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Author:Skywriter
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1617冊目 ピラミッドで数学しよう―エジプト、ギリシアで図形を学ぶ
ピラミッドで数学しよう―エジプト、ギリシアで図形を学ぶピラミッドで数学しよう―エジプト、ギリシアで図形を学ぶ
(2006/06)
仲田 紀夫

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評価:☆☆☆


 遙か悠ピラミッドには様々な知が隠されている、という怪しげな(というか、怪しさそのものの)言説が存在した。ピラミッドの様々な場所の長さを測定して、ノストラダムスの予言的に大事件を予知していただとか(だったら滅亡も防ごうよ)、遥か後に明らかになる科学的な知を持っていただとか、果ては宇宙人がピラミッドを建てたといった、古代エジプト人を莫迦にしている説である。

 妄説は置くとして、実際には古代エジプトでは随分と数学が発達していたようだ。アーメス・パピルスと呼ばれる当時の数学問題集には代数や連立方程式、等差数列や等比級数といった問題が記されている。

 そして、ピラミッドには円周率が潜んでいるのは、どうやら間違いないことのようだ。クフ王の大ピラミッドの底辺の長さと高さの比を取ると、π/8に近い数字が出てくる。と言っても、これは不思議なことではない。即地輪と呼ばれる道具を使うと、自然とπが含まれるのだから、そもそもπを知らなくても良いのだ。

 本書でも即地輪を使ったとする仮説を取り上げている。そこから、ギリシアで花開いた数学へと話が進んでいく。歴史的な経緯を辿ると、ギリシア数学が発達したその背景に、エジプト文明があったことが分かる。ギリシア人達はエジプトを訪れ、エジプトで発達した測地測量を学んだのだ。

 こうしたエジプト・ギリシアの数学を、お父さんと息子・娘の3人が会話をしたり問題を出したりしながら追いかけているのが本書。タレス、プラトン、アリストテレスといった哲学者たちを取り上げながら、数学の知を紹介してくれている。こうしてみると、我々が中学までで学ぶ数学はギリシア時代までに培われてきたものだと分かる。高校時代になると三角関数や微分積分といったより後の時代に開発されたテクニックを学ぶ。理系の学問はだんだん発展してくことが分かる。

 そんなわけで、中学の数学を思い出してちょっと懐かしかった。
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数学 | 2015/01/31(土) 07:54 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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1616冊目 ヒトと動物の関係学〈第2巻〉家畜の文化
ヒトと動物の関係学〈第2巻〉家畜の文化ヒトと動物の関係学〈第2巻〉家畜の文化
(2009/02/26)
秋篠宮 文仁、林 良博 他

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評価:☆☆☆


 イヌと暮らすようになってから、こうした動物についての本が以前より気になるようになった。そんなわけで専門的に過ぎるのではないかと思いながら手にとって見たのだが、杞憂であった。

 本書は、文化が絡むことであれば何でもと言っていいほど、様々な観点から家畜を論じている。家畜とは何かに始まり、家畜の歴史、家畜文化、そして家畜の現在と論じていく。全部で3章からなるのだが、各章は更に細かく17の各論に分かれ、それぞれ別の著者が記すことで多様な見方を担保している。

 それぞれが持ち味を活かして縦横に論じているので、思いもよらぬことまで知ることが出来るのは嬉しい一報、まとまりには欠ける印象だ。目を引くのは化け物級の博識、荒俣宏さんまで寄稿しているところか。

 家畜の改良や利用については、意外なことに魚や鷹匠まで論じている。乳製品、水牛やトナカイ利用の現在、犬橇の歴史や日本における闘牛と、予想もしなかった方向への話の進み方が面白かった。

 最終章ではアグリビジネスについても解説がある。『雑食動物のジレンマ ──ある4つの食事の自然史』にも詳しかったが、正直、食欲を失うような現状がある。これだけ増えた人口を養うには仕方のないことなのかもしれないが、もうちょっと払うべき価値のあるものにはお金を払わなければダメなのだろう。

 色々と教えてくれたことを嬉しく思う。


関連書籍:
雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史
(2009/10/23)
マイケル・ポーラン

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雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史
(2009/10/23)
マイケル・ポーラン

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保存食品開発物語 (文春文庫)保存食品開発物語 (文春文庫)
(2001/11)
スー シェパード

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生物・遺伝・病原体 | 2015/01/27(火) 23:00 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1615冊目 バビロニア―われらの文明の始まり
バビロニア―われらの文明の始まり (「知の再発見」双書)バビロニア―われらの文明の始まり (「知の再発見」双書)
(1996/11)
ジャン ボッテロ

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評価:☆☆☆☆

 文明が始まったのは、"川に挟まれた地"を意味するメソポタミアである。この地は灌漑、最初の文字を始めに、多くの初めてのことを生み出していった、物凄いところである。

 このメソポタミアを生み出したのは、サウジアラビア方面からやってきたアッカド人と、南方に居たらしいシュメール人である。彼らは交易を通じて文字を生み出したらしい。その証拠に、初期の文字は商取引の記録ばかりという。

 都市国家を築いていた人々は、やがて中央集権的な国家を作っていく。このうち、北方をアッカド、南方をバビロニアと呼び習わしている。本書はこのバビロニアを中心に置きながら、メソポタミア全体の歴史を追いかけている。時代の範囲としては、メソポタミアに都市文明が生まれてから、アレクサンドロス大王の東征によってペルシア帝国が滅ぶまでの歴史を大まかに追う形だ。

 と言っても、この間で3000年程の歴史が流れている。丁寧に追いかければ幾ら紙幅を費やしても語りきれるワケがない。というわけで、本書では大まかな推移と、宗教や技術といった各分野のありかたを簡単に解説している。

 この「知の再発見」双書は、図版が非常に多く、かつ簡潔にまとめられているので、入門としては非常に優れたものである。しかも、ほぼフルカラーであるため、過去の人々が築き上げた建築物や、精巧な技工を施した芸術品がいきいきと再現されているのが魅力である。

 本書においても、戦勝を祝うレリーフや、贅を凝らした美術品等、多くの美しい作品が収められているので、考古学に興味がある方には堪らない仕様になっている。しかも、宗教や数学(位取りや、ゼロに該当する文字も使われていた)、一般の人々の生活と、本当に幅広く論じているので、バビロニア社会を覗き見るような気にさせてくれる。

 歴史、それも考古学に興味がある方ならきっと楽しんで読めるだろう。
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その他歴史 | 2015/01/23(金) 23:43 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1614冊目 犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわかる、人間の「最良の友」の起源
犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわかる、人間の「最良の友」の起源犬が私たちをパートナーに選んだわけ 最新の犬研究からわかる、人間の「最良の友」の起源
(2014/01/30)
ジョン・ホーマンズ

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評価:☆☆☆☆


 人類最良の友と称されることもある、犬。彼らの示す無邪気な信頼と愛情、そして自らの身をも顧みない献身には心が温まることも多い。なぜ犬はこのような振る舞いをするのだろう?

 本書はまず、著者が行き場のない動物を集めたシェルターを訪れ、一匹のラブラドールのミックス種を引き取るところから始まる。純血種には興味がなかったということで、保健所から引き取った犬と暮らす私の心はもうこの時点でがっちり掴まれてしまった。

 ステラと名付けられた犬を媒介に、著者は犬が辿ってきた歴史を追いかける。

 どのようにして人間と共生するようになったのだろうか?それはいつ、どこで起こったことなのだろうか?多くの地域の遺跡を取り上げているところが圧巻。オオカミの歯を使ったネックレス、犬と一緒に埋葬された人、老犬。一方で、ラスコーのような洞窟壁画に犬の姿が見られない、という不在についてもきちんと解説してくれている。

 オオカミと犬では性格が大きく異なる。オオカミはどれだけ人に慣れても、犬ほどの従順さを示さない。オオカミと犬の間に生まれた、俗にいうウルフドッグもまた、飼育はかなり難しいという。では、どうやって昔の人はオオカミを飼い慣らし、犬へと変えていったのか?

 その答えを推測できるような事実が銀ギツネを使った実験で見られるという。人間を恐れないキツネには、垂れ下がった耳や模様といった外見でも、犬と同じような特徴が表れたというのだ。犬族に共通の何かがあるのかもしれない。ネオテニーは群れからの巣立ちを遅らせることができることで、弱い個体の生存を助けていたのだろうか。

 犬の話にだけ留まらない点や、犬の知性の特質と限界、純血種を巡る問題、動物の権利等広く話題を集めているところを見ると、かなり深く調査がされていることを感じさせる。

 最良の友がどのように得られたか、どのように接するべきかを深く考えさせてくれる一冊。
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生物・遺伝・病原体 | 2015/01/22(木) 19:15 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1613冊目 ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論
ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論
(2008/10/23)
ニール・ドグラース・タイソン

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評価:☆☆☆☆☆


 もともと科学関係の本が好きなのだが、それでももうどうしようもなく面白い!という本に会うことができるのは稀なことである。そんな滅多にない嬉しい出会いを久々にすることができた。本書はもうとんでもなく面白い。私のレビューなど読むのを止めて、すぐに本屋へ走って欲しいくらいだ。

 これと同じくらい興奮したのは『人類が知っていることすべての短い歴史』以来かも知れない(文庫化されましたよ、皆さん!)。『人類が~』と一番違うのは、扱う項目の多さと、著者の科学の素養であろう。『人類が~』は、人類が営々と積み上げてきた知の世界を描いてやろうという意欲作で、書いたのはベストセラー作家だった。その分、文章はこなれている一方で、面白いエピソードに偏りがちだったが、本書の著者は本職の科学者であり、扱うのは宇宙の話がほとんどだ。それなのに、面白さでは勝るとも劣らない。それだけ、宇宙の謎は多く、魅力に満ちているということだろう。

 地球が太陽の周りを公転していることを知るに至った歴史や、それによって惑星の奇妙な動きの説明ができるようになったことといった太陽系の話もあれば、フラウンフォーファー線の発見によって遥か彼方の天体に含まれる物質には何があるかを知ることができるようになったという知見もある。

 反物質はどうして存在しないように見えるのか?太陽系は安定しているのか?恒星の進化とは?宇宙に生物はいるのだろうか?

 多くの不思議に対し、答えが得られるようになってきている。こうした不思議はどれも画期的な発見によって明らかにされてきたし、その過程も理論も楽しいものである。ただ、それを一般人が読んで楽しく思えるよう、表現することができれば。そして、我々はその表現者を得たのだ。

 お堅い話ばかりではない。トリビアもジョークも満載だし、皮肉な見方も含まれている。これらを生き生きとした好奇心と、知ることの喜びが結び付けている。

 例えば、太陽を発した光のうち、50万分の1だけが地球にやってくる。その時間、わずか8分19秒。ところが、太陽の核で生まれた光は太陽を飛び出るまで、100万年もかかるのだ!こうした事実を、日差しを浴びるところから語り始めて、どうしてこのようなことになるのかを丁寧に教えてくれる。おまけに、数式を使うことなく。

 とにかく面白く、ここ暫くは毎晩寝る前の楽しみだった。読み終わってしまったのが残念と思えてならない、魅力的な書。ぜひ読んでみてください!


関連書籍:
人類が知っていることすべての短い歴史人類が知っていることすべての短い歴史
(2006/03)
ビル ブライソン

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素粒子・宇宙論 | 2015/01/20(火) 21:06 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1612冊目 ツタンカーメン 少年王の謎
ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書)ツタンカーメン 少年王の謎 (集英社新書)
(2012/07/13)
河合 望

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評価:☆☆☆☆


 多くの副葬品と共に発見されたツタンカーメンは、最も有名なファラオの一人であろう。知名度で言えばクレオパトラに勝るとも劣らないツタンカーメンであるが、しかしその業績は知られていない。

 ツタンカーメンは、エジプト第十八王朝末期の王である。

 先の王が宗教改革を行い、テーベを中心とする伝統的なアメン・ラー信仰から、唯一神であり太陽の化身であるアテン神へと信仰を変えていたため、元の名をトゥト・アンク・アテン(ツタンカーテン;アテンの生ける似姿)という名だったが、王の死後に改革への揺り返しが起こる。トゥトアンクアテンは、伝統回帰に大きく舵を切った時代の王であり、アメン神への信仰を示すように、名前もトゥト・アンク・アメン(ツタンカーメン)へと変えた。

 だが、彼の治世は短かった。ミイラを分析した結果、ツタンカーメンは19歳前後で亡くなったことがわかっている。しかも、彼は後の王がアメン神への回帰を自分の手柄にしようとしたためにレリーフを書き換えられるといった形で功績を奪われ、おまけにアテン神の影響を排除しようとした19王朝の王によって、アテンに関わりのある王は記録からも消されていった。

 彼の王墓は2度に渡る盗掘被害を受けてはいたものの、大きな被害の無いまま見つかるという稀有な事例となった。お陰で、当時の風習について我々は実に多くのことを知ることができる。

 本書は、ツタンカーメンについて分かった最新のことを、幾つかの推測も交えながら教えてくれている。頭蓋骨内に骨片が見られたことから他殺の可能性が指摘されていたが、今では暗殺の証拠では無く、ミイラ化あるいは発掘時のものと思われているとは知らなかった。

 ツタンカーメンと言われれば多くの人が想起するであろう、呪いについても触れられているが、事実をきちんと見れば呪いがあると思うほうがおかしい事も分かる。例えば、ミイラの包帯を開いたのに立ち会った10人の内、10年以内に死んだ人は居ない。また、呪いが仮に存在するのであれば最も被害を受けるであろうカーターは死んでいないのだから、まあ妥当なところだろう。

 ツタンカーメンにまつわることを一冊で手軽に知ることができるのは魅力である。

 それにしても、今に残る副葬品を見ただけでも、その豪華さには驚かされる。エジプトが大量の金を持つことができた、強大な国であったことが伺われる。エジプト史についての興味が復活してきた。また何か読んでみようと思う。
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その他歴史 | 2015/01/17(土) 17:30 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1611冊目 今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機
今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機
(2009/12/16)
丸山 茂徳

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評価:☆☆☆☆


 地球は人間の排出した二酸化炭素のせいで温度が上がり、それは環境を大きく変えることで生物多様性に大ダメージを与えようとしている。

 地球温暖化論に対して、様々な懐疑論がある。しかし、本書は懐疑論ではない。むしろ、対立する説の提示であるというのが相応しいだろう。地球は今、寒冷化している。そして、寒冷化こそが、真に人類へ大ダメージを与える、と著者は述べる。

 京都議定書が採択されたのは、1997年。その時から、二酸化炭素の排出量は減少どころが激増している。ひとつは、先進国の削減が進んでいないこと。いや、日本のようにむしろ増加しているところがあること。そして、中国の経済伸張に見られる、経済成長の著しい国々からの排出量が増えていることによる。

 もし、二酸化炭素による温暖化論が正しいのなら、地球の温度上昇は輪をかけて上昇しているはずである。それが、モデルに基づく理論の予想するところであろう。では、実際はどうだろうか?こちらのリンク先をご覧頂きたい。石井吉徳Blog: 地球は有限、資源は質が全て

 2010年までのデータしか無いが、二酸化炭素濃度は戦慄すべき勢いで上昇しているのに対して、気温は2003年をピークに、むしろ下降している。ということは、モデルがどこかおかしいということだ。何がおかしいのか?それは、地球の気温に関与しているのが二酸化炭素を始めとする温室効果ガスだけであるという前提である。その前提で、事実を説明できないのであれば前提が間違っているのだ。

 本書は、もっと他のメカニズムによって、地球は寒冷化に向かっていると警鐘を鳴らす。その中心にあるのは、太陽活動。

 地球には様々な宇宙線が降り注いでいる。この高エネルギー粒子は大気上層部で空気と衝突し、イオンを生む。イオンは水滴の核となる。つまりは、雲が増えるのだ。雲は太陽光を効率的に反射してしまう。宇宙線の入射量と、地球の気温の間には大きな関係があるのだ。

 太陽が活発でも低調でも、地球が受け取る太陽の熱エネルギーはほぼ変わらない(だから、太陽定数と呼ばれる)のだが、この宇宙線入射量に対して太陽の活動が関係してくる。太陽活動が活発だと、この宇宙線を防いでくれるのである。ということは、太陽活動が低下すると入射する宇宙線の量が増え、雲が増え、宇宙に跳ね返される太陽からの光の量が増える。すると、地球の温度は低下するというわけだ。

 こうしたメカニズム以外にも、地球の温度を大きく変えるミランコビッチサイクルと呼ばれるサイクルもある。

 著者は、上記のような根拠と、実際に地球の気温が低下していることから、温暖化論を厳しく批判している。むしろ、寒冷化に備えるべきである、と。気温の低下、特に夏季の温度低下は食料生産を直撃するのだから、温暖化よりも寒冷化を懸念するのは当然のことだろう。

 プルームテクトニクス論を唱える等、地球のダイナミックな動きについて常に考え続けてきた著者だからこその説得力。温暖化論に関心がある方は是非読んでみて欲しい。ただ、温暖化を批判しようとするあまり、アンケートで「今後一方的に気温が上昇するか?」というアンケートでいいえと答えた科学者が多いと、温度上昇とはまた異なる観点のことを聞きながら、読者には科学者の多くが温暖化に賛成していないと考えさせるように書くのはミスリードを誘うと言われても仕方がないと思う。例えば、一方的ではなく、昇降を繰り返しながら平均としては上がっていくという人は上記の問いにはいいえと答えるしか無いからだ。

 こうした点もあるが、その確かな視点と事実の提示からは得られるものが多いと思う。
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環境 | 2015/01/12(月) 19:10 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1610冊目 気が遠くなる未来の宇宙のはなし
気が遠くなる未来の宇宙のはなし気が遠くなる未来の宇宙のはなし
(2013/11/16)
佐藤 勝彦

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評価:☆☆☆☆☆


 タイトルに偽りなし、まさに気が遠くなる宇宙の話である。というのは、本書が扱っているのは10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000年後、と書いても読めないでしょう、10の100乗年後までの世界。

 その間に、宇宙はどうなってしまうのか?

 遠大な目標を掲げつつ、まずは地球の未来から。現在、温暖化論が語られるが、実のところ、現在は氷河時代である。地球上に氷河が見られる時代を氷河期と呼ぶのだが、今は氷河時代の中で比較的温暖な気候の、間氷期と言われる時期なのだ。氷河時代は、氷河が広い地域を覆う時期と間氷期がかなり定期的に繰り返されているのである。

 どうして定期的な気候変動があるのだろうか?二酸化炭素の増減とはどうやら関係無さそうだ。

 答えの候補は、ミランコビッチサイクルと呼ばれる地球規模の動きである。地球の公転軌道離心率は10万年周期で、地軸の傾きは4万1千年周期で、地軸の歳差運動は2万6千年周期で繰り返されることで特に陸地の多い北半球に当たる日照量が増減し、それが地球規模で温度を変化させる、というのである。実に規模の大きな話だ。

 いや、他にも地球の温度に大きな影響を与える宇宙規模の話がある。地球は銀河系の中を動いているのだが、やがて今よりももっと恒星の多い、"腕"と呼ばれる部分に入る。すると、宇宙線の入射量が増える。それは大気上空でイオンを生み、イオンは雲を作り出す。雲は太陽光を反射させてしまうので、地球は寒冷化するのだ。

 と、これなどは近い将来の話。なにせ、10億年ほど後の、太陽光度が上がって地球から水分が失われることやら、50億年後の太陽が赤色巨星化する話ですら、本書が扱う範囲では、ほんの少し先の未来に思えてしまうほど。

 宇宙がどのような進化をしていき、終わるのか。最新の知見に基づいて丁寧に解説してくれているので、知的興奮を覚えながら、しかも楽しく読むことができた。著者はビッグバン宇宙論における問題を解決するための、インフレーション宇宙論をアラン・グースと同時期に唱えた科学者で、宇宙について語るのに最適な邦人の一人。しかも、一般向けの本も多く書いており、わかりやすさには定評がある。興味を覚えられた方は是非読んでみて欲しい。
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素粒子・宇宙論 | 2015/01/10(土) 22:43 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1609冊目 数で考えるアタマになる!―数字オンチの治しかた
数で考えるアタマになる!―数字オンチの治しかた数で考えるアタマになる!―数字オンチの治しかた
(2007/07/26)
ジョン アレン パウロス

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評価:☆☆☆☆☆


 数学は役に立つ。数学は楽しい。

 そう訴える著者は、米テンプル大学の数学教授。などと紹介されたら、堅苦しい話が続く退屈な本なのではないかと思われてしまうかもしれないが、そんなことはない。冒頭に書いたことを信じる著者は、見事に面白い話を紹介してくれる。

 例えば、あなたの街に髪の本数が同じ人は居るだろうか?40日間降り続き地を水没させたノアの洪水の1時間あたりの降水量はどれくらいだろうか?ユリウス・カエサルの末期の吐息を貴方が直前の呼吸で吸った確率は?素晴らしい結婚相手と巡り会うにはどうしたら良いか?

 実に面白そうではないか!

 本書はこうした面白い話を紹介した後で、如何に人は大きな数字に騙されてしまうか、どうすれば騙されないで済むのかを論じている。エピソード的な話がどれも面白いので、読んでいてとても楽しい上に、論理的な考え方の紹介までしてくれているのだから、これはもう堪らない。

 こんなにも面白い話があるのに、どうして多くの人は数学を苦手と思うのか?著者は数学の、それも初歩の算数の授業のレベルの低さを批判する。数学が苦手だから文系に進んだ人が教師になる。それでは授業が楽しくなる訳はないしm子供の数学面の興味を引き出すことはできないだろう。

 日本でも全く同じ状況なのを感じる私とては、著者の言葉に全面的に賛成である。

 数学は自然科学を理解するための言語のようなものだ。技術系社会に数学は欠かせないものという現実的な側面に加え、個々人が情報に流されず冷静な判断を下すのに数学のような論理的思考を鍛えることは重要であるというやや漠然としたことも加え、数学の大切さはもっと理解されて良いと思う。

 そうした点から、本書のような本は極めて貴重であると言える。なにせ、ためになるのに加えて、読んでいて面白いというおまけ付きなのだから。多くの人に手にとって頂きたい良書。

 尚、本書は『数字オンチの諸君!』(存じ上げませんでした)の改題ということです。

 また、野本陽代さんの訳が素晴らしい!ご本人の著書『ベテルギウスの超新星爆発 加速膨張する宇宙の発見』も分かりやすくて読みやすく、しかも面白いという素晴らしいものだった。それと同じように、訳文であることを全く感じさせない自然な日本語なのも本書の魅力を高めていると思う。
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数学 | 2015/01/06(火) 23:33 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1608冊目 自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか?
自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか?自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか?
(2009/07/11)
イアン・スチュアート

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評価:☆☆☆


 スキー場で雪が降っている時、リフト上の手持ち無沙汰の時間には手のひらに落ちてくる雪の結晶を見るのが好きだ。肉眼でもはっきり分かる、美しい形。雪はどうしてあんなにも規則的な形を取るのだろうか?その謎を解くのは容易なことではない。本書は一冊丸々かけてその謎に取り組んだものである。

 と言っても、延々と雪の話を続けているわけではない。自然界に隠された秩序を探りながら、最終ゴールを目指す壮大なものだ。

 雪の結晶を巡る旅の最初は、原理とパターンである。自然界には様々なパターンがあることはお分かりだろう。シマウマの縞であったり、ヒョウの斑点であったり、砂丘であったり、ミツバチの巣であったり。こうしたパターンは、目に見える大きさだけではない。塩のような結晶も、原子が規則的に並ぶことでパターンを作っているし、肉眼ではとても全体像をつかむことの出来ない宇宙の大規模構造もある。

 規模も様々なら、見え方も全く違うこうしたパターンはなぜ生じるのか?それが物理の面白いところだ。物理の法則は単純な形で書き表される。しかし、簡単な法則から生み出されるものは複雑になり得るのである。

 ミミズやムカデの動き方、フィボナッチ数列とはどのようなものか、DNAの構造、虹の見え方、土星の輪、カタストロフィ、フラクタル、宇宙規模の対称性と、実に様々なところにある法則を眺め、そしてなんとか雪の形を解こうとする。

 壮大な旅であるという理由はよくわかっていただけるだろう。身近な謎に答えるのに、こんなにも多く知るべきことがあるのは驚きだ。神は細部に宿ると言われるが、細かく知りたいと思えばどこまででも突き詰めていけると感じさせてくれる。読むのは大変だが、それに見合った満足感の得られる本と言えよう。
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素粒子・宇宙論 | 2015/01/03(土) 20:31 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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