しかしナポレオンⅢ世が主人公となるとなかなか読み始めるに至らなかった。が、読み始めたらいつもの通り我が身の不明を恥じることとなった。

 面白いのである。

 本書を読み始めるまで、ナポレオンⅢ世について知っていることなど、普仏戦争で敗北して囚われの身となり、第二帝政は破綻、自身はイギリスに亡命して最後の日々を送ったという程度。新婚旅行で訪れたロンドンで縁の品を眺めたことがなければそれすら記憶から抜けていたかもしれない。

 しかし、彼は忘れられるべき人物ではなかった。

 主人公のナポレオンⅢ世は、ナポレオン弟・ルイ・ナポレオンの息子である。従って、ナポレオンの甥に当たる。ナポレオン没落後、共和制に戻ったフランスで稚拙な一揆を起こして鎮圧されるだけの、野心に燃えた若者は、監獄からの脱出やがて大統領の地位を得るに至る。立法府との対立からクーデターで実権を握ると、伯父の跡を襲うかのように、帝位に上った。1852年のことである。

 ここまでの略歴を見ると、野心に燃えた成り上がり男が権力を握ってやりたい放題をやるのだろうと想像がつく。そしてその通り。彼は、絶大な権力を背景に自分の望むことをやりだす。その望むことが民衆の生活レベルを上げること、というのだ。当時にあって、これがどれほど左派的だったか。フランス革命、あの自由・平等・平和を旗印にしたあの革命でさえ、その後の第一次共和制では過酷な刑罰が横行(ラヴォアジエ始め、多数の人材の首が胴から離れた)し、民衆の暮らし向きは決して楽にはならなかったことを考えれば分かろう。

 では、彼は傑出した開明的な君主だったのか。

 その答えも単純ではありえない。なにせ、豪奢な生活を送りながら、高級娼婦から庶民の娘、果ては部下の奥さんに至るまで、多くの女性に分け隔てなく愛を注いだ漁色家でもあるのだ。皇后ウージェニーと結婚したのも、お堅い彼女が愛人となるのを拒み、関係を持つなら結婚をと迫ったからだ。(うージェニーは旦那の出征中に他所の男と懇ろになっていたジョセフィーヌとは偉い違いだ)

 出版や集会も厳しく制限された。クーデターにあっては、血を流す場面もあった。

 だが、出版や集会の自由というものは近代社会でこそ当たり前のものではあるが、当時では当然の権利ではなかったことを考えれば、欠点と言い募るのも悪い気がする。

 加えて、都市計画で公園や市場を作り出してパリの街を整備したことも忘れるべきではない。彼がいなければ今のパリは無かった可能性が高いのだ。ナポレオンⅢ世が先を見通す目と高い能力を持った部下に恵まれたこと、そして彼らの案を実行に移させる行動力を持っていたこと

 こうしてみると、少なくとも大衆にとっては、彼は素晴らしい君主であったと言って良いだろう。色好みが非難されるかもしれない。私だって羨ましさから妬む気持ちが無いではないが、所詮ルサンチマンに過ぎない。

 残念なのは、晩年である。ビスマルクつけた栄光から没落への道筋は、同時にナポレオンⅢ世が後世軽んじられる道をもまた同時に拓いた。伯父に似ず、軍事的な才幹には恵まれなかったナポレオンⅢ世の没落には悲劇の香りが漂う。

 本書はこのとても一言では言い表すことのできない怪人物の野心に燃える日々、クーデター、社交界、都市計画、外交政策等、足跡を丁寧に追うことでフランスがどのようにして今ある姿になったのかを解き明かしている。広い視野と深い知識が組み合わされている上に文章の巧みさが加わるので、面白くないわけが無い。歴史に興味があるあらゆる方に強くお勧めしたい。

 ナポレオンⅢ世にはそれまで興味の無かった私だったが、読み始めたらとまらず、何百ページにも続く文章を一気呵成に読ませてくれた。そして、ナポレオンⅢ世についてもっと知りたくなった。本当に著者の腕前は破格のものであると思う。エッセイも好きなのではあるが、こうした本格的な歴史の本をまた楽しみに待ちたい。


関連書籍:
ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789―1815 (講談社学術文庫)ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789―1815 (講談社学術文庫)
(2009/08/10)
鹿島 茂

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その他歴史 | 2012/11/21(水) 21:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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