カレンダー
12 | 2009/01 | 02
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール

Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
お勧めした本を面白いと思ってもらえると最高です。

BK1書評の鉄人31号。
鉄人


宣伝目的以外のあらゆるコメント、TBを歓迎します。

↓ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してください。


にほんブログ村 本ブログへ


kids goo弾かれサイトですので閲覧はご注意を。頭が悪いのが伝染する恐れがあります。
notforkids.jpg

FC2カウンター
最近の記事
Tree-Arcive
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
巡回先

にほんブログ村 本ブログへ



うちの子も元捨て犬です。今はすっかり我が家の一員。甘えるのは下手だけどとっても可愛い子です。

Skywriterさんの読書メーター

ブロとも申請フォーム
ブロとも一覧
ブログ内検索
RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 | --/--/--(--) --:-- | |

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

592冊目 「退化」の進化学
「退化」の進化学 (ブル-バックス)「退化」の進化学 (ブル-バックス)
(2006/12/20)
犬塚 則久

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 なんと今年読んだ初の科学関連の本。


 なんとなくではあるが、「進化」という言葉には良いイメージがあり、「退化」には悪いイメージがある。そして、我々は実に勝手なことに、自分達人類は進化の最前線にいるのだ、などと思ってしまいがちである。

 しかし、人体に残る進化の爪あとを見ると、そこには退化の結果が幾つも含まれることが分る。音を聞くのに欠かせないツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨は遥か祖先の爬虫類では頭骨と下顎骨の間接骨であった。これらは不要に成ったものを使い回しているというので退化とは違うのかもしれない。ただただ進化のもたらした不思議な結果に驚かされるのみだ。

 一方で、腓骨は今では役に立たない器官になっている。他にも筋肉や腱、骨を仔細に眺めると先祖では必要だったかもしれないが人類には不要になっているものが少なくないのには意外な思いをさせられることになる。

 興味深い話は更に続き、先祖返りとしか思えないような症状を、誰もがどこかに持っているという。例えば尻尾がついて生まれてくる子の話を聞いたことがないだろうか。例えば乳首の数。ペットを見てみれば分るが、犬や猫などは乳首は二つではない。多胎に対応すべく、それなりの数がある。これが人間にも現れることがあるという。ただし、乳頭だけが形成されることが多く気付かれないのだとか。そういわれて自分の体を見てみれば、それらしきものが見つかってしまったのには驚いた。

 進化の過程で組織が辿った数奇な歴史を解き明かしてくれているので、意外な話が多い。飽きる間もなく次々に繰り出される話の数々から進化の面白さが伝わってくる。
関連記事
スポンサーサイト
生物・遺伝・病原体 | 2009/01/30(金) 23:03 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

591冊目 ぼっちゃん―魏将・〓昭の戦い
ぼっちゃん―魏将・〓昭の戦いぼっちゃん―魏将・〓昭の戦い
(2008/04)
河原谷 創次郎

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆☆


 出師の表を奉り決死の覚悟で北伐を敢行した蜀の諸葛亮は、味方の失策もあって軍を引かざるを得なかった。しかし、諸葛亮は決して北伐を諦めたわけではない。再び軍を起こすと、陳倉に向かったのである。陳倉を守るのはカク(赤β)昭が率いる僅か三千の守備隊のみ。これを蜀の二万の軍勢が囲む。果たしてカク昭は陳倉を守りきることができるのか。

 本書は魏将・カク昭の息子であるカク凱を主人公に進む。武人としては功を挙げつつも、不器用な故に十分な出世のできない父を苦々しい思いで見詰める息子は戦いを通して父に何を見るか。

 そもそもが三国志ファンには堪らないシーンに加え、大胆な人物設定と迫力に満ちた先頭描写によって物語に引き込まれる。加えて陳倉攻防戦を縦糸に息子から見たカク昭の姿を横糸にすることで、広がりと奥行きを感じさせられる。

 三国志の英雄達を生き生きと甦らせた力には脱帽。これがデビュー作というのは本当に凄い。今後の作品も楽しみだ。


 なお、本書は例によって例の如く、「幻想工房」雑記帳のオジオンさんに教えて頂いたもの。素敵な本を教えてくださったことに深謝です。
関連記事
その他小説 | 2009/01/28(水) 23:04 | Trackback:(0) | Comments:(4)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

590冊目 金で買えるアメリカ民主主義
金で買えるアメリカ民主主義 (角川文庫)金で買えるアメリカ民主主義 (角川文庫)
(2004/03/25)
グレッグ・パラスト貝塚 泉

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆☆


 2000年就任の大統領を決める選挙で、大接戦の末にアル・ゴアは破れ、ブッシュが当選した。その勝敗の帰趨を決めたのは、フロリダ州。ブッシュの弟が州知事を務めていたところだ。ここで、なんと黒人を中心に5万人もの投票が禁じられた。根拠となったのは過去の重犯罪者には投票権を認めないとする州法である。

 問題なのは、重犯罪者とされた人々のほとんど全てに根拠が無かったことだ。中には、2007年の犯罪事実によって投票を禁じられたものまでいる。2000年の選挙だというのに。とりわけ異常なのは1000年以上先の犯罪によって投票権を奪われた者だろう。

 彼らにはたった一つの共通点があった。それは、民主党に投票した可能性が極めて高い、ということだ。その結果、僅か500票余りの差でブッシュはフロリダを制した。5万人の有権者から選挙権を奪うことで。

 この事実を突き止めたのが著者である。しかし、遂に著者はアメリカでは発表の場を持つことはできなかった。このニュースは、イギリスから世界に発信されることになる。

 なぜか。アメリカのジャーナリズムは、政権を正面から批判するだけの気概も能力も無かったからだ。日本のマスコミの頼りなさを嘆く皆さん、海外も同じなのでご安心を。

 政権の座を盗み取ったブッシュは、次々と金持ちへの優遇策だけを進めて行った。本書ではブッシュ政権でどれほどのカネが舞い、金持ちを更に金持ちにするような政策が進められていったかが明らかにされている。データを捏造する製薬企業、不正蓄財に余念の無い牧師、現地の貧しい採掘者を生き埋めにしてしまう金鉱会社。いずれもが共和党への大口献金者であり、ブッシュの錬金術を支えてきた。

 といっても、クリントンやゴアがクリーンだったわけではない。彼らもカネにまみれ、同じくらい不正に手を染めていたことが明らかにされている。研修生との不適切な関係ばかりに注目されていた陰で、政権の致命的なダメージを食い止める裏取引が成されたと指摘する。

 加えて、IMFによる詐欺的な政策も糾弾されている。彼らの支援要件によって公共財である水道やら電気やらを二束三文で売り出した国では例外なく電気料金や水道料金が高騰した。自由競争によって20%は価格が下がると保障されたにも関わらず、300%以上の料金アップなどざらだった。そして、IMFは自分達の政策が失敗したことを隠し続けた。その結果、多くの国がハゲタカの様な国際電力会社の魔の手に落ちた。経済成長を成し遂げたのは、IMFを無視した少数の国だけだ。

 とにかく、新聞を読むだけでは手に入らない調査報道の成果が凝縮されている。表の情報と裏の情報を組み合わせることで、隠された事実を詳らかにする手腕は絶頂期の立花隆を彷彿とさせる。腹が立つことが多いが、現実の世界のありように気付かせてくれる功績は極めて大きい。これらの事実は広く知られるべきだと思う。知ることが最初の力になるから。
関連記事
ノンフィクション | 2009/01/27(火) 22:59 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

589冊目 猫たちを救う犬
猫たちを救う犬猫たちを救う犬
(1996/03)
フィリップ ゴンザレスリアノー フライシャー

商品詳細を見る


評価:☆☆☆


 事故により利き手である右手を失い、人生への希望まで見失っていたフィリップ・ゴンザレスは、隣人の強引な説得により犬を飼うことになる。それも、自分が飼いたかった種類の大型犬ではなく、雑種の中型犬を。

 ジニーと名づけられたこの犬は、独自の能力があった。それは、障害を持った動物の存在を嗅当てること。特にジニーが愛するのは猫で、方々で障害を持った猫の存在を探り当ててはゴンザレスに教えてくる。犬は好きだが猫は好きではない、と言ってきたゴンザレスもいつのまにかジニーにほだされ、ゴンザレス家は猫屋敷へと化していく。

 本書はジニーと巡り会って人生が変わった男の軌跡であるのだが、主役になるのはあくまでもジニーである。

 何故か、ジニーが特別の興味を示すのは障害を持ち、危機に陥っている動物達。怪我をしているのか、病気になっているのかを問わず、ジニーが見事な嗅覚で猫達を見つけ出すのには脱帽する。本当に、どうやって感知しているのか不思議になる。

 動物を愛玩するのは人間だが、その人間は動物達を酷い目に遭わせる存在でもある。本書で活躍するジニーのような、人間の後始末をしてくれるような存在が居なくなり、不要に虐待される動物が居なくなると良いな、と思う。
関連記事
エッセイ | 2009/01/25(日) 23:57 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

588冊目 塀の中の懲りない面々
塀の中の懲りない面々 (新風舎文庫)塀の中の懲りない面々 (新風舎文庫)
(2004/04)
安部 譲二

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 塀の中の人々、つまりは懲役囚たちの生きる姿というのは中々知ることができない。それでも懲役の姿を知ろうとすれば手は2つある。刑務官になるか、自らが懲役囚になるか、だ。前者にはならなかったし、後者にはなりたくない。そんな人は、間接的に知るしかない。そのためには、本書がとても役に立つだろう。

 と言っても、本書はベストセラーである。今更ここで紹介するまでも無いのではあるが、簡単に紹介すると、著者は元ヤクザであり、職業柄(?)何度も刑務所生活を送っている。重犯が送られるのは府中刑務所。初犯やら死刑囚やらのいない、何度塀の外に出てもすぐにまた塀の中に入ってくる、そんな人々が集まるところだ。

 なんと再犯者の再犯率は80%にも上るとのことで、平和を願う市民としてはスリーストライク法を一刻も早く成立させ、こういった人々が二度と市民に迷惑をかけないようにして欲しいと願わずにはいられない。でも温情判決とやらをばら撒いて自分の人権意識に酔う裁判官が大量に居るものだから、彼らはすぐに娑婆に出てきて、また犯罪を犯して収監される。遣り切れないのは被害者だ。人権派だかなんだか知らないが、こういった裁判官と弁護士の犠牲者を、奴らは見ないから。

 それは兎も角、貴重な証言は連合赤軍の幹部・城崎勉に関するものだろう。日本赤軍によるダッカ事件後、超法規的措置として出獄、カネをせしめて外国へと革命闘争に出てしまうこの男は、どうやら府中刑務所内において日本赤軍の作戦が近いことを知っていたようである。どのような情報経路があったのか、とても興味が沸くでは無いか。

 彼を始め、オカマの受刑囚やらなにやら、著者が面白いと思った記録を集めているものだから、殺伐とした雰囲気が余り無いのが印象的だ。勿論、荒くれ者が集まっていたのだから穏やかな雰囲気であったわけは無いのだが・・・・・・

 また、囚人から見た場合の、看守による懲役囚達の把握術が、まるで冷酷な刑のように書かれているのも面白い。立場が変われば感じ方も変わるのだから当然だけど、縁の無い人間にはこういう視点も考えられないもの。こんな濃い世界が確かにあるのだと思わされる。

 ただ、できればそのような世界には一生足を踏み入れたくないものである。
関連記事
ノンフィクション | 2009/01/23(金) 23:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

風邪をひいて一回休み
 莫迦は風邪をひかないと言う。しかし、何を隠そうこの私が風邪を引いてしまったのである。では最初の命題との関係はどうなるのか。

1.私が風邪をひけるほど莫迦から遠ざかった
2.今年の風邪は莫迦をも打ち倒す程の猛威を振るっている
3.命題そのものが間違っている

 こうなったら消去法だ。

 1.が正しいとしよう。でも、私の頭は常に無く働きが鈍っている。この状態ではとても莫迦から脱却したとは言えない。せいぜい、莫迦を通り越してなにやらもっと凄い何か、例えばダメ人間になってしまった可能性があるだけだ。ということは、これは正しいかもしれない。留保。

 2.だとするとみぞゆう(む、なぜ首相も使う由緒正しい日本語を変換できないのだ、このPCは)の危機が日本を襲っていることになる。アンドロメダ病原菌のような、人類が免疫を持たない何らかの病原体が現れたも同じ事。だが幸い、まだまだ健常人も多いようなのでこれは違うか。

 3.が間違っていることはありえないだろう。なにせ、私よりもっと莫迦な我が弟はその生涯でちっとも風邪をひかないのだ。こんなにも説得力のある証拠が出されてしまったら論理的にこれが間違いであることはありえないと納得してもらえることだろう。

 というわけで、多分だけれども、ダメ人間というのは莫迦を過ぎた形態であることが明らかになったことに満足して今日は寝よう。朝も昼もずっと寝てたんだけどね。寝る子は育つし寝る大人は腹回りが育つし。しくしく。
関連記事
雑記 | 2009/01/22(木) 17:53 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

587冊目 日本共産党の戦後秘史
日本共産党の戦後秘史 (新潮文庫)日本共産党の戦後秘史 (新潮文庫)
(2008/10/28)
兵本 達吉

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆☆


 日本共産党が戦前如何にダメだったかは、立花隆の名著日本共産党の研究 (1)(2) (講談社文庫)(3) (講談社文庫)によって知っていた。ソ連の指導を受け続けるしかない体たらくや宮本顕治らによる小畑達夫リンチ殺人事件による崩壊まで、実に圧巻だった。

 では戦後はまともな党になったのかというと、それは違う。

 日本共産党がソ連で大量の犠牲者を生み出した統治システムと全く同じものを現在まで持ち続けているという話は知っていた。しかし、本書で書かれるありのままの姿は知りえなかった。

 著者は元共産党員で、議員秘書を務めていた。だからこそ、同党が抱える問題を内部から知ることができたのである。そこから見えてくる共産党の姿は恐るべきものだ。

 朝鮮戦争の後方支援として日本国内を混乱させようと武装化路線を推し進める。それも外国(ソ連と中国)の指導の下に。執行部はその責任を取らず、下部だけが蜥蜴の尻尾きりよろしく見捨てられた、という。

 武装化活動についてはかなりの紙幅が費やされており、警察署の襲撃や署員の殺害、企業の乗っ取りによる資金集めなどの過去が明らかにされている。

 これらの指導に逆らう事は許されない。というのは、恐ろしい査問というシステム(監禁され、党に対する悪事を自白するまで出してもらえないという場。自白内容は事実かどうかが重要ではなく、査問官の主張を呑むかどうかだけが重要。明らかに監禁罪)を利用し、指導部の意に反する者は次々と追放するためだ。

 それはスターリンの粛清と同じではないかと思われるかもしれないが、外国からの客が日本共産党の大会を見て、地球最後のスターリン体制だと驚いた、との話が載っている程である。

 未だにスターリン体制を採っているというのは他にも根拠がある。日本共産党内では、今でも最大の卑下の言葉が”トロツキスト”だという。トロツキーとは知っての通り、レーニン後の権力をトロツキーと争って敗れ、後に暗殺された人物である。従って、トロツキーが最も非難されたのはスターリンの時代なのだ。

 この話はウソではない。なにせ、私自身が共産党員からトロツキストと罵られたことがあるから(笑)。党外の人間に対し、党内でしか通用しない罵倒を持ち出すナンセンスさがたまらないのだが、この党がスターリン主義なのを垣間見せてくれる。

 共産党は会議が大好き、と著者は述べる。では会議では何が議論されているのか、というと、議論は全くなされていない。では何をやっているのかというと、上部組織から下りてきた命令を伝えるだけという。では上部組織の会議は議論をやっているのかというと、そこもまた幹部の命令を聞く場である。では幹部の会議ではせめて議論をやっているのかというと、党のトップのご意見をありがたく拝聴する場である、とのことだ。

 党のご意見に少しでも背こうとする人が居れば、たちまちのうちに党はその人を叩き潰そうとするのだ。そのシステムの一つが査問であることは論を待たない。党内に言論の自由など全く存在しないのである。本書でも支部同士の連絡が禁止されていると述べられている。これは地下活動を行う組織の特徴で、組織が一網打尽になるのを防ぐものだ。

 ひょっとしたら、いつでも武装化して地下に潜れるように組織を保っているのだろうか。それとも、自由な討論をさせたら党執行部に対する批判が噴出するのを恐れているのだろうか。

 なんにしても、政治的な立場がかなり近い集団の間ですら言論の自由を持ち得ない、共産党とは何なのであろうか。それを考えさせる一助になると思う。反共というのが古臭いイデオロギーなのではなく、このような組織のあり方に対する反対意見なのだということを、共産党に分って欲しいものだ。



 ただ、著者は自分が党で果たした役割をどう思っているのだろう。そこにはちょっと疑問を覚えてしまった。
関連記事
ノンフィクション | 2009/01/21(水) 22:09 | Trackback:(0) | Comments:(2)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

586冊目 私は障害者向けのデリヘル嬢
私は障害者向けのデリヘル嬢私は障害者向けのデリヘル嬢
(2005/12)
大森 みゆき

商品詳細を見る


評価:☆☆☆


 障害者の性の問題については51冊目で紹介した『セックスボランティア』で大きな衝撃を受けた。人間が持って当たり前の欲求を解消する場すら無い人々について、思いを巡らせたことも無かったからだ。本書は『セックスボランティア』とは異なり、内側、つまり性的なサービスを提供してきた人物からの体験記である。

 読んでみると、性的なサービスに従事したからこそ書ける、リアルな話が盛りだくさんである。障害の程度によって利用者側のできることは変わるので、例えば局部を見たいという要望でも取るべき体位が違ったりする。体験しないと分らない、そんな視点を随所に感じられた。

 また、著者の真摯な態度には感銘を受けた。利用時間でできるだけ気持ちよくなってもらおうとする態度に加え、文章から一回やったら義務は果たした、ハイ、終わり。という感じを全く受けない。利用者にウケは良かったのだろうな、と思う。そして、健常者なら当たり前に受けられるこうしたサービスを、障害者だからという理由だけで受けられないところに、この社会は障害者との付き合いがまだまだ下手だな、と思わされるた。

 できる限り利用者の要求に沿おうとするのは、サービス業に携わる人間としては当たり前だ、と言われたらそれまでだけど。

 性について語ることが難しいのは健常者でも同じなのだが、まして障害者。そういう考えが、既に差別を内包している。障害者だから可哀想、とかそういうことではなくて、一人の人間としてその欲求を受け止められる社会こそ成熟した社会なのではないか。本書が下心からだけで手に取られるのではなく、障害者を知るためのものになればと思う。

 ただ、大きなフォントで行間も大きい=活字量が少ない中での1,300円というのはちょっと高い気がする。
関連記事
エッセイ | 2009/01/19(月) 22:45 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

585冊目 機上の奇人たち―フライトアテンダント爆笑告白記
機上の奇人たち―フライトアテンダント爆笑告白記 (文春文庫)機上の奇人たち―フライトアテンダント爆笑告白記 (文春文庫)
(2002/11)
エリオット ヘスター

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 タイトルを見て分るとおり、本書はフライトアテンダントが遭遇せざるを得なかった事件(?)の数々を紹介しているものである。

 男性フライトアテンダントたる著者が遭遇するのは雑巾のような匂いを放つ乗客やら、酔い過ぎて前後不覚になるなら兎も角、暴れ始める人々。当たり前の注意を聞くこともせず、フライトアテンダントを親の敵ででもあるかのように睨みつける客たち。遥か上空で愛を交わすカップルにも出遭ってしまう。

 これらのことの殆どはとても楽しい見物になる。ただし、自分が当事者じゃないなら(いきずりの愛を交わすカップルの片側になることを除く)。

 当事者であればかなり腹立たしいことを中心に、軽妙なエッセイで経験談を語っているので中々楽しい。一部アメリカンジョークが入っているので笑うツボが分らないところもあるのだけれども、全体的にはとても面白かった。なので、電車の中で読むのはお控えを。寝る前に布団の中で少しずつ読む、というのが一番良い付き合い方かもしれない。
関連記事
エッセイ | 2009/01/18(日) 15:03 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

584冊目 東京路上探険記
東京路上探検記 (新潮文庫)東京路上探検記 (新潮文庫)
(1989/10)
尾辻 克彦赤瀬川 原平

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 探検と聞けば、思い浮かぶのは南極や深海や急峻な山や月のように、日常生活とはかけ離れたものが思い浮かぶ。ごく一部の冒険家、探検家、科学者といった人々が自然を超克しながら突き進むイメージだ。それ故にしばしば探検には危険が付きまとう。

 しかし、本書によって鮮やかに描き出されるのは、日常の生活空間にも探検の余地が沢山あるのだという意外な発見である。その一例は超芸術トマソン。なんらかの事情により、ある機能を持つ建造物が、その機能を喪失しながら形状を保っているものを指す。などと言われても良く分からん、と思われる向きもあるだろう。

 具体的に言うのであれば、階段。階段とは、通常上に登り、登った先の空間で何かを行うためにある。しかし、何らかの事情により階段の先が失われてしまうと、そこにはただ登って降りるだけのものができあがる。このようなものを超芸術品として愛でるのである。

 このような超芸術を始め、取り壊された建造物の部品を集めたり、マンホールの写真を取り捲たりするといった、奇人が本書には続々と立ち表れてくるのである。そして、見慣れた街にも見過ごしていたものがあるのだと思わされるのだ。

 私が敬意を払うのは、この独創的な見方ができること。なかなかできるようなことではない。時には笑いながら、時にはこんな視点があったのかと驚きながら楽しく読めた。
関連記事
エッセイ | 2009/01/15(木) 23:25 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

583冊目 アメリカの不正義―レバノンから見たアラブの苦悩
アメリカの不正義―レバノンから見たアラブの苦悩アメリカの不正義―レバノンから見たアラブの苦悩
(2003/12)
天木 直人

商品詳細を見る


評価:☆☆☆


 日本にいると、中東の情報はせいぜいイスラエルがパレスチナを大弾圧しているくらいで、その他のニュースは中々耳にしない。著者が外交官として赴任したレバノンもまた、日本に居てはその名を耳にしない国である。

 そのレバノンは、内戦に続いてシリアの支配を受け、シリアとイスラエルとの冷たい代理戦争をさせられる羽目になる。イスラエルの示威行為は、最早主権国家の枠組みを無視したレベルで、室内でも戦闘機が音速を超えたときに発生する衝撃波(ソニックブーム)を感じるという。戦争になってもおかしくないほどの行為だが、イスラエルの力が圧倒的であるためにレバノンは反対すらろくにできない。国連決議を無視し、大量破壊兵器を持ち続けるイスラエルこそ”悪の枢軸”に思われる瞬間だ。

 一方でシリアの支配は随所に現れているようで、反シリア派の政治家は次々に暗殺されるという。本書に出てくるハリーリ首相も2005年に暗殺された。背後にシリアの関与があると指摘されている。

 強国同士の力が露骨にぶつかり合うこの地に赴任して、やがて愛するようになった著者はイスラエル一辺倒のアメリカのあり方に疑問を感じるようになる。やがてアメリカは難癖を付けてイラクへ侵攻。中東に渦巻くアラブ人の不満を知った著者は、アメリカの主張する正義に疑問を抱き、官邸にアメリカ追従は問題があると意見具申する。しかし、帰ってきたのは解雇通知だった。

 本書は激動の時期にレバノンに駐在した期間のメモからなっているので、当時の中東情勢が伝わってくるのが利点。ただ、直前に読んだ『自壊する帝国』と比べると、情報の読み方、外交官としてのあり方等について書かれている深さが全然違うのがやや残念。もうちょっとボリュームが欲しかった。
関連記事
ノンフィクション | 2009/01/13(火) 23:54 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

582冊目 春期限定いちごタルト事件
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
(2004/12/18)
米澤 穂信

商品詳細を見る


評価:☆


 奇抜なタイトルに惹かれ、古本屋で(しかも50%オフ)買ったのだが、それぐらいの値段が対価として相応しいか。

 私の好みとは全く合わない。無駄な知識のひけらかしがとても鼻に付く。高校生が持つとは思えない知識を織り交ぜられると不自然だって思わないのだろうか。アリスの名を出して、著者名にドジソンと表記する嫌味っぽさ、気付かないのかなあ。キャロルでいいじゃない。こういうのは博識なんじゃなくてイタイとしか思えない。(検索したところ、オンライン書店bk1では”ドジソン”では著作がひっかからない)

 また、どうにも登場人物に深みが感じられない。生きた人間が感じられない。なのにやたらともったいぶって舞台を用意してしまうので空回りが感じられる。

 ストーリー自体は、学園を舞台にした推理もので、章ごとに一つの事件が起こってはそれが解決されていく、というパターン。章と章を上手く繋ぎ、最終章まで読むと、本全体で一つのストーリーができている構成は良くできていると思う。そういう点で短編集とは言えない。

 学園もので、軽く読め、しかも人が死なない推理小説なので本を読んで疲れた時に読むなら良いかも知れない。



 ・・・・・・こういう、底の浅い知識のひけらかしを敏感に感じ取って嫌悪感を覚えるのは多分同属嫌悪なんだろうなあ。。。
関連記事
推理小説 | 2009/01/11(日) 23:38 | Trackback:(0) | Comments:(0)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ

581冊目 自壊する帝国
自壊する帝国 (新潮文庫)自壊する帝国 (新潮文庫)
(2008/10/28)
佐藤 優

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆☆


 著者がノンキャリアの外務官僚としてソ連に駐在している最中に、その当のソ連は崩壊。世界のパワーバランスは一挙に崩れることになった。ソ連の自壊を決定付けたのがゴルバチョフに対して行われたクーデターであることは、当時を生きた方には鮮烈な思い出と共に刻まれているのではなかろうか。

 クーデターの渦中にあって、いち早くゴルバチョフが殺されていないとの情報を得たのが著者である。西側は愚か、東側でもほとんど全ての者が知らない情報をなぜ、どのようにして入手できたのか。また、クーデターにあってソ連の政府高官達はどのような動きをしたのか。

 これらの貴重な過去の記録を、リアルタイムでは無いとしても追体験できるのはありがたい。政治家達の策動、否応無く巻き込まれる人々の想いが伝わってきて、一気に引き込まれる。ノンフィクションの傑作が持つ魅力だ。

 新聞やテレビだけからは知りえない現場の生々しい空気を再現できるのは、経験したものだけが持つ特権だ。その経験の欠片を、安全なところに居ながら楽しめるのは読書人の特権であるとしみじみ思う。

 ソ連だけではなく、東欧についても広くかつ深い知識を持つこのような人物を、外務省内の争いで放逐してしまったのは余りにも勿体無い。

 それにしても、一級のインテリの知識量には圧倒される。読書なり思索なり実務なりでどれほどの努力を払ってきたのだろうか。私は趣味で本を読んでいるのではあるが、こういう世界を覗いてみたかった、という思いをついつい抱いてしまった。
関連記事
ノンフィクション | 2009/01/08(木) 23:55 | Trackback:(0) | Comments:(2)

献本サイト レビュープラス

ランキングに参加しています。面白いと思ったら押してくださいませ。
(ランキングサイトが立ち上がります。不快でしたら無視して下さい)
にほんブログ村 本ブログへ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。