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Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
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買い物に行って目的外のものを買う
 そんなわけで、『Bones』に嵌っている。最新作までは到底辿り着いていなくて、今見ているのは『BONES-骨は語る- シーズン1 』だったりするのだけど。

 このシリーズ、遺された骨から死因や凶器、犯行の様相を突き止めていくというもので、主人公は法人類学者(ついでに美人)。科学者が見事に活躍する物語で、”頭を使う警察物”の傑作になっている。というわけで、派手なアクションが大好き!という人には向いていないだろうけど、頭脳派が好きな人にはたまらない作品になっているように思う。

 ストーリーの面白さもさることながら、挿入される音楽がまた良いんですよ。特に気に入ったのが、17話"The Skull In The Desert"(砂漠の恋人)のラストシーン付近で流れる曲。早速調べてみたら、You Tubeで見つけたわけです。



 今日は日曜日、ということで、行ってきましたタワーレコード。節操の無い青木まりこ現象は、喩えタワレコであっても私をトイレに押し込めるわけだが(このことからインクが原因などという俗説が愚にもつかない盲説であることが分かろう)、出すべきものを出してしまえば勝利は我が手にある。

 と思ったのだけど、Pで始まる棚を隅から隅まで探しても、Patty Griffinのコーナーは見つかりませんでした。残念。腹いせにグラミー賞受賞のこれを試聴したら気に入ってしまって即購入。ふっふっふ、時代の最先端だぜ(グラミー獲った後だからむしろ時代に後れてる)。



 コーラスに入るところの美しさに痺れる。

 予期せぬ出会いがあるからCD屋や本屋が好き。漏れなくトイレへ駆け込む羽目になっても。ちなみに、ダブルミーニングです。

 そんなわけで、暫くはこれがヘビーローテーションになりそうな予感。そして、更新速度が落ちていたら”あの野郎、まだボーンズ見てやがるな”と思っていただければ幸いです。ぺこり。


関連:
RainRain
(2002/11/25)
Patty Griffin

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(2009/12/22)
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BONES-骨は語る- シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]BONES-骨は語る- シーズン1 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]
(2010/05/28)
エミリー・デシャネル、デイビッド・ボレアナズ 他

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雑記 | 2011/02/27(日) 23:49 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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914冊目 パソコンゲーマーは眠らない
パソコンゲーマーは眠らない (朝日文庫)パソコンゲーマーは眠らない (朝日文庫)
(1995/04)
小田嶋 隆

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評価:☆☆


 今ではもう昔話としてしか語られることがないほどの遥か昔、パソコンはオタクの持ち物だった。ええ知ってます。そんなの、前世紀の話だって。でも、そんな時代があったんです。

 その時代、世界にはフロッピーディスクというものがあって、なんと1.44Mバイトもの容量を持っていたのです。それが10枚で1000円以上したのです。嘘ではありません。古文書を調べれば分かります。竹内文書とか。ようやく黎明期に入って出てきたハードディスクは、50Mとかだったんです。それが10万円とかしたのですよ。言っておきますが、エイプリルフールぢゃありません。昔話です。

 昔は、おっさんはPCなど触れないものだった。PCのできない上司vsできる部下なんていう悲劇を生んだのもその頃。ところが現代では大企業で、今時PCも使えないような人間が部長クラスにいるわけがない。メールは当然のこととして、ワークフローやら資料作りやらにPCは必須技能になっている。

 だから、本書を読んで遥か昔の過去を垣間見てしまうと、「上司がPC使えないって?そんな使えないヒト、とっくに淘汰されているよ。未だにそんな人種が生息していると信じられるお人よしは、きっと企業で働いたことがないまま、一昔前のOLが上司の悪口を言っているだけの本だの雑誌だのを読んで身につけた変な知識を振りかざしているに過ぎません」なんてことを思ってしまうかもしれない。

 でも、それが20年前には確かに存在する状況だった。PCのことなど全く分からない、メールソフトすら満足に使うことができない中年vs使いこなす若者という構図があった。本書はそんな時代を背景に書かれているエッセイである。

 PCの能力upがかくも物凄い勢いで進む時代にあって、これだけ過去の本になると、本当に前世紀の遺物になっている。きっとそれは避けられない事態で、本書は既に歴史的役割(あるとして)を終えているというべきであろう。全般的に、その時代を経験した私にとっても余りにも話が古すぎた。もちろん、そんなことは著者の責任ではない。時代の変化の早さが、この世界の本をあっという間に置き去りにしてしまうだけのことだ。

 それでも、ちょっと前からのPCユーザーには、(良いか悪いかは別として)懐かしい思い出を呼び出してくれるのではないか。

 私もコーエーの『三国志?』には随分と熱くなったものだ。楽進や李典や宇禁といった初期の曹操軍の中核を占めた将軍が、超☆ザコ扱いされているのをみて笑ったのも懐かしい。呂布はともかく、袁紹から曹操へ主を替えたもののその後は忠節を全うした張コウがすぐ裏切ったりしたのも。そしてなんといっても、曹豹の余りといえば余りの能力の低さに笑った。なんて書いていたら、またやりたくなってきたなあ。。。


関連:
三國志 エクセレントセット CD-ROM版三國志 エクセレントセット CD-ROM版
(2000/03/24)
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エッセイ | 2011/02/22(火) 22:22 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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913冊目 訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ
訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)
(2009/10/17)
山形 浩生

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評価:☆☆☆☆


 なんとも驚くべき本である。というのは、この本、全て著者が翻訳した本に付けた解説で成り立っているのだ。

 まず驚くべきは間口の広さ。科学、経済学、心理学、そしてネット。縦横無尽という観がある。次に驚くべきは、読み易さ。英語を無理やり訳したな、という雰囲気が欠片ほどにも感じられない、よく噛み砕かれた訳が付されている。こうした”お堅い”分野でこれだけの翻訳ができる人などそうそう居ない。そして、更に驚くべきは、翻訳する本がどれも世間に流布する常識とは離れた面白いものであること、である。

 著者のスタンスとして、解説において訳者である著者が原著を読んで受け取ったことをまとめている。ということは、本書は素晴らしい書評集になっている、ということだ。『誘惑される意図-人はなぜ自滅的行動をするのか』、『服従の心理』、『環境危機をあおってはいけない』、『数学で犯罪を解決する』、etc,etc,・・・。タイトルからして面白そうではないか。

 実際、少なからぬ本を読んでみたいという気にさせられてしまった。作者買いならぬ、訳者買いという不思議な世界に導かれそうな本。このblogで紹介しているような本を好まれる方は是非手にとって見てください。積読の山がまた高くなること請負です。
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未分類 | 2011/02/18(金) 23:19 | Trackback:(0) | Comments:(4)

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912冊目 アヘン王国潜入記
アヘン王国潜入記 (集英社文庫)アヘン王国潜入記 (集英社文庫)
(2007/03/20)
高野 秀行

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評価:☆☆☆☆☆


 ミャンマーの山奥に”ゴールデン・トライアングル”あるいは”黄金の三角地帯”と呼ばれる、アヘンの一大産地として世界にその悪名を轟かせている地域がある。

 山岳地帯にあるこの地は、様々な歴史的な経緯によりミャンマー政府が実効支配しているとは言い難い状態にある。そこに割拠しているのが反政府軍であるワ軍。アヘンはそのワ軍の資金源となっている。

 そんな外国人がほとんど足を踏み入れたことのない地へ行ってしまうのが、我等が高野さん。外国に行くのは怪獣を探すばかりじゃないぜ。

 きっと、疑問にこう疑問に思うはずだ。なぜ彼ははるばる到達するのも困難な反政府軍の拠点まで赴いたというのか。なんと、ケシの種蒔きから収穫までを経験してみたいから、という。国境を、もちろん非正規のルートで。そりゃあ、ミャンマー政府に「反政府組織の支配する地でケシの栽培をしてみたい」などと言って入国が許されるわけがない。

 そんなわけで、伝手を辿ってミャンマーへ密入国するところからこのノンフィクションは始まる。種蒔きから収穫までの経験を積み、そのついでにアヘン中毒にまでなってしまうというおまけつき。この破天荒さこそが高野さんの高野さんたる所以だろう。

 アヘンの材料となるケシの栽培とはいえ、その過程は驚くほどに普通の農業である。というわけで、著者はひたすらに雑草むしりに精を出す。もう麻薬の原料作りなんてものじゃなくて、ただひたすらに農業である。

 ケシ栽培&アヘン中毒の過程に加えて、現地の知られざる人々の姿を紹介する様は、まるで文化人類学者のようでもある。現地の言葉を覚え、少しでも解けこもうとするのが、早稲田大学探検部を率いてはるばるアフリカまで怪獣を探しに行った著者の魅力である。その姿がなんとも面白い。高野さんのファンは読んで損することは絶対にない。思いもかけぬルポになっている。



関連書籍:
幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
(2003/01/17)
高野 秀行

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怪獣記 (講談社文庫)怪獣記 (講談社文庫)
(2010/08/12)
高野 秀行

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ノンフィクション | 2011/02/16(水) 23:48 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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911冊目 イスラム世界はなぜ没落したか?―西洋近代と中東
イスラム世界はなぜ没落したか?―西洋近代と中東イスラム世界はなぜ没落したか?―西洋近代と中東
(2003/07)
バーナード・ルイス、臼杵 陽 他

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評価:☆☆☆


 現在の世界だけを見ていると、とても納得できないことなのではあるが、かつてヨーロッパは知の後進国で、イスラームが最先端を進んでいた時代があった。あった、というよりも、近代以前のほとんどの時間がそうであった、というのが正しいかもしれない。

 しかし、今やその過去の栄光は、見る影もなく落ちぶれている。ドバイがバブルに沸いていたとか、サウジが石油から得られる多額の利益を活かしてアメリカを動かすことに成功している、なんていう局所的な成功もあるが、全体としての凋落は誰もが認めることであろう。なぜイスラームは没落したのか。

 著者はそのもっともな疑問に正面から答えようとする。軍事史だけではなく、科学・技術といった実学や文学や音楽といった文化の受容に至るまで、様々な視点から何がイスラーム没落の原因なのかを探っている。その中で、最も大きな要因として、政府の腐敗が挙げられている。

 著者のバーナード・ルイスはネオコンのイデオローグとも言われるらしい。本書においても、訳者が冒頭でその旨の指摘をしているが、そうした点を割り引いて考えても、中東諸国の政権が近代化によって得た力を国民の抑圧にしか使っていないという指摘は無視できないと感じる。

 たとえば、つい先日崩壊したばかりのエジプトのムバラク大統領が数兆円規模の個人資産を保有していたとの情報がある。これを腐敗と言わずに何と言うのか。

13日付の英日曜紙サンデー・テレグラフは西側情報筋の話として、エジプトのムバラク大統領が辞任前、一族が保有する資産を海外の銀行口座に移動させていたと報じた。移動させた額は不明だが、ムバラク氏の資産総額は最大で400億ポンド(約5兆3400億円)に上る可能性があるという。
(時事通信社 ムバラク氏、辞任前に資産移動=欧州から湾岸の口座へ-英紙 より引用)


 そして、エジプトの革命がネットの自由な言論に支えられた点の指摘があることを考えると、中東諸国では更に抑圧が進むのだろう。暗澹たる気分になるが、おそらく、それによりイスラームの没落は更に長期化するだろう。というのは、現代社会は、知的方面における専業者をどれほど大量に抱えられるかで勝負が決まる面があるからだ。高度な知的水準に達する人材を確保するためには教育と、自由が必要だったりする。自由が大事だなんてイデオロギー的な問題ではなくて、自由は知的産業に就く人々の創造の可能性に直結するから、だ。

 加えて、多様な人材の確保も必要になる。それは女性だったり、異民族だったり、異端者だったり、要するに画一的ではない人々の集団ということになる。誰も彼も同じ政党やら宗教やらイデオロギーやらを信じるところに、広範な分野における素晴らしい創造などありはしないのだ。そんなことを考えさせられた。

 正直、イスラームの没落にはヨーロッパ、特に西洋諸国の果たした役割も少なからず存在すると思う。植民地化し、現地に傀儡政権を樹立し、石油権益を巡って数々の謀略が繰り広げられた。そうしたイスラームを没落させる側の当事者がしたり顔でイスラーム社会に内在する問題点を指し示すのは、イスラームの人々にとっては面白いことではないだろう。仮に正鵠を得る指摘であったとしても、お前が言うな、との思いになるのも当然ではないか。

 それでもイスラーム世界に暮らす人々には、こうした自分たちの問題点を理解し、改善の糧として欲しいとの気持ちを抑えられない。イスラームが多様性を受け入れ、開かれた社会を作り上げたら。その時、世界は真に相対する価値を持つ社会の成立から得ることが多いのは間違いないと思う。


 一言。評価が低いのは、翻訳者の能力が低いことが大きい。原文も読みにくいのかもしれないが、日本語としてこなれていない。無意味に難解な言い回し、主語と動詞の不一致が頻繁に見られるのは如何なものか。専門家集団という狭い世界の人しか相手にしてこなかったのが原因なのかどうか知らないが、病巣はかなり深いと思わずにいられなかった。多分、難しい表現に価値を見出しているのだろうから。難しいことを莫迦にも理解できるように表現するのが頭の良い人なんですよ。素人がネット上で垂れ流している駄文(私の文章みたいなものね)じゃないんだからさ。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2011/02/14(月) 22:23 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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910冊目 酒池肉林
酒池肉林 (講談社学術文庫)酒池肉林 (講談社学術文庫)
(2003/01/09)
井波 律子

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評価:☆☆☆☆


 権力者の可能な贅沢は、国の規模と中央集権の度合いによる。古代でいえば、驚くほどの贅沢が行われていたのはローマ、エジプト、メソポタミア、そして中国。本書は中国の古代から近代に至るまでの間に繰り広げられた贅沢について概観している。

 権力者、といえばなんと言っても王、皇帝。というわけで、酒池肉林の語源になった殷の紂王に始まり、西晋の恵帝、隋の煬帝といった、暗君として名を留める皇帝に始まり、貴族階級、商人、そして知識人の贅沢の姿を追いかけている。

 もっとも、殷の紂王の”酒池肉林”とは祭祀だった、という意見も近年では広まってきているようだ。酒の池、肉の林は神への供物だった、という。裸の男女を、というのも、古代の宗教にあって、薬物とダンス等過酷な運動を続ける加持祈祷のクライマックスとして裸になる人々が居たというのは不思議ではない。というか、いくらでも実例はある。現代の宗教でこうした裸になって忘我の境地に達する、というのはまず無い。多分、官憲の目があるから。

 道祖神なんてモロに男性器を象っているし、女性器をモチーフにした祭祀の道具だっていくらでもある(特に、豊穣のシンボルとして用いられることが多い)わけで、不思議は無かろう。ただ、宗教に狂って多くの財を費やすのも、贅沢の一環とは言えそうだ。南北時代、梁の武帝は仏教に嵌って三度も出家し、その度に皇帝の身柄を買い戻すのに国が傾いた、という。宗教なんてロクなものじゃない、ということが良く分かるエピソードですね(極論)。

 話が逸れた。これまた国を傾けた贅沢といえば、秦の始皇帝の建築マニアといえるほどの宮殿建築と不老不死探求。始皇帝の感情の篭らない物量的な欲求に比べ、武帝は惚れやすいという温度差があるにも関わらず、二人が同じような贅沢にのめりこんだのは面白い。ただひたすらに酒色を求めた西晋の恵帝(盛り塩の起源に名を残す)のようなのを見ると、やるのも飽きるんじゃないかなあと余計な心配をしてみたり、ちょっとうらやましかったり。

 国の規模が大きくなると、利の分け前に与る人の数も増える。かくして、貴族階級が、そして商人階級が贅を尽くすことになる。まあ、これは時代が流れて社会構造が変化したということに加えて、史家が商人の贅沢を記す価値があると認めるようになった、という面もあるのだろう。始皇帝の父とも言われる戦国末期の豪商・呂不偉はかなり贅沢をしていたみたいだし。

 贅沢の姿を史書から探る他に、文学作品にも当たっているのが本書の特長とも言えよう。金瓶梅等の小説は、時代を反映した小説であり、そこに現れる贅沢の姿も当時の社会からは切り離すことなどできないのは当然。

 こうした、資料を読み込むのは筑摩書房の『三国志』翻訳にも当たった著者の得意とするところであろう。読みやすくて分かりやすい、かつなんとなく歴史の流れも感じさせてくれる本だった。



関連書籍:
つくられた暴君と明君 隋の煬帝と唐の太宗 (清水新書 (044))つくられた暴君と明君 隋の煬帝と唐の太宗 (清水新書 (044))
(1984/10)
布目 潮〓

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中国史 | 2011/02/10(木) 00:39 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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909冊目 日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究
日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫)日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫)
(2006/08/04)
半藤 一利、江坂 彰 他

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評価:☆☆☆☆


 戦いで難しいのは撤退である。『戦争における「人殺し」の心理学』によれば、近代戦に至るまで、戦場における死者のほとんどは戦いに敗北し、撤退する最中に発生したという。

 知ってのとおり、日本軍は撤退が下手だった。そもそも、撤退という言葉すら嫌がり、”転進”などという言葉を生み出していたのだから当然だろう。その帰結として、「生きて虜囚の辱めを受けず」と玉砕を行ったり、特攻という命をあたら無駄に費やしながらも効果の薄い作戦が多く繰り広げられた。(戦闘機に積んだミサイルは、落下させることで速度と破壊力を増すため、飛行機に括り付けて飛行機ごと突っ込んだら速度が出ないため威力が落ちる)

 その結果、太平洋戦争は惨敗に終わった。

 本書では、開戦に当たってのグランドデザインの欠如に始まり、いざ撤退となったときの戦い方の下手さまでを縦横に論じている。特に、この分野に興味がある方にはおなじみの半藤一利さんの指摘は、意外な事実を織り交ぜながら興味深いものがあった。

 例えば、今でも人気の高い山本五十六を、リーダーとしては落第だ、としている。その理由は、真珠湾作戦のときに、幕僚や部下たちに作戦の狙いを徹底して伝えることをせずにいたことが挙げられている。これは米軍とは正反対だった、という指摘は重い。リーダーの意思が下に伝わらなければ、計画は成功するわけが無い。


 ただ、現代の経営にも~、という話に持っていく事が多いのはちょっと残念。経営者が歴史を学ぶことは必要かもしれない。しかし、その手の試みは解釈学にしかならないように思っている。論者によって読み取る事実が正反対になることすらあり得るものだから。まあ、読者がバランス感覚を失わずにいられれば良いのかもしれないが……。


関連書籍:
戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)
(2004/05)
デーヴ グロスマン

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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2011/02/07(月) 23:40 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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908冊目 銀行は死体だらけ
銀行は死体だらけ (ミステリアス・プレス文庫)銀行は死体だらけ (ミステリアス・プレス文庫)
(1998/07)
ウィリアム マーシャル

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評価:☆☆☆


 9人の銀行員が全員青酸カリによって毒殺されているのが発見された。毒入りのシャンパンを飲ませるのに使われたと見られるグラスがきれいに片付けられていることから、冷酷な犯人の姿が浮かび上がる。しかし、いったい誰が、どうやって彼らに毒を盛ったというのか。謎に満ちた事件である。

 平行して、別の出来事も進んでいく。精神分析家はカウンセリングに訪れた患者が次々と自殺を遂げようとする謎を解き明かしてくれとの依頼がくれば、何故か分からないままに貧民窟へ身を守る術も無いまま潜入捜査を命じられた警官もいる。混迷の度を増すばかりに見えてならない展開でありながら、相互に全然関係のなさそうな事件が最後に収束するのはお見事の一言に尽きる。

 そして、本書はユーモア・ミステリである。というわけで、事件の合間合間に笑えるようなエピソードが挿入されるのだが、ええと、このあたりは感性の問題なので詳しくは言いません。私にはイマイチでした。ええ。外国人の笑いは分からん。

 論理的に犯人を探し出すよりも、錯綜する糸が解けるような終盤や、ジョーク(パロディ?)を楽しむのが正しい読み方だと思う。


 それにしても、”銀行で”、”何人もの行員が”、”青酸カリで”、”一遍に毒殺される”の組み合わせ、どう見ても帝銀事件に見えた。直接の関係は無さそうだが、帝銀事件も謎に満ちているのでその真相を知りたいという、物語とは完全に無関係な感想を抱いてしまったりした。

 尚、舞台はイギリス統治下の香港。著者は共産主義が嫌いらしく、香港が中国に返還されることへ誰もが絶望しているように描かれているのが面白い。暗黒時代は目の前だ!みたいな雰囲気で、その予言は大当たりとは言い難いように思うが、香港を愛した外国人の感覚、くらいに受け取っておくのが良いのかもしれない。
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推理小説 | 2011/02/03(木) 22:07 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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