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![]() | 隠蔽捜査 (新潮文庫) (2008/01/29) 今野 敏 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆
東京で一人の男が銃殺された。今日日、それだけなら珍しい話ではないかも知れない。しかし、その男には前科があった。未成人時代、女子高生コンクリート詰め殺人事件を彷彿させる、卑劣な犯罪を行なっていた男だ。たった数年だけ少年院に送られたただけで、彼はシャバに出ていたのだ。(これは現実のコンクリート詰め殺人事件も同じ)
警察庁キャリア官僚である主人公の竜崎伸也は、警察庁長官官房総務課課長として、被害者は既に出所していることから過去は被害者のプライバシーに属するものとして報道機関に加害者の過去を報道しないよう、自粛を申し入れる。
その配慮は成功し、過去の事件については情報が広まらなかった。次の事件が起こるまでは。なんと、同じ手口で、同じ事件に関与していた人物が殺害されたのだ。
話はこうして幕を開ける。これ以上書いてしまうとネタバレになるので自粛するが、現実に起こった複数の事件を織り交ぜ、(改正前の)少年法がどれだけ問題を孕んでいるかを指摘する。社会批評を含む点では『
13階段』に似ていると言えるだろう。
何故、隠蔽捜査と名付けられたか。主人公は何と戦うのか。そのメッセージは示唆に富んでいる。読み終わった後で清々しい気分になるのが良い。ただ、最初のうちは状況説明が余りにもわざとらしいタイミングで入るのがちょっと気になった。
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