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Author:Skywriter
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981冊目 ニュートリノ天体物理学入門 ― 知られざる宇宙の姿を透視する
ニュートリノ天体物理学入門 ― 知られざる宇宙の姿を透視する (ブルーバックス)ニュートリノ天体物理学入門 ― 知られざる宇宙の姿を透視する (ブルーバックス)
(2002/11/21)
小柴 昌俊

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評価:☆☆☆☆


 自然発生したニュートリノの観測でノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんが、日本で始まったと言っても過言ではないニュートリノ天体物理学について書いた入門書。

 ニュートリノは素粒子の一つで、他の物質とほとんど干渉しないことで知られている。他の物質とほとんど干渉しないということは、発見が難しいということを示す。そのため、ニュートリノの観測には地下深くに湛えた大量の水を必要とする。その一方で、ニュートリノの反応のし難さは情報の宝庫としての一面も持つ。例えば、遙か彼方の天体内部の情報を、ニュートリノは運んでくれる。

 他の天体からの信号を受信して解析するということは、天文学でやっていることそのもの。従って、ここにニュートリノを用いた天体物理学の可能性が開く。

 そんなまどろこっこしいことしないで、光で良いじゃ無いかと思われる向きもあるかも知れない。しかし、例えば太陽では、太陽中心で生まれた光が表面に出てくるまで100万年ほど掛かる。大量の物質と相互作用してはランダムに反射されるので、表面に出てこられないためだ。ニュートリノは反応しないので、生まれてすぐに太陽表面から出てくる。その差は大きい。

 だから、ニュートリノを解析できれば膨大な情報が手に入る。宇宙の謎を解き明かすのに格好な材料と言える。

 まずはニュートリノとはどのようなものかから解説が始まる。ただ、素粒子の世界は余りにも複雑で、複雑すぎるがゆえに更に根本的な粒子があるのではないかと素人には立ち入れない世界が広がっているので、ふーん、そんなこともあるんだ、くらいのノリで眺めるのが良いかも。

 それよりもむしろ、ニュートリノの解析で何が分かってきたかを読むほうが楽しかった。宇宙にはまだまだ謎が沢山あって、その謎へ斬り込む新たな手法であるニュートリノ物理学にはこれからも新たな発見が相次ぐだろうということが良く分かった。これからも注意して見ていこうと思う。
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素粒子・宇宙論 | 2011/10/27(木) 23:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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980冊目 ミナミノミナミノ
ミナミノミナミノ (電撃文庫)ミナミノミナミノ (電撃文庫)
(2005/01)
秋山 瑞人

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評価:☆☆


 『イリヤの空、UFOの夏』の著者ということで読んでみた。

 主人公は8回の転校を繰り返した少年。その現状最後の引越し先は不運にも進学校で、見事に壊滅的な成績をとってしまったがために、夏休みに島へ勉強をしに行くはめになってしまう。そこは叔母(といっても、歳が近いため姉のような感覚)の結婚相手の出身地で、叔母と2人で訪れることになっていたのだが、叔母の陰謀によりただ1人で島へ送られることへ。

 だが、この島、ちょっと変だった。という感じで物語が始まる。主人公はそこで何と出会うのか。まあ、ボーイ・ミーツ・ガールものなので女の子と出会うわけだが。

 『イリヤ~』がアニメ化されたことで二匹目のドジョウを狙って書かれたのが本書。それだけのことはあり、ちょっと不思議な女の子と出会う、という点は同じ。ただ、ヒロインの魅力を出す前に次巻へ続くと相成って、刊行6年後の現在も続きは出ていないので、ひょっとしたら未完となるかもしれない。なので、これから手に取ろうと思う方はその動向を見極めてからのほうが良さそうです。

 評価は……、世界の説明のなさから低め。ファンタジーであろうとSFであろうと、やっぱり背景が必要ですよ。物理的だったり生物学的だったりの。そこから乖離し過ぎるとご都合主義へと堕してしまう。って、小説は多かれ少なかれご都合主義だけどさ。そういう細かいところなんてどうでも良いんだよ、という方には向いているかも。
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SF・ファンタジー | 2011/10/24(月) 22:01 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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979冊目 ナノテクノロジーの「夢」と「いま」
ナノテクノロジーの「夢」と「いま」 (文春新書)ナノテクノロジーの「夢」と「いま」 (文春新書)
(2001/12)
森谷 正規

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評価:☆☆☆


 ナノとは1000分の1(ミリ)の1000分(マイクロ)の1の1000分の1(ナノ)を指す言葉である。ナノテクノロジーとは、基本的にナノメートル、つまり1メートルの1000000000分の1(10億分の1で、10-9と表記する)で物質をコントロールしようとするものである。(ナノだのミリだのといった接頭辞を知りたい方はSI接頭辞を参照ください)

 そんなに小さなものを使う意味はあるのか、というと、実は大有りだったりする。例えば、小さくすることで表面積を上げることで触媒の働きを飛躍的に高めることができる。半導体なら高密度に集積することで更なる高精度化を達成できる(個人向けPCにはこれ以上の性能が必要とは思えないが)。また、潤滑油の代わりに用いることで劣化の無い潤滑剤にもなり得る。まさに夢の技術と言って良いだろう。

 一方で、ナノメートルの物質制御は、構成物質の分子レベルでのコントロールが必要であり、困難さを伴っている。夢が現実になるか夢で終わるかは、この制御技術に掛かっているわけだ。

 本書はこの辺りの基本的なことから説明してくた上で、ナノテクが現実になればどのような”夢”が実現可能かを説いている。その及ぶ範囲は広く、半導体を始め、医療、代替エネルギー等々と、可能性を感じさせられる。

 では、どのようなものがナノテクノロジーに属するのか。その一つに、フラーレンがある。炭素が60個集まってサッカーボール状の形状を取るこの分子は、例えば遺伝子治療に用いるDNAの運び手として期待が掛かる(低毒性であり、現在用いられるウイルスよりも安全性・確実性が高い)。

 そして、フラーレンが繋がった形状のカーボンナノチューブ。こちらは研究に日本人の科学者が先導的な役割を果たしていることからご存じの方も多いだろう。

 これらのものやフェムト秒レーザー(10-15秒)といった、驚くほどの技術の数々が紹介されているので、世の中にはどのような技術があるのかを探るのにも良いかも知れない。

 刊行が10年前と少々古い本なので、ナノテクノロジーの現状を知るには適していない。但し、研究テーマの困難さから、取り上げている主要な技術は今もまだ”夢”の段階にあるので、現状の何が課題なのかを知ることはできる。そういう点で、今もまだ価値を失っていないと個人的には思う。私としては本書から10年経った現在のナノテクについて、ますます興味が湧いてきたので、また機会を見つけて本を探してみようと思う。

 ・・・・・・やっぱり、積ん読しすぎるのも、ちょっと考えものかもしれない。この手の最先端の科学を扱ったものは、特に。


関連書籍:
天に梯子を架ける方法―科学奇想物語天に梯子を架ける方法―科学奇想物語
(2000/04)
ジェイ イングラム

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 軌道エレベーターの材料にカーボンナノチューブを使うという、夢のまた夢だろうが魅力的なアイディアを説明している。

無限アセンブラ (ハヤカワ文庫SF)無限アセンブラ (ハヤカワ文庫SF)
(1995/11)
ケヴィン・J. アンダースン、ダグ ビースン 他

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 月基地の近くでナノマシンが発見されたことから始まるSF。読んだのは刊行当初といえば歳がバレますね。
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技術 | 2011/10/22(土) 20:49 | Trackback:(0) | Comments:(4)

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978冊目 ゾフィー21歳―ヒトラーに抗した白いバラ
ゾフィー21歳―ヒトラーに抗した白いバラゾフィー21歳―ヒトラーに抗した白いバラ
(2006/02)
ヘルマン フィンケ

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評価:☆☆☆


 白いバラという、非暴力主義でヒトラーを批判する学生グループがあった。彼らはビラを撒いて反ヒトラーを訴えたが、その行為は反逆罪とされ、中心メンバー5名は死刑されてしまった。

 本書で取り上げられているゾフィー・ショルは、その処刑された5名の中の1人。兄ハンス・ショルらと共に”白いバラ”に協力し、ゲシュタポに捕らえられた際には兄と2人で責任を被ろうとした勇気あるこの女性は、僅か21歳で刑場の露と消えてしまう。そのひたむきで激しく、そして短い生涯を追っている。

 本書を読むと、ヒトラーの支配を良いとは思っていなかったドイツ人が大勢いた事、一方で国家体制に従順でそこから一歩でもはみ出した者を排除しようとする偏狭なドイツ人もまた少なくなかった事が分かる。どこの国でも同じなのではあろう。しかし、だからこそ国家を批判することが自らの危険に直結することを知りつつも、ヒトラーに抗した彼らの勇気は讃えられるべきだ。暴力で暴力に対抗しようとしなかった判断は尊重されて然るべきだ。運動論として稚拙なところがあったとしても、それは間違い無いと思った。



 菅さんが首相だった時、ヤフーニュースで”ヒトラーは国を愛していたが菅さんは日本を愛していない点でヒトラーの方がマシ”だとする意見を見たが、そういった人々は菅さんがヒトラー並だったら処刑されていることに思いを馳せられないのだと思うと痛さしか感じられない。かつて自称進歩的文化人なる連中が、日本は帝国主義で自由がないのに比べてソ連や北朝鮮は素晴らしいと賛美していたが、ソ連で同じように政権批判をしていたら処刑されていたに違いないことと相似する。

 私が思うに、単一の価値観を絶対として、そこから外れている(あるいは外れていると信じこむ)者を罵倒する行為には醜さしか無い。例え、どれほど美しいスローガン、イデオロギー、思想、主張であっても同じ。そうした強さを持つ社会とはどのようなものか。私には、思想の自由、表現の自由があることだと思えてならない。色々なことを考えさせられた。




 それにしても、この訳者は何者なのだろうか。何か、こう、訳に尋常じゃないものを感じる。それは誤植に現れるのだけれども、例えばヒトラーを”ヒトフー”とか書いてあるわけです。あるいは、てにをはの”は”を、””と間違う。後者はそれこそ随所に出てくるので、読み進めようとして途中でズッコケそうになるのも一度きりのことではない。どこか、観光地で売られている外国製の怪しい日本語(私が見た中でのケッサクは、”ドレッシング”が”ドしッツング”になってたもの)っぽい感じがして残念だった。最新版では直っていることを願いたい。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2011/10/17(月) 22:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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977冊目 日本を降りる若者たち
日本を降りる若者たち (講談社現代新書)日本を降りる若者たち (講談社現代新書)
(2007/11/16)
下川 裕治

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評価:☆☆


 どんな社会でも、そこに適合できない人はいる。先進国でも、途上国でもそうだろう。そんな時、どうすれば良いか。多くの人は、不満を抱きながらもその社会でなんとか折り合いを付けようとする。一部の人は、働かずに自宅に篭る。そしてある人々は、外国へ逃げる。

 本書はこの最後のグループである、日本を捨てて外国へ逃げた若者たちの姿を追っている。

 こういう場合、大勢の若者を調査して共通点を探る方法と、個人個人の背景を丁寧に掘り下げる方法の2種類があると思うが、本書が採用しているのは後者の方。著者が直接に知っている数人の若者の現在と過去を紹介することで、日本を捨てた若者たちがどうしてそうせざるを得なかったのかを明らかにしている。

 上述のやり方をしているため、統計的な検証に耐えられるものではなく、エピソード集になってしまっている点は否めないが、逆に統計的に見ると抜けてしまう個人個人の思いの丈が伝わってくるのは利点。自然に彼らの選択した経緯を知ることができる。そして、その他にも多くの似たような若者がいるのだろうということも推測できる。

 一方で、では社会をどうしていくかということを論じようとすると、統計が無いことが弱点になる。ある個人が日本を捨てたとして、その個人を何が何でも日本で生きて行けるよう社会を変えよう、とはならない。例えば、一番大きな理由が家族との軋轢だったりすると、まさか国家が家庭に介入して親の教育方針やら家庭環境を変更させるわけにも行くまい(明白な犯罪行為がある場合は除く)。

 正直、私だってやってられないと思うことは少なくない。1日15時間くらいの勤務が連日続いた時とか。でも、守るべきものも自分の意思で作ってしまったし、踏ん張るしか無いなあ。まあ、下には下がいるのも分かってはいるし。そういう立場からすれば、日本のこの労働環境から逃げたい人の気持ちは理解できる。一方で、働かずに日々を送ることに慣れてしまっている姿は、私の価値観からは少なくとも素晴らしいとは思えないのも事実。いや、資産があって働かないなら良いんだけどさ。そんなわけで、出てくる人々を理解もできないし、共感もできない。それを訴える本でも無いためというのもあるだろうが、どうしても遠い世界の出来事に思えてならなかった。
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ノンフィクション | 2011/10/11(火) 22:33 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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976冊目  宇宙進化の謎
宇宙進化の謎 (ブルーバックス)宇宙進化の謎 (ブルーバックス)
(2011/05/20)
谷口 義明

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評価:☆☆☆☆☆

 宇宙がビッグバンで誕生したという仮説は、今では広く知られ渡っている。宇宙論に多少の興味が有る方なら、誕生に続くインフレーション、物質の創成についてもご存知だろう。

 転じて、現在。複雑な構造を持つ宇宙は、星の煌きで目を楽しませてくれることに加え、その自然の驚異に知的好奇心を刺激して止まない。

 宇宙が今も膨張していること、銀河同士がどんどん遠ざかっていること、その一方で銀河団やグレートアトラクターと呼ばれる集団をなしていることもご存知かもしれない。

 では、この間を繋ぐ知識についてはどうだろう。ビッグバンで誕生した宇宙はいかにして銀河団を生むに至ったのか。とかくビッグバン初期か、現在の宇宙の姿かに流れがちな宇宙論の中にあって、この間を繋ぐ本は珍しいように思う。本書はこの宇宙進化に関する最新の知見を紹介してくれている。

 サブタイトルにある通り、その鍵を握るのは、暗黒物質である。

 暗黒物質とは、簡単に言ってしまえば望遠鏡では見えないけれども、重力理論からはあるとしか考えられない謎の物質のこと。本書は、暗黒物質がなぜあると言えるのかという初歩から始まり、通常の物質と異なる振る舞いをするが故に、今の宇宙を作る基礎となったことを分かりやすく教えてくれる。

 これにより、宇宙の大規模構造ができたと思うと、なんとも不思議な感じがする。なにせ、我々には見えない、感じられないものが、我々に見ることのできる全てを生み出す元になったというのだから。宇宙についての知がかくも増えていく時代に生まれ合わせたことの素晴らしさを実感させてくれた。


 加えて特筆すべきは読み易さ。何も知らない方むけに初歩からきっちり抑えながら最新の知見まで紹介しているという情報量の多さに加え、それを平易な文章で表現している所が凄い。科学は探究心が生んだ、知的好奇心を満たす最高の手段である。その魅力を、本当に上手く伝えてくれていると思う。きっと、宇宙論への格好の入門書になると思う。興味を持ったら是非読んでみて欲しい。
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素粒子・宇宙論 | 2011/10/07(金) 23:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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975冊目 三国志談義
三国志談義三国志談義
(2009/06)
安野 光雅、半藤 一利 他

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評価:☆


 ……三国志だったら面白い、という訳じゃ無かった。それどころか、半藤さんがこんなにデタラメな人だったとは、といの思いに絶望した。

 本書は昭和について書く時には精緻に筆を進める半藤さんと、画家の安野さんが三国志を好き勝手に論じている。好き勝手なところは別に悪いことではない。しかし、事実誤認が多すぎるのではダメ。 華雄を破ったのは関羽ではなく孫堅(劉備の部下)とか書かれちゃうとずっこけるしかない。

 孫堅は袁術の影響下にあった人物で、対董卓連合軍では補給を袁術に頼る。孫堅は見事に華雄を討ち果たし、その鋭鋒を恐れた董卓は洛陽を捨てて長安へ遷都する。この上下関係を理解していないと、孫堅の死後に孫策が袁術に身を寄せる流れが分からない。

 細かいところだと、曹操や袁紹が黄巾賊討伐の8人の司令官に選ばれたとかあるが、実際に指揮をとったのは朱儁や皇甫嵩、盧植といった人物で、曹操や袁紹は討伐戦で活躍した若手を引き上げるために設けられた西園八校尉に任じられたものだ。

安野 ここまでで思うに、朝廷の中心は皇帝ですが、まだ子どもでしょう。
半藤 霊帝が死んで、息子の少帝(後の献帝
が即位していました。
(P.33)


 おい!
 少帝と献帝は別人だぞ。少帝は董卓によって弘農王へと格下げされ、後に殺害される。その代わりに、董卓は少帝より年少である献帝を傀儡として擁立したんでしょ?

半藤 ほんと。で、また話を戻すと、長安遷都後、董卓を殺した呂布が勢力を強めます。そこで袁紹や曹操ら他の武将たちは、「あんな野郎に天下を取られてなるものか」と呂布退治を計画します。
(P.40)


 呂布は董卓の復讐を狙う李傕と郭によってあっという間に長安を追われるんですが。ついでに、演義では貂蝉を使って呂布に董卓を暗殺させた王允は悲惨な最期を遂げることになりますです。

 他にも、官渡の戦いを曹操・劉備連合軍対袁紹と書いちゃったり、劉備の荊州時代に逃げてきた呂布を受け入れたと書いちゃったり、かなりダメのダメダメ。他のところの記述を総合的に見たら、多分、流れは分かってるんだろうけど、読者は混乱しますよ、これ。

 三国志ものだったら面白い本は山ほどあるので、こんなにまで酷いレベルの間違いが山盛りの本書より他をお勧めします。
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未分類 | 2011/10/04(火) 22:53 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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