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Author:Skywriter
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724冊目 月の魔力
月の魔力月の魔力
(1996/10)
アーノルド・L. リーバー

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評価:☆☆☆


 月を意味する英語、luna には決して好ましくはない意味が込められている。人間の狂気に月が大きな影響を与えると信じられていたためだ。だから、例えば lunatic は精神に異常を来たしている状態を指す言葉である。(だから、子どもにルナとかなんとかそんな名前つけちゃあダメです。将来インド・ヨーロッパ語族あるいは英語圏の人間からぎょっとされますです。)

 言い伝えは正しいのか。月は人間の精神に影響を与えるのだろうか。著者の答えは明確である。イエス。

 医学生として精神科病棟に勤めていた頃、著者は多くの患者で、周期的に行動の乱れが観察されることに気付く。そこから研究を始めたところ、殺人事件や交通事故で月齢との間に相関関係があるという結論に達したのだ。

 なぜ月齢と事故や事件が相関するのか。著者はメカニズムを推定し、それが正しいかどうかを別の数値から検証しようとする。これは明らかに、科学の営みだろう。好意を持てることに、結論が自分の仮説にとって不利な場合にも、著者はその事実を認めている。その点で、本書の主張をオカルトと退けるわけには行かないと思う。

 ただ、一部の記述では著者が自分の仮説にのめりこむ余り、一線を越えてしまっている雰囲気も感じられるのが、残念でも有り、本書を面白くもしている。

 私自身としては、週の影響(週末には事件や事故が増える)やらなんやらの、事件と相関が認められる事象を考慮に入れていないため、月の影響については懐疑的である。が、伝説の領域をこうして科学で説明しようという著者には敬意を払う。懐疑的な姿勢は保ちつつ、もうちょっとこの分野を知りたいと思わせてくれた。


 なお、驚いたことに、翻訳は今をときめく藤原正彦。『国家の品格』や『若き数学者のアメリカ』などの著作で知られている方ではありませんか。

 本職の数学者らしく、本書に触発されて”出産における月のリズム”と題した論文を巻末に付している。出産と月齢に関係があるのではないかという説は耳にしたことがある方も多いかもしれない。これに関し、訳者は統計処理から肯定的な結果を得ている。因果関係があるかどうかは統計から導き出せないにしても、これも面白い結果だと思う。
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未分類 | 2009/09/30(水) 23:32 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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723冊目 20世紀最大の謀略 赤軍大粛清
20世紀最大の謀略 赤軍大粛清 (学研M文庫)20世紀最大の謀略 赤軍大粛清 (学研M文庫)
(2001/04)
ルドルフ シュトレビンガー

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評価:☆☆☆


 1937年6月、悪名高いルビヤンカ刑務所で、8人の男達が銃殺された。その中の一人が、赤軍の至宝、赤いナポレオンとも称された、ソ連の誇る名将、トハチェフスキー。ソ連軍の近代化に辣腕を振るった彼はなぜスターリンの粛清から逃れることができなかったのか。そこにはドイツの陰謀があった。

 ドイツ側からトハチェフスキーの失脚を仕掛けたのは誰か。また、どのようにして陰謀は進められたのか。また、ソ連側ではどのゆな動きがあったのか。

 著者は、この隠された歴史を浩瀚な文書を紐解くことで解明しようとしている。ドイツ側の陰謀については、少なくとも誰が関与したか、その情報がどのような経路でスターリンの下へ送られたかについては、本書に明らかにされていると言って良いだろう。

 ただし、著者は冷静に、トハチェフスキーがスターリンにとって目障りな存在になっていたため、ドイツからの陰謀が無かったとしても粛清は避けられなかった、という立場をとっている。その上で、ドイツからの陰謀の全貌を描き出そうとしている点は評価できる。ただ、このあたりの流れに疎い初心者にとっては、Aという説があるがそれは間違い、Bという説もあるがそれもまた間違い、という流れが理解しづらさを生んでいるのは否めない。

 トハチェフスキー粛清後、スターリンは赤軍全体の粛清に取り掛かる。

 それから大量殺戮がやってきた。
 元帥五人のうち三人、軍司令官一五人のうち一三人、軍団長八五人のうち六二人、師団長一九五人中一一〇人、旅団長四〇六人中二二〇人、大佐の四分の三が粛清された。
 被逮捕者は大佐以上の高級将校全体の六五%、下級将校でも一〇%にのぼった――総計二万人。そして処刑された高級将校は一五〇〇人にも及ぶ。


 赤軍粛清によって、事実上ソ連軍は力を削ぎ取られる。独ソ開戦直後、ドイツが破竹の勢いでソ連領を蹂躙できたのは、この粛清で有能な軍事指導者達が姿を消していたためとも言われるのだ。

 この悲惨な大粛清がどうしておこったか。まだ解明されていないことは多いが、大まかな全体像を提示してくれた功績は大きいと思う。独ソ戦に興味がある方にとっては、その前哨戦としての諜報戦争である赤軍粛清を取り上げた本書は価値が高いと思う。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2009/09/28(月) 23:40 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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722冊目 ミミズクと夜の王
ミミズクと夜の王 (電撃文庫)ミミズクと夜の王 (電撃文庫)
(2007/02)
紅玉 いづき

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評価:☆☆☆


 手足に奴隷の証である鎖をつけ、ミミズクと名乗る少女は、魔物の住む森の奥深く、魔物を統べる夜の王のもとへ赴いて願いを告げる。「私を食べて」と。

 なぜミミズクは魔物に食べられることを望むのか。そこには彼女の辿った哀しい過去がある。過去を背負ったままミミズクは夜の王に食べられてしまうのか。

 一方、夜の王を討伐すべく、遠征隊が組まれる。その遠征は遠征隊を組んだ王国の人々とミミズクたちの運命を大きく変えることになる――。

 第13回電撃小説大賞で、見事大賞を受賞射止めたという本作品。ミミズクという少女の内面を含め、上手くキャラクターを作ることに成功していると思う。ミミズクもそうだけれども、夜の王についてもしっかり考えられているのがよい。処女作にしてはかなりの出来と思うので、今後の成長が楽しみである。
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SF・ファンタジー | 2009/09/26(土) 23:04 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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721冊目 生物の謎と進化論を楽しむ本
生物の謎と進化論を楽しむ本生物の謎と進化論を楽しむ本
(2008/01/08)
佐川 峻中原 英臣

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評価:☆☆☆☆


 タイトルどおり、生物の謎と進化論について広く浅く論じている。カンブリア爆発や恐竜絶滅の謎からメンデルの法則やダーウィンが進化論を発表するまでの経緯、果てはウイルス進化論まで、扱っていると言えばその広さが実感されるのではないか。その分、一つ一つのトピックは浅くなっているが、生物の話を楽しむというコンセプトは十分に満たしていると思う。

 ミトコンドリアDNAやミトコンドリアイブ仮説、日本人の先祖はどこから来たのか、など、生物学が明かしてきた知見をこうして一気に読めるのは嬉しい。同時に、自然界の不思議についても思いを馳せることができると思う。

 著者らはウイルス進化論を強く押している。キリンの首が長いのは、首が長くなる遺伝子をウイルスが運んできたからだ、というようなものである。これらは実験室で自然淘汰と生物進化が見られたことが無いという欠点を補完するように見える。

 しかし、ウイルス進化論には説得力が無いように思われてならない。というのは、キリンのあの首の長さは当然血液を送り出すには不利で、これも遺伝により解決されなければならない。都合よくそんな遺伝子を持ったウイルスが、キリンの首を長くする遺伝子を持ったウイルスと同時期に感染した、とでも言うのだろうか。ご都合主義としか思えない。

 ウイルス進化論には上記のような欠点があるのは事実であるが、一方でウイルスが遺伝子の運搬を行っている確かな証拠が存在する。我々の遺伝子の中にも、どこからかウイルスが運んできて、挿入して行ったものがあると考えられているのだ。

 単純に遺伝子が運ばれてきたから然るべき姿になった、というのは早計だと思うにしても、集団内で一度獲得された遺伝情報がウイルスによって水平拡散される、と考えると進化論は更に楽しくなるのではないだろうか。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/09/24(木) 23:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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720冊目 動物ウイルスが人間を襲う!―エイズ、鳥インフルエンザ、サーズ…
動物ウイルスが人間を襲う!―エイズ、鳥インフルエンザ、サーズ…動物ウイルスが人間を襲う!―エイズ、鳥インフルエンザ、サーズ…
(2006/12)
中島 捷久澤井 仁

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評価:☆☆☆☆


 人類に最も大きな脅威を与えるウイルスは、なんといってもインフルエンザウイルスである。スペイン風邪は僅かな間に4000万人を殺した可能性があることがその証左だろう。変異が早いため、免疫の目をかいくぐって感染を広げのが厄介なところである。

 飛沫感染などで容易にヒトからヒトへ伝染すること、鳥や豚に感染することから大きく姿を変えてしまうことから、あらゆるウイルスの中でも最も警戒されて然るべきものだ。日本でも、冬になると死者が増加するのはインフルエンザが原因といわれるほどである。

 本書ではこのインフルエンザと、そしてエイズを中心にウイルスの脅威を述べている。

 この二つにかなり焦点を絞っていることで、人類に最も大きな影響を与えているウイルス病について一通りの知識を得ることができるのが利点。また、その前提としてウイルスの特長や治療方法についても深堀されているので、なぜウイルス病が騒がれるのか理解を深めることができるだろう。

 エイズについても多剤併用の治療など、治療法について述べるのと同時に、この治療法の問題をしっかり説明している点に好感を持てる。

 論点の絞り方と、狭く深く論じるやりかたが功を奏し、バランスの取れた作りになっていると思う。

 ただ、今も世界で最も多くの死者を産み続けているのはマラリアである。この恐るべき疫病により、毎年100~150万人程度の死者が出ていると言われている。先進国ではほぼ見られないことから騒がれないが、個人的にはもっと注目されて良いと思う。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/09/22(火) 23:55 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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719冊目 日本語の特質
日本語の特質 (NHKブックス)日本語の特質 (NHKブックス)
(1991/02)
金田一 春彦

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評価:☆☆☆☆


 著者・金田一春彦の父はアイヌ語の研究などで知られる著名な研究家、金田一京助である。春彦自身の長男はロシア語学者、次男は日本語教師と、将に言語研究一家を構えている。

 学者一家の生まれで、さぞ堅苦しい人物を想像されるかもしれない。しかし、凡百の自称伝統重視主義者とは一味違う。例えばら抜き言葉については、言葉は変化するもので流れは止まらないことを指摘した上で、可能と尊敬、あるいは受身を表現上区別できるのだから利点がある、とする。

 考えてみれば伝統伝統などと言いつつ、平安時代の言語でしゃべる現代人などどこにも存在しないわけで、伝統を重視すべしという主義そのものが怪しいのだろう。

 本書はそんな柔軟な立場を採る著者による日本語論になっている。国語の専門家らしく分かりやすく明確な文章で、日本語が他の言語とどう違うのか、どのような利点があり、欠点があるのかを説いている。

 特に、他の言語について、例えばバスク語のややこしさや英語の音節の多さというものを紹介されているので、普段気付くことの少ない日本語の合理的な面に気付かせてくれるのが有り難い。

 また、日本語が表音文字を使用しているので辞書さえ引ければ音声を文字に表すのが容易であることなど、方々で見かけることも丁寧に解説されている。日本語の特質を網羅したといって過言はないだろう。日本語の魅力について、改めて考える機会を与えてくれたことに感謝したい。
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ノンフィクション | 2009/09/17(木) 23:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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718冊目 数学と論理をめぐる不思議な冒険
数学と論理をめぐる不思議な冒険数学と論理をめぐる不思議な冒険
(2006/04/20)
ジョセフ・メイザー

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評価:☆☆☆☆


 数学。この科学の基礎をなす、極めて重要な学問は、人気が無い。世界中に数学嫌いが存在する。ノーベル賞には数学賞がないのもむべなるかな、である。(一説に、ノーベルには嫌いな数学者がおり、その人物に賞を与えないため数学賞を作らなかった、という)

 しかし、数学には面白い点もあるのもまた、認めなければならない。

 自分が経験した出来事や、不思議の国のアリス、シャーロック・ホームズの話を交えながら、幾何学や確率などを柔らかな語り口で述べているところが本書の魅力だろう。数学嫌いには幸いなことに、数式は出てこないのでご安心を。

 数学がどれほど世界を上手く説明できるか、ちょっと驚くほどだ。賭け事や選挙予想、工学など、広い応用分野が存在する。そのため、話者によっては誰もが避けたがる数学の話であっても、面白い話になりうるのだ。

 また、著者の旅先での話に登場する破天荒な人物達が本書を実に良く盛り上げている。彼らと共に、ある時はギャンブル、ある時は無限、ある時は幾何学の世界を巡る旅を味わえるのは有り難い。

 ただ、和訳がもうちょっとスムーズだったらずっと面白くなったような気もする。
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数学 | 2009/09/15(火) 23:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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717冊目 メディアの迷走 -朝日・NHK論争事件
メディアの迷走 -朝日・NHK論争事件メディアの迷走 -朝日・NHK論争事件
(2005/05/11)
保阪 正康 他

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評価:☆☆☆


 所謂天皇に責任があったとする人民裁判民衆裁判をNHKが番組化しようとしたことに端を発するNHKと朝日新聞の論争は壮大な泥仕合となった。政治家からの圧力があったとする朝日側の批判をNHKが突っぱね、連日メディアをにぎわせた。

 圧力があったかどうか、という話であれば、617冊目で紹介した『官僚とメディア』が検証している通り、あったとする立場にも理がある。

 NHK の番組が語るに値しないほど低レベルなものだったことは間違いが無い。しかし、そうだとしても政治権力による介入があってはならない。公共性が要求される以上、まともな番組を作らなければならないというのはあくまでもNHK内で要求されることであり、そのレベルにすら達しない番組を放映されそうになったことがNHKの凋落を物語っている。

 一方の朝日新聞側も、独断と偏見に基づいているとしか言いようの無い強引な記事を乱発した。慰安婦については常に勇み足を犯し続けているのだから、ある意味で筋が通っているのかもしれないけれども。

 慰安婦については、著者の一人である保阪正康が兵士といっても、人間として特別であるはずはなく、日常の営みとしての性があるのはあたりまえであると述べた視点が欠落することが多い。

 もともと、戦争にはその手の職業が付きものだった。昼は負傷者の看護をし、夜は兵隊のお伴をする。そういう女性が古今東西、常に存在したことは歴史を紐解けば容易に分かることだ。この流れを止め、看護は看護で専念しようとしたのがナイチンゲールだった、といえばその地理的・歴史的な広がりも分かろうというものだ。

 軍の関与があったとかなかったという論争にしても、現在のところ軍の関与を示す証拠は存在しない。これは歴史に向き合えば出てくる必然の結末である。

 ただ、そこには望まずして巻き込まれていった幾多の女性達もいたのもまた、事実であろう。何時の世にも女衒はいるものだ。しかし、全ての女性が望まずして慰安婦になったわけでもない。人間についてのあたりまえの現実をしっかり見据えて論を組み立てて欲しい。

 本書においても論争を検証する過程において慰安婦についての問題が述べられている。しかし、やや散漫であることや、論の甘い、あるいは根拠のおかしい議論も含まれているのが残念だった。現代史を語ることの難しさが、NHK・朝日の論争だけではなくここにも現れているように思われてならなかった。


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官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62)官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62)
(2007/04/10)
魚住 昭

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ノンフィクション | 2009/09/13(日) 23:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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716冊目 プロジェクトファシリテーション
プロジェクトファシリテーションプロジェクトファシリテーション
(2009/08/20)
白川 克関 尚弘

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評価:☆☆☆☆


 珍しくビジネス書の紹介を。

 本書を読むきっかけは、著者の一人である白川 克さんよりメッセージを頂いたことに端を発します。過去紹介した『人類が知っていることすべての短い歴史』や『アポロとソユーズ―米ソ宇宙飛行士が明かした開発レースの真実』などの書評をご覧頂いたことがこれら良書を読む機会となったことに感謝頂き、献本をお申し出くださいました。

 趣味でやっていることに対し、ご丁寧なメッセージとこのような本をご提供頂きました事に深く感謝致します。


 さて、肝心の内容を。

 仕事をしていれば、大規模なプロジェクトに参加する機会もあるだろう。あるいは、同僚が参加するプロジェクトや、過去のプロジェクトについての話を聞く機会も多いと思う。

 しかし、プロジェクトの出したはっきりした結末を知る機会は、どういうわけか少ない。成功なのか失敗なのかよく分からないまま、参加メンバーだけが疲弊する、そんなものの噂すら聞くこともある。

 なぜプロジェクトは成功しにくいのか。どうすればプロジェクトを成功させることができるのか。本書では、古河電工で行われた人事プロジェクトを通して、プロジェクトを成功に導くための方策を提示している。

 著者の一人である関 尚弘さんは古河電工側のメンバー、もう一方の白川さんはコンサルタント会社からのメンバーとしてプロジェクトに参画することになる。

 プロジェクトがなぜ必要とされたかという背景に始まり、プロジェクトの進展具合やメンバーの思いなどが随所に織り込まれているので、読者もその進展を追いかけることが容易である。この点、読み易いように配慮されているのを感じられる。

 何よりも特筆すべきは、コンサルタント会社がそのノウハウを惜しむことなく開示してくれているところだろう。アイディアを引き出し、まとめ、収束させていくためのテクニックが多く紹介されているのはうれしい。

 本書の手法を真似したからといって成功が約束されるわけではないだろう。成功したから本になっている、という視点も欠いてはいけないと思う。それでも会議の準備や運用の仕方など、勉強になる点は沢山あったのは事実。そこは参考にさせていただきたいと思う。

 なお、白川さんが属するケンブリッジより、このあたりの話を纏めたプレゼンテーション資料が公開されています。興味がある方はプロジェクト・ファシリテーション ~プロジェクト成功の鍵を握るファシリテーション~を是非ご覧ください。
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未分類 | 2009/09/11(金) 23:21 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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715冊目 天涯の砦
天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)
(2009/01/24)
小川 一水

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評価:☆☆☆☆☆


 地表から800キロ上空を巡る軌道複合体”望天”で大規模な事故が発生した。回転により重力を生み出す、その回転軸で爆発が起こり、宇宙線との連絡部を含む第四セクターが接岸中(?)の月往還船”わかたけ”もろとも吹き飛ばされたのである。

 事故から生き残ったのは、ほんの一握り。しかも、宇宙船の操作が可能だったり、緊急事態に適切な対応を取るべく訓練された人物なりというのが一人も生き残っていない。彼らが生き残ったのは、たまたま爆発の中心から離れた位置に居たことや、たまたま隔壁が壊れなかったおかげで真空に晒されずに済んだことなど幾重の偶然が重なって難を逃れた、という人ばかり。

 しかし、彼らの運命も風全の灯火と思われた。容赦ない地球の重力が、この巨大な複合体を地表に引き摺り下ろそうとしていたのだ・・・・・・。果たして、彼らは生き残ることができるのか。

 宇宙空間を舞台にしたパニックもので、次々に襲いかかる脅威をどう回避するか、ページを繰る手が止まらなくなる。事故の背景や、次々に起こる脅威のについて、不自然さを感じさせないのが凄い。

 加えて、なんといっても科学考証がしっかりしているのが素晴らしい。宇宙空間で人間が生き延びるということは、それだけで膨大な科学技術の蓄積が要求される。そこを舞台にしているのだから、科学考証の深さはそれだけ世界観の堅固さにつながるのだ。

 登場人物についての掘り下げも同様に深みが感じられる。いつしか物語に没頭し、世界に入り込んでいる自分が居た。SFが好きな方は是非手に取ってみて欲しい。
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SF・ファンタジー | 2009/09/09(水) 22:46 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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714冊目 三国志曼荼羅
三国志曼荼羅 (岩波現代文庫)三国志曼荼羅 (岩波現代文庫)
(2007/05)
井波 律子

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評価:☆☆☆☆☆


 著者の井波さんはちくま学芸文庫に収められている正史三国志のうち、蜀書を訳したことで知られている。その著者が幾つかの場所で発表した文章を集め、整理したのが本書。

 成り立ちが成り立ちのため、内容としてはやや雑多な印象が無いわけでもない。しかし、逆に考えれば、三国志を多角的に眺めている、とも言えるのだ。

 魏・蜀・呉の性格の違いのように三国鼎立の背景に切り込んだものもあれば、時代きっての個性である曹操と清流派や女性との関係や周瑜や諸葛亮、所謂五虎将軍(関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠)、詩人たちといった、三国志の魅力を高めている個人にスポットライトを当てたものもある。また、中国の民衆がどう三国志(演義)を受け入れたか、日本人に孔明ファンが多いのはなぜか、といった文化論の立場から論じたものもある。

 広い論点があるため、三国志の魅力を改めて感じさせてくれるのが大きな魅力。

 また、演義についても正史についても深い知識を有している著者らしく、話に深みがあるのも大きな魅力だろう。時代解説についても懇切丁寧に行ってくれているので、演技を読んで正史に興味を持った方には最適の正史入門書になっていると思う。




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(1993/04)
陳 寿裴 松之

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中国史 | 2009/09/07(月) 23:29 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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713冊目 とある飛空士への追憶
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い)
(2008/02/20)
犬村 小六

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評価:☆☆☆☆


 またまたcoco's bloblogで富士見ちゃんが読んでいた本から。

 敵中に取り残される格好となった島から、皇子の婚約者である美姫を無事脱出させなければならない。敵に発見されることを避けるため、考え出されたのは単騎で1万2千キロを飛ぶ、という無謀そのものの計画。

 明らかに無謀なこの仕事を引き受けたのは、主人公の狩野シャルル。傭兵ながら抜群の腕を持つことに加え、宗教上の理由によって結婚する前に異性と関係を持てないということが選ばれた理由である。

 果たして主人公は困難な任務を成し遂げることができるのか。


 イメージとしては、二次大戦前半までの、詰まるところレーダーや信管が開発されて無い時代の空戦だが、それ故に手に汗握る攻防を描くのに成功している。淡い恋心を上手く交えながらの逃避行の過程にはハラハラさせられ、その中で語られる様々な心情が最後のシーンを盛り上げる。もう少しこの世界に浸っていたくなった。プロットの見事さには感嘆させられた。

 ただ、一部ややマニアックな不満があるので興味がある方は続きを読んでください。
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SF・ファンタジー | 2009/09/05(土) 23:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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712冊目 死体が語る歴史
死体が語る歴史死体が語る歴史
(2008/09/12)
フィリップ・シャルリエ

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評価:☆☆☆☆


 死体は情報の宝庫である。犯罪捜査や推理小説では犯人を突き止めるのに必須であり、死体から死因を探る法医学という一分野があることなど、ノンフィクションや推理小説を読まれる方はよくご存知だろう。

 しかし、死体が教えてくれる情報はそれだけではない。筋肉の特異な付き方から、生前の職業が分かることがある。胃の内容物からは食生活や気候について、副葬品から衣装や文明についての貴重な知識を与えられる場合もある。果ては、法医学の知見を活かし、歴史の奥で行われた犯罪が暴かれることすらあるのだ。

 本書は死体から得られた情報にはどのようなものがあるのか、それによって何が分かるのかを解き明かす、異色の歴史書である。

 シャルル七世の愛妾アニェス・ソレルの急死の裏には何があったのか。フランス国王の心臓の行方。ローマの生贄や古代エジプトの死者たち。東欧における吸血鬼伝説やミイラが万能薬として使われた事実・・・・・・

 これら死体を通してのエピソードは、人がその終焉において避けることのできない死というものをどう捉えてきたか、近親者あるいは敵対者の死をどう社会的に受容してきたかを雄弁に語っている。死体から発せられる無言の言葉を翻訳してくれるのが、考古学者であり、古病理学者なのだ。

 古代の人々の暮らしと、死について意外な視点を多く与えてくれるのが本書の魅力であろう。死者の復活という恐怖、あるいは生きながらにして埋葬されてしまう恐怖。これらは今の人間をも捉えて離さない、根源的なものではなかろうか。本書から、歴史書には現れない、素朴な感情が透けて見えるのも特筆しておきたい。

 また、話がヨーロッパに限定されているわけでもないのも本書の魅力を高めているだろう。エジプトや南米、南アジアといった地域についても章が割かれているので、世界の人々がどのような暮らしをしていたか考えるヒントになる。

 古病理学の魅力を感じさせてくれる、そんな一冊だった。


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ノンフィクション | 2009/09/03(木) 23:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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711冊目 ゴキブリ3億年のひみつ―台所にいる「生きた化石」
ゴキブリ3億年のひみつ―台所にいる「生きた化石」 (ブルーバックス)ゴキブリ3億年のひみつ―台所にいる「生きた化石」 (ブルーバックス)
(1993/04)
安富 和男

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評価:☆☆☆


 その余りと言えば余りのおぞましさから、誰もが知る名前すら呼ばれず、”アレ”などと呼称されてしまう悲劇の昆虫、ゴキブリ。この台所の住人は、しかし3億年の昔から殆ど姿を変えることなく生き残ってきた、生きる化石である。そう思うと、シーラカンスやカブトエビとの扱いの落差の大きさに天を仰ぎたくなるというものではありませんか。

 本書はそんな嫌われ者のゴキブリがどのような生物かを、広く説いている。ゴキブリなんて興味ないよ、と言われる方もいるかもしれないが、ゴキブリの語源や生活サイクルなどを知れば、また別の感慨も浮かぶのではないか。って、そんなことはなさそうですね。

 ともあれ、生活サイクルや、生殖、食料などといった基本的な事項は本書を読めばすべて理解できることができる。嫌われ者のこの生き物にも3億年の歴史と、その長い覇権を可能にした特徴は興味深いことが多い。私としては、ゴキブリにも卵胎生のものがいるということなどが新たな発見で、身近な昆虫ながらやはり知らないことが多いと改めて思わされた。

 どうしてもゴキブリというだけで嫌な感じがするのでダメだという方もご安心を。本書にはしっかりと駆除方法についても記述があります。そこを読むだけでも価値があるかも。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/09/01(火) 23:55 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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