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880冊目 選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?
選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?
(2008/06/25)
ウィリアム パウンドストーン

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評価:☆☆☆☆


 民主主義は、まあ問題が無いわけではないだろうが、それでも民意を反映する以上、他の政体より優れているのではなかろうか。そう思っている人が多いだろう。かく言う私もその一人だ。だが、この投票にも深刻な問題があるとしたら?

 問題というのは、誰が選挙で当選すべきか、という、まさに民主主義の根幹に関わるものだ。

 そんなのは簡単じゃないか、投票の結果で1番多く票を集めた人を勝ちにすれば良い。ところが、問題はそんな簡単なことではない。

 例えば。ここに、極左党、中道左派党、右派党という3つの党から候補が立てられたとする。このうち、二人の候補者を比べると、下のとおりになったとしよう。

 中道左派>極左
 中道左派>右派
 右派>極左

 さあ、誰が当選すべきか。当然、中道左派であるべきだろう。ところが、中道左派と極左の候補者が票を取り合った結果、支持率第二位である右派の候補者が当選することがありうる。そして、これがブッシュ対ゴアの戦いで起こったことそのものだ。

 この時、民主党のゴアより更にリベラルなラルフ・ネーダーが立候補していた。その結果、ゴアの票の一部がラルフ・ネーダーに奪われた。彼が立候補していなければ、フロリダは民主党が制し、ブッシュは当選できなかったはずだ。(ネーダーが立候補しなかったとしたら、ネーダーに投票した人々はより政治姿勢の近いゴアに投票したと推測されている)

 同様な問題は日本でも起きていて、小泉政権が郵政民営化を問うとして総選挙に打って出たとき、実は郵政民営化反対陣営の方が得票数は多かったことが知られている。反対派は票割れを起こしたせいで勝てなかったのである。

 どうやら今の選挙制度には欠陥があるらしい。では、それを解決することは可能なのか。本書はその問題に挑んだ人々の戦いの歴史を余すところ無く描き出している。

 尚、結論から言えば、問題の無い選挙制度は無い。アローの不可能性定理が示しているとおりである。それでも、より良い制度を目指すことは可能だと思うし、そのためにはそれぞれの制度にどのような利点と欠点があるのか、知っておいて損はない。

 その上で、本書が取り上げている例は、アメリカの事例中心ながらどれも興味深いものだった。『不思議の国のアリス』で知られるルイス・キャロル、本名チャールズ・ドジソンは本業が数学者であり、選挙についての問題に取り組んでいたことなども、実に面白い。民主主義の今後を占う上で、重要な指摘が行われていると思った。
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数学 | 2010/10/29(金) 23:39 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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879冊目 血の政治―青嵐会という物語
血の政治―青嵐会という物語 (新潮新書)血の政治―青嵐会という物語 (新潮新書)
(2009/08)
河内 孝

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評価:☆☆


 自民党で派閥が強大な力を持っていた頃に、派閥に囚われない同志的な結びつきで組織された青嵐会。当選4回以内の若手を中心に組織され、決起に当たって、血判状を捺したことでも知られるこの組織は、確かな存在感を示しながらも、派閥政治の中に消えていった。

 中川一郎、渡辺美智雄、浜田幸一、森喜朗、石原慎太郎、綿貫民輔、三塚博山崎拓等、後の自民党の中核を担うようになる人々が参加したこのグループは、エネルギーに満ちていた、という。

 時は、田中角栄時代。中国と結び、台湾を切ろうとした田中首相と青嵐会は衝突。結局、日本は中国と国交を結び、台湾から離れることになる。しかし、このときの抵抗は、今も台湾への航空路が残るように、一定の効果を挙げた、との評価が下されている。

 このエネルギッシュな集団が、どのようにして生まれ、何を目指し、どうやって消えて行ったのかが纏められている。派閥横断的な組織だったために、成し遂げられたことは少ない。また、彼ら自身が権力の中枢に近づくに連れ、当然のことながら反中央的な振る舞いで耳目を集めることは不可能になる。

 一方で、彼らが権力の中枢に近づいたのは間違いなく、その理念が一定の影響を与えたのは事実だろう。そうした点で、過去の自民党政治の経緯の一つとして読めるのは間違いない。

 ただ、正直、なぜ今青嵐会の記録が必要なのか、本書を読んでも伝わってこなかった。タカ派は過去も今も一定割合で存在するし、彼らが国会議員であれば一定の力も振るえるだろう。暴れまわるのも結構。それでも、読んでいても著者が懐かしき過去を思い返すためにあるのが一番深い理由なのではないか、と思われたのが残念。
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評論 | 2010/10/27(水) 22:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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878冊目 動物たちの愉快な事件簿
動物たちの愉快な事件簿動物たちの愉快な事件簿
(2003/07)
ユージン・リンデン

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評価:☆☆☆☆


 動物を飼ったことがある方は、ペットのおバカなところを愛するのと同時に、彼ら・彼女らが意外なほど賢いことに驚いたことがあるのではないだろうか。そうした経験を持つ人に、今更動物が高い知能を持つことを言っても驚くことは無いかもしれない。

 しかし、タコは?と聞かれたら、戸惑いを感じずにはいられないのではないだろうか。だって、タコですよ。軟体動物の。タコは貝の仲間でありながら、殻すら取り去ってしまったので、その柔らかな脳を守る術が失われてしまっている。当然、大きな脳は持ち得ない。

 それなのに、タコには驚くほどの賢さを発揮することがあるらしい。水族館の水槽から脱走を図ったタコを捕らえて水槽に戻した人物は、その後タコの水槽の前を通ると水鉄砲を何度も喰らうことになった、という。これは、タコは人間の顔を見分け、過去を覚えて復讐に勤しむことができるということだ。驚くべきことではないか。

 本書には、こうした動物たちのトリック、意外な行動が大量に納められている。策を用いて脱走を図るオランウータン、悪戯好きなゾウ、水族館の主役のイルカたち、etc。

 知能という、それなりにコストが高くつくものを、これほどまでに動物が用いてきたことに改めて深い畏敬の念を覚えさせられた。脳はブドウ糖しか栄養に用いることができず、しかも大食いな器官だ。高度に発達させればさせるほど、高品質な食事を大量に摂らなければならない。

 逆に、だからこそ知性を感じさせる行動は面白くもあるのだろう。

 タイトルどおり、動物たちの愉快な事件の数々に、驚かされ、ほほえましい気にさせられ、そして生物の面白さを感じることができた。
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生物・遺伝・病原体 | 2010/10/25(月) 21:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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877冊目 謎解き・海洋と大気の物理
謎解き・海洋と大気の物理 (ブルーバックス)謎解き・海洋と大気の物理 (ブルーバックス)
(2003/07/19)
保坂 直紀

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評価:☆☆☆☆


 タイトルに、多くの人が怖気を感じるであろう”物理”の二文字が入っているが、心配することはない。数式は出てこないし、難しい概念も出てこない。代わりにあるのは、地球環境がどれほどダイナミックな動きをしているか、という発見である。

 地球の環境を決定付けているのは太陽からのエネルギーと、それを地球上でどう分配するか、ということにかかっている。知っての通り、熱帯地方は暑く、極地は寒い。そこで熱循環が起こる。具体的には、熱帯から極地へと空気と水が流れる。だから、「流れ」を知るのが重要になるわけだ。

 この流れがどのようにして生じているのか、また、どのように流れているのかを優しく解き明かしてくれているので、地球の凄さに改めて気付かせてくれる。偏西風や季節風、台風、エルニーニョ等々の、よく聞く現象の背景を知ることができるので、入門書として非常に優れていると思う。

 とりわけ私が興味を引かれたのは、海水の循環。日本に豊漁をもたらす黒潮が、地球規模で見ればどのような位置づけにあるのか、その強い流れとルートの理由は何か、といったところが実に面白かった。環境に興味がある方は読んで損することはないと思う。
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環境 | 2010/10/22(金) 23:18 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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876冊目 格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
(2008/06)
ポール クルーグマン

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評価:☆☆☆☆


 著者はその才覚で知られる経済学者(将来のノーベル賞候補とも囁かれている)である。その主張は明快。即ち、今の共和党はごく一部の富裕層の利益のみを代弁する組織に成り下がっており、アメリカを良き平等の国にするためには民主党に権力を握らせて政治を変えていくしかない、ということである。

 本書に拠れば、今のアメリカの不平等性は1920年代に匹敵する、という。指標として用いられているのが、富の集中度合い。ほんの一握りの超大富豪が富を独占していることが明示されている。

 それの何が問題なのか。答えは、中産階級が壊滅する、ということにある。中産階級の崩壊は、平等意識の崩壊にも繋がり、ひいては社会不安をもたらすことになる。

 何故、富の偏在が進んでいるのか。それは、共和党が一部の特権階級に支配されているためというのが一つ。そして、もう一つの理由は、アメリカに根強く存在する人種差別にある、という。例えばアメリカは国民全員をカバーする保険が存在しないが、それは黒人への医療の道を閉ざす手段として有効だから命脈を保ってきた、と著者は指摘する。

 人種差別は、勿論あからさまに表明されるわけではない。しかし、それは政治を動かすだけの力を持っていたのだ、ということが本書で明らかにされている。

 サブタイトルから分かるとおり、アメリカのことに特化した議論が重ねられている。アメリカの病理について読みながら、どうしても近年の日本のことが思い起こされてならなかった。

 派遣切り・正社員比率低下といった労働形態の変化や、実感なき景気回復・ワーキングプアといった労働者に利益を還元しないシステムは、本書が指摘しているアメリカの病弊をなぞっているようにしか見えなかった。

 次の投票行動には、こうした不平等の是正に向けて力を尽くす存在を念頭においていこうと思う。

 ・・・・・・でも、共産党も公明党も嫌いな人にとっては投票先無かったりして^^;


関連書籍:
金で買えるアメリカ民主主義 (角川文庫)金で買えるアメリカ民主主義 (角川文庫)
(2004/03/25)
グレッグ・パラスト貝塚 泉

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アホでマヌケなアメリカ白人 (ゴマ文庫)アホでマヌケなアメリカ白人 (ゴマ文庫)
(2007/12/05)
マイケル・ムーア

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ノンフィクション | 2010/10/19(火) 23:15 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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875冊目 動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話
動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話 (中公新書)動物の脳採集記―キリンの首をかつぐ話 (中公新書)
(1997/05)
万年 甫

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評価:☆☆☆☆


 診断技術が長足の進歩を遂げた今となっては、生きた脳の活動を診断することが可能となっている。しかし、以前は人の脳を知るために、人間同士の脳を比較するか、他の動物の脳と人間の脳を比較する手法しか取りようが無かった。

 著者は、ひょんなことから脳研究に携わることになった研究者である。そして、脳研究を行うために、様々な動物の脳を採集するのに奔走した、という珍しい体験の持ち主でもある。

 脳を採集する、ということは、必然的に相手は死んでいるということになる。リスやネズミ、せいぜい犬・猫レベルのサイズであれば、遺体を運搬するのも楽だが、これが象やカバ、キリンといった、大きな動物ともなれば話は違ってくる。

 解体からして苦労が付きまとい、解体したら解体したで運搬の苦労が付きまとう。その苦労を、後から振り返って他人に話すと楽しめる話になってしまうから不思議だ。

 上記から明らかなように、最先端の脳科学の魅力を明らかにする、というスタンスではない。むしろ、そのような点から本を読みたいのなら、他に脳関係で優れた本は沢山ある。技術の進歩や研究の深まり等を考えれば当然だろう。著者が研究成果についてほとんど触れていないのはこうした理由に拠ると思う。

 研究にはこんな苦労が付きまとうことがあるんですよ、という苦労譚として読むと、これがまた楽しい。動物の死を前にして、その死を無駄にせず研究に活かすという理念も、例えば象の分厚い頭蓋骨をどうやってこじ開けよう、という問題の前には吹き飛びそうだ。おまけに、著者はほぼ徒手空拳、初めての動物解剖を設備もなにも無いところでやろうというのだから大変だ。

 サブタイトルになっているキリンの首を担ぐ、というのも同じような状況。ただ、こちらは脳だけではなく、首から上を動物園から大学まで運びたい、という話である。予算も限られた時代ゆえ、解体したキリンの首を徒歩と電車でなんとか運ぶ話は、こんなこともあったのかと思わされることしきり。なぜ首から上が必要なのか、という理由もしっかり載っているので、興味本位で見てみるのも楽しいと思う。


関連書籍:
パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)
(2005/02/08)
遠藤 秀紀

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科学者 | 2010/10/16(土) 07:11 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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874冊目 よみがえる文字と呪術の帝国―古代殷周王朝の素顔
よみがえる文字と呪術の帝国―古代殷周王朝の素顔 (中公新書 (1593))よみがえる文字と呪術の帝国―古代殷周王朝の素顔 (中公新書 (1593))
(2001/06)
平〓 隆郎

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評価:☆☆☆


 中国古代の歴史を今に伝える歴史書、史記。黄帝に始まる神話時代、殷、周、春秋戦国、秦、そして前漢の武帝時代までの記録が纏められたこの史記は、登場人物の生き生きとした活動を感じさせてくれるため、歴史書でありながら読み物としてもとても面白い。

 ところが、この史記、少なからぬ矛盾を抱えていることでも知られている。とりわけ、古代における日付については、なんと1/3前後もが矛盾を孕んでいるという。

 なぜこれほどまでの矛盾が入り込んでしまったのか。司馬遷個人による編纂であるが故の、避けられない限界という見方も成り立つだろう。しかし、どうもそれだけではないようだ、ということを本書で確認できた。

 年代矛盾は、暦と密接な関連がある、というのが本書の主張である。まず、古代に月の満ち欠けという目に見えやすい現象を用いた、原始的な暦が作られた。それは時代の変遷に伴って徐々に改善されていった。

 それだけなら話は単純だった。ところが、後世の人々は、自分たちの改良された暦が古代から使われていたかのように勘違いをしてしまったのである。また、元号の扱い方も、新たな王が立ってすぐに改元するのか、新たな王が立って次の正月を迎えて改元するのか、その違いもあったようだ。

 これらの問題を整理することで、著者は日付の矛盾を解消することに成功する。その過程で用いた様々な史料により、史記では描かれなかった殷・周といった古代王朝の姿が蘇ってくるのが本書の最大の魅力だろう。

 青銅器の碑文や、従来史料価値が低いといわれてきた竹書紀年なども補強材料として用いているところも説得力を感じさせる。そこから浮かび上がるのは、漢字を中央が独占して呪術的な支配の道具としていたというもの。史記の世界とは随分異なる世界だ。

 従来と異なる姿を見せてくれたのが功績なのだが、一方で同業者への挑戦とも取れる文章が少なからず並ぶ。自分の意見を纏め、新たな論を提出するという点からは当然の営みかもしれないが、新書の読者のことを考えてのこととは、ちょっと思えない。面白さがやや削がれる形になってしまったように感じられ、少々残念だった。
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中国史 | 2010/10/14(木) 22:07 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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873冊目 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
裁判長!これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)裁判長!これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)
(2009/01/09)
北尾 トロ

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評価:☆☆☆☆


 好評だった前著『裁判長!ここは懲役4年でどうすか 』に引き続いての、裁判傍聴記。前著同様、裁判の傍聴で感じた色々なことを書くスタンスなので、前著を楽しめた方は本書も楽しく読める。

 今回著者が巡り会うのは、情け無い類の男泣きやら、ただの酔っ払い親父の食い逃げと思わせておいて凶悪犯罪の犯人やら、世間を騒がせた愛犬家殺人事件や法の華事件、などなど。なんと、前著の影響で傍聴依頼まで来てしまう。

 事件の背景を深く掘り下げるわけでも無く、傍聴を楽しんでいる姿勢が、裁判の本でありながら重さを感じさせない。また、被害者あるいは加害者への過度な思い入れが無いため、政治的な意見も前面に出てこない。

 だから、傍聴しててこんなことを思いました、こんな凄い光景に出会いました、に終始しているところが良い。とかく固いものと相場の決まっている裁判ものを、こうして楽しく読めるのが嬉しい。近い存在であるべきながら、多くの人が遠い世界のものと思い込んでいる、裁判という、言わば非日常的な営みに見られる人間模様を覗き見する快感とでも言おうか。

 ただ、上述の通り、裁判についての知識はほぼ得られない。裁判員制の勉強!などと意気込むと、得られるものは少ないだろう。そういう方は、また別の本を当たった方が良いと思う。


関連書籍:
裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
(2006/07)
北尾 トロ

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エッセイ | 2010/10/12(火) 23:58 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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872冊目 科学は不確かだ!
科学は不確かだ! (岩波現代文庫)科学は不確かだ! (岩波現代文庫)
(2007/01)
リチャード・P. ファインマン

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評価:☆☆☆☆


 ファインマンと言えば、物理学、とりわけ量子力学の発展に偉大な足跡を残した人物としてまず知られている。朝永振一郎らと共にノーベル賞を受賞したため、日本でもファインマンの名を知る人は多いのではないか。次に、彼が多彩な才能を持ち、多岐に渡る分野で活躍したことも有名だろう。

 若き日にマンハッタン計画へ参加したのを皮切りに、老年のチャレンジャー号爆発事故究明に奔走する等の公的な活躍、と聞けば、仕事人間を想定するかもしれないが、人生をとても楽しんだことが、更に魅力を高めている。

 ボンゴを叩き、絵を描いては古典を開き、冗談が好きで、そして神を信じなかった。権威を信じず、共産主義の独裁体制を嫌い、自由を愛した自由人だったのだ。

 本書は、そんなファインマンが大学で行った講演を訳したものである。

 ファインマンが繰り返し述べるのは、科学は不確かで、だから面白いということ。そして、科学を語ろうとする一環として、神を語り、宇宙人の乗り物としてのUFOを語り、テレパシーを語る。政治や宗教という、専門ではない分野にまで踏み込んでいく。その奔放さが、実に自由人たるファインマンの面目躍如、といった感じだ。

 科学は、杓子定規で決まりきったことを明らかにするだけの単調なものだ、と思っている方は、是非本書を読んで見て欲しい。科学は不確かな仮説だらけで、まだ誰も知らぬ知のフロンティアを開拓することがどれほど楽しいことなのか、その一端を掴むことができると思う。
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科学者 | 2010/10/07(木) 23:33 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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871冊目 誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険
誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)誰も読まなかったコペルニクス -科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険 (ハヤカワ・ノンフィクション)
(2005/09/22)
オーウェン・ギンガリッチ

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評価:☆☆☆


 コペルニクスは地動説を唱え、天動説への致命的な一撃を与えた人物として知られている。当時にあって、画期的だったこの論が記されたのが、『天体の回転について』である。

 この画期的な本を、”誰にも読まれなかった本”と酷評したのはアーサー・ケストラー。さもありなん、この本は、読み物として読めるのは最初の5%程で、残りは計算などの、地動説を裏付ける数学的な根拠が記されていたというのだから。

 ところが、著者は『天体の回転について』の初版本の中に、最初から最後までびっしりと書き込みがされているのを発見する。この発見は、著者をコペルニクスの初版本巡りというとんでもない旅に導くことになってしまった。

 まだ分厚い鉄のカーテンが下りていた向こう側のソ連や中国にまで調査の手を伸ばした結果、ケストラーの言い分が誤っていた事がはっきりする。コペルニクスの本は、決して誰にも読まれたかったわけではない。知的興奮の本として、初期の天文学を発展させた人々らに広く読まれていた。

 初版本を読んだ人々の名前がまた豪華で、血液が循環していることを発見したウィリアム・ハーヴェイや、天文学の分野で名を残すティコ・ブラーエにヨハネス・ケプラー、地図の表し方にその名を残すメルカトルら、錚々たる名が連なる。どうして彼らが本を所有していたのかは、著者の探求の中で明らかにされていくのだが、その過程が面白い。書き込みの筆跡を追い、内容を追う。しかも、その前段階として世界中の初版および再版を探し出す。

 稀覯本から見えてくる世界、というのが実に面白かった。また、古書市場での相場など、一冊の本が天文学額的な数字になっていくのも、外野としては面白い。私個人としては、本の内容にしか興味が無いので、熱意は分からなかったが。それでも、一冊一冊手作りだった時代の美しい装丁については見てみたくなってしまったので、古書の魅力恐るべし、といったところか。


※10/6 地動説と天動説とを取り違えていたのを修正。Lixさん、ご指摘深謝します。
 ・・・・・・なんでこんな間違いをしちゃったんだろう。。。


関連図書:
古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)古書店めぐりは夫婦で (ハヤカワ文庫NF)
(1999/09)
ローレンス ゴールドストーンナンシー ゴールドストーン

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科学者 | 2010/10/04(月) 22:43 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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870冊目 シャーロック・ホームズの科学捜査を読む
シャーロック・ホームズの科学捜査を読むシャーロック・ホームズの科学捜査を読む
(2009/01/17)
E・J・ワグナー

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評価:☆☆☆☆


 本書を執筆するには、まずホームズを全作読まなければならない。そこまでは簡単だ。なにせ、ホームズは面白いから。粗のある推理でも、それが魅力なのだ。魅力なんだったら。そして、ホームズがどのように推理を組み立てているのかを明らかにする。

 難しいのは次だ。当時の科学捜査がどのようなものだったかを知らなければならない。

 本書は多くの記録を渉猟し、昆虫や毒物、変装、銃犯罪、偽手紙、血痕、毒物等、実に様々な分野に分け入っていく。当時の事件や裁判などを適当なタイミングで挟んでいるので、本書に語られていることがホームズが活躍した時代を語っていることが納得できる。

 著者の努力にも感服させられるが、それ以上にコナン・ドイルがホームズのために色々なことを調べたに違いないことだろう。特定の分野というなら分からなくも無いが、これほど多岐に渡る最先端情報を知るのは容易ではなかったに違いない。今と違ってインターネットなども無かったわけだし。

 ホームズが緻密に作られようとしたことがわかったのがなによりの収穫。ホームズが頼った骨相学というオカルトにも触れているが、これなども些細なミスに思えてきた。コナン・ドイルはオカルトにころりと騙されていた人なので、かなり意外だった。

 きっと、著者の努力が実を結んだ結果として、今もホームズは愛されているのだろう。
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ノンフィクション | 2010/10/01(金) 23:22 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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