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Author:Skywriter
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1627冊目 ペルシア帝国
ペルシア帝国 (「知の再発見」双書)ペルシア帝国 (「知の再発見」双書)
(1996/05)
ピエール ブリアン

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評価:☆☆☆


 バビロニアを滅ぼし、エジプトまでも支配下に組み入れることで、エーゲ海からインダス川に至るまでの大帝国を築いた、アケメネス朝ペルシア。その版図の大きさは、古代世界でも屈指のものだったと言って良いだろう。

 ペルシア帝国を大きく飛躍させたのが、第4代の王であるダレイオス1世である。本書はこのダレイオス1世が仲間とともに簒奪者を倒して即位してから、アレクサンドロス大王の東征によって滅亡するまでの歴史を追いかけている。

 上記の通り、建国からのスタートではないため、始まりが分かりにくいのが難点だ。そして、アレクサンドロス大王に敗北しての滅亡も、実にあっさりと流されている。ではどこに中心があるのかというと、対ギリシア戦争である。確かに、民主制に踏み出したばかりのアテナイとの間で行われたマラトンの戦いや、その後のサラミスの海戦は大きな目玉だろう。

 戦勝を告げる使者がマラトンからアテナイまで駆けたのがマラソンの起源であるとはよく知られることだが、実際にはマラトンの戦いは小競り合いに過ぎなかったようだ。それよりもむしろ、サラミスの海戦の方がギリシアへの野望を打ち砕くものだった。この敗北を知った帝国各地では叛乱が起こり、一度は手に入れたエジプトには独立されてしまう。

 サラミスの海戦を知っていると、どうしてもここでペルシアが弱体化したように思えてしまうが、本書を読むとどうやらそんなことは無さそうだ。勿論、地中海の覇権は失った。しかし、他の地方においてはしっかり攻勢に出て、大帝国を築くことに成功している。一度は失ったエジプトの地も、再び支配下に組みれている。

 この大帝国の栄光を、様々な図版からも感じられるのがこのシリーズの嬉しいところ。国が広かっただけのことはあり、ギリシアの赤絵の壷や、バビロニアから引き継いだ円筒印章、エジプト風の絵と、色々な表現が楽しめる。国自体は200年余りで滅ぶことになったが、その影響はアレクサンドロスの帝国、そしてその跡を継いだセレウコス朝によって続いていく。

 これまでアレクサンドロス大王とその後の後継者戦争くらいしか興味を持っていなかったが、もう少し後の時代も面白そうだ。
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その他歴史 | 2015/02/26(木) 19:23 | Trackback:(0) | Comments:(3)

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1626冊目 死の考古学―古代エジプトの神と墓
死の考古学―古代エジプトの神と墓死の考古学―古代エジプトの神と墓
(2009/10)
アラン・ジェフリー スペンサー

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評価:☆☆☆☆


 メインタイトルだけ見れば内容を誤るだろう。本書は、古代の人々が死をどう扱ったかを見るものではなく、古代エジプトにおいて死がどのように扱われたかを論じたものである。その点では、サブタイトルの方が本書の内容を端的に表しているだろうし、タイトルはもう少し工夫しても良かったかもしれない。

 ご存じの通り、古代エジプトではミイラやピラミッドと、死についての考えを発展させている。だが、概念や常識は、文字記録にも残りにくい。だから、墓や石棺に刻まれた文章に加えて、副葬品やミイラといった遺物からも多くの情報を得ることが重要である。本書が扱っているのはまさにこうした点。

 初期王朝では殉葬の風習があったのが、古王朝ではもう呪術で働かせる人形が副葬品となって殉死が見られなくなっているとか、ミイラ化技術の進展が見られる、といった点から、古代における考え方や技術の進歩が分かるのは面白い。

 墓の形や、盗掘者を防ぐための工夫も変わっていく。有名なところでは、ピラミッド。第3王朝のジェセル王の階段ピラミッドから、第4王朝のクフ王のピラミッドでは洗練度合いが違う。古王朝をピークに、ピラミッドは小型化していくのも不思議ではある。新王朝時代、ツタンカーメンが見つかった王家の墓のように、一箇所に王族の墓がまとまって造られるのはこの時代だけの特徴とのことだ。

 古代エジプトと一纏めにしてしまうが、3000年にも及ぶ長い時代なので、そうした変化が起こるのも当然なのだろう。

 彼らは死後、カアとバアと呼ばれる2種類の魂があると考えた。それらが残るためには肉体は必須の存在と考えたのでミイラ化したわけだが、王族の豪華な副葬品は盗掘者の格好のターゲットとなったために、庶民と比べて却って王族のミイラが損壊される結果になったのは皮肉だろう。

 副葬品については、墓に納められる前に既に盗まれる前に盗まれることすらあったようだ。副葬品を納めるための箱職人や葬儀関係者が盗んでいたというのだから、油断も隙もあったものではない。こうした話も紹介されているので、人間の欲望は何千年経っても変わるものではないなあと思わされる。

 やや読みづらい文章ではあるが、死と葬送、そして死後の世界の考え方について知ることが出来るのは大きなメリット。入門書を読んで興味をもった方は、ここに進むと良いと思う。
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その他歴史 | 2015/02/24(火) 19:44 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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新たな試みのお知らせ
 皆様、いつもお越しいただきありがとうございます。

 過去、いろいろとマニアックな本を読んでまいりました。そこで得た知識を体系づけようと思い、新しく、巨人の肩から見る世界を立ち上げました。

 この新しいブログは、こことは違い、情報をもっとまとまった形で出していこうと思っています。

 雑学は好きだけど雑学本は嫌い、という私の趣味に合う形で、とりとめの無い話が続くとは思いますが、もしお越しいただければ、そして少しでも皆様の好奇心を刺激できれば、これに越した喜びはありません。

 こちらのブログはこれまで通りの平常運転で参りますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
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雑記 | 2015/02/23(月) 22:37 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1625冊目 古代エジプト 埋もれた記憶
古代エジプト 埋もれた記憶古代エジプト 埋もれた記憶
(2003/08/01)
吉村 作治

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評価:☆☆☆☆


 考古学者として、日本の古代エジプト研究に大きな影響を与えた著者による、古代エジプトへの思い入れがたっぷり詰まった本。

 本書の特徴は、ソフトな語り口で、古代エジプトの人々の生活を多面的に描いている点にある。古代エジプトの通史といった形で書かれているわけではないので、歴史の流れは分かり難い一方で、古代に生きた人々の生活実態については歴史の本より分かりやすくなっている。

 例えばピラミッド建築で働いた人々の暮らし。出勤簿にはなんと二日酔いで休んだ記録があるというのですから驚きです。骨折が治癒した跡があったり、妊娠中の女性や子供のミイラも発見されていることから、奴隷労働ではなかったこともはっきりする。

 一方で、ピラミッドに王を称える文章が刻まれていたから奴隷労働ではなかったとするのはいささか強引だろう。なにせ、当時は識字率1%前後の世界だ。労働者が字を読み書きできたとはとても思えない。また、ピラミッドは墓ではないとするのも早計で、無限∞空間における記事「ピラミッドは、何のために作られた?」(ハード版)にあるように、ピラミッドは基本的に墓だが、全てのピラミッドが墓として使われたわけではない、というのが正しいものと思われる。

 死者の書に描かれている死後の審判、史上初の一神教崇拝、食事、学問、医療、出産等、様々な話題に触れているのが嬉しい。特に医療については基本的に無料(中には有料の、言わば私立病院的なものもあった模様)で、頭蓋骨の切開まで行っていたというから驚きだ。治癒した跡のあるミイラもあることから、ミイラ化するためのテクニックというわけでもない。もっとも、麻酔のない時代の頭蓋骨切開術は受けたくない気もするが(笑)

 そんなわけで、入門書としては非常に優れていると思う。エジプトについて興味を持ったら、上述した点に気をつけながら読んでみるのも良いだろう。
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その他歴史 | 2015/02/22(日) 08:35 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1624冊目 古代エジプトの歴史―新王国時代からプトレマイオス朝時代まで
古代エジプトの歴史―新王国時代からプトレマイオス朝時代まで古代エジプトの歴史―新王国時代からプトレマイオス朝時代まで
(2010/09)
山花 京子

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評価:☆☆☆☆


 古代エジプトの中で最も輝かしい時代は新王国ではなかろうか。エジプトを支配した外国勢力を打ち払って統一を取り戻した第18王朝。彼らは遠い外国にまでその威光を輝かすことに成功する。

 マネトーは王朝を血統で区切らなかったので、実際には第17王朝と第18王朝は血統上は繋がっているのに、その途中で王となったトトメス1世はアメンホテプ1世とは血縁関係にはない。そして、トトメス1世の血を引く最後の王はツタンカーメンなのだが、第18王朝はアイ王、ホルエムヘブ王と続き、その次から第19王朝となる。ううむ、ややこしい。

 そして、第19王朝に活躍するのがラムセス2世。彼はヒッタイトと戦い、危うく命を落としかけてはいるものの何とか引き分けに持ち込み(国内的には勝利を喧伝)、最終的には和平条約を結んでいる。と、やや失敗もあるが、外征を繰り返し、国内ではアブ・シンベル神殿を建造する等、国威発揚の時代だった。

 ピラミッドこそもっと古い時代の話だが、古代エジプトが輝いていた時代を感じさせてくれるスタートだ。

 戦乱の時代を経て、やがてエジプトは外国勢に押されるようになる。それはペルシアであり、マケドニアであり、そしてローマだった。このあたりの流れを丁寧に追いかけていることと、女性の活躍のように、多面的な話題を取り上げているのが嬉しい。

 特に、分裂期のゴタゴタを簡潔に読めるのは価値が高いのではないか。記憶力が絶望的な私にとってはそれでもまだややこしすぎるのではあるが。

 ただ、古代エジプトは、最後がどうにも切ない。プトレマイオス朝は、創世記こそアレクサンドリアに大図書館を建造して、知の世界を輝かせたものの、後半は一族の中で相争い、やがてローマの介入を招いて自滅するような形で独立を失っていく。

 栄光の新王国時代からクレオパトラの死までを、最新の研究成果も織り交ぜながらまとめているので、とりあえず古代エジプトの流れを知りたい、という方にはうってつけだろう。ミイラやピラミッドに興味がある方は、もうちょっと古い時代についての本を読むと良いと思われる。

関連書籍:
知識の灯台―古代アレクサンドリア図書館の物語知識の灯台―古代アレクサンドリア図書館の物語
(2003/03)
デレク フラワー

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ファラオの生活文化図鑑ファラオの生活文化図鑑
(2014/01/24)
ギャリー・J. ショー

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その他歴史 | 2015/02/17(火) 21:33 | Trackback:(0) | Comments:(4)

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1623冊目 ファラオの生活文化図鑑
ファラオの生活文化図鑑ファラオの生活文化図鑑
(2014/01/24)
ギャリー・J. ショー

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評価:☆☆☆☆


 図書館で歴史コーナーを漁っていたら、こんなものを発見してしまった。最近、すっかりエジプトへの興味を募らせてしまったので読みたいのだが、金額的にもサイズ的にも買うのは厳しい。こうした本は借りるに限る。

 本書はタイトル通り、ファラオとはどのような存在だったのかにスポットライトを当てたもの。エジプトがペルシアに支配され、続いてアレクサンドロスに征服されてからも、プトレマイオス朝がファラオの座にあった。クレオパトラ7世の代で、エジプトは独立を失う。しかし、ローマ皇帝はエジプト王でもあった。彼らはファラオとして祀られたのである。それを考えると、4000年を遥かに超える年月、ファラオが存在したことになる。であるからには、多くの変遷がある方が自然だ。

 何と言っても私が読みたかったのは、第18王朝。ええ、ツタンカーメンのあれですよ、あれ。

 とは言っても、興味があったのはハトシェプスト女王と、その共同統治者で彼女の死後に権力を握ったトトメス3世のことだったり、カデシュの戦いで知られる第19王朝のラムセス2世のことだったりする。

 この時代に興味をもったのが、ツタンカーメンの前後にあたるからというのはあるのだが、これらの時代にエジプトはその勢力を大きく伸ばし、世界帝国を名乗るに相応しい国になるのだ。また、この時代はしっかりヌビアを確保しているので、そこからの金が勢力拡大の背景にあるし、ツタンカーメンの黄金のマスクにも結びついている。おまけにツタンカーメンの父親アクエンアテンによる宗教改革とその失敗など、興味深い話題が盛りだくさんの時代だ。

 ファラオの権力や、戦争に於けるあり方等、実に幅広く論じているので、得るところが多かった。エジプト文明、奥が深い。もうちょっと読んでみよう。
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その他歴史 | 2015/02/14(土) 19:50 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1622冊目 エジプトの神話―兄弟神のあらそい
エジプトの神話―兄弟神のあらそい (ちくま文庫―世界の神話)エジプトの神話―兄弟神のあらそい (ちくま文庫―世界の神話)
(1997/08)
矢島 文夫

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評価:☆☆☆


 過去の人生で辿ってきた読書遍歴を思い返すと、小学生~中学生で読んだギリシア神話の影響は大きかったのかな、と思う。そのせいか、今でも神話には興味がある。なので、せっかくエジプトについて読み始めたのなら神話にも手を出しておこうと思っていて見つけたのが本書。

 古代エジプトは、大きく分けても下エジプト、上エジプト、ヌビアといった様々な地域があり、そこは統一される前から文明が花開いてきた。彼らは互いに影響を与え合うなかで、神話や伝承も混ざり合い、不可分のものとなっていった。そうした出自なので、同じ名前の神が同じような話に出てきながら若干役割が違ったり、死んだはずなのに生きていたりと整合性が取れなくなってしまっているものもある。おまけに、エジプト神話は創世神話から始まって楽園の崩壊で終わる、というような分かりやすい時間の前後関係に縛られているわけでは無い。

 こうした点から、ややとっつきにくい点があるのは事実だと思う。しかし、読み始めてみると、個性豊かな神々の演じる物語に興味を持たずにいられなくなった。

 中でも、サブタイトルになっている兄弟の争い。これはオシリス、イシス、セト、ネフティスの4兄弟が絡む話。オシリスはイシスと、セトはネフティスと結婚している(エジプトの少なくとも王家ではでは兄妹あるいは姉弟での結婚は珍しいものではなかったのだが、これがその起源だろうか)。このうち地上を支配しているオシリスが人々から慕われているのを妬んだセトは謀略によって彼を亡き者にして、ナイル川に流してしまう。

 イシスはその死体を何とか回収するが、セトはその死体をバラバラにしてエジプト中にばら撒いてしまう。その仇を討つことになるのがオシリスとイシスの息子、ホルス。

 ホルスはセトと争い、最終的には他の神々の裁定によって父の座を継ぐことになり、オシリスは冥界を支配することになる。そう聞くと、正義の味方のホルスと卑怯者のセトが戦うように思えるのだが、読んでみると、どちらもそれなりに卑怯な手段を使っている。ホルスは実母のイシスを殺してしまうほどだ。と言っても、後にイシスは何事もなかったかのように登場するのだけど。

 多神教は、神が人間臭いところが面白い。

 本書の価値を高めているのは、死者の書についても書かれているところ。多くの図版を用いながら(残念ながらカラーではないが)、死後にはどのようなことが起こるのかを説明し、オシリスの前での審判の模様はどのようなものなのかを丁寧に説明してくれている。

 古い本で手に入りにくいとは思うが、エジプト神話に興味を持たれた方ならきっと楽しめると思う。
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神話・伝承 | 2015/02/12(木) 23:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1621冊目 「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
(2014/06/25)
NATROM

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評価:☆☆☆☆☆


 テレビを見ない、雑誌も読まないといった私の目にすら、怪しげな健康法が目につく。○○を食べれば健康になるだとか、ガンが治るだとか、放射能を分解するとか、凡そ信じられないようなものだ。多くの人は、普段ならこんなデタラメに騙されることはないだろう。しかし、自分や親しい人が死にかけたらどうだろうか?

 母が病に冒された時、母の兄(私の伯父)は、アガリクスを勧めてくれた。その時にはまだ分からなかったが、伯父もまた死病に冒されていた。2人とも正統的な医療を受けるのと平行してアガリクスを煎じて飲んでいたが、助かることはなかった。病気の内容を考えれば、それが必然的な帰結だったと思う。治療にあたってくれた医療関係者へは感謝の念しか無い。

 こうした時、すがる気持ちは分からなくもない。だが、私は当時から効果に疑問を抱いていたし、己が同じ立場になったとしても、代替医療に頼る気はない。何故か?効かないからだ。

 確かに、こうした代替医療には奇跡を謳うような体験談が並ぶ。しかし、仮に体験談が事実であったとしても、それは効果があることの保証にはならない。どれだけ体験談を積んでも同じだ。例えば、インフルエンザに罹った人が居るとしよう。その人物に抗生物質を処方するとする。彼ないし彼女は回復するだろう。では、それは抗生物質を摂ったためだろうか?違う。インフルエンザに抗生物質は効かない。抗生物質は、細菌には効くがウイルスには効かないからだ。インフルエンザから回復したのは、自然治癒に過ぎない。

 同様に、ガンと言われて代替医療に頼って、暫くしてから受診するとガンではないと言われたとしよう。だとすれば、最も高い可能性は、もともとガンではなかった、ということだ。

 誤診ではないかと色めき立つ方も居るかもしれないが、これはガンによる死者を避けようとしたら当然のことだ。ガンであるかも知れない人をできるだけ広く掬いあげて精密な検査をしようとすれば必然的に起こるのである。逆に、精度よくガンである人だけを最初のスクリーニングで拾い上げようとすると、実際はガンなのに拾い上げられない人が出てくる。前者を第一種過誤、後者を第二種過誤と言う。どちらがより問題かといえば、後者だろう。

 本書は、こうした効きもしないのに誤解や悪意によって広まってしまっている代替医療を厳しく批判するものだ。

 類書は、少なからず存在する。そうした中で本書の価値が高いのは、日本で蔓延る問題にスポットライトを当ててくれているところだろう。

 抗癌剤は毒にしかならないだとか、ワクチンは全般に打たなくて良い、特に子宮頸がんワクチンは効果が薄く害の方が大きいといった類のことを聞いたことがある方も多いだろう。どれも間違いだ。ワクチンの最大の恩恵は、致死率が40%にも及ぶと言われる天然痘の駆逐や、四肢の不随を伴う小児麻痺といった病気を身近から追放できたことにある。それと同じことを、麻疹のような病気にも行うべきだ。天然物信仰によって自然に罹り自然に治癒することを目指すというのは、実は危険である。というのも、ワクチンは無毒化あるいは弱毒化されているが、天然株ではそのようなことはない。善意のつもりが重篤化させるリスクがある。

 ホメオパシーについては山口県で愚かな助産師により赤ん坊が死亡した痛ましい事件が有名だろう。これも批判されているし、他にもOリングテストやらガンに炭酸水素ナトリウムが効くといったことも取り上げられている。

 現代医療、代替医療と論じて、最後には健康食品についても批判の矢が突き刺さる。色々なものをバランスよく食べる、塩分は控えて野菜は多めに、といった基本を守る以外に、健康に益する方法は無い。また、一度病気になってしまったものを食べて治すのはナンセンスだということが良く分かる。というよりも、それを教えてもらわないと行けないというのが困った状況なのだろうが……。

 聞いたこともないような珍説奇説についてもきちんと取り上げ、根拠を示した上で批判しているのは、藁にもすがりたいという人々へもためになるのではないだろうか。特にアガリクスにかぎらず、健康と信じることによって逆に健康を損ねるケースもあることが紹介されていることは大きい。やはり、治療の際に頼るのは、きちんと統計的に正しさを示された方法にするべきだと思わされた。

 読みやすく分かりやすく、しかもためになる。素晴らしい本。特に、心が弱まったときにこそ読みたい本。

 ちなみに、私はガンを宣告された時にも代替医療に頼ろうなどとは露ほども思わなかった。次に病気になった時にも同じようでありたいものだ。
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医学・脳・精神・心理 | 2015/02/09(月) 19:44 | Trackback:(0) | Comments:(10)

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1620冊目 古代エジプト (地図で読む世界の歴史)
古代エジプト (地図で読む世界の歴史)古代エジプト (地図で読む世界の歴史)
(1998/07)
ビル マンリー

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評価:☆☆


 先日読んだ『ツタンカーメン 少年王の謎』以来、古代エジプトへの関心が高まってきた。そんなわけで手にとって見たのが、図版の多さをウリにする本書。なにせ、エジプトと言われてもこちらには地理すら分からない。入門書としてうってつけではないか!

 ……と思ったのだが、ちょっと失敗だった。

 古代エジプトの起源からクレオパトラの代の滅亡までを広く浅く集めているし、必要な地図も載っている。だが、構成がわかりづらい。項目に分けて論じているため、時代が行ったり戻ったりするのだが、古代の王朝とはいえ何百年もの間を事由に論じられてしまうと、初心者には厳しい。

 また、訳文が酷い。特に、順接で「が」を使うため、文章を最後まで読まないと文意が掴めないケースが非常に多く、読んでいて疲れてくる。こちらは何も大学のレポートを書くといった類の義務があるわけではないので、どうせ読むならもっと面白い本を読みたい、と思ってしまった。

 ただ、やはり地理的な広がりだとか、事件が起こった具体的な場所についての情報があるのは嬉しい。それに加えて、広い項目を論じているため、例えば女性の地位として、結婚は両性の自由で出来たことや、離婚も合意があればできたことのように、歴史の大きな流れだけを追いかけていたのでは分からない情報を得られるのは貴重な機会だ。

 古代エジプトについて大まかな知識をお持ちの方であれば、もっと楽しく読めたと思う。とりあえず、私は別の本にチャレンジしてみよう。
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その他歴史 | 2015/02/07(土) 19:50 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1619冊目 機密保持と化学―紀元前から現代まで
機密保持と化学―紀元前から現代まで (ポピュラー・サイエンス)機密保持と化学―紀元前から現代まで (ポピュラー・サイエンス)
(2000/11)
山崎 昶

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評価:☆☆☆☆☆


 もともと歴史には興味があったのだが、私の関心は近代史よりも古代史にある。現代史はちょっと生々しすぎるからだろうか。ともあれ、そんな私にとって、サブタイトルにある「紀元前から」は魅力的すぎた。しかも、化学。切り口を誤らなければ絶対に面白いはず!と勇んで手に取ったら、これが想像以上に楽しい本であった。

 本書は12のトピックからなり、それぞれ機密保持に使われた化学の話が紹介されている。最初に出てくるのが、古代エジプトのハトシェプスト女王とその廷臣であったセネムトの話。ハトシェプストはルクソールに壮麗な神殿を造るにあたり、セネムトに指揮を執らせる。彼は見事に神殿を完成させるのだが、ちょっとした細工をしていた。神殿の壁に、己の名を刻み込んだのである。建立を命じたものだけが得られる栄誉。バレれば死刑になっても不思議はない。

 壁に名前を刻むのがどれほど重みを持つかというのは、後の代の王が先の時代の王の功績を否定する際には、碑文や遺跡から名前を削りとってしまうことからも明らかだろう。

 勿論、セネムトも堂々と自分の名前を刻むことなど出来はしない。だから、二重壁にして、隠れる方の壁に己の名を刻んだのである。そこから先が工夫のしどころで、なんと表面に出ている方の壁は敢えて脆く作られており、セネムトもハトシェプストも死んだ後に、表面側の壁が崩れて奥側の壁が露出するようにした、という。ううむ、当時から知恵者は居たのであるなあ。

 と、歴史と化学が絶妙に結びついた話にすっかりやられてしまった。続いてトロイの木馬で知られるアガメムノンが本国へ戦勝を知らせた狼煙について。ここではしっかり万里の長城の狼煙についても触れられているのが素敵だ。更に、第一次ペルシア戦争で、ペルシア側の将軍ヒュスティアスがギリシアに降ろうとして放った密偵と続く。これは、偏頭痛に悩む奴隷の頭髪を剃り上げ、そこに降伏する旨の刺青を彫って包帯を巻き、髪が生えるまで待つと、ギリシアへ送り込む。治療のために医師が再び奴隷の髪を剃り落とすと、そこには降伏文が現れたという。

 え?化学は関係ないのではないかって?いやいや、しっかり関係するのですよ。狼煙では炎色反応を使った可能性を指摘し、刺青ではそこで使った薬品が何かを推測する。

 化学とは関係ないヴィジュネル暗号にも触れているが、そこで取り上げているのがカサノヴァ回想録というのもまた素敵だ。稀代の色事師カサノヴァは、しっかり暗号解読までできたとは知らなかった。途中で挫折したからなあ。

 ポーの『黄金虫』でも暗号が出てくるが、こちらの話題はぐっと化学で、どんな薬品が使われたかを推測している。もっとも、本書によれば小説の設定にはかなり無理があるそうだが(笑)。

 このように、実に広い話題を、読者が楽しめるような形で取り上げてくれている。お陰で、読んでいてとても楽しかった。惜しむらくは、この本は放っておいたらほとんど注目を浴びないのではないかと思われる点。なので、気になるなぁと思われた方は是非とも手にとって欲しいものである。
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その他科学 | 2015/02/04(水) 22:01 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1618冊目 牧夫の誕生――羊・山羊の家畜化の開始とその展開
牧夫の誕生――羊・山羊の家畜化の開始とその展開牧夫の誕生――羊・山羊の家畜化の開始とその展開
(2010/10/29)
谷 泰

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評価:☆☆☆☆


 イヌ、ネコに続いて家畜化されたのが、ヒツジとヤギである。今から6000年ほど前のことだ。

 家畜化された場所がメソポタミアであることは分かっていたが、他は分かっていないことが多い。というのも、牧畜の開始や発展には、目立った道具を必要としないからだ。当時はまだ文字も無かったので、証拠が全くない。それでも、本書を読むと分かったことが多いことに驚かされる。

 従来、狩猟採集から遊牧を経て農耕が始まったとする説があり、エンゲルスがこれを支持したこともあって、こう思う人が多そうだ。しかし、農耕の開始は遊牧に先行し、しかも同じ地域で発達したことからこの説は誤っている。むしろ、農耕が先で、遊牧が後である。

 重要なのは、遊牧が開始されて、乳製品の利用が始まったことだろう。本書はなぜ、どのようにして乳製品の利用が始まったかを、家畜化によって母子関係への人手の介入が必要となり、それは孤児や母子関係を上手く結べなかった幼い個体を保護する必要から、実子以外への乳の利用がされるようになったとしている。説得力に富むのは、通常、動物は実子以外への哺乳は行わないことだ。ネコは例外的な存在だが、これも人間社会で暮らすことで他のネコが生んだ仔と接触することになったというイレギュラーな状態があるからに過ぎない。

 また、本書では宦官制度の始まりについても推測を交えながら語っている。それによると、メソポタミアでは既に宦官が利用されていた記録があるが、動物の去勢と関係が深いとみられるという。

 女奴隷が子を産んだ場合、娘であれば母親と同じ生き方をするが、息子であれば肉体労働に従事させられる。この際の男子を指す言葉が、去勢されたウシと同じ単語である、という。そこから、恐らく彼らは去勢されていたとみられるのだ。

 他にも、ヒツジの群れをコントロールする方法のように、牧畜を知らない人には想像も出来ないようなことが多く紹介されていて、知的好奇心が刺激された。
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生物・遺伝・病原体 | 2015/02/02(月) 19:02 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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