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Author:Skywriter
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BK1書評の鉄人31号。
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1008冊目 水平線までの距離は何キロか?
水平線までの距離は何キロか?水平線までの距離は何キロか?
(2007/10/23)
沢田 功

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評価:☆☆☆☆


 精確な答えが出せない、あるいは必要とされない問題というのは少なくない。例えば、東京と大阪の距離は?という質問への答えは、一般的には550キロとなるだろう。それは当然、精確に言えば間違いだ。しかし、ニュートリノの速度を測る実験をやる、というような特殊な場合を除いて550キロと考えることに実際上の不都合は無い。

 この、およそどれくらいか、というレベルででも知らないことは沢山ある。そんな問題の一つが、”水平線までの距離は何キロか?”。答えを書いてしまうと、おおよそ5km、ということになる。答えを求めるのに、三平方の定理を使っているのだが、近似を求めるために、テーラー展開と呼ばれる技法を用いている。と言っても、身構えることはない。本書で使っているのは簡単なルールだから。

 まず、自分の身長(m)を考える。私なら1.8m。地球の半径はおよそ6400km。私が見ている高さが1.8mとすると、なんと1.8×2×6.4をルートで割った数が地平線までの距離になる。掛け算の結果は、23.04なので、2乗して23くらいになるのは5。だから、私にとって地平線までの距離はおよそ5km。同様に、1mの息子を考えると、3.5kmなんと、一緒の風景を見ているようでありながら、1.5kmほども見えている範囲が違うのだ。

 どうしてこのような計算が成り立つのか、それを、最初に簡単な数式で説明してくれている。理解するのに高等数学の知識は必要ないので安心して欲しい。そして、これを使うと、水平線だけではなく、飛行機雲は何キロ見えるのか、という問題にも同じように答えが出せることになる。

 他にも、ヒットを打つにはどちらに打てば良いか、我々が吸っている空気のほとんど全ては真空である、といったことが、およその考えから説明されている。その結果に驚くことも多いのではないか。およそから見えてくる世界の魅力を教えてくれる良書。


 およそを知るテクニックと言えば、フェルミ推定が知られている。それなりに現実味のある数字から、知らない数値を求めるものだ。本書に興味を感じられた方には、フェルミ推定についても調べてみることをお勧めしたい。




関連書籍:

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
(2004/06)
スティーヴン ウェッブ

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数学 | 2012/01/31(火) 22:06 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1007冊目 怪道をゆく

怪道をゆく怪道をゆく
(2008/04/19)
向井豊昭

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評価:☆☆


 タイトルの勝利だなあ。どこからどう見ても、『街道をゆく』。それを一字変えたら大違い。刷毛に毛がありハゲに毛が無い。それは濁点だった。

 どういうわけか尺貫法かつ七五調で道案内をしてくれるナビで北海道開拓時代に連れていかれてしまう話から始まる少作品集。タイトルにやられて読んでみた。

 一言でまとめてしまうが、うーん、文芸小説というのは何を言わんとしているのか分からなくて困る。推理小説は良いんですよ。だって、犯罪があって犯人がいて探偵gあ事件の全貌を暴く訳だから、結局は事実と論理で出来ているから。ラブコメも同じ。男女のすれ違いが繰り返されて、最終的にカップル成立(リア充爆発しろ!)あるいは結婚(ザマー見ろ!)あるいは破局(実はハッピーエンド)に至る訳だから。

 でも、誰の目にも明らかなゴールが無いと、読んでいて、で、ここで明らかになる新たな事実や、好奇心を刺激する知見は無いの?となってしまう。我ながら、実に散文的な脳の持ち主である。そんなわけで今の私には理解出来ない世界だった。もしかしたら、小説読みとしてステップアップを図っていけばやがては分かるようになるかも。

 でも良いんです。やたらとアイヌを取り上げていて、しかも彼らの文法やら文化やらを詳しく語っているから。両親が北海道出身なので、一方的な親近感を感じている身には、アイヌの言葉から彼らが北海道の自然をどう受け止めていたかが感じられたのは嬉しかった。文化が違うと目の前にある同じものでも違う受け取り方がされるのだ、と改めて感じさせてくれたのには感謝。
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その他小説 | 2012/01/29(日) 22:29 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1006冊目 ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記

ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記 (新潮文庫)ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記 (新潮文庫)
(2009/08/28)
宮本 照夫

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評価:☆☆☆☆


 妻から勧めてもらった本。妻はテレビを殆ど見ないのだが、数少ない例外がある。一つはバレーボール(特に女子)。そしてもう一つは警察24時的な実録もの。本書は(タイトルを見たら分かるだろうけど)後者に属する。

 ヤクザ禍の酷かった川崎で、幾つかの飲み屋を経営していた著者。彼の店は開店当初からずっと暴力団関係者及び、他の客に迷惑をかける者は出入り禁止、という姿勢で来た、という。なぜかといえば、「額に汗して稼いだカネで飲むのが不快になってはならない」と思っているから。だから、時にヤクザに絡まれながらも断固としてその姿勢を貫き通した、という。

 そんなわけで、必然的に波乱万丈な経営者生活を送る羽目になってしまった著者の、スリリングな日々を記したノンフィクション。ある時は心温まる、ある時は手に汗握るエピソードが綴られている。店を開いている方、これからそういう世界に飛び込もうという方には参考になる点が多いのではないだろうか。鍵は、とにかく相手に踏み込まれる隙を作らない。これに限るようだ。それによって得られるものは何か。本書を読んで確かめてみて欲しい。

 水商売とヤクザは切り離せないように思えてならなかったが、こうしたやり方もあるのかと感心させられた。加えて、文章は分かりやすく、想いの丈が良く伝わってくる。読み物としても十分に楽しめる本なので、我が妻同様に実録ものが好きな方には向いていると思う。
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ノンフィクション | 2012/01/27(金) 21:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1005冊目 イギリスPubウォッチング

イギリスPubウォッチングイギリスPubウォッチング
(1995/06)
デズモンド モリス、ケイト フォックス 他

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評価:☆☆☆


 『裸のサル』等で、ユニークな人間論で知られるデズモンド・モリスが、イギリスのパブについて論じた本。

 パブは不思議なもので、日本に存在する飲み屋とは明らかに異なる。同じなのはせいぜいアルコールを提供する店である、という程度だろうか。パブ文化に匹敵するようなアルコール文化は、他国には余りないように思える。但し、パブ風な雰囲気を持った店は日本にもあるだろうし、まさにその雰囲気を目指した英国風PUB HUBなんてチェーン店もあったりする。因みに結構気に入っている店だったりする。本家イギリスより食べ物は美味しいし。

 それはともかく、パブには様々なタイプがある、という。なにせ、社会層によって読む新聞・雑誌は勿論、趣味やパブまで違うというお国柄。ビールの種類から店内の雰囲気、客層等々、実に細かな違いがあるらしいのだ。だから、どんな人でも自分に合ったパブがある、ということらしい。その違いや、違いが生じる背景、客と主人の関係、パブでの適切な振る舞い方等、詳しく論じている。

 外国人であり、その文化に馴染みのない身にはさっぱりわからないことが多いが、それでもパブというものへの興味が湧いてならなかった。ビールも美味しそうだし。やっぱり本当に雰囲気を知るためには何回もパブを訪れるしか無いのだろうなあ、と思ったものである。できれば、そんな状況を体験してみたいものだ。


関連書籍:

裸のサル―動物学的人間像 (角川文庫)裸のサル―動物学的人間像 (角川文庫)
(1999/06)
デズモンド モリス、Desmond Morris 他

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ノンフィクション | 2012/01/25(水) 22:22 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1004冊目 なぜ人は砂漠で溺死するのか?

なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)
(2010/08/25)
高木 徹也

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評価:☆☆☆☆


 砂漠で溺死?一体どういうこと?そう思わされてしまったら、あとはもう読んでみるしか無い。見事なタイトルの勝利。

 その謎だが、砂漠でも雨が降らないわけではない。雨が降れば水の流れる路ができる。しかし、雨はほどなくして止み、川の流れた跡だけが残るのだが、ここは歩きやすい地形になっている。運悪く、そこを通行中に雨が降ると、路は一転して川となり、溺死してしまう人が出る、ということらしい。

 説明されれば合理的に聞こえるのだが、さて、自分が同じ悲劇を避けられるかと問われたら疑問である。何故なら、それが意外な死であるから。予期せぬことに対応することは困難だ。

 本書が伝えたいのは、こうした意外なところに潜む危険というわけではなく、もっと身近でありながら危険性が知られているとは言い難いところを、実例を元に指摘している。

 例えば風呂。病気のはなし・病気辞典・病気を見てもらうと、年間1.5~2万人との数字が挙げられている。これは、年間1万人以下である交通事故死者を上回る数字だ。だから、可能性としては、あなたや私は車に跳ねられて死ぬよりも風呂で死ぬ可能性の方が高い。

 では、なぜ風呂はこんなにも危険なのか。法医学者である著者は、交感神経と副交感神経の働きで説明してくれる。特に、アルコール摂取後は危険度が高い、という。あのぐったりした感じで温かいお風呂に浸かる幸せは、どうやら危険と隣り合わせらしい。

 自殺、熱射病、凍死、溺死。思わぬところに潜む落とし穴もあれば、死に至る病でありながら気づきにくい危険な病気もある。悦楽の極地である、セックスの最中に死んでしまう人もいる。そうした、身近に潜む死に注意を喚起してくれる点で面白い読み物だった。文章も軽妙洒脱で読み易く、普段はノンフィクションを読まない私の妻もケラケラと笑いながら読んでいた。軽い読み物としても楽しめる一冊です。

 ・・・・・・それにしても、自慰中に突然死してしまうのは嫌だなあ。気をつけよう(どうやって?)。
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ノンフィクション | 2012/01/22(日) 21:40 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1003冊目 なぜ貝の化石が山頂に?―地球に歴史を与えた男ニコラウス・ステノ

なぜ貝の化石が山頂に?―地球に歴史を与えた男ニコラウス・ステノなぜ貝の化石が山頂に?―地球に歴史を与えた男ニコラウス・ステノ
(2005/08)
アラン カトラー

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評価:☆☆☆


 タイトルの疑問に答えられない人はむしろ少数派であろう。遥か昔は海底だった地が、プレートの動きや海水面の下降で地上に現れたために海生生物の化石が地上で見つかるためだ。中学程度の理科の知識があれば答えられること。

 しかし、この知識が常識となったのは、そんなに遠い過去のことではない。ジェームズ・アッシャーによる、地球の年齢はおよそ6000年とする推定がまかり通っていたのは、そう遠い過去の話ではない。

 地球の年齢を数千年と信じる人々は、化石はどのようにしてできたと想像したのか。一つは、化石は生物そっくりに見えるが、あれは意思が自然に形成されたものだ、とする立場。化石は土中で化石として生まれてある程度の大きさに育つ、とされたのだ。自然発生説がまだ説得力を持っていた時代では無理のない話かもしれない。

 もう一つは、ノアの洪水である。地上のほとんど全てが水没したというかの伝説が正しければ、山頂に貝の化石があってもおかしくないではないか?

 地球の正しい年齢を推測できるようになるために、偉大な発見が幾つも必要だった。その一つを成し遂げたのが、本書の主人公であるニコラウス・ステノ。後の世に地質学と呼ばれることになる分野に大きな貢献を成した人物である。

 本書はステノの生涯を丁寧に追っている。解剖学者としての活躍、それが一転、地球の歴史に科学の光を当てることになる一連の活動、そして晩年の宗教へ没入する様。どれも互いに結びつかないようでありながら、敬虔なキリスト教徒としての立場が根底にあることを感じさせる。皮肉なのは、ステノが想定していたであろう、神による世界の創造は無かったことを地質学が明らかにしていったことだろうが。

 以前に紹介した、『世界を変えた地図 ウィリアム・スミスと地質学の誕生』では、示準化石を元に地層の年代特定法を編み出したウィリアム・スミスが活躍したが、ステノはその100年以上前に活躍したことを思えば、その研究が先駆的であったことが良く分かるだろう。

 先駆者であるが故の困難に打ち勝って、ステノがどのように貝の化石が山頂に見られるのかという疑問へ正しい答えを出すところは歴史小説のような感じがした。最終的に宗教に没頭してしまったのは科学界には大きな損失に思われてならなかったが、ステノが拓いた道を後進が広げてきたお陰で今の知見があると思うと、その価値は高いと思う。


関連書籍:

世界を変えた地図 ウィリアム・スミスと地質学の誕生世界を変えた地図 ウィリアム・スミスと地質学の誕生
(2004/07/21)
サイモン・ウィンチェスター

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科学者 | 2012/01/19(木) 22:10 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1002冊目 雄と雌の数をめぐる不思議

雄と雌の数をめぐる不思議 (中公文庫)雄と雌の数をめぐる不思議 (中公文庫)
(2001/11)
長谷川 真理子

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評価:☆☆☆☆☆


 御存知の通り、男女の比率はほぼ1:1である。男:女=5:1だったりしたらまあ色々と勘弁して下さいな感じなので、そんなのじゃなくて良かったのだけれど、どうして1:5だったりしないのか。利己的遺伝子の考えから言えば、Y遺伝子はY遺伝子のみを広めようとする。とすると、忌むべきことに男:女=5:1になってもおかしくないはずだ。見回してみると、イヌやネコでも同じくらいの比率となる。何故か。男女を1:1にする働きがあるのか。

 その一方で、例えば働き蜂などは全てメスである。オスの蜂は、女王蜂が旅立つ時期にだけ生まれてくる。そこに産み分けが働いているのは明らかだ。

 雄と雌の数はどのように決まるのか。その謎を解く鍵は、生物の性戦略にある。男女比が大きく異なっていると仮定しよう。すると、少ない方の性を生むほうが適応上有利となる。少ない方をより多く生ませる遺伝子が広がる結果、最終的に1:1に近い比率に落ち着くことになる。

 また、上記から考えると1:1の比率で釣り合うというのは、出生時ではなく、配偶時である。片方の性がより性成熟を遂げる前に死にやすいのであれば、それだけ余分に産んでおくのが良いということになる。例えば、人類では成熟までのあらゆる年齢層で男の方が死亡率が高い。結果、人類では女1に対し、男は1.05の割合で生まれることで釣り合いが取れるようになっている。

 こうした様々な調整によって、男と女の割合は一定に保たれているのだ。

 等と書くと誤解が生じるかも知れないが、個体は自分の遺伝子を残そうとするだけで、種としてのトータルバランスなど考えては居ない。だから、社会階層によって男女の比率が違うということも有りうる。その有りうるが、モデルだけの世界ではなくて、実際に見られるというのがまた面白い。本書でも多くの事例が取り上げられているので、興味を持たれた方は是非に読んでみて欲しいのだが、社会的に高い地位だと雄が生まれやすいとか、逆に雌が生まれやすいといった事例が多くある。

 タイトルに偽りなく、雄と雌のバランスについて、一見すると不思議に思われるが、理屈を説明されると納得できる話題を多々取り上げているので、謎解きを楽しむような感覚で読み進めることができる。生物の凄さを感じさせてくれた。冷静で丁寧な文章にも好感が持てる。生物に興味が有る方には強くお勧めしたい。
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生物・遺伝・病原体 | 2012/01/17(火) 23:24 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1001冊目 シンデレラがいじめられるほんとうの理由

シンデレラがいじめられるほんとうの理由 (進化論の現在)シンデレラがいじめられるほんとうの理由 (進化論の現在)
(2002/10/17)
マーティン・デイリー、マーゴ・ウィルソン 他

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評価:☆☆☆☆☆


 シンデレラがいじめられるのには、生物学的な素因がある。そう断言されると、鼻白む向きも多いだろう。

 確かに動物界で言えば、ハヌマンラングールというサルやライオンの群れでボスが取って代わったら、授乳中の殺される。それによって母親は発情し、新たなボスは自分の子を得ることができるのだ。

 子育てはコストが掛かる。だから、自分の子以外を育てることは、遺伝子を後世に伝えるという生物の仕組みから外れてしまう。だから、こんな面白い研究結果も出てくる。

 鳥の多くは一夫一婦制を保たない。何故、番になった後もオスは見事なさえずりを披露するのかといえば、浮気相手を見つけるためだ。それでも、子育てはオスとメスが協力して行う。この時、オスの協力具合は、近くにライバルがどれくらい居たかによって左右されるという。コウモリやペンギンは、しっかり自分の子どもを見分けて自分の子以外には餌を与えることはない。そして、多くの場合、番の片方が失踪するか死亡して新たな配偶者を見つけたら、子は放置される。(個体数が少ない等の背景があり、他人の子を育てることで自分が繁殖の機会を得られるような場合が例外となる)

 それと同じことが、人間でも起こるという。

 本書で紹介されている研究によれば、継子が虐待に晒される可能性は、実子と比べて遙かに高い、という。虐待の最たるものである殺人で比較すると、数十倍もリスクが高いというのだ。しかも、これは経済状況に左右されるわけでも、継父か継母かによらず一貫して見られる。それどころか、殺し方にも差が見られるらしい。実子の場合には寝ているときに穏やかな手段で殺されることが多いのに対し、継子では残虐な手段が使われることが多いというのだ。

 他にも継子が殺され易さは母親の年齢に依存する等、実に子孫を残すためという目的に沿った行動が明らかにされている。生物がどれだけ必死に自分の子孫を残そうとするか、自然選択を通したプログラミングには驚かされる。

 これらの研究は、人類にも自分の子孫を残すための本能が色濃く残されていることを示している。それでもやはり虐待は社会的に許されることでは無くなっている。片親が再婚すると子どもの死亡率が上がる、ということを、ほとんどの人は看過し得ないと思うだろうし、多くの義理の親子が良好な関係を築いていることは間違いない。

 だから、これはあくまでも傾向の話として捉えるべきだろう。一般に男のほうが女より背が高いわけだが、世の夫婦やカップルで必ずしも男のほうが背が高いわけではない、というのと同レベルの話だ。母数が増えれば、こうした悲劇に見舞われてしまう継子も出てしまう。それが、人間社会の変わらない特性なのだろう。だから、行政はこの事実を見据えた上で子どもの保護策を考えなければならないと思う。

 読み易く、分りやすい上に色々と考えされてくれる、優れた入門書だと感じた。

 これまた訳者は竹内久美子だが、文章はとても読みやすい。このヒト、オリジナリティを出そうとするとどうしようもない低レベルなものになるが、翻訳者としてはかなり優秀なのではないだろうか。というわけで、彼女の名前に怯まず、チャレンジしてみて欲しい。
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生物・遺伝・病原体 | 2012/01/12(木) 23:58 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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1000冊目 歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学
歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
(2009/08/30)
マーク・ブキャナン

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評価:☆☆☆☆☆


 歴史を科学で説明しようという試みには、どこか違和感を抱き続けてきた。そのようなことができるとは思えない、と思ってきたためだ。しかし、その思い込みは早計に過ぎたかも知れない。かなりの警戒心を持って読み始めた本書だが、その話題の広さと、導きだされた仮説の大胆さとユニークさに一気に引きこまれた。

 「べき乗則」とは、指数で見た時に直線的な変化を示すものを指している。というと分かりにくだろうから、星の明るさを示す等級や、地震のエネルギーの大きさを示すマグニチュードを思い浮かべてもらえば話は早い。星の等級では、5等級変わるごとに1000倍(1等級では約2.5倍)変わる。マグニチュードは2違えば1000倍違う(1違うと約2倍)。観測される数値が小さいものから大きいものまで広い範囲の場合、こうした指数表記をすることで非常に扱いやすくなる。このべき乗を用いると、意外な振る舞いが見えてくる、というのだ。

 例えば、地震である。地震は、プレートが動いた結果、プレートとプレートが擦れて、その力がプレートを構成する岩盤の耐久力を超えてしまったときに発生する。だとすると、岩盤が耐え切れない、ある特定のエネルギーがあって、マグニチュードはそこに集中するのではないか、と考えても不思議はない。ところが、マグニチュードのレベルごとに地震の発生回数を計測すると、綺麗なべき乗則が現れてくる、という。これが何を意味しているのかというと、小さな地震と大きな地震で起こっていることは同じである、ということ。そして、地震の予知は不可能である、ということだ。

 論理の飛躍を感じられるかも知れない。その抱いて当然の疑問に答えるため、地震について語る前に簡単ではあるが面倒臭い実験の説明がなされる。それは、砂粒を1つずつ落としていき、雪崩を作るというもの。この結果は見事にべき乗則に従うのだが、驚いたことに、こちらも雪崩の規模は全く予期できないものだという。つまり、大きな雪崩には、それに必要な大きな原因があるわけではない、ということが示唆される。大きさの決定的な違いを生む理由が存在しないのであれば、大きな雪崩だけを予想することは不可能である。同様に、大地震を予知することは不可能ということになる。

 この砂粒の雪崩と地震を結びつけるのが、べき乗則の浦にある臨界状態だと著者は指摘する。そして、驚くべきことに、このべき乗則は地震や山火事、種の絶滅といった自然の要因から、、株価の変動や戦争といった人間社会の現象まで幅広い分野で見られる、という。

 恐竜の絶滅をもたらしたのは巨大隕石の衝突であると言われるが、しかしこのべき乗則から考えると、隕石の衝突だけが絶滅の根本的な原因と捉えることはできなくなる。常識には反するようだが、恐竜が滅びながらワニやカメといった恐竜に近縁の爬虫類や我々の祖先である哺乳類が生き残っていることを巧く説明できるのは事実だ。

 提示されたときには奇抜に思えるのに、読み進めるうちに説得力を感じるところが凄い。しかも、取り上げる話題がどれも興味深いものなので、ぐいぐいと引き込まれる魅力を感じる。大戦争や株価の大暴落といった、社会全体を揺るがすようなことにまでべき乗則が成り立ち、それを食い止める手段が無い可能性には戦慄を禁じ得ないが、それも含めて面白く読むことができた。読み物としても面白い、優れた科学書だと思う。




 これで1000冊目。記念すべきところで良書に巡り会えたのがなんとも嬉しい。この調子で頑張ろう。
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その他科学 | 2012/01/08(日) 23:59 | Trackback:(0) | Comments:(3)

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2011年 私的ベストテン
10位  912冊目 アヘン王国潜入記



アヘン王国潜入記 (集英社文庫)アヘン王国潜入記 (集英社文庫)
(2007/03/20)
高野 秀行

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 ケシ栽培の実態を知るためだけにミャンマーに密入国し、ゴールデン・トライアングルで、アヘン中毒になってしまった著者の破天荒なルポ。やることなすこと常人とは違っていて、そこに痺れるけど憧れはしない凄さがにじみ出ているのが魅力です。






9位  923冊目 世界の放射線被曝地調査



世界の放射線被曝地調査 (ブルーバックス)世界の放射線被曝地調査 (ブルーバックス)
(2002/01/18)
高田 純

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 今年を語るには、やはり震災を外すことはできない。震災そのもののダメージも大きかったが、東電の事故は今も尚、予断を許さないという点で今も続く問題だと思う。少なくとも、現状の管理レベルを保つ限り、放射性物質の拡散レベルは子供を含めて懸念する必要はないと確信させてくれたことに感謝。また、994冊目 ヘリはなぜ飛ばなかったかも危機管理の面から学ぶことが多かった。併せてお勧めしたい。


8位  974冊目 四畳半神話大系


四畳半神話大系 (角川文庫)四畳半神話大系 (角川文庫)
(2008/03/25)
森見 登美彦

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 森見さんの作品に初めて手を出してみた。平行世界でありながら、それぞれに関連性を持たせつつ、基本はダメ大学生がダメな生活を送るというパターンが素晴らしい。



7位  991冊目 巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学



巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)
巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)
(2011/01/15)
佐藤 克文

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 データロガーを駆使して動物たちの意外な姿を明らかにしているのが凄い。動物に興味が有る方は是非読んでみて欲しい。併せて同著者のペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待もお勧めしたい。



6位  904冊目 翼竜の謎―翼竜・首長竜・魚竜の時代

翼竜の謎―翼竜・首長竜・魚竜の時代翼竜の謎―翼竜・首長竜・魚竜の時代
(1995/09)
金子 隆一、長尾 衣里子 他

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 翼竜。それも謎。こんなに心を震わせる単語の連続も珍しい。翼竜に限らず、魚竜などの生態を最新の知見で説明してくれているのだから、古生物を好きな方は読まない手はありませんよ。


5位  987冊目 ハチはなぜ大量死したのか




ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)
ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)
(2011/07/08)
ローワン ジェイコブセン、福岡 伸一 他

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 ハチの大量死を通して自然の歴史や農業問題まで、実に広い分野に話が広がっていく様が凄い。科学とノンフィクションと社会学の見事な融合と思う。



4位  990冊目 移行化石の発見


移行化石の発見
移行化石の発見
(2011/04)
ブライアン スウィーテク

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 進化がどのように起こっているのか。その謎を明かすのが移行化石。その発見と、そこから何が見て取れるのかを語っている。化石を語りながら進化のダイナミズムを教えてくれているのが嬉しい。水中と陸上の間の進化に特化した917冊目 水辺で起きた大進化も面白かった。



3位  933冊目 虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか




虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか
虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか
(2001/03)
リチャード ドーキンス

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 さすがのドーキンス、話題の選び方も読んでいての楽しさも一流。

 ライバルである。スティーブン・ジェイ・グールドへの敵意をむき出しにしているところもあるけれども、断続平衡説についてはドーキンスの負けっぽい感じが部外者からは見える感じ。それでも面白さは随一なので、進化に興味が有る方は読んで欲しい。ついでにグールドも読むのが良いだろうと思う。



2位  928冊目 地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す




地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す
(2008/06/28)
ビョルン・ロンボルグ

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 地球温暖化は事実のようだが、それでも金を掛ける順番は二酸化炭素の排出制限じゃないよな、ということを説得力を持って示している。排出権だのなんだのに金を掛けても、所詮は二酸化炭素の排出総量が数日だか数ヶ月遅れるだけで、そんなことに金を使うのはムダのムダムダ。こうした冷静な議論が必要だと思われてならない。




1位  926冊目 温度から見た宇宙・物質・生命―ビッグバンから絶対零度の世界まで

温度から見た宇宙・物質・生命―ビッグバンから絶対零度の世界まで (ブルーバックス)温度から見た宇宙・物質・生命―ビッグバンから絶対零度の世界まで (ブルーバックス)
(2004/10/19)
ジノ・セグレ

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 私はもともと化学系なので、やはり全ての反応の根底には温度がある、と思うわけです。そうした点で、本書は温度に特化して様々な事象を説明してくれているので、とても飲み込み易かった。個人的な思い入れを除いても、本当に読みやすくて分かりやすくてしかも面白い、三拍子揃った名著です。科学好きには絶対にお勧めしたい一冊です。




 ベストテンを選ぶのは大変ですが、今年の記録を見直す良い機会になるので毎年楽しみにしています。あんな本があったな、とか、あの本を読んでいたときにはこんなことがあったな、とか、そういう記憶も蘇ってくるのが読書記録の醍醐味だと思っています。

 個人的な喜びで運営している拙ブログが皆様の本選びの参考になれば望外の喜びです。

 私生活では娘が生まれたこともあり、本を読む時間が少なくなったのは否めない感じですが、そこは新たな喜びがあるものだと思って時を過ごしています。

 そんな中でも多くの方にご訪問頂き、またコメントを頂けたことは大変嬉しく思っています。もしお時間がありましたら、来年もどうぞ宜しくお願い致します。

 それでは、来年が皆様にとって良い年になるよう願いつつ筆を置くことと致します。それでは皆様、良いお年を。








 ・・・・・・と書いている間に年が明けてしまいました。締め切りに追われる作家の気分がちょっとだけ分かった気分です。なんにせよ、今年も宜しくお願い致します。
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雑記 | 2012/01/01(日) 00:25 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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