半分の月がのぼる空〈2〉waiting for the half‐moon (電撃文庫) (2004/02) 橋本 紡 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆☆
前巻で、病室にとんでもない量(数百冊ではきかない、らしい)のエロ本を溜め込んでいた多田老人が亡くなり、主人公はその遺産を引き継いでいた。まさか1人の人生が詰まったものを無碍にするわけにもいかない。そんなわけで主人公は由緒正しくベッドの下にそのコレクションを溜め込んでいたのであった。
それが悲劇のもとになるとは、誰が予想しないだろうか。
お約束通りにコレクションは里香に発見され、主人公はすっかり里香に嫌われてしまう。
そこに現れたのは、里香の主治医。彼は巧みに主人公に接近すると、なんと無修正のアレをプレゼントしてくれる。勿論、それが呼びこむのは更なる悲劇である。
良い雰囲気になるたび、誤解か自業自得で気まずくなるのはラブコメの王道と言えよう。
後半、『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカンパネルラを演じる2人。あの物語を知る人であれば、心臓が弱く、いつまで生きられるかも分からない里香がどんな気持ちで自分をキャラクターに重ねているかが分かるだろう。その切なさを主人公が知った時、少年は一歩大人になる。
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