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Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


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647冊目 捜査指揮―判断と決断
捜査指揮―判断と決断捜査指揮―判断と決断
(2007/04)
岡田 薫寺尾 正大

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評価:☆☆☆☆


 著者は警察庁刑事局長、警視庁副総監、兵庫県警本部長などの刑事警察の要職を歴任した人物。その立場から、刑事警察とはどうあるべきか、特に指揮官はどのように決断を下していくべきかを論じている。

 刑事警察の分野で重要な決断を下し続けてきた人物だから書ける点が多いのが本書の魅力を高めている。

 日進月歩の科学捜査を上手く使うべき、なんていうのは誰もが言えるのだが、それを技術を持つ人間の熟練度と絡めて説明する辺り、技術を理解した指揮官であることが推察される。こういった技術者の実情まで知っている指揮官がいれば、多くの実績が上がるのも故なきことでは無いと思う。

 また、著者が失敗を隠すな、負けそうだからを言い訳にするな、というスタンスは凄い。日本の警察は極めて優秀だとは思うが、それでもやはり起訴した事件のほとんど総てが有罪判決というのは不健全なものを生む。それは、起訴して有罪に出来なければ警察側の汚点になる、といったあり方になったり、少しでも公判を維持できないと思ったら起訴しない、といったことに繋がる。あたかも”失敗学”を取り入れることで成功率を高めようとするかのような努力の姿が滲むところが良い。

 本書を読んでいると、つくづく指揮官というのは大変だと思わされる。現場に立たずにどうやって部下より多くの情報を集められるか。冗談抜きで休む間もない、大変な仕事だと思わされる。

 勿論、まずは警察の仕事のあり方として書かれている本書だが、書かれていることの多くは他の分野のリーダーにも当てはまることが多いだろう。そういう観点から読むのも面白いかもしれない。
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ノンフィクション | 2009/04/29(水) 23:36 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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646冊目 はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室
はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)
(2005/08)
長沢 工

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評価:☆☆☆


 国立天文台には広報普及室、という組織がある。何をやる組織化というと、タイトルを見て分かるとおり、電話相談室みたいなことをやっている。

 では国立天文台に寄せられる質問とはどのようなものなのだろうか。どんな高尚な質問が押し寄せてくるのだろうか。そう思うと見誤る。質問の多くは日の出、日の入りの問い合わせやら、星占いをするために惑星の位置を聞いてくるものが多いらしい。そんな下らないことで人を煩わせるなよ、と思わなくも無いけれども、それが現実とのこと。ちょっと残念。

 そんな国立天文台広報普及室での、ちょっと困った人々から真面目に考えている人々たちとの遣り取りから著者が感じたことをエッセイにしている。

 自分がやられたら堪らないだろうなと思いながら、でもこそっと笑ってしまうのはやはり困ったチャンとの遭遇戦だろう。画期的なことを発見したと信じ込む人や、世間は間違っていると断固として主張する人に振り回されてぼやくあたりは本当にご苦労様なのだけど、読み物としては面白くなってしまう。

 また、マスコミのいい加減さというのもちょっと意外だった。科学系の分野に強い記者がいないからなのだろうか、質問の仕方が悪いのに加えて理解力もないような気がした。それで技術立国とはちょっと哀しいものがある・・・・・・。

 ぼやきや楽しかったことの合間に薀蓄が挟まれるのもまた魅力。軽い読み物ながら十分に科学の世界を垣間見ることができる。特に天文関係にちょっと興味があるという方は楽しめるのではないかと思う。
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エッセイ | 2009/04/28(火) 23:56 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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645冊目 医者にウツは治せない
医者にウツは治せない (光文社新書)医者にウツは治せない (光文社新書)
(2005/08/17)
織田 淳太郎

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評価:☆☆☆


 宮崎勤事件によって、精神病の判定術なる物が適当極まるものであることが白日の下に晒されてしまった。というのは、3人の鑑定人がそれぞれ全然違う判定結果を出したからである。

 これが他の病気だとしよう。お腹が痛いからと3箇所の病院に行って、胃癌、腸捻転、食べすぎとそれぞれ全然違う診断が下されるなんてことはない。しかし精神鑑定ではそれが起こる。精神を見るのは難しいのだと開き直る人もいるかもしれないが、難しかろうと簡単だろうと出来ていないものは出来ていないのだから、そこだけは認めなきゃいけない。

 逆に言うと、今も精神医学界は進歩の余地が沢山ある。なにせ、まだ全然分かって無いのだから。

 ところが、一般には精神科は心の病を分ってる、ということになっている。なので、落ち込んだ場合などに精神科を尋ねると、なんとかかんとか症という由緒正しい名前を付けてくれて、貴方も目出度く病人になれるというわけだ。どんな人でも精神病に引っかけられるよう、精神科医側がどれほどがんばってくれているかは『精神疾患はつくられる―DSM診断の罠』に詳しい。

 そんなわけで、ちょっと不安を訴えて病院に行けば今日から貴方も鬱になれます。そして投薬開始です。投薬にはそれなりの理屈やら根拠があるわけだけど、解決になる可能性はあまり高くない。例えばセロトニンの量をコントロールする薬は、セロトニン量に異常がある人にしか効かない。しかし、そんな検査はされないで薬は処方され続ける。だから治らない。むしろ、薬の副作用に苦しむ人がでることになる。

 本書では、自身も鬱の治療を受けていた著者が、体験に照らし合わせて薬物療法以外の治療法を紹介している。スポーツ、内観法など、薬なしでも治療効果が上がっている点などは注目されるべきだろう。

 また、薬を一方的に効かない、無駄だと排除するわけではなく、三分診療に見られる、患者の実情に即していない薬の投与が問題だと指摘している点は冷静で好感が持てる。精神医療の実際の姿を知るのにはなかなか役に立つと思う。
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ノンフィクション | 2009/04/27(月) 23:49 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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644冊目 死者の書
死者の書 (創元推理文庫)死者の書 (創元推理文庫)
(1988/07)
ジョナサン・キャロル

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評価:☆☆☆☆


 私のブログだというのに、死者の書はエジプトのでもなければチベットのでもなく、小説。

 先日地元の友人と久々に飲みに行ったのだが、その友人も本読みなので、互いに本を紹介しあおうということになって一緒にブック○フに行ってきたわけですよ。その時に勧められたのが本書。ちなみに私が相手に勧めたのはオリヴァー・サックスの『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者』とアイザック・アシモフ『小悪魔アザゼル18の物語』、更に高村薫の傑作『リヴィエラを撃て〈上〉 〈下〉』。こちらが勧めた本の方が多いのは仕様です。


 さて、本書の紹介に移ろう。

 天才作家マーシャル・フランスの伝記を書くために、フランスが住んだ田舎町ゲイレンを訪れた主人公たち。そこにはフランスの娘を始めとする、フランスと馴染みの深い人々。主人公からすれば羨望の的である。この仲の良いコミュニティに受け入れられ、主人公はフランスの伝記執筆に取り掛かる。

 その主人公の前で、子供がトラックにはねられる。このショッキングな出来事に、しかし町の人が聞いてきたのは「あの子、はねられる前は笑ってました?」だった。しかも、トラックの運転手にかけられた言葉は「あんたじゃないはずなのに」。

 余りにも不条理な言葉。一体この町にはなにがあるのだろうか。

 計算され尽くした人物設定や舞台装置は見事。至るところに伏線が張巡らされており、その回収も楽しむことができる。お陰で、主人公に魅力が無いといったような欠点は吹き飛ばされ、気がつけばストーリーに引き込まれている。特に物語の最後、謎が一挙に明かされるあたりの疾走感はお見事。これがデビュー作というのには恐れ入る。ダークファンタジーの名に相応しい作品だと思う。


 余談ですがアマゾンさん、著者と訳者を逆に表記してますよ。このブログでは直してあるけど。
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SF・ファンタジー | 2009/04/26(日) 16:52 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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643冊目 暴走老人!
暴走老人!暴走老人!
(2007/08)
藤原 智美

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評価:☆


 最近、若者の犯罪が増加している。凶悪化している。そんなデマが流されることもあるが、実際に増加の一途を辿っているのは老人犯罪である。むしろ少年犯罪は減少しているのだが、体感治安とかいう、つまるところはマスコミの流すイメージが悪化しているに過ぎない。

 そんななか、老人の犯罪を正面から取り上げたノンフィクションということで期待して手に取った。が、どうにも違和感を感じてならなかった。それは、暴走する老人の背後になにがあるのか、という肝心の点について、根拠が全然示されていないためである。その謎は後書きによって氷解した。そして呆然とした。というか、憤激した。

 今回、素材として使ったのは取材で拾ったいくつかのエピソードとニュース記事、そして私の実体験です。
 現代老人の暴走にふれた本はなく、適切な分析も見あたらないなか、そこに発生した事件や出来事に想像力でわが身をおきなおし、思考する。それが小説化としての私の方法でした。
 (略)あえて数字などのデータは必要最低限に抑えました。調査から導き出されるスコアや事件報道は話の糸口として役立ちます。けれど、「まだ見えないもの」「つかみ所のない新しい現象」をとらえるのは、事故の体験に基づいた想像や推理といった体感的思考に頼るしかないのだ、と切実に感じました。
(p.213より引用)


 それはノンフィクションじゃなくて小説って言うんだよ。そんなことも分らないのか、この著者は。もし著者がまともな小説家なら、そういう小説を書けば良い。社会問題を見事に小説に纏めてきた先達はいるし、それらが小説として面白くない訳ではない。宮部みゆきの『火車 』をとって考えてみれば分ることである。

 なぜ老人は暴走するのか。こう問いかけては、実は現実を見誤る。この世代は、子供の頃から異様に犯罪率の高かった世代なのである。例えばだが、少年による殺人が多かったのは1950年~1960年台前半である。1950年、1961年が最多で448件、2006年は73件。これが嬰児殺が一番多いのはいつかというと、敗戦直後の1950年、次のピークは1970年。嬰児殺のほとんどは親が犯すことを考えてみよう。1960年の殺人のピークが、1970年の嬰児殺のピークに繋がっていることが見えてくる。1970年前後に親になる世代とは如何なる世代か。今、老人になっている世代ではないのか。

(根拠を知りたい方は少年犯罪は急増しているか嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計をご覧頂きたい)

 真摯に問いかけるのであれば、この世代がなぜ危険なのか、ということになる。もう老人になってしまった人の性格はどうにも変えようが無いが、新たに生まれてくる子たちを犯罪者にしないヒントが隠れている可能性がある。

 性格に大きな影響を与えるものといえば遺伝だが、この世代だけが遺伝的におかしいとは考えられない。となると、胎児時代あるいは幼少期のホルモンバランスの乱れの可能性が指摘可能である。脳に届く栄養がどれほど大切かは、先日紹介したばかりの『天才と分裂病の進化論』に詳しい。ノンフィクションならこういった視点を持って調査に当たってくれれば良いのに。

 後書きから分るとおり、根拠なし、統計なしの著者の想像が延々と書かれているわけで、そんなものに時間を割くのは勿体無い。ただ、エピソードそのものは興味深いものがゼロではないので、暴走する人の例を見るだけなら良いかもしれない。

 とにかく勉強不足、知識不足に腹立たしい思いをさせられるので、ノンフィクション好きは読まないのが吉である。
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ノンフィクション | 2009/04/25(土) 16:46 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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642冊目 脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち
脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)
(2007/11)
スラヴォミール ラウイッツ

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評価:☆☆☆☆☆


 第二次大戦は、ナチスとソ連が仲良くポーランドを半分こしたらナチスだけが悪いと糾弾されて始まった。

 ポーランドの軍人としてドイツと戦っていた著者は、たまたまロシア語が話せたことからロシア軍からスパイと断定され、裁判の結果懲役25年の刑を食らう。ソ連が多用した、安価な労働力の一環である。

 家畜用の貨車で、途中からは厳寒の中を徒歩で収容所に送り込まれた著者は、こんな極寒の地で朽ちてなるものかと機会を捉えて脱走を図る。6人の仲間と共に。それから歩きに歩き、遂にインドまで脱出することに成功する。

 本書はその大脱走劇を振り返る、ノンフィクションである。

 収容所に送り込まれるまでの茶番じみた裁判、そこで出会う仲間たち、そして望外の幸運。読者は小説よりも奇な事実に息を飲みながら読み進めることになる。物語がいよいよ脱走になると、あるときは息を飲み、またあるときは極寒や酷暑を感じながらストーリーに引き込まれることになる。

 勿論、本書が書かれたということは脱走に成功したということだから、ある意味で最後は分っているのだが、その過程の信じられないほどの苦難がてんこ盛り。とにかくひきこまれるので、詳細は是非読んで確かめてみて欲しい。ノンフィクションだが、なまじの小説ではとても追いつかないほどの物語になっていると思う。というよりも、事実のみが持ちうる重みが本書の価値を高めているのだろう。

 ただ、あまりに出来すぎた話のようにも思えてしまう。それは成功した話を後から振り返ったらそう見えるだけなのか、はたまたノンフィクションを装ったフィクションなのか、はっきりいって分らない。特にイエティとの遭遇がフィクションと指弾される原因のようだが、私は少女との出会いも十分にフィクションっぽく感じられてならなかった。だが、真贋を越えて確かに面白い本であることも指摘しておく。
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ノンフィクション | 2009/04/24(金) 23:57 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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641冊目 もてない男―恋愛論を超えて
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
(1999/01)
小谷野 敦

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評価:☆☆☆☆


 人生の一時期、どうしてもモテたいという病に取り付かれる人が多い。そして、その病に侵された人の多くは残念ながらモテない。そりゃあもうモテない。徹底的にモテない。なぜそう言い切れるのかと言うと、私がモテなかったためである。

 そして、モテない男を語る人はほとんどいない。モテ・非モテをコミュニケーション論にしてしまう、馬鹿げたやりかたさえ罷り通っているほどである。

 逆境に置かれる、モテない男たちの恨みを声高に唱えてくれるのが、著者である。ちなみにどれだけ著者がモテないことについて吼えたとしても、恨みは晴れないので誤解なきよう。

 閑話休題、本書はもう目次だけで凄さが分る。目次は以下の通り。
童貞であることの不安 ――童貞論
「おかず」は必要か? ――自慰論
女は押しの一手? ――恋愛論
てめえらばっかりいい思いしやがって!  ――嫉妬・孤独論
妾の存在意義  ――愛人論
強姦する男、誘惑する女  ――強姦・誘惑論
恋愛なんかやめておけ?  ――反恋愛論


 とにかく、全編これモテない男のルサンチマン大爆発、の観があり、読んでいて楽しい。また、恋愛やら自慰やら初体験やらが文学やマンガでどのように描かれてきたか、学者らしく多くの事例が紹介されており、性に絡む人間の複雑さを感じさせるのも良い。

 モテ・非モテに興味がある方はもちろん、楽しいエッセイが好きな方も手に取ってみてはいかがだろうか。ただし、モテる男は読んではいけません。モテの人が知らなくても良い世界は確かにあるのです。
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エッセイ | 2009/04/23(木) 23:58 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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639 & 640冊目 チーム・バチスタの栄光 上下
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
(2007/11/10)
海堂 尊

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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
(2007/11/10)
海堂 尊

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評価:☆☆☆☆


 肥大した心臓の一部を切り取ってしまう、乱暴な方法であるバチスタ手術。成功率60%と言われるこの難手術を次々と成功させてきた天才外科医桐生だが、なぜか最近の4例中、3例で手術は失敗に終わっている。心臓外科で手術の失敗とは、つまり患者の死を意味する。

 ミスなのか、何らかの不具合があるのか、はたまた事件なのか。誰もが分らない中、アフリカの少年兵へのバチスタ手術の依頼が舞い込んできた。

 高階病院長は万年講師の田口にバチスタ術への立会いを命ずるのだった。

 バチスタ術の失敗について、田口講師の調査が進められるが、何も分らないまま早くも暗礁に乗り上げてしまう。そこに現れたのが、ロジカルモンスターの異名を取る厚生省の役人、白鳥だった。

 この白鳥という人物が実に桁外れで、彼の登場から物語りは加速していくように思う。白鳥が得意とするのは、相手に攻撃的な質問を投げかけ、怒らせることで隙を作り出す手法。

 そのため、揉め事は発生するは、読者まで「こんな質問してしまって平気なのか」と心配する羽目になるはで大変である。ただただ人間関係を荒らすだけにも見えてしまう白鳥は、問題を解決できるのか。

 現役の医師だから書ける臨場感溢れる病院内の描写、細かな人間関係、そこに訪れる事件と、話を盛り上げるネタには事欠かない。どの人物も丁寧に描かれているため、全員が架空の人物とは思えないほどだ。

 現在の医療が抱える問題を織り交ぜながら、極上の娯楽小説を作り上げていると思う。医学もののミステリが好きなら、まずは手にとって見るべきだろう。
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推理小説 | 2009/04/22(水) 23:30 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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638冊目 創価学会の研究
創価学会の研究 (講談社現代新書)創価学会の研究 (講談社現代新書)
(2008/10/17)
玉野 和志

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評価:☆☆☆


 ”批判でも賞賛でもないはじめての学界論”を謳い文句にするだけのことはあり、批判あるいは賞賛に偏らずに創価学会とは何者なのかを説こうとしている。特に「はじめに」で、著者は本書は創価学会とそれを取り巻く世の中を社会科学的に理解しようとするものであると述べており、かなりのところ目的は達成しているように思う。

 本書を読めば、折伏やら言論弾圧やらといったことは過去のものであるという学界側の主張に頷かざるを得ないし、保守層の一部の要望を吸い上げて成長してきたことも認めざるを得ない。

 しかし、本書にはなぜ多くの人が学界を敬遠したいと思っているのかという疑問への答えがない。それどころか、学会員のプロフィールで、どれほど信者がこの宗教をありがたく思っているのかをアピールすることで、学会寄りの姿勢すらあるように見えてしまう点はマイナスではなかろうか。

 それでも、過去の学会研究を取り上げ、成り立ちや社会的な影響度、過去に起こした問題などを広く取り上げているので、学会に関する大まかな知識を得るにはもってこいとは言えそうである。いささか散文的であるのがちょっと残念。
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ノンフィクション | 2009/04/21(火) 23:46 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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637冊目 天才と分裂病の進化論
天才と分裂病の進化論天才と分裂病の進化論
(2002/07)
デイヴィッド ホロビン

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評価:☆☆☆☆☆


 天才と分裂病。これほど結びつきにくい単語の組み合わせも中々ないのではなかろうか。しかし、著者は天才と分裂病は密接に結びついており、分裂病を起こす遺伝子が人類を類人猿から切り離す決定的な因子になったのではないか、と大胆な仮説を提唱する。

 分裂病が世界中で同じくらいの頻度で発生する病気であることは何を意味するのか。疑問はそこから始まる。

 分裂病に遺伝が深く関わっていることは広く知られている。その分裂病が世界中で、ヨーロッパ、オーストラリアのアボリジニ、アメリカの先住民など地理的にかけ離れたところで、同じように発生する。ということは、現生人類に繋がる集団が生まれたそのときに、既に分裂病の遺伝子が当時の人類に含まれていたことを意味するだろう。

 では、なぜ分裂病の遺伝子は排除されなかったのか。もし、分裂病の遺伝子を持つことが破局しか生まないのであれば、遅かれ早かれ分裂病は排除されていて然るべきでは無いか。

 この二番目の質問にこそ、タイトルにある”天才”の文字が答えてくれる。分裂病の遺伝子は、同時に天才を生み出す遺伝子なのでは無いか、ということである。

 仮説の正しさを示すため、遺伝学や脳科学の分野に分け入っていく。異端とされるが魅力的なアクア仮説(人類は水辺で進化した、というもの)なども、栄養学的な立場から再評価するなど広い分野を旅しながら分裂病の謎を解こうとするのは見事。

 また、分裂病の謎を明かそうとする過程で分裂病の新たな治療法の可能性にも大きく紙幅を割いているのも特筆すべき点だろう。現在の精神医学で主流の薬物療法でも救われていない患者は多く、薬物療法が効いている患者でも副作用の苦しみは大きい。この悲劇的な状況を解決する糸口になるか、著者の研究に期待したくなる。

 天才と分裂病の因子が同じではないかという刺激的な仮説と広い分野にわたる証拠や根拠の探索が絡み合い、実に興味深い本に仕上がっていると思う。脳科学に興味がある方はぜひ読んでみて欲しい。
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医学・脳・精神・心理 | 2009/04/20(月) 22:51 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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636冊目 マオ―誰も知らなかった毛沢東 上
マオ―誰も知らなかった毛沢東 上マオ―誰も知らなかった毛沢東 上
(2005/11/18)
ユン チアンJ・ハリデイ

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評価:☆☆☆☆


 読んでいて吐き気がしてくる、というのも珍しい。

 本書は人類の歴史上、最も多くの人々を死に追いやった恐怖の独裁者、毛沢東。

 満州事変から終戦までの中国の死者について、wikipediaの十五年戦争の項ではその後1995年には、「死傷者3500万人以上」という数字が提出されたが、この数字の根拠は不明として、中国側が一方的に主張する数で3500万という数字がある。まずありえなさそうな数字だが、仮にこれが本当だとしても、毛沢東が戦争に拠らずに死に追いやった人の数はその倍に当たる7000万人である。これがどれほど膨大な数なのか、考えてみて欲しい。

 この稀代の独裁者の真実の姿を白日の下に晒すのが本書の目的である。上巻では毛沢東がどのようにして中国を支配する地位にまで登り詰めたか、までを追っている。

 毛沢東の神話、即ち日本軍を打ち破り腐敗した国民党を葬り去った、優れた軍事指導者という姿が全て虚構の物語である。では、どのようにして毛沢東は最高権力を握るに至ったのか。それは、他人が国民党や日本軍と戦おうとするときに、毛沢東は権力闘争のみを仕掛けていたことに拠るという。

 例えばだが、国民党とも日本軍とも戦わず、むしろ部下が国共合作に基づいて日本と戦おうとするのを断固として止める。国民党軍が日本と対峙している中、背後から国民党の根拠地を攻撃し奪い去る。

 いや、それだけだったら権謀術数の天才と言えるのかも知れない。だが、彼が根拠地をどのように支配していったかを知ると、背筋に冷たいものが走る。毛沢東は恐怖によって民衆を支配していたのだ。それも、彼のキャリアの一番最初から。

 毛沢東が権力あるいは命を失ってもおかしくない機会は何度もあった。そのたびに、モスクワの支持が揺るがなかったり、日本軍との戦いに国民党が忙殺されたり、蒋介石政権のあまりの腐敗にアメリカが国民党を見放したり、と運にも恵まれた。

 熾烈な権力闘争や過酷な支配を克明に描き出している。毛沢東と中国共産党の支配の歴史に関する伝説を排し、事実を知るための絶好の本ではなかろうか。

 ついつい目を逸らしたくなるシーンが多い。共産主義が生み出した地獄の世界が目の前に広がっているのだから当然だ。しかし、こういった過去と正面から向き合わなければ、今の中国を理解も出来ないだろうし、政治が何をもたらし得るのかも分らないだろう。過去を学ぶ一手段として、本書はとても役に立つと思う。

 下巻は文革など、更に多くの死者が予想される。続けて手に取るだけの気力が沸かなかったので、暫く時間をおいてからの攻略としよう。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2009/04/18(土) 16:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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635冊目 いのちの決断
いのちの決断いのちの決断
(2001/08)
毎日新聞社会部

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評価:☆☆☆☆


 例えばハンチントン舞踏病のように、遺伝子疾患で残念なことに治療法が無い病気に、自分が将来罹るかどうかを知ることは幸せなのだろうか。あるいは、我が子が脳死と判断されたら、脳死は人の死だからと延命治療を打ち切れるのか。移植手術の是非は。

 こういった問題が、三人称で語られる人のものとしてあるのなら議論の余地はある。しかし、一人称や二人称となれば話は別だ。自分がリスクを持っているならどうするのが最適なのか。

 勿論、正解なんて無い。現実を目の前にして、誰もが苦しみながら辛い決断を下す。

 本書は、毎日新聞で「いのちの時代に」と題されて連載された記事を集めている。その連載形式から、重たい話題が多い。自分の死生観と密接に結びつくものだけに、決断に賛同できることもあれば反発することもある。

 例えばだが、私は自分が脳死と判定されたら延命治療はしないで欲しいと思う。でも遺族はどうだろう。妻や子供が脳死と判断されたら、割り切れるだろうか。逆に、妻や子は、私が脳死になったとしてすぐに死を受け入れるのか。分らない。脳死が急に訪れるという特長を持つ故かもしれないが、二人称の死とどう向き合うかは実に難題だ。

 一方で、癌の告知は自分ならして欲しいと思うし、妻もそう望んでいる。だから癌は互いに教えあうことになると思う。その方が、最後の時間を有意義に過ごせると思うからだ。

 いずれ向き合わなければならない死について、自分の死はどうあるべきか考える良い機会になった。それでも、やはり幼い子供が死んでいく話には胸を打たれる。自分にも子がいるからだろう。遺族に平穏な日が訪れること、犠牲になる子供を減らせるよう治療方法が進化することを願わずにはいられなかった。
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ノンフィクション | 2009/04/15(水) 23:47 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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634冊目 本当にいた不思議な生き物―人類と動物の祖先たち
本当にいた不思議な生き物―人類と動物の祖先たち本当にいた不思議な生き物―人類と動物の祖先たち
(2006/07)
実吉 達郎

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評価:☆☆☆☆


 今では絶滅してしまった生き物は?と言われてすぐに思い浮かぶのは恐竜という人は多いだろう。

 しかし、不思議で魅力的な生物はなにも恐竜だけではない。例えば、驚くべき巨大な牙を武器にしたサーベルタイガー、下向きの牙を持ったディノセリウムなどなど、恐竜時代以降も見るべき動物たちは多い。

 これらの不思議な生物が、何を餌にしてどのように生きていたかを紹介している。あたかも絶滅してしまった動物を集めた動物園のような様相である。

 今となっては見ることのできない不思議な生物を紹介しているのも魅力なら、学説などを取捨選択して自分の考えを載せてくれているのも魅力。

 例えば、Walking With Prehistoric Beasts ではサーベルタイガー スミロドンは牙が邪魔で獲物の柔らかい部位しか食べられなかったとしているのに対し、本書では別の姿が提示される。どちらが正しいかは分らない。それでも、著者が考える根拠が明示されている点で本書は価値が高い。我々も想像の翼を広げながらページをめくるのが正しい読み方だろう。
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地球史・古生物・恐竜 | 2009/04/13(月) 23:50 | Trackback:(0) | Comments:(1)

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633冊目 知られざる日本の恐竜文化
知られざる日本の恐竜文化 (祥伝社新書)知られざる日本の恐竜文化 (祥伝社新書)
(2007/07)
金子 隆一

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評価:☆☆☆


 子供の頃、恐竜が好きだった。私が始めて自分のお金で買った本といえば『きょうりゅうをたおせ』という本である。これは母が本の裏表紙に書き込んでいるから間違いあるまい。それに拠ると、図書館で借りたのを気に入って買うことになったらしい。今読み返してみると、隕石衝突説に触れられてもいない点で時代を感じるが・・・・・・

 私に限らず、少なからぬ男の子は恐竜が好きなのでは無いだろうか。私の息子も恐竜が好きで、『ドラえもん のび太と恐竜2006』がお気に入りであり、回らぬ舌でティラノサウルスとかトリケラトプスの名を連呼する。恐竜グッズは巷に溢れ、恐竜展は毎年のように開かれている。だが、大人で恐竜が好き、などと言う人はなかなかいない。この乖離はなぜ生じるのだろう。

 その謎に一つの切り口を与えてくれるのが本書。まずは経済的側面を考察するところから始まり、恐竜文化の子供だまし的な酷さを厳しく糾弾している。特に、科学的な情報や価値を無視して内容が誤っていても平然としている恐竜展の主催者や出版に携わる人々へは実に容赦が無い。ただ、基本的に批判相手は名を明かされていないので、内部事情を知らない人間にはちょっと疎ましい記述もあるが。

 それでも、恐竜に対する思い入れの深さはひしひしと伝わってくる。例えば、展示会の裏側に、こうした最新の情報を極力把握しようとする人々が必要不可欠であることは分るだろう。それが無いのが問題だ、とする指摘には頷かずには居られない。

 恐竜がこれだけ社会に溶け込んでいるように見えていながら、実態は極めてお粗末だ、というのは仕方のない面もあろう。熱心なマニアにとっては、展示会のように一般人に見せるイベントには物足りなさが付きまとうのは当然だ。一般人にそこまでの期待をするわけにはいくまい。

 ただ、それでも仕掛け人の側にプロ意識が必要なのは指摘の通りだと思う。職業として恐竜に取り組むのであれば、現在進行している主要な論点を把握しておくことは必要だ。今はそれが不足しているという問題がこうして提起されたわけだから、正直で熱意のある人々が恐竜文化の中心に居られるよう、子供に与えるグッズや本の選択には気をつけるようにしようと思う。それが、恐竜をただ怪獣の代わりに消費するのではなく文化として広げる道だろう。ナンチャッテファンながら、そう思わされた。
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地球史・古生物・恐竜 | 2009/04/11(土) 17:05 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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629 & 630 & 631 & 632冊目 イリヤの空、UFOの夏 1~4
イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 (電撃文庫)
(2001/10)
秋山 瑞人

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イリヤの空、UFOの夏〈その2〉 (電撃文庫)イリヤの空、UFOの夏〈その2〉 (電撃文庫)
(2001/11)
秋山 瑞人

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イリヤの空、UFOの夏〈その3〉 (電撃文庫)イリヤの空、UFOの夏〈その3〉 (電撃文庫)
(2002/09)
秋山 瑞人

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イリヤの空、UFOの夏〈その4〉 (電撃文庫)イリヤの空、UFOの夏〈その4〉 (電撃文庫)
(2003/08)
秋山 瑞人

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評価:☆☆☆☆


 ボーイ・ミーツ・ガールもののライトノベル。本書の存在を知ったのはbook diaryから。このブログにお越し頂いている方のようで、ひょっとしたら私が紹介している本を一番読んでくれている方かも知れない。(私に本を押し付けられる借りている友人たちを除く)


 戦争の噂に怯える世界ではあるが、学生は学生なりに事由に楽しむものである。園原地区には巨大な基地があるのだが、ここでは少なからぬUFOの目撃談がある。主人公の浅羽は新聞部部長、水前寺に夏休み中UFO調査に借り出されてしまう。最終日、こっそり学校のプールに忍び込んだ浅羽は、そこで一人の少女と出会う―――。

 園原で目撃されるUFOは何なのか。そして少女の正体は。物語はコミカルな前半で伏線を貼り、後半シリアスになってきたときに回収する方法を採っている。ときどきご都合主義的な話が混じるのはご愛嬌。UFO話なので、アダムスキーだとかロズウェルだとか、そういったロクでも無い単語を知っていれば更に楽しいのは間違いない。

 いかにもラノベらしい軽妙な会話は楽しいし、主人公の14歳という年齢も上手く表現できている。中学生ならではの行動の制約や青さが懐かしい。などというとおっさんみたいだが、おっさんなので諦めて欲しい。

 一巻を読む途中で、いやはや凄い登場人物を作りおったと感嘆した。誰かというと、脇役のはずの水前寺邦博である。眉目秀麗、頭脳明晰(偏差値81)、スポーツ万能(100mを11秒台で走る)、と来れば腹立たしいヤツになるはずなのに、その優秀な頭脳を悉く下らないことに使っている。おまけに、彼には不撓不屈の精神と無敵の行動力まで付いているのだ。

 小説世界の謎を明かすためのご都合主義的キャラと言ってしまえばそれまでなのだけど、とにかく水前寺が現れるシーンでは完全に彼が主人公である。こういう、才能を無駄にしているようなキャラ好きだなあ。

 主人公とヒロインより脇役のキャラが立っているというのもちょっとアレだけど、楽しめるから文句は言わない。


 以下、ネタバレあるので気になる人は続きをどうぞ。
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SF・ファンタジー | 2009/04/08(水) 23:41 | Trackback:(0) | Comments:(4)

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628冊目 タイム記者が出会った「巨魁」外伝
タイム記者が出会った「巨魁」外伝タイム記者が出会った「巨魁」外伝
(1996/05)
エス チャング

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評価:☆☆☆


 タイトルに踊る「巨魁」の文字が相応しい人物達との出会いを、これまたタイトルに相応しく外伝的にまとめた書である。

 「巨魁」については、松下幸之助、佐藤栄作、笹川良一、正力松太郎、金大中、金日成、トルーマン、黒澤明といった面々を扱っているといえば、それ以上の説明は不要だろう。ジャーナリストとして大物と会ったことを自慢してるだけじゃないか、と思われるかもしれないが、そんなことはない。本書には二次大戦のときのパイロットのように無名の人物もいれば、ニホンザルと言葉を交わそうとした奇人科学者(?)に至るまで、知名度から社会に与えた影響まで実に幅広い人物が登場する。選択基準は、スケールが大きいということだ。

 次に「外伝」であるが、こちらも当を得た表現である。というのも、本書は人物の来歴を語ったものではない。著者が出会った、その時間がその中心となっている。そのため、笹川良一やトルーマンといった毀誉褒貶の激しい人物や金日成のような悪の権化を、正面からどのような来歴の人物かを語ってはいないのである。

 そのため、なぜこの人物のこの話を書かないのか、と思われる向きもあるかもしれない。しかし、このような本はこのようなあり方で良いと思う。つまり、善なり悪なりといった言葉で一刀両断にできるような人物を相手にしていないのだ。だから感じたままを書く。そのスケールの大きさだけに的を絞る。

 どこか穏やかな視線を持つ文章のお陰で、巨魁は確かに巨魁だったと納得させられる。なんとなく、他人を複眼で見られるような気にさせる、妙な感慨が心地よい一冊。
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ノンフィクション | 2009/04/04(土) 23:10 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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627冊目 セックスレスキュー
セックスレスキュー (新潮文庫)セックスレスキュー (新潮文庫)
(2008/06/30)
大橋 希

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評価:☆☆☆


 隠された、というわけではないにしてもなかなか口の端に上らない問題、セックスレス。

 この問題は人間の本能に根ざしているといっても過言ではない。知っての通り、同じ相手とのセックスはすぐ飽きるもの。しかし、結婚制度というキリスト教の編み出したものによって、社会的にセックスの許される相手は一人と決まっている。そうなるとセックスレスが表面化するわけだ。他に楽しみもあるしね。

 夫婦が互いに納得してセックスをしないのであればそれは問題がないだろう。しかし、片方がしたいのに相手はしたくないとなるとどうなるか。浮気をするか風俗に行くか、我慢をするか。

 しばしば男はそれを理由に風俗や浮気をし、女性は我慢をする。もっとも、どの社会でも5~10%は戸籍上の父と遺伝上の父が違うそうなので女性もがんがっているのでありましょう。なにをがんがっているかわからないひとは、おとうさんかおかあさんにきいてみてください。ちなみに私は幸か不幸かその分け前に与ったことはない。

 この静かなる問題に取り組んでいる在日韓国人キムミョンガンの活動に光を当てている。彼が考えた問題解決の一つの姿がセックス奉仕隊。セックスレスになってしまった女性のお相手を仕るのである。

 浮気の斡旋かと思われる方もいるかもしれないが、そうではない。夫に相手にされないことで自信を喪失した女性を復活させるのが目的である。そのため、奉仕隊と恋人になるのは厳禁だというし、一定期間後には会わなくなる。私としては随分驚かされるシステムである。

 奉仕隊を皮切りに、セックスレスとその解決についての取り組みを広く紹介している。正直、本書があるからといってセックスレスがなくなるわけでは無いだろう。それでも問題を日の光があたるところに引きずり出した点は評価していいと思う。セックスレスについてはまず話し合うこと。実はセックスレスは、セックスが無いことだけが問題ではなく、深い人間的なつながりが無いことが一番の問題だから。悩む人には、話し合いのための土壌にもなるだろうから、まず知ってみるのも悪く無いと思う。
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ノンフィクション | 2009/04/02(木) 22:41 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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