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1664冊目 地中海 (地域からの世界史)
地中海 (地域からの世界史) -
地中海 (地域からの世界史) -

評価:☆☆☆


 今の国境線と各々の国の文化を考えると、ヨーロッパとアフリカ、そして中東は別の文化圏のようにも見える。強いて言えば、中東とアフリカにはイスラームという共通項があるくらいか。

 しかし、歴史的に見れば、地中海を挟んでヨーロッパ、アジア、アフリカは深く結びついていた。アレクサンドロスの帝国が、あるいはローマの支配地域が重なるのは偶然ではない。そこは、外国とは思われていたが、1つの世界であったのだ。

 本書は、この広い地域を1つのまとまりと捉え、歴史の流れを追いかけている。メソポタミア、エジプト、ギリシア、ペルシア。そうした地域はアレクサンドロスの帝国に飲み込まれ、ローマの支配するところになる。イスラームが興ってからは、十字軍とアラブの攻防があったり、スペイン側からのイスラームの侵入があったりと、やはり地中海を1つにまとめて考えたほうが歴史を理解しやすくなると感じさせられた。

 こうした地理的な連続性があるから、ギリシアの知はイスラムが保存し、ルネッサンスとして花開く土台を作ったのだろう。

 欲張りなことに、スエズ動乱のような現代史まで取り上げているので、駆け足で数千年の歴史を駆け抜けていることになる。詳細を知ることには向いていないが、視点を変えることには十分に役立つことだろう。


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その他歴史 | 2015/07/09(木) 19:11 | Trackback:(0) | Comments:(1)

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1663冊目 ギリシア神話
ギリシア神話 (文庫クセジュ (726)) -
ギリシア神話 (文庫クセジュ (726)) -

評価:☆☆☆


 神々や英雄が縦横に活躍するギリシア神話。小学生の頃に子供向けのギリシア神話を読んだのが神話への興味の入口となった私にとって、他の地域の神話とはちょっと違った感慨がある。

 ペルセウスが髪の代わりにヘビが生えたゴルゴンを退治したりアンドロメダを救う話、そのひ孫に当たる(ことは最近知った)ヘラクレスの12の冒険と悲劇的な死。あるいは迷宮から人造の翼で飛びだったイカロス。ああ、あのサイズの翼では人は空を飛ぶことなどできないのだと教えてあげたい。それにしても、熱で溶けるとは、熱圏まで行ってしまったのだろうか。

 ファンタジー好きには、多くの魔物がギリシア神話起源であることも懐かしい。一つ目の巨人キュクロプス、天を支える巨人アトラス(ドラクエ2では何故かアトラスがキュクロプスとして描かれる)、羽を持つハルピュイア、美しい歌声で船を浅瀬に引き寄せ難破させてしまうセイレーン。

 実のところ、纏めて読むとおかしなことが目にとまる。まだ生まれていないはずの人が活躍したり、設定が明らかに後付だったりするのである。例えば、人がまだ生まれる前の時代の話にヘラクレスが活躍することが挙げられよう。

 なぜこうしたことになったのか。ギリシア神話を神話として楽しみながら、冷静にその成り立ちを説いているのが本書である。

 単純に纏めてしまえば、ギリシア神話が様々な場所で、長い時間をかけてできたから矛盾が入り込んだ、ということになる。聖書と同じように。勿論、こんな乱暴な説明ではさっぱりわからないだろうと思うので、ギリシア神話がお好きな方は読んでみてほしい。

 慣れ親しんだ神話がどのような背景で成り立っているのかを知るのは純粋に楽しかった。また、大雑把に神話の流れを説明してくれているので、色々と記憶が蘇ってきて懐かしくなる。また神話についてまとまった本を読みたいと思うようになった。
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神話・伝承 | 2015/07/06(月) 19:51 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1662冊目 多神教と一神教―古代地中海世界の宗教ドラマ
多神教と一神教―古代地中海世界の宗教ドラマ (岩波新書) -
多神教と一神教―古代地中海世界の宗教ドラマ (岩波新書) -

評価:☆☆☆


 古代地中海世界には様々な神話が花開いた。文明発祥の地たるメソポタミアでは多神教が、エジプトでは多神教を経て史上初の一神教が、中東ではユダヤ人によって徹底した一神教が生まれては発展していった。広く知られているギリシア神話もその1つだ。地中海世界を支配したローマには大した文化はなく、神話もギリシアのものを持ってきて、神の名前だけ変えてしまった。ローマの主神ユピテルはギリシア神話のゼウス、というように。

 新書サイズ1冊なので、それぞれの神話の詳細まで踏み込むことはできていないのは当然なので、そうしたことに興味がある方は別の本を当たるべきであろう。

 本書ではむしろ、地中海世界に共通する話題から文化的な交流を感じたり、多神教の中からどのようにして一神教が生まれどうやって発展していったかを知るのに向いているといえる。

 ギリシア神話をご存じであっても、メソポタミアの神話やエジプトの神話はご存じない、という方は多いだろうから、こうやってメソポタミアと明らかに性格の共通する神々がギリシアでも活躍していたことを見るのは楽しいだろうと思う。

 多神教と一神教を対立軸として捉えたり、発展段階と考えたりしていないところも好感が持てる。

 神話に興味がある方は、一歩引いたところから眺めるこうした本で概要を知るのも良いだろう。また、宗教が何のために社会に要請されるのか、といった点からの話題もある。なので、宗教について冷静に考えるのにも役に立ちそうだ。
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その他歴史 | 2015/07/04(土) 19:25 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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