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1092冊目 「反原発」の不都合な真実
「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)
(2012/02/17)
藤沢 数希

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評価:☆☆☆☆☆


 東日本大震災に引き続く福島第一原発事故によって、多量の放射性物質が放出されてしまった。一部の地域には、未だに住民が戻るべきではないレベルの放射性物質が残ってしまっている。

 それはそれで悩ましく、大きな問題ではある。しかし、それを余りにもセンセーショナルに報じてしまったため、まるで原子力発電が諸悪の根源であるかのように捉える人が多数でてしまったことも、大きな問題である。

 本書は、原子力発電をすぐさま廃止してしまったらどのようなことが起こるのかを、エネルギー問題を俯瞰した上で冷静に述べている。

 現実的にすぐさま切り替え可能なのは火力発電だ。しかし、火力発電では空気が汚染される。原発を火力に置き換えたことで、大気汚染を原因とする余計な死は約3,000人にも上ると著者は指摘する。加えて、燃料代だけで少なく見積もって4兆円が余計にかかる。それは個人への負担へ跳ね返る。

 一方で、原発事故による死者は現実には出ていない。危険が過剰に喧伝されている。そして、稼働反対論を唱える人々は再生エネルギーを使うべきだと声高に訴える。

 再生可能エネルギーの最大の欠点は、エネルギー密度が低すぎることにある。風力発電を考えてみよう。風力発電は風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものだ。そのエネルギーは、E=1/2mV^2(mは質量、Vは速度)で与えられる。質量と速度の2乗である。これがどれくらいになるだろう。風速は、台風でも30m/s程度だ。(困ったことに、こんな風速では故障してしまう)

 一方、原子力発電はウランが崩壊して安定的な物質に変わる際に減少する質量をエネルギーに変えている。こちらはE=mc^2(cは光速)で表される。cがどれくらいになるかというと、秒速30万km。つまり、300,000,000m/sだ。これが2回も掛けられるとなると、風力発電と比べてどれくらいの差になるか、想像すらできないくらいだ。

 だから、風力発電で原発一基分のエネルギーを賄おうとすると、山手線の内側の面積の3.7倍程度の土地が必要となる。同様に、太陽光発電では山手線の内側とほぼ等しい面積が必要となる。

 加えて、これらの発電は不安定だ。風のない曇った日は発電できない。バックアップ電源が必要だ。つまり、これらは必要電力の足しにはなったとしても、その中心に据えることはできない。

 本書は、原発の利点、代替案の貧弱さ、電気は足りているとの主張のおかしさを、実に冷静に論じている。著者ほど無邪気に原発推進を唱えるわけではないが、それでもやはり、一度社会インフラに深く刻み込まれてしまったものは容易に捨て去ることはできないと感じる。

 原発稼働に反対される方にこそ、政府はなぜ原発を動かそうとするのかを理解するために読んでみて欲しい。そして、代替エネルギーについて、真剣に考えてみて欲しい。この容易には解けない問題を考えるための、格好の材料になるだろうから。背景となる数字、論理を易しく説いてくれているので、著者に賛同するにせよ反対するにせよ、「エライ人がOOと言うから」という思考停止に陥らずに済む。

 国内の雇用が失われ、電気代が跳ね上がり、生活が不便になってでも原発を使うのは止めたいという正義もあると思う。それにはかなりの覚悟が必要だろう。原発を使うべきではないという方は、是非、この負の側面を見据え、社会を納得させて欲しい。少なくとも、現時点で私は私や家族を苦しめることが確実な、即時の原発廃止には与することができない。リスクのない手段はない。原発も、他の発電方法も。原発のリスクは、メリットの大きさの前には霞むと思う。

 原発について考える全ての方に、考えるための材料として手に取ってもらいたい良書。


 余談だが、本書で安定電源としては役立たずであることが詳述されている太陽光発電は、水を電気分解して水素を作り出すために使うのが良いかと思う。不安定というデメリットを極小化できるのではないだろうか。それは原発を廃止することには結びつかなくても、化石燃料の使用を抑える技術にはなると思うのだ。


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環境 | 2012/10/13(土) 21:01 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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