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Author:Skywriter
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608冊目 & 609冊目 紫禁城の黄昏 上下
完訳 紫禁城の黄昏(上) (祥伝社黄金文庫)完訳 紫禁城の黄昏(上) (祥伝社黄金文庫)
(2008/10/10)
R F ジョンストン

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完訳 紫禁城の黄昏(下) (祥伝社黄金文庫)完訳 紫禁城の黄昏(下) (祥伝社黄金文庫)
(2008/10/10)
R F ジョンストン

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評価:☆☆☆☆


 紫禁城といえば、清の皇帝一族が過ごした宮殿である。これまでも当ブログで清朝については143冊目 紫禁城史話320冊目 紫禁城の栄光で紹介してきた。しかし、本書はこれらの本とは随分と雰囲気が違う。というのは、過去に紹介してきた本は紫禁城を舞台にした清朝の栄光と没落を描いていたのに対し、本書は黄昏の時代だけを取り上げているからだ。

 著者のジョンストンはラストエンペラー、宣統帝に帝師として仕えた。歳若くしての即位を余儀なくされた宣統帝は、著者に特別の信頼感を寄せたようだ。信任篤く、常に側にいることができたから、紫禁城の黄昏、つまり清王朝が崩壊していく様をつぶさに眺めるという稀有な体験をすることになる。

 対外的には列強によって、体内的には西太后の独裁と内務府の腐敗によって、清は蝕まれていく。伯父に当たる先帝・光緒帝は西太后によって幽閉されて死に至り、幼い皇帝に代わって権力を振るうのは惰弱な皇族や野心溢れる袁世凱のような臣下たち。

 本書が扱うのは、相次ぐ軍部のクーデターや内乱によって清が崩壊し、共和政府にも期待がかけられなくなるところまで。つまり、宣統帝が関東軍の支配する満州へ入る前までである。中国との戦争前夜に、中国側で何があったかが良く伝わってくると思う。内憂外患のなかにあって腐敗や武装蜂起と権力争いに汲々とする人々の姿には失望の念を強くする。だから、共産党が希望に映ったという過去も理解できる。

 どんな時でも人々は自分のセコイ利権にしがみつくというのは、どこの国もそうなのだろうけど。

 著者のジョンストン自身も列強側の利害を代弁する立場なので、著者が善意のみから宣統帝と接したとか、裏での動きが無かったなどと思うのはナイーブに過ぎるだろう。しかし、それでも文章の節々から若い宣統帝を慮る雰囲気が伝わってくる。清国の皇帝に対する視点ではなく、父が子を見守るような雰囲気がある。だから暗い雰囲気にも関わらず読み進めていけるのではないだろうか。

 それにしても、違う時代の皇帝が嘆いたとおり、皇族になど生まれるものではない。つくづくそう思う。



 なお、例によって例の如く、本書の存在もオジオンさんに教えて頂いた。ここに厚くお礼を申し上げたい。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2009/02/28(土) 13:38 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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607冊目 日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った
日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)
(2008/06/10)
岡田 英弘

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評価:☆☆☆☆


 実に刺激的な本である。

 日本史が始まったのは何時からか。三国志の魏志、烏丸・鮮卑・東夷伝にある倭人の条に記される邪馬台国という人もいるだろうし、いや、神武天皇からだという人もいるだろう。しかし、著者は明快に日本の建国は668年だと説く。

 ではそれ以前の日本はなんだったのか。それまた著者の答えは明確で、チャイナタウンが点在していたとするのである。唖然とする人も多いのではないか。668年建国となると卑弥呼や聖徳太子は一体どうなるのか。

 読者を驚かせておいて、著者は史料の位置づけから話を始める。

 有名な邪馬台国論争。あれはそもそも東夷伝に拠れば日本の形や方角が全く事実に合わないことに端を発する。だから、ある者は距離を間違えているといい、またある者は方角を間違えているというのである。しかし、著者はその立場は両方とも間違いだ、とする。となると、答えはどこにあるのか。著者は、三国志成立の政治状況が陳寿の筆を曲げさせ、邪馬台国をありもしない超大国に描かせたのだ、と指摘する。

 驚くようなシナリオだが、論におかしなところはなく、政治的な配慮が史書に顔を出すという現実を飲み込まざるを得なくなる。そして、同じようにばっさりと日本の歴史書も斬るのが痛快。古事記と日本書紀がどれほど実際の歴史と離れているかを明らかにしてしまうのだ。

 考えてみれば、昔の人々が現在の我々が歴史に対峙するのと同じ姿勢だったとする方が無理があり、そこには歴史書が書かれた当時の政治や社会的な背景があったのは当然だろう。真実を覆い隠すベールが剥がれたとき、そこには驚くべき姿が立ち現れてくる。知的好奇心を刺激する本である。

 本書には驚き、呆れ、つい反発したくなることが山ほどある。しかし、反発を超えて冷静に考えれば新たな世界が拓けてくる。それを楽しめる人は是非本書を手にとって見て欲しい。日本史の成立について新たな世界が広がるだろうから。

 ただ、いろいろな所で発表した文章を寄せ集めたため、重複が多く、読む勢いが削がれてしまうのが勿体無い。
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その他歴史 | 2009/02/25(水) 22:08 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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606冊目 いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅〈2〉
いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅〈2〉 (世界9万5000km自転車ひとり旅 (2))いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅〈2〉 (世界9万5000km自転車ひとり旅 (2))
(2005/01)
石田 ゆうすけ

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評価:☆☆☆☆☆


 本書は7年半かけて自転車で世界中を巡った体験談を綴ったエッセイである。なにせアフリカ、ヨーロッパ、中東、旧ソ連、北米、南米と文字通り世界を駆け巡ったのだから、凄い体験が目白押しである。凄いの内容は良いものに限らない。そして、傍観者としては(過ぎてしまえばネタとして笑えるというレベルの)不幸話もまた楽しいもの。なので、読者としてはどの話も楽しめる、ということになる。

 食べ物、飲み物、自然、遺跡、そしてそこに住む人々との出会いの数々を綴っているわけだが、美味しそうな食べ物や飲み物の話に加えてこれには当りたくないというゲテモノの話があり、いつか行ってみたい遺跡の話もあれば期待はずれでがっかりだった話もある。

 こういった評価は当然個人的なものだから、べた褒めになることもあれば酷評になることもあるだろう。勿論、本書でもマイナス評価のところはあるのだが、表現の仕方が謙虚というか、なぜマイナス評価をすることになったのかをやんわりと書いているためこちらに負の感情が来ないのが良い。

 なので、凄いトイレに遭遇して唖然とする様やら、親切な人々との触れ合いを読者が追体験して一緒に楽しめるようになっていると思う。旅行記としてもエッセイとしてもとても楽しい。いつか行きたいと思うところが一挙に増えてしまった。

 なお、タイトルを見て分るとおり本書は二巻目にあたるわけだが前卷を読んでいなくても十分に楽しむことができるので、その点もご安心を。
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エッセイ | 2009/02/23(月) 22:47 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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605冊目 友がみな我よりえらく見える日は
友がみな我よりえらく見える日は (幻冬舎アウトロー文庫)友がみな我よりえらく見える日は (幻冬舎アウトロー文庫)
(1999/12)
上原 隆

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評価:☆☆☆


 ノンフィクションというと、なんとなく巨悪を暴くだとか社会の裏で何が起こっているのかとか、ある種の異世界を覗き見させてくれるジャンルのようなイメージがある。だが、本書は違う。我々一般人にとって等身大の世界に生きる人々の姿を炙り出している。

 失明した友人、異性と付き合ったことが無い中年女性、離婚者、ホームレス、引きこもり、鬱。そうなったときに、彼らが何を思い過ごしてきたか。時に読者が唖然とするような質問を繰り出しながら彼らの心の中に入り込み、そして心の中に秘められたなにかを引き出してくる。彼らが抱くコンプレックス、焦り。それらは実のところ我々のものと大差がなかったりする。

 その結果、出来上がっているのはかなり異色なものだと思う。著者は自分の色を出さない。ああするべきだ、これは間違っている、そういった決め付けがないのである。簡単なようでいて難しいことだろう。だから当事者の思いや考えがダイレクトに伝わってくる。

 美談や巨悪とは離れたところで人が生きていく姿をありのままに記すというなかなか類を見ないノンフィクションに仕上がっていると思う。
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ノンフィクション | 2009/02/21(土) 21:56 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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604冊目 記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?
記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?
(2007/11/30)
川島 隆太泰羅 雅登

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評価:☆☆☆☆


 楽しい酒につい飲まれてしまい記憶を無くしたことがあるだろうか。私はある。

 そういう、辛く哀しい体験(主に翌朝の体調不良に拠る)をしてしまった方は不思議に思われたことがあるはずだ。そう。なぜ記憶を無くすほど飲んでも家までは帰ってこられるのかと。

 気鋭の脳科学者二人が酒と脳との深い関係について縦横に論じているのが本書である。前述の問いに関する答えとしては、ナビゲーションニューロンの働きによると指摘されている。このニューロンが、知っている道を無意識のうちに選択してくれているお陰でいつもの道を辿って家に帰り着くことができるというわけだ。

 そもそもなぜ酒を飲むと記憶を無くなるのか、飲酒運転や妊娠中の飲酒が推奨されない理由、アルコール依存症の脳と、アルコールの影響を様々な観点から評価している。酒は百薬の長という立場と、ピューリタン的な潔癖さで酒は理性を失わせる危険な薬物だという立場の間でバランスの取れた記述となっており、酒飲みも飲まない人も頷ける点が多いのではないだろうか。著者の一人が飲兵衛で、もう一人が下戸であることが上手く働いているように思う。

 酒を楽しく嗜む分には、交友関係の潤滑剤やリラックスするための便利な道具になるのは事実なのだから、危なさを知って上手く付き合うのが大事だろうと思う。その点でも、本書に説かれている酒が脳に与える影響について知られることはマイナスにはならない。脅す一方ではなく危険を教えてくれる上に楽しく読めるありがたい本に仕上がっていると思う。
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医学・脳・精神・心理 | 2009/02/20(金) 23:32 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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603冊目 ハンディキャップ論
ハンディキャップ論 (新書y)ハンディキャップ論 (新書y)
(2003/09)
佐藤 幹夫

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評価:☆☆☆


 障害と健全の間には、深い溝がある。能力とか適応性ではなく、社会の抱えるルールとして。

 本書でシキモウ(それ位変換させろよ!)、ええと色盲ですね、これの問題が取り上げられているのをみてつくづく思った。赤緑色盲は、人類の先祖が恐竜の圧力によって夜行性であることを強いられていたことに由来する。それにより哺乳類は基本的に二色しか判別できない。人間が三色を見分けることできるのは突然変異に拠る。

 しかし、稀にこの三色目を認識できない人がいる。色盲とされる人々である。彼らにはハンディキャップがゼロではない。が、社会生活を送る上で困ることは無い。それなのに、かつて色盲と判断されてしまった人には就職差別などの厳しい社会的現実が立ち塞がった。

 社会生活や職業生活を送る上での困難から判断した結果ではなく、障害の有無というただそれだけの理由で職業などの生活条件が制限されていたというのは恐るべきことである。

 評論家の立花隆さんが、元は理系を目指していたのだが色盲のため諦めざるを得なかったという話を遠い昔のものと聞いていたのがつい近年まで生きていたというのがまず驚きだ。

 ハンディキャップの存在と、社会的に活躍できるかどうかには確かに大きな因果関係がある。しかし、それは障害の程度にも拠るし、障害を持つ個人が成りたい社会的な存在にも拠る。問題なのはハンディキャップが存在するということと、可哀想だから保護してあげるがイコールで結ばれる、あるいは彼らこそが尊重される個性の持ち主であるとする視点だ、という著者の主張には素直に首肯できる。

 障害を持っていても能力を活かして我々凡人の及ぶべくもない活躍をする人も居る。ホーキング博士のように体が不自由な人もいれば、山下清のように知的レベルが常人に及ばない人も居る。しかし彼らの成し遂げたことは天才の域であるわけだ。

 こう考えたときに、やはり障害を持っていても本人が望み、それに向かって努力をしたならば能力に応じて社会が開かれていくべきだと思わされた。こういったことは、普通に生活していてはなかなか考える機会がないので、機会を与えてくれた本書に感謝したい。
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ノンフィクション | 2009/02/18(水) 22:33 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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602冊目 死は易きことなり―陸軍大将山下奉文の決断
死は易きことなり―陸軍大将山下奉文の決断死は易きことなり―陸軍大将山下奉文の決断
(2005/02)
太田 尚樹

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評価:☆☆☆☆


 猛攻によってシンガポールを落とし、マレーの虎と恐れられた名将、山下奉文。子供を愛し、情に脆かったこの将軍には、しかし暗い影が付き纏う。

 順調に出世を重ねた山下の躓きの一歩は、2.26事件である。決起した青年将校らの背後にいると目された彼は、以後天皇に疎まれていくことになる。そのために外に出された山下はシンガポール攻略という大戦果を上げる。

 シンガポール陥落時、イギリス軍のステッセル中将に「イエスかノーか」と迫ったことで知られる山下は、そのすぐ直後、忌まわしい華僑粛清に手を染めてその悪名を轟かせることになってしまう。

 兵達の略奪や狼藉を厳しく戒めてきた名将がなぜ過ちを犯してしまったのか。その謎に迫るため、山下の辿ってきた人生が可能な限り明らかにされている。ヨーロッパ時代、東條との確執、そして人生を彩ったロマンス。それらが渾然一体となり山下の複雑な性格を形作っていったことが伝わってくる。そして、シンガポールに向かう戦いの連続が華僑虐殺に繋がっていったことも。

 描き出されているのは、ごく普通の人間が辿らざるを得なかった悲劇の道であるように思う。戦争中でさえなかったら、山下は只の子供好きな親父さんとして生を終えた可能性が高い。しかし結局は、軍隊の暴力性の餌食となるような形で名を汚し、処刑されることとなった。戦争が加害者の側にも悲劇をもたらす姿の一例であろう。マレーの虎と畏怖された男の、表と裏の姿を見てそう思わずには居られなかった。
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太平洋戦争・二次大戦・現代史 | 2009/02/16(月) 23:19 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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601冊目 地図もウソをつく
地図もウソをつく (文春新書)地図もウソをつく (文春新書)
(2008/08)
竹内 正浩

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評価:☆☆☆


 世の中には色々なマニアがいるものだが、本書を手に取るまで地図マニアなるものが世にいるとは思わなかった。

 札幌の街路がズレている理由どころか、ズレているという事実すら知らなかった私にとっては目の前がクラクラするような、新たな地平が拓かれたと言って良い。拓かれた地平を進むところまでは啓蒙されなかったが(笑)

 地図にも政治が入り込むというのは当然だろうが、台湾の地図だと領土にモンゴルまで含んでしまっているという。何時の時代だよ、おい。それに漢民族がモンゴルを支配したことはなかったはずだろ。そんな突込みが頭を過ぎる。

 その他にもプロパガンダに使われた地図、軍事目標となるのを防ぐために空白だらけになっている地図などなどが紹介されている。地図などカーナビ画面とか店の案内図以外何年も見たことが無いという一般人には知らない話が多くて楽しめるのではないか。
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ノンフィクション | 2009/02/14(土) 17:51 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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600冊目 アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
(2004/07/09)
ドゥーガル・ディクソン

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評価:☆☆☆☆


 本書は、近い将来に人類が滅亡した後、5000万年後に生きる動物たちを描いている。近い将来といっても、地質学的に近い将来なので100万年単位の話かもしれないけど。

 5000万年というとかなりの年月だ。恐竜が滅んでから6500万年なのだから、それに匹敵する時間が流れた後の世界である。とても想像できない。

 著者は、進化で見られる幾つかの法則だけを武器に遥か未来の生物の姿を想像している。先祖はどの動物で、とりまく環境から体の構造はどうなって、というのを魅力的なイラストを駆使して紹介している。

 バランス感覚が絶妙で、迸る悪戯心がありながらも説得力を持っているのが魅力である。

 私が気に入ったのは、完全水棲化した鳥類。最初はそんな莫迦なと思っても、鯨やイルカなどの哺乳類が水棲動物になったのだから鳥がそこに加わってもおかしくない、と考え直させられる。自分が抱いてきた固定観念にも気付かせてくれる労作。

 遊び心と共に架空の動物園に遊びに行ける、そんな雰囲気の本。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/02/12(木) 23:50 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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599冊目 大統領のゴルフ
大統領のゴルフ大統領のゴルフ
(2004/09)
Jr.,ドン・ヴァン ナッタ

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評価:☆☆☆


 ゴルフをプレーした大統領は、タフトに始まるらしい。金持ちの道楽と思われ続けたこのスポーツを、タフト自身は好まなかった。

 しかし、後の多くの大統領が、ゴルフに一方ならぬ関心を示したようだ。アイゼンハワーはホワイトハウスにスパイクの跡を刻み、ケネディ、ニクソン、レーガン、ブッシュ親子、クリントンらもゴルフに興じたらしい。

 本書では歴代の大統領がどのようにゴルフをプレーしたかという点に光を当てているのだが、それが各人の性格を反映しているようでとても面白い。リンドン・ジョンソンは政敵に圧力をかけるためにゴルフを利用し、クリントンはスコアを誤魔化し、ブッシュは超攻撃的。アイゼンハワーやケネディは誤魔化しを嫌った。

 セックススキャンダルで、法廷においてウソばかり述べたクリントンらしくゴルフでもウソまみれというのはなんともイメージどおり。もっとも、私は浮気のどこが悪いのか全く理解できないので非難する気は無いけど。遥か昔から権力者が配偶者を複数持ったり生気の関係以外の相手を持ったりと、セックスに夢中だったことを考えればこれは人類の宿命であり、避けることはできないし避難するのも的外れ。相手側も望んでいることだしね。

 残念なのは、やっぱり私はゴルフにちっとも興味がないってこと。ボギーとかなんとかいわれてもどんなものなのか知らないし調べる気もないので、その点で楽しみが半減してしまった。ゴルフ好きなら私の倍は楽しめただろう。趣味が広い人の方が楽しみが多いのだろうな、と思ってしまった。
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ノンフィクション | 2009/02/10(火) 23:15 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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598冊目 行儀よくしろ。
行儀よくしろ。 (ちくま新書)行儀よくしろ。 (ちくま新書)
(2003/07)
清水 義範

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評価:☆


 新書のレベルが落ちている、という。それはウソだ、と思うなら本書を読めば良い。かなりレベルが低い。

 著者の本業は小説家である(小説家だからこういう本を書くな、というわけじゃありませんよ)。過去、『国語入試問題必勝法』で報復絶倒した私としては、こういった洒脱なかたちで文章を書いているのかと思って期待したのである。

 しかし、結果は期待を大いに裏切るものだった。

 著者は凡百の、若者を気に食わないという老人の戯言とは一線を画したいようだ。そして、その言葉を裏付けるように若者を評価する言葉を述べている。

 それは良い。問題はその後だ。

 著者は最近の若者がイライラしている原因として学歴社会しか生きる道が無くて、などという、それこそウンザリするくらい社会に出回っている言説に依拠して、そこからどう生きるべきかを語っている。

 でも、その根拠が無い。少年犯罪が激減しているという事実を知れば、なんで若者がイライラしているなどという莫迦げたことを言えるのか、と思ってしまう。著者が子供の頃は一日平均一件以上の少年による殺人が起こっていたのだ。余りにも殺人が日常的過ぎて報道すらされない時代の人が、殺人が珍しいからニュースになる時代の若者にこんな偉そうなことを言えるのか、疑問に思う。

 いみじくも評論やそれに類したことをやるのであれば根拠が必要だろう。なんらかの統計があって、初めて論は説得力を持ちうる。だからそれを怠れば、残っているのは単なる床屋政談レベルのものだ。残念ながら本書はその域を出ていない。

 ただ、学校に過度の期待をするな、というのは同感。根拠は違うけど。

 私の根拠はこうだ。

 40人学級を想定して欲しい。学校があるのは月に20日だ。すると、教師が1日に1人の生徒に付きっ切りになって面倒を見ていくとしたら、面倒を見てもらうのは2ヶ月に1日、という計算になる。学校があるのが1年10ヶ月なら年間5日。小中高と合わせて12年だと60日。それしか見てくれないのが教師ですよ。

 だから教師にはせいぜい最低限の知識を教えてもらうこと以上の何も期待しない。というか、できない。彼らにそんな能力は無い。そもそも人間工学的に面倒を見られる人数なんて6~8人くらいなのだから、40人をきちんと見られるのは超人なのだ。一般人に超人を期待しちゃいけない。そんな能力、私自身には無いし、教師にも期待しない、という話だ。

 著者にはこのような不毛なことに手を染めずに、本職の面白い小説を書くことに時間を割いてもらいたいと強く思った次第です。
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未分類 | 2009/02/09(月) 21:56 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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597冊目 読み忘れ三国志
読み忘れ三国志 (小学館文庫)読み忘れ三国志 (小学館文庫)
(2007/11/06)
荒俣 宏

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評価:☆☆☆


 三国志となれば目の無いわたくし。かの博覧強記、荒俣宏がこの三国志を俎上に乗せたとなればどう料理されているのかが気になるのは当然のことである。

 本書は三国志を読んで著者が思いついたことを書いている。ところがやや表現に不親切なところがあり、事実を勘違いしているのではなかろうか、と思ってしまう点があるのが気になった。

 例えば孫堅についての件。孫堅と言えば呉を建国した孫権の父で、実に勇猛な武将だった。反董卓連合軍に加わって華雄を打ち破り(演義では関羽が斬ったことにされてしまったが)、袁術が兵糧をきちんと送ってさえいれば董卓軍を打ち破ったかもしれないほどの活躍を見せる。

 元々やる気のない反董卓連合軍が予定調和のように解散した後は、袁術の戦術に従い劉表を攻めるのだが、この時に深入りしすぎてしまい、落石だか矢だかに当たって絶命してしまう。死因がはっきりしないのは、三国志に二通りの記述があるから。

 これが本書だと、董卓との戦いのことを書いた直後に戦死してしまうので、本書だけ読んでしまうと孫堅は董卓との戦いで死んだとしか思えない。まあ、そんな読者はいないと想定しているのかもしれないけれども。

 また、演義中心ながら正史を織り込むことでどうにも中途半端な感じがしてしまうのも否めない。

 それでも武器についての考察には三国志の小説やゲームからは伝わってこない情報があるので、一通り流れを知っているのであれば手にとっても面白いかもしれない。
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中国史 | 2009/02/06(金) 22:44 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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596冊目 秘密結社を追え!―封印された、闇の組織の真実
秘密結社を追え!―封印された、闇の組織の真実秘密結社を追え!―封印された、闇の組織の真実
(2007/02/01)
ジョン・ローレンス レイノルズ

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評価:☆☆☆☆


 絶対ゲテモノだと思って読み始めたのだが、良い意味で予想外れ。冷静に秘密結社の歴史を追いかけていたのに驚いた。

 話はローマの初期キリスト教に始まる。キリスト教が秘密結社で陰謀を企んでいた、というような話ではない。キリスト教が弾圧を受ける中で信仰を守るために秘密結社的な組織へ変貌したことを説明している。この説明は秘密結社がなぜ生まれるのか、という問いへの答えとなっているのである。

 次に取り上げられるのは暗殺教団。アサシンの語源にもなったこの教団は、今に至るまで秘密結社が持つ組織体系を作り上げたといって過言は無い。最高権力者以外、どこが権力の中枢なのかを誰も知ることができない不思議な組織である。暗殺教団の組織のあり方は、アルカイダまで連綿と受け継がれていることが示唆されているのは大変に興味深い。

 テンプル騎士団、イルミナティ、フリーメーソン、薔薇十字団等の歴史を彩った秘密結社の真偽が要領よく纏められている。加えて、秘密結社ではないにしても同じような展開を遂げているロズウェル事件のようなものまで取り上げているのに脱線した感じを受けないのが凄い。

 怪しげな秘密結社本が氾濫する中で、このように冷静な立場から秘密結社の成り立ちやそれぞれの性格を明らかにしている本書は極めて価値が高いと思う。秘密結社に興味がある方は是非どうぞ。


 ちなみに、私の個人的なツボは、薔薇十字団の創始者であるクリスチャン・ローゼンクロイツが架空の人物だった可能性の示唆である。『化学の結婚』、いつか読んでみようかなあと思っていたのに・・・・・・(笑)
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ノンフィクション | 2009/02/05(木) 22:46 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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594冊目 & 595冊目 フロスト気質 上・下
フロスト気質 上 (創元推理文庫 M ウ)フロスト気質 上 (創元推理文庫 M ウ)
(2008/07)
R.D. ウィングフィールド

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フロスト気質 下 (創元推理文庫 M ウ)フロスト気質 下 (創元推理文庫 M ウ)
(2008/07)
R.D. ウィングフィールド

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評価:☆☆☆☆☆


 デントン署の誇る、下品で仕事中毒のフロストが帰ってきた。

 今度の物語は7歳くらいの男の子が死体となって発見されたところから始まる。休暇を取っていたフロストは、(マレット署長の机の中からタバコを失敬するため)たまたま職場に顔を出したところで死体遺棄現場の指揮を押し付けられてしまう。

 女性との約束があるため30分だけと期限を切って現場に向かうフロストだが、フロストの仕事が時間通りに終わるわけが無い。なんだかんだで休暇を切り上げさせられる羽目になる。

 泣く泣く職場に復帰すれば、出るわ出るわ、事件の数々が。これまた7歳くらいの男の子が行方不明になる。いけ好かない金持ちの娘は誘拐される。14歳の娘が行方不明になるかと思えば、中年男の死体まで発見されてしまってもう大変。

 事件が集中する中で、外部からの応援がやってくる。ところが、この応援が因縁の人物。以前デントン署に居た時に14歳の娘を轢き逃げ事故で喪っているのだが、この事故の調査に当たったフロストが轢き逃げ犯を捕まえられなかったことからフロストを深く恨んでいるのである。

 多発する事件に加え、身内で起こる不協和音。果たして続発する事件は解決できるのか。

 フロストらしく、あちらの事件に首を突っ込んだかと思えば別の事件に駆りだされ、事件解決の糸口を掴んだと確信して強引に攻めてみれば徒労に終わる。コロンボのように一度犯人と睨んだ相手を外さないなんてことはなく、ホームズやポアロのように見事な推理でどんな難事件もたちまち解決なんてこともない。ひたすら地に足をつけての地道な捜査が続く。

 たまに証拠を捏造しちゃったりなんかして、トンデモない刑事っぷりを見せる、下品で死体を前にしてもジョークを飛ばす不謹慎なおっさんで、それでもなぜか憎めないのがフロスト。いつのまにか下品なギャグまで楽しくなってくるのが不思議だ。そして、幾つもの事件を平行して解決に持っていく手腕に何時の間にか脱帽することになってしまう。

 今回もとても楽しく、一気に読んでしまった。自分の保身&出世には熱心だが仕事はしないマレット署長や、うだつの上がらない同僚刑事とお馴染みのメンバーとのやりとりも笑えるやらフロストに肩入れして腹が立つやら。分厚い二冊組みであってもページ数の多さを感じさせない素晴らしい小説である。次回作を今から首を長くして待つことにしよう。
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推理小説 | 2009/02/04(水) 22:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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593冊目 逆襲するバイ菌たち
逆襲するバイ菌たち逆襲するバイ菌たち
(1998/10)
三瀬 勝利

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評価:☆☆☆☆


 抗生物質の誕生は革命的な出来事だった。小さな傷から入り込んだ細菌による感染症に人類は太刀打ちすることができなかった。抗生物質がその過去を変えたというのは過言ではない。

 しかし、細菌は淘汰されたわけではない。今でも世界を見渡せば、ヒトが死ぬのは癌や心臓病などではなく、感染症である。結核、チフス、ペストといった、昔のものに思われる病気が世界ではまだ脅威なのだ。

 細菌が脅威なのは海外だけではない。日本も同じである。O157は集団感染で悪名を馳せたが、以後も毎年のように感染が報告されている。O157のような”新しい”細菌だけではない。もう過去のものと勝手に思い込んでいる

人間の勝手な思い込みとは裏腹に、細菌は力をつけて復讐の機会を窺ってきた。というよりも、もともと賢い細菌を浅知恵で淘汰できると思ったのが甘かったのか。彼らは薬剤に耐性を持つという手段により、先進国でも復権を遂げつつある。

 原因となるのは抗生物質の濫用だったり、病気が快方に向かったからと飲むのを自主的に止めてしまったりすることだったりするのだが、なんにしてもMRSAや多剤耐性の結核菌は古くて新しい脅威になっている。

 本書はそんな細菌感染の復権について書かれている。チフスやペストといった病気やO157などの話を読みやすく纏めるついでに内輪の話を面白おかしく盛り込んでくれるので、深刻そうなタイトルにも関わらずクスクスと笑いがもれてしまう。

 専門用語を用いず平易な言葉で説明しているので科学関係の本はちょっと・・・という方も安心して読めると思う。

 私にとって特に印象的だったのは、チフスなどの便を通じて感染する病気の意外な感染ルートである。即ち、大をした後でお尻を拭くと、毛管現象によって微小な大の欠片が手に付着する、というもの。なるほど、握手とキスとではキスの方が清潔であるというのはこういう背景があるのかと驚いた次第。というわけで、トイレの後は念入りに手を洗いましょうね。
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生物・遺伝・病原体 | 2009/02/01(日) 23:48 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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