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Author:Skywriter
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BK1書評の鉄人31号。
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626冊目 とりあえずビールやっぱりビール!―ビールの達人が語るおいしいビールの話
とりあえずビールやっぱりビール!―ビールの達人が語るおいしいビールの話 (日文新書)とりあえずビールやっぱりビール!―ビールの達人が語るおいしいビールの話 (日文新書)
(2003/04)
中谷 和夫

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評価:☆☆☆☆


 仕事が終わって疲れて帰ってきたときに待っていて欲しいものといえば、冷えたビールだろう。特に夏、体を使った仕事をした後の一杯は格別である。夏、一番愛されている飲み物といって過言はあるまい。冬でも飲むけどね。

 他のアルコール類、例えば日本酒やワインは食べ物を選ぶ。カレーと日本酒は合わない。魚には白ワインだからと、アジの開きと白ワインという人はまずいないだろうし、裂きイカとワインとなると悲惨な味である。ところがビールならどれにでも合ってしまう。恐らく、だからこそビールは(戒律で飲めない人々が中心の地域を除けば)世界中に受け入れられているのだろう。

 メソポタミアで給料の一つとして支払われていたビールは、所を変え、材料を変え、製法を変えながら世界中に広がっていった。このビールが辿った歴史については507冊目の『世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史』が詳しい。

 ビールの歴史ではなくもっと身近な話を知りたい、という方には本書が向いているだろう。上海サントリービール社長が語る、ビール好きの、ビール好きによる、ビール好きのための本に仕上がっている。

 ビールの味を決めているのは何か、製法ごとの特徴は何か、どんなビールがあるのか、など、数千年の歴史を持つビールの懐の広さと歴史の深さが感じられる。読めば読むほどビールを飲みたくなるのは欠点なのか利点なのか分らないけれど。やっぱり文化と共に育ってきたものではあるので、飲み過ぎないように楽しむのが良いのだろう。
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未分類 | 2009/03/31(火) 23:13 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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625冊目 プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月
プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月 (新潮文庫)プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月 (新潮文庫)
(2008/07/29)
有村 朋美

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評価:☆☆☆☆


 好きな男性のタイプは?と女性に聞くと性格だと答えるので、それを無邪気に信じてしまうアレな男もいるかもしれないが、歴史的に見て、女性が好きになる男性はカネがあるかどうか、である。恐らく、性格とは(容姿×カネ)の積算のことを言っているのだろう。男と会話がかみ合わないのは定義の違うもの同士を比較しているからである。

 遺伝子に従い、著者が惚れてしまったのはニューヨークのセレブ社会を見せてくれたハンサムな男性。ところがこの男、ロシアンマフィアで麻薬取引をやっていた。ロシアンマフィアであることを打ち明けられても離れられず恋人として暮らすが、男の破滅と共に麻薬密売組織に協力したとの容疑で逮捕される。

 麻薬取引に厳しいアメリカである。身に覚えが無いとしても彼女が遊ぶのに使ったカネは麻薬取引のあがりなのだから無実になどならない。そんなわけで、著者は2年間、刑務所暮らしを余儀なくされてしまう。

 外国体験談というのはかなりありふれたジャンルで、本でもネットでも探せば幾らでも見つけ出せる。だから、外国をネタに書くならよほど斬新な何かが無ければならないわけだが、その点で本書は満点。だって、外国の刑務所暮らしなんて分らないでしょ?おまけに女子刑務所ときたら更に分らない。

 刑務所のルールの甘さに驚いたり、裁判がかなりいい加減っぽかったりと、新たな知見が一杯。画期的なアメリカ論にもなりうるのではないか。塀の中での友情、楽しみ、会話など、実に生き生きと描かれている。

 ただ、刑務所のシステムを見るとかなり緩い。これでは犯罪者が犯した罪に見合っただけの罰を受けてもいないし、更正するわけがないという気がしてならない。なので、教育刑として間違っているのは当然として、罰則としてもおかしい。著者のようにほぼ冤罪の人には良いかも知れないが、殺人犯などが快適な暮らしをしているとなれば地獄を見ている被害者遺族はたまったものでは無いだろうな、と思った。
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ノンフィクション | 2009/03/30(月) 23:30 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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624冊目 死因不明社会
死因不明社会 (ブルーバックス 1578)死因不明社会 (ブルーバックス 1578)
(2007/11/21)
海堂 尊

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評価:☆☆☆☆


 著者名に見覚えがある方も多いのではないか。『チーム・バチスタの栄光』で一躍脚光を浴びた、小説家と医師の二足の草鞋を履く

 死因不明社会。その何が問題なのか。

 その前提条件として、日本のお粗末な検死状況がある。検死が行われているのはわずか2%。残りの98%は外見だけで処理されている。入院中や事故後のように、死の状況が分り易い事例が98%、というならまだ良いかもしれない。しかし、そうではない。本来ならば監察医が死因を確認しなければならないような事例まで解剖されずに外見の所見にのみ基づいて死亡診断書が出されるのが現実という。

 しかし、それでは犯罪の恐れのある遺体すら十分に検査されないままである。ということは、殺人や事故の犠牲になってしまった方が、原因を見過ごされたまま葬られてしまうということだ。また、事件性が無い場合であったとしても、医学の進歩にはきちんとした検査が必要だ、と指摘する。

 考えてみれば当たり前の話で、色々と治療をやりました。でも患者は亡くなりました。では治療の効果はどうだったのか。それが分らないなら治療に関する情報が増えないではないか。

 解剖すれば、このあたりのことは解決できることも多い。しかし、解剖には抵抗のある遺族も多いだろう。私だって、親族が亡くなって意気消沈している真っ最中に「解剖させてください」と言われてしまえば素直に頷くかどうか、はなはだ疑問である。

 そこで新たに提案されるのがオートプシー・イメージング(Ai)。まず遺体のCTやらなにやらで画像診断する。そこで解剖が必要となれば従来どおり遺族にその旨を説明する。こうすることで事故を見逃すリスクを下げられるし、おまけに画像診断は遺体を傷つけないため遺族への説得も容易だ。臨床医と解剖医の共通知見を作り出すこともできる。良い事ずくめではないか。

 利の多いであろう取り組みであるAiについて様々な角度から詳しく述べているので、読者としても著者の主張に共感できるようになるのが魅力だろう。今後の展開に興味が持てる。

 ただ、死因が不明のまま葬られることが多数ある現状がそのまま続いたとしても、著者の主張するような犯罪多発には結びつきにくいだろう。犯罪が増加しているような表現をしているところが気になった。犯罪者の多数がやたらと賢くなって証拠が出にくいようにしているというなら著者が正しいかもしれない。だが、恐らくそうではないだろう。相変わらず死体は証拠の宝庫であり、多くの事件は犯人が明らかにされている。それでもAiがなければ埋もれてしまうであろう事件の解決に繋がるのは大きなメリットなのは間違い無いと思う。

 また、本書を読むことでAiを取り入れているという著者の小説にも興味が沸いた、いずれ手にしてみようと思う。
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医学・脳・精神・心理 | 2009/03/28(土) 21:26 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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623冊目 米原万里の「愛の法則」
米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
(2007/08/17)
米原 万里

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評価:☆☆☆☆

 亡くなられた米原さんの講演録。愛の法則と名乗るのは伊達ではなく、いきなり小説に出てくる女は若い美女ばかりで不快だった、と始まる。

 私としては、現実の世界に美しくない男女が溢れているのだから仮想の世界に美男美女がいてくれても構わない、というか寧ろ大歓迎なわけですよ。とりわけ映像になる時には。美男美女しか出てこない、などとなると現実味が薄れてしまうのでアレだし、美女の設定のはずなのにどうみても美女に見えないのもアレなのですけどね。

 聴衆の興味を引き付けておいてから意外な話を持ってくる。そして結論だけ聞いたら極端とも思えるような話を面白おかしく聞かせてくれる腕は見事としか言いようが無い。貪るように文学を読んだり、初めての同時通訳で緊張したり、といった過去の逸話に、著者らしく言葉と言葉を繋ぐことの意味を絡めた楽しい講演集になっている。このような講演だったら是非聴きにいきたかった。その機会が永遠に喪われてしまったことが残念。

 ただ、著者の本を何冊も読んだことのあるというコアなファンにとっては以前に触れたことのある話が多いように思う。なので、そういう人にとってはコストパフォーマンスは高くないのが残念。
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エッセイ | 2009/03/26(木) 23:56 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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622冊目 「海洋国家」日本の戦後史
「海洋国家」日本の戦後史 (ちくま新書)「海洋国家」日本の戦後史 (ちくま新書)
(2008/06)
宮城 大蔵

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評価:☆☆☆☆


 敗戦によって日本はアジアにおける覇権を失った。それ以来、軍事的・政治的な意味では覇権は回復していないし、今後も回復することは無いだろう。しかし、経済的には押しも押されもしない位置を確立している。

 大国同士の冷戦が小国の戦争となって現れた朝鮮戦争やベトナム戦争による特需によって経済面での重要性を増した日本はアジア諸国と賠償を引き換えに関係を正常化する。ただし、その賠償は紐付きで、日本にもバックがあるような仕組みだった。日本企業が仕事を請け負い、結果物を相手国に残す方法を採ったためである。それにより、日本企業はアジア諸国への足がかりを掴むことになる。

 ではこの賠償ビジネスの舞台になったのはどこか。答えはインドネシアである。インドネシア賠償ビジネスがどれほどスカルノの懐を暖め、日本企業を保護したかは『沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫』に詳しい。

 肝心のインドネシアも、戦後は政治の嵐に巻き込まれている。終戦を迎えるや否や領土的な野心を剥き出しにするオランダからの独立戦争を戦い(多くの日本人も参加した)、独立してからは共産主義と陸軍が権力を狙う。そこにアメリカや、アジアでの権益を失いたくないイギリスの意向が複雑に入り混じる。

 複雑に入り乱れる思惑の中、日本はインドネシアを始めとする海洋アジアと付き合ってきたのか。時にアメリカと協力し、時にアメリカの意に反して日本がしっかりと権益を確保すべく動いてきた歴史が分りやすく纏められている。

 戦後のアジア関係と言えばどうしても中国や韓国を中心に語られがちのため、本書のように海洋アジア諸国との関係を主眼に置く本書の価値はとても高いものだと思う。特にインドネシアを中心にした南アジア情勢について一通りの基礎を抑えることができる点でとても貴重だろう。新書らしい位置づけの、なかなかの好著であると思う。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2009/03/24(火) 23:53 | Trackback:(0) | Comments:(3)

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620 & 621冊目 チャイルド44   上下
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)チャイルド44 上巻 (新潮文庫)
(2008/08/28)
トム・ロブ スミス

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チャイルド44 下巻 (新潮文庫)チャイルド44 下巻 (新潮文庫)
(2008/08/28)
トム・ロブ スミス

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評価:☆☆☆☆☆


 お前も少しは小説を読め、とばかりに友人が貸してくれたのは”このミス”2009年版海外編で堂々一位を受賞した本作品。

 で、ここでいきなり壁にぶち当たる。内容をちょっとでも紹介しようとすると未読の方にストーリー上の重要な情報を与えざるを得なくなってしまうのである!従って、本書の舞台にだけ触れることにする。

 異色な事に、舞台になるのは二次大戦直後のソ連。つまり、地獄を現出させたスターリンが秘密警察からの情報をバックに絶大な権力を振るっていた時代。密告が奨励され、国中が隣人の不審な動きを探ろうとしていた時代。

 農民は農作物を全て奪われた挙句に餓死させられ、微罪が懲役25年として安価な労働力の提供へと変わる。秘密警察に一度疑いを掛けられれば、あとは過酷な拷問の挙句に罪を自白させられてしまう世の中。そこで起こった事件が主人公の人生を一変させることになる―――。

 とにかく面白いのに紹介できないこのジレンマ。もう、私の眼力を信じて読んでみてくれと言いたい。面白さは保障します。特に、旧東側に興味を持つ方は是非。



 書き足りないので、読み終わった方と推理小説の最後を先に読んでしまう方は続きを読んで下さい。
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推理小説 | 2009/03/21(土) 11:30 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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619冊目 フロスト日和
フロスト日和 (創元推理文庫)フロスト日和 (創元推理文庫)
(1997/10)
R・D・ウィングフィールド

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評価:☆☆☆☆☆


 フロスト気質を妻ともども楽しんだわけなのだけど、その時に妻が「私、フロスト日和は読んでないような気がする」などと言い出したわけですよ。「えー、全部読んだんじゃない?」と抗議をしたわたくし。で、本棚を漁っても見当たらず。珍しいことじゃないけど。貸した本も多くてどの本がどこにあるのか、もう無秩序と混沌の中ですよ、ええ。

 業を煮やした妻は遂に買って来たのだけれども、私がページをめくったところ、あることに気が付いた。

 俺、これまだ読んでないや。いつも通りに敗北を喫したわたくしめでありました。え?どうでも良いって?


 さて、フロストである。下品でだらしなくていつも事務処理に苦しんで事件が多発してしかも厄介なものばかり押し付けられて。おかげで寝る暇も無い犠牲者が何人も出てしまう。まずはフロスト。そしてフロストと組まされる人物。これまたいつも通り不眠を強いられる。今回は警部の地位から暴力沙汰で巡査に降格されたウェブスター。加えて、読者。なにせこの厚い本を一気に読みたくさせてしまうのだから恐れ入る。

 殺人、連続強姦魔、窃盗犯、行方不明の少女の行方などなどを同時進行で追うのだから捜査は無秩序、乱雑、そして超長時間。フロストを憎んでやまないマレット警視が押し付ける不快な文書仕事を、これまたいつも通りに無視して縦横無尽にフロストが活躍する。

 毎回毎回驚かされるのは、これだけ多発しておまけに入り組んだ全ての事件を考えつき、解決してしまう著者の腕である。700ページにも及ぶ作品で、詰め込みすぎの感じもしなければ間延びしないのは本当に凄い。次の巻もきっと辞典並みに厚く、それを一気に読んでしまうのだろうなあ。
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推理小説 | 2009/03/19(木) 22:02 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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618冊目 アウトローの近代史―博徒・ヤクザ・暴力団
アウトローの近代史―博徒・ヤクザ・暴力団 (平凡社新書)アウトローの近代史―博徒・ヤクザ・暴力団 (平凡社新書)
(2008/01)
礫川 全次

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評価:☆☆☆


 アウトロー、即ち法の外で生きる人々といえばどんな存在が思い浮かぶか。犯罪者、はちょっとイメージが違う。やはりヤクザであろうか。アウトローが法の外で生きる存在である以上、法の番人たる警察とは仲が悪いはずだ。

 しかし、そうとは言い切れない。アウトローがむしろ秩序を維持する側であったことすらある。それどころか、警察と癒着していたことすらあるという。驚くべきアウトローの世界を垣間見せてくれるのが本書である。

 中世以降のアウトローがどのような存在であり、どのようにして現代に結びついているかは中々に興味深い点が多々ある。

 例えば清水次郎長や国定忠治もアウトローであり、自由民権運動の一部である秩父事件にも関わりがあった。

 それでもとりわけ印象的なのは、スリと警察が癒着していた事実だろう。仕立て屋銀二に代表されるスリの元締めは、配下の成果を全て帳簿で把握し、警察は騒ぎになりそうなスリ事件が発生すればその帳簿を確認して対応していた、というのだから凄い。

 庶民から見れば度し難い話ではあるが、それでもスリ集団は余所者が縄張り内で暴れるのを許さなかった。その点で、無秩序に犯罪が広がることを防いでいたという面があるという。なにやら盗人にも三分の理、という感じがしてならないが、それでも犯罪集団は犯罪だけを行っているわけではないというのは面白い。

 本書を読んだ後も、アウトロー、即ちヤクザや暴力団(この二つは厳密には違うらしい)が不要であるという気持ちは消えない。しかし、その姿を見られたことは嬉しく思う。
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ノンフィクション | 2009/03/16(月) 21:32 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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617冊目 官僚とメディア
官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62) (角川oneテーマ21)官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62) (角川oneテーマ21)
(2007/04/10)
魚住 昭

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評価:☆☆☆☆


 マスゴミ、という言葉がある。マスメディアの暴走や偏向を非難する中で生まれたものだ。確かに的を射ていると思うことが無いわけではないが、このようなレッテルを貼って溜飲を下げても仕方が無いのも事実であり、好きな言葉では無い。

 だが、本書を読んでその考えは甘かったかもしれないと思い知らされた。政治との癒着や都合の悪い事実の隠蔽など、メディアの腐敗は留まることを知らず、自浄作用も働かない。なぜこのようなことになったのか。

 著者は元共同通信で記者をやっていた。126冊目 『特捜検察の闇』265冊目 『野中広務差別と権力』、『沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか』や『渡邊恒雄 メディアと権力』などの著作で知られており、テーマの掘り下げには敬服している。

 その著者が最初に取り上げるのは、古巣である共同通信で記事の握りつぶしが発生した。誕生したばかりの安倍政権に不快感を与えないための措置という。ジャーナリズムの自殺としか言いようのない前代未聞の不祥事に、しかし幹部は問題意識を持っていないという。

 事件報道でも疑問符を付けざるを得ない事態が頻発する。耐震データ偽装事件ではマスコミが作り上げたストーリーに沿っての事件報道に終始したことが紹介されている。姉歯が専門知識を持たないまま暴走した事件だが、その後の国交省の対応も支離滅裂を極めた。だが官僚の不祥事は無視され、ヒューザーら姉歯の犠牲者である企業は悪の権化の如くに報じられたのである。

 ライブドアや村上ファンドも不可解な事件だった。本来なら起訴にすら持ち込めないレベルのものを、検察の政治的な動きだけで逮捕しての大騒ぎになっただけの話である。それは外務省汚職事件で鈴木宗男と佐藤優が失脚させられたのと同じ構図。マスコミはただただ警察発表を垂れ流すことしかしなかった。これでは大本営発表と何が違うのか。

 どれだけ言論の自由があっても、どれほど自由にメディアにアクセスできても、肝心のメディアが自主規制をしてしまえば一般人の知ることができる情報は限られたものになる。それなのになぜ、この体たらくなのか。目次を一見するとバラバラなテーマがあるようで、奥にはメディアへの深い憂慮が潜んでおり、メディアがなぜこうなってしまったのかに焦点が当てられている。メディアの抱える問題を知るのに適した一冊。
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ノンフィクション | 2009/03/14(土) 23:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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616冊目 流星ワゴン
流星ワゴン (講談社文庫)流星ワゴン (講談社文庫)
(2005/02)
重松 清

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評価:☆


 酷い。あまりに酷い。☆一つが勿体無い。

 以下酷評なので気になる人だけ続きを読んで下さい。気にならない人はこの程度のくだらない本など読まないでください。時間の無駄です。
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未分類 | 2009/03/13(金) 23:54 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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615冊目 常識はウソだらけ
常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)
(2007/10)
日垣 隆

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評価:☆☆☆☆


 世の中で正しいと言われていることの少なからずが、実は正しくない。

 例えばペットボトルリサイクルはエネルギーを無駄にする。というのは、リサイクルするのに使う石油量は新規に作るのに必要な石油量を上回るからだ。ペットボトルリサイクルは、リサイクルという良い事をやってるんだという思考停止以上の働きを持たない。

 この点は少しでも真面目にリサイクルを調べたことがある方なら知っているだろう。しかし実は古紙のリサイクルも問題を抱えているとは知らなかった。いや、古紙を真っ白にするのはコストがかかりすぎるというのは知っていた。知らなかったのは、パルプの生産地が古紙リサイクルのお陰でパルプを出荷できず、ただ木が腐っていくだけという現実である。

 グリーンピースが捕鯨に反対するニュースを耳にされることがあるだろう。彼らは鯨が乱獲によって減っている、と主張する。しかし、彼らは科学的な議論を一切していないというのは驚く方も多いのではないか。実は、彼らは科学的調査結果で鯨が増えている、水産資源の多くを鯨が消費している、という確度の高い情報を無視しているのだ。(この問題については過去128冊目 動物保護運動の虚像)が詳しい)

 本書はTBSラジオの人気番組である、サイエンス・サイトークで取り上げられた、”常識”から見たら誤っているかのように見える真実の姿を抉り出してくれる。リサイクル、捕鯨に加え、凶悪犯罪の推移や血液型占い、不妊治療、更にカウンセラーが必要か、といった問題が取り上げられている。

 どの話題を取っても常識とされていることがいかに多くの誤りを含んでいるかが分る。それぞれ、きちんと根拠があることをしゃべっているので、凡百の対談とは異なり、実に議論がかみ合っているように思う。本書は”常識”で考えるのを止めてしまうことがどれほど危険かを教えてくれているのかもしれない。
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ノンフィクション | 2009/03/12(木) 23:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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614冊目 蚊が脳梗塞を治す!昆虫能力の驚異
蚊が脳梗塞を治す!昆虫能力の驚異 (講談社+α新書)蚊が脳梗塞を治す!昆虫能力の驚異 (講談社+α新書)
(2007/08/23)
長島 孝行

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評価:☆☆☆☆


 まず、冒頭から「は人間同様進化の最先端にいる」と著者は説く。J・B・S・ホールデーンがいみじくも言ったとおり、神がいるとしたらその愛は甲(黄忠ってへんかんされちゃったよ・・・)に向いているというべきだ。というのは、哺乳類、鳥類、爬類、両生類、魚類の種を合わせた数よりも甲の種の数が多いと予想されるためである。

 虫たちはありとあらゆるところで環境に適応し、数億年もの長い時代を生き延びてきた。であるからには、虫たちには特別な力があっても不思議は無い。

 例えばシルク。蚕蛾の幼虫が吐く繊維状の蛋白質は、人類の技術が到達したよりも遥かに高い性能を持つ。UVカット、保湿、制菌性、生体親和性、などなどの力には利用すべき点が沢山ある。本書はこれら昆虫の力を存分に活用すべし、という意欲作である。

 たかだか虫ごときに何ができる、と思われる向きもあるかもしれない。

 しかし、タイトルにもなっているとおり、蚊が吸血中に血液が凝縮しないように分泌する物質は、脳梗塞を防ぐ効果を持つ。フンコロガシを利用した屎尿処理も可能である。食品への応用としては、カブトガニを使った無農薬農法もある。糖尿病の治療に、壊死した部分を蛆に食べさせるという治療法も優れた効果を上げている(人気は無いが)。

 虫の持つ魅力的な力を紹介している点に加え、その応用として無理なく最大の効果が得られるような方法を考えているところが本書の最大の魅力だ。虫の、ひいては進化がもたらした生物の力は知的好奇心という点からだけでも面白い。このような視点を提供してくれたことに感謝したいと思う。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/03/09(月) 23:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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613冊目  なぜヒトの脳だけが大きくなったのか
なぜヒトの脳だけが大きくなったのか (ブル-バックス)なぜヒトの脳だけが大きくなったのか (ブル-バックス)
(2007/01/19)
濱田 穣

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評価:☆☆☆☆


 人類を人類たらしめている器官、脳。その絶対的な体積で言えば人間よりも大きな脳を持つ動物は存在するものの、体重に占める割合からすれば、余りにも歪なほど、人間の脳は大きすぎる。その巨大な脳を得られたからこそ牙などの際立った武器が無いのに人間は他を圧する力を手に入れたのだ。

 だが、もしそれほどまでに知能の力が大きいのなら、なぜ人類以外に高い知能を発達させた他の動物はいないのだろうか。

 タイトルどおり、人の脳がなぜこんなにも大きいのかということに始まり、脳の巨大化を支えた様々な要因を解説してくれている。

 特に興味深かったのは、脳が猛烈にエネルギーを必要とするわけだが、そのエネルギー獲得を支えたのが誰なのか、という疑問だ。現在の社会状況からは父親という答えしか思い浮かばないが、(特に母方の)祖母の存在が大きかった可能性もあるという。確かにサルの群れでも歳を取ったメスが危険を避けたり食料を確保したりといった技能を活かして活躍するそうなのであながちそれも正しいかもしれない。

 他にも脂肪が脳を支える不可欠な存在であることを始め、脳と体の関係を色々な角度から論じているので、脳の持つ力の広さと同時に体の側の凄さを実感できる。ブルーバックスらしく、とても上手く纏められた脳科学の入門書ではなかろうか。
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医学・脳・精神・心理 | 2009/03/07(土) 15:32 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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612冊目 ボーダーライン
ボーダーライン (集英社文庫)ボーダーライン (集英社文庫)
(2002/06)
真保 裕一

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評価:☆☆☆☆


 かなり科学的な色彩の濃いハードボイルド。

 科学の世界では昔から氏か育ちか論争というのがあって、人間の性格は遺伝で決まるのか、環境で決まるのか、激しい論争が行われてきた。いまでは、正解は中間辺りにあり、遺伝要因もあるし環境要因もある、ということになっている。

 では犯罪傾向はどうか。暴力犯罪のほとんどは男が犯人の時点で遺伝の影響は否定できないと思うのだけれど、それでもこれにはいろいろとタブーがある。本書はここに切り込んでいる。生まれながらの犯罪者はいるのだろうか。いるとしたら、どう付き合えば良いのだろうか。

 物語は、アメリカで私立探偵を営む日本人が主人公。主に異国でトラブルに巻き込まれた同胞を相手にしている。その彼の元にやってきたのが、ある男を捜して欲しいという依頼。その男を探し当てた主人公は、当の相手から銃撃を受けることになる。とびきりの笑顔を浮かべた男から。

 なぜ銃撃を受けなければならないのか。それを、男の生い立ちという個人史的立場からと、主人公を取り巻く不条理な事件との両面から迫りつつ、犯罪にも生まれか育ちかが問題になるかと問いかけている意欲作である。

 考えてみれば、ヘンリー・リー・ルーカスやらテッド・バンディやらマリリン・マンソンといった常人には理解の及ばない犯罪者が少なからず存在するわけで、彼らと共生することができるかは大きな問題になってくるのではないか。

 理解のできない犯罪者を上手く描き出すことで、社会問題への取り組みに一石を投じることに成功していると思う。

 加えて、特筆すべきはそのマニアックなまでの細部の書き込み。舞台が外国でありながら、情景が目に浮かぶ様は本当に見事の一言に尽きる。ハードボイルド好きには文句なしにお勧めできる作品。
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推理小説 | 2009/03/05(木) 22:29 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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611冊目 ドラッケンフェルズ
ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文庫G)ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文庫G)
(2007/09/29)
ジャック ヨーヴィル

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評価:☆☆☆☆


 1万5千年の時を生き、恐怖の伝説と共に生きるドラキュラ、ドラッケンフェルズ。その討伐に立ち上がったのは、将来選帝侯を継ぐことになるはずの若きオスヴァルトだった。吸血鬼ジュヌヴィエーヴを始めとする仲間たちとドラッケンフェルズ城を目の前にするところから物語りは始まる。裏切り、相次ぐ仲間の死を乗り越え、オスヴァルトはドラッケンフェルズを斃すことに成功する。

 これは粗筋ではない。25年前に起こった、過去の話だ。この導入部だけで手に汗を握ることになるのだが、物語はそこから一気に変わる。コミカルな方向へ。この落差は凄い。

 シーンが変わればそこは債務者監獄。莫大な借金を背負って監獄に押し込められた劇作家デトレフがオスヴァルトにドラッケンフェルズ討伐の演劇を、かのドラッケンフェルズ城で演じて欲しいと言いはじめたことから運命は大きく動いていく。

 不可解なことが続発し、そして新たな犠牲者が生まれる――。

 張り巡らされる伏線を見事に回収し、ストーリーを纏め上げる手法は見事。読者は25年前の戦いのシーンで手に汗を握ったのが、見せ場ではなかったことに気付かされる。このあたりのつくりは本当に凄いと思う。明かされる真実と戦いの行方に多くのファンが魅了され、続刊が出たというのも驚くには値しない

 選帝侯やら債務者監獄やらといった単語から想像されるように、モロに中世ヨーロッパ的な世界なので、それが好きな人には堪らないのではなかろうか。。ウォーハンマーという世界観を背景にしているというが、それを知らずとも十分に楽しめる。
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SF・ファンタジー | 2009/03/03(火) 23:45 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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610冊目 夜明けのフロスト
夜明けのフロスト (光文社文庫)夜明けのフロスト (光文社文庫)
(2005/12/08)
R・D・ウィングフィールド

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評価 フロスト以外:☆☆
フロスト:☆☆☆☆☆


 タイトル作を含め、クリスマスに起こった事件ばかりを纏めた短編集である。ただし、フロストだけは中編で残りが短編。人気のほどが分るというものだ。

 今回も、フロストはクリスマスだというのに仕事に駆り出されてしまう。『クリスマスのフロスト』、それに先日紹介した『フロスト気質』に続き、3回目のクリスマス勤務であるが、マレット署長は気に入らない部下を優先してクリスマスに仕事というありがたい任務につけさせてくれるためである。(ただし、フロスト気質については偶然だが・・・・・・)

 クリスマスは毎年刑務所で特別食を食べるのが習慣というコソ泥がわざと逮捕されに現れるが、あいにくとレンジは故障中。そこに、赤ん坊が閉店中の店に放置されるわ収監中の酔っ払いが汚物で喉を詰まらせて死に掛けるわ、赤ん坊を誘拐されたという夫婦が訴え出るわ、少女が行方不明になるわで、いつもどおりフロストは休む暇も無い捜査を強要されることになる。

 長編ではないので、フロイトが推理を間違って突っ走ることは少ないのだけれども、それでも相変わらずとんでもない(違法な)捜査手法を駆使して全部の事件を解決してしまうのが頼もしい。そして、オチが実に秀逸。まさかそう来るか、と爆笑で幕を閉じる見事な出来栄えだった。

 フロストが一緒に収められてしまったお陰で、他の小説が見劣りしてしまうのがかわいそうだった。なので、皆様はぜひページの並び順に楽しまれることをお勧めいたします。
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推理小説 | 2009/03/02(月) 22:21 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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