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Skywriter

Author:Skywriter
あまり一般受けしない本ばかりが好きと言う難儀な管理人です。
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548冊目 邪馬台国はどこですか?
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
(1998/05)
鯨 統一郎

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評価:☆☆☆☆


 本書はこれまで紹介した本の中でも異彩を放っている。というのは、小説の姿を借りた歴史論争なのである。では、歴史学の論争をそのまま小説仕立てにしているのかというと、それも違う。概要だけ聞いたら思わず目を剥いてしまうような異説の数々が読者に示されることになる。

 扱われる話題がどのようなものかは目次を紹介するのが良いだろう。

1.悟りを開いたのはいつですか?
2.邪馬台国はどこですか?
3.聖徳太子はだれですか?
4.謀反の動機はなんですか?
5.維新が起きたのはなぜですか?
6.奇跡はどのようになされたのですか?

 タイトルを見ただけで分かる話題が多いだろうが、念のため補足を。1章は仏陀が悟りを開いたのはいつか、4章は明智光秀の謀反の動機を、6章はキリストが処刑されて3日後に復活したことを述べている。

 歴史論争を繰り広げるのは三谷教授と、助手で才媛で知られる早乙女静香、謎の研究家宮田六郎。早乙女静香が常識的な研究を披露しようとすると、宮田が珍説奇説でそれをねじ伏せる展開である。といっても、衒学的な会話やら専門知で、という訳ではなくて、かなりの論理の飛躍がある。しかし、学問の世界に身をおいていない分、常識的な見方に捕らわれていないので、そういう見方もあるのか!と驚かされることもしばしば。ふと気が付くと、宮田の論こそ正しい見方の場合もあるのじゃないかと思わされてしまう。

 また、やられ役である静香の切り替えしの会話は軽妙で面白い。例えば、宮田が仏陀は悟りを開いたのだろうかと問題提起したのに対し、静香は「ブッダが悟りを開いていなかったなんていうのはね、徳川家康が江戸幕府を開いていなかったというのと同じくらいナンセンスなことなのよ」と返すのである。

 総じて異説を通して歴史の面白さを感じさせるようになっていると思う。研究者から見れば噴飯ものの話もあるかもしれないが、それでも本書のような歴史エンターテインメントから歴史家が育つのも良いのではないかと思う。
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その他小説 | 2008/08/30(土) 22:52 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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547冊目 始まりの科学 宇宙、銀河、太陽系、種、生命、そして人類まで
始まりの科学 宇宙、銀河、太陽系、種、生命、そして人類まで (サイエンス・アイ新書 36) (サイエンス・アイ新書 36)始まりの科学 宇宙、銀河、太陽系、種、生命、そして人類まで (サイエンス・アイ新書 36) (サイエンス・アイ新書 36)
(2007/09/15)
矢沢サイエンスオフィス

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評価:☆☆☆☆☆


 技術の進歩は、現在の宇宙がどのような姿をしているのかをかなりのところ明らかにしている。最も身近な太陽系についても、まだまだ分からないことは沢山あるが、それでも現在の姿を知ることはできる。

 では過去のことはどうか。これも、実に多くのことが明らかになっている。宇宙はビッグバンで始まった、ということは多くの人が知っているだろう。人類が類人猿などを経て進化してきたことだって広く知られている。

 だが、究極の過去、物事の始まりはどうだったか、というと、ここにはまだまだ大きな謎が潜んでいる。当然だろう。なにしろ、始まりが遠い過去であるために、過去の実像を知るための手がかりすらほとんど無いのだから。

 困難にも負けず、科学は始まりを探り出そうとしている。その試みのゴールはまだまだ見えないが、それでもゴール候補らしきものの姿は見え始めている。ビッグバン直後の宇宙の姿、生物が生まれる前の化学物質段階での進化、惑星の成り立ち。始原を求める探求が科学者を含む多くの人々を魅了してきたのは、そこに沢山の知があるからではないか。

 本書では、化学進化の段階において粘土化合物が大きな役割を果たした可能性や、種の進化の不思議、人類の辿ってきた道のり、ビッグバン直後の宇宙の姿、太陽系が生まれるまでと、いずれも興味をそそる話題が取り上げられている。最新の学説を読みやすく紹介してくれているので、知の世界を楽しむのにうってつけである。

 また、多くの図版を用いていることで読者の理解を助けてくれているのもありがたい。図版そのものも不思議を感じさせてくれるもので、見ていて楽しい。科学の楽しさを感じさせてくれる優れた本だと思う。
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その他科学 | 2008/08/29(金) 22:39 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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546冊目 イギリス紳士のユーモア
イギリス紳士のユーモア (講談社学術文庫)イギリス紳士のユーモア (講談社学術文庫)
(2003/07)
小林 章夫

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評価:☆☆


 期待外れ。

 タイトルから、(イギリス紳士の)ユーモアというイメージを抱いていたのだが、実際はイギリス紳士(含むユーモア)についての本だった。なんというか、良い女の口説き方という本を買ったら大半が良い女とは何か、ということに費やされているような感じ。

 ではイギリス紳士に興味がある人が読めば面白いのか、と聞かれても、そうでもないような気もする。というのは、定義をうんぬんしているが、結局はそれなりの血筋の家に生まれた人、くらいのところに落ち着いてしまっているからだ。

 タイトルから期待した内容では楽しめないが、著者のイギリス生活からイギリス人の生活が垣間見えることが魅力と言えば魅力か。ただ、それも吸引力はやや弱い。

 加え、数少ないジョークについても性の話題を外しているのは失敗ではないか。知ってのとおり、性を扱ったきわどいジョークにはかなり秀逸なものが少なくないためだ。人間の営みにとって無視し得ない一大分野をなんだかんだ理由を付けて排斥すれば、面白くなくなるのは当然で、その点を編集も考えるべきだったのではないかと思う。
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エッセイ | 2008/08/27(水) 22:23 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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544冊目 & 545冊目 黒体と量子猫 1、2
黒体と量子猫 1 (1) (ハヤカワ文庫 NF 323 〈数理を愉しむ〉シリーズ)黒体と量子猫 1 (1) (ハヤカワ文庫 NF 323 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
(2007/06)
ジェニファー・ウーレット

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黒体と量子猫 2 (2) (ハヤカワ文庫 NF 324 〈数理を愉しむ〉シリーズ)黒体と量子猫 2 (2) (ハヤカワ文庫 NF 324 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
(2007/06)
ジェニファー・ウーレット

商品詳細を見る


評価:☆☆☆☆


 なんとも心憎いタイトルである。量子猫、とは明らかに量子力学をイメージさせるし、黒体からは宇宙論が思い浮かぶ。そのタイトルに恥じず、本書は物理学の発展の歴史を、ドラマや映画に見られる科学と絡めながら紹介している。

 聖少女バフィー、スター・ウォーズ、スタートレックといったタイトルから興味をそそられる方も居るのではないか。これらのストーリーの中にも物理が隠れている、というのは中々に面白いと思う。ただ、それは表裏一体で、アメリカのテレビに触れることの多い人は楽しめるだろうがそうではない人には遠い話題のようにも思われる。

 内容こそちょっと軽めではあるが、肝心の物理の面も怠り無い。物理と聞いただけで蕁麻疹が出るような方にも優しく説明しているのは魅力。

 ただ、私としては類書を多く読んできたためちょっと物足りなさが目に付いた。ボリュームと言い、幅の広さと言い、『人類が知っていることすべての短い歴史』を読めば十分かなと。文庫で持ち運びには便利なので、通勤などの電車内で軽く読むには向いていると思う。
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その他科学 | 2008/08/22(金) 23:20 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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543冊目 実録三国志
実録三国志実録三国志
(2008/05/23)
于 濤

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評価:☆☆☆☆☆


 本書の存在を知ったのは例によって例の如く、オジオンさんこの記事から。私の好きそうな本をかなりの頻度で紹介してくださる、大変ありがたい方である。

 三国時代の幕開けはいつかと問われれば、多くの方は184年に発生した黄巾の乱を挙げるのではなかろうか。曹操、劉備、孫堅といった部将が活躍し、歴史の表舞台に姿を現す。やがて洛陽での混乱に乗じて董卓が実験を握り、東方では軍事同盟が組まれて袁紹がリーダーとなるが、成果を上げられず解散。その董卓は配下の呂布に殺され、群雄割拠の時代が始まる。

 しかし、冷静に考えれば黄巾の乱は後漢王朝にとって少なからぬ衝撃であったことは事実だろうが、それは王朝をすぐにも終焉に導くものではなかった。むしろ、それ以前から若くして世を去る皇帝が続いたことで皇帝の持つ巨大な権力が外戚や宦官に分散され、皇帝との力関係を逆転させていたことに少なからぬ要因がある。

 本書は、まずこの三国前夜とでも言うべき時代が、政治的にどのような時代だったかを明らかにしている。宦官が権力を掌握していく過程、そして宦官から権力を奪おうとする官僚(士人)の動き。政権内で権力を巡っての暗闘が続くが、暗愚な霊帝は事態を収拾などできない。この雰囲気を知ることで、後漢末の群雄達の行動原理が理解しやすくなると思う。

 以後、権力を握った人物たちがどのような制約の中で政治的な決断を下していったかが丁寧に説明されている。特に、触れられることの少ない大将軍何進の政権運用の狙いと限界は、漢王朝が隘路に陥り、並の方法ではそこから脱することができない状態だったことを感じさせる。

 董卓政権についても、董卓が好き放題やっていたような雰囲気があるが、董卓は董卓なりに行動を掣肘されていたことが分かる。宦官対官僚の戦いから、軍人対官僚へ様相が変わっていくのである。東方で結成された対董卓軍事同盟は、結局目だった成果を残すことがなかったのだが、それも各群雄の政治的な狙いを明らかにすることで上手く説明されているのは嬉しい。

 曰く、軍事同盟の中心に合った思想は、17歳で即位し、董卓によって廃された少帝を霊帝の跡継ぎとしようとする運動であり、後少帝が殺されてしまえば中心軸がなくなってしまった、ということである。確かに袁紹らは北方の劉虞を皇帝に立てようとの運動をしていたことなどからも、著者の指摘には頷かされる。

 その後の曹操政権になっても、曹操が就いた魏公の制度面からの問題、跡継ぎ騒動などといった、政治権力の動きに焦点が当てられている。それにより、曹操の権力が拡大していく過程が見え、ファンには大変興味深く感じられるのではないか。

 ただ、三国志と銘打ってはいるが、後漢末期の各政権の性格を追ったという方が正しい。触れられているのは曹操の息子で後漢から帝位を奪った文帝の即位直後まで。その後の明帝は勿論、諸葛孔明による北伐などには全く触れられていない。そのため、蜀漢や呉のファンにはやや物足りないかもしれない。しかし、三国志の成り立ちを知るには格好の本なのではないか。
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中国史 | 2008/08/13(水) 23:40 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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542冊目 哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先
哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先 (朝日選書)哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先 (朝日選書)
(1998/09)
金子 隆一

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評価:☆☆☆☆


 なんといっても古代の英雄と言えば恐竜である。しかし、我が先祖の辿った道を見るのならば、むしろ恐竜は恐ろしい敵、というべきであろう。我々哺乳類は単細胞生物から魚類、両生類、爬虫類を経て誕生したと言う。そして、我々の先祖が爬虫類と袂を分かったのは、なんと恐竜が誕生するよりも遥かに昔のことなのだ。

 哺乳類が爬虫類から分かれ、独自の道を歩み始めた頃、まだまだ現生の哺乳類に見られる特長は有していなかった。現代の哺乳類の特長こそ毛に覆われた体であったり、恒温性だったりするのだが、これらの能力が一朝にして与えられたわけではない。進化の過程で少しずつ身に付けて来たものだ。

 この分岐しはじめた一群の生物を、専門用語で「単弓亜綱」(本書では”哺乳類型爬虫類”)と呼んでいる。この耳慣れない生物はどのようなものだったのか。その最も有名な一員が、恐竜図鑑などで顔を出す、背中に特徴的な帆を生やしたディメトロドンやエダフォサウルスである。見ての通り、外見は爬虫類とほとんど区別が付かなかった。未だ恒温性も持たない。

 だが、彼らは紛れも無く現生哺乳類の直接の先祖であり、彼らの進化こそが我々を生み出したである。この太古の生物の特長は本書に譲る。

 種を見分けるための細かな特長をきっちり説明するところが著者の真骨頂だろう。哺乳類型爬虫類の進化のトレンドだけを知りたいのであれば、この細かい説明は飛ばし読みしても爬虫類と覇権を争った我々の先祖の姿が垣間見えて十分に面白いと思う。太古の時代には恐竜以外にも興味をそそられる生き物が沢山居た、ということに改めて目を向けさせてくれる本。
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地球史・古生物・恐竜 | 2008/08/07(木) 23:37 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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541冊目 世界最悪の旅―スコット南極探検隊
世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO)世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO)
(2002/12)
アプスレイ チェリー・ガラード

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評価:☆☆☆☆☆


 南極点を目指した二つのグループ、アムンセン隊とスコット隊のことは広く知られている。特に、スコットが南極点に辿り着いたときに見たものは、アムンセン隊が残したノルウェーの旗だったこと、そして帰途においてスコット隊は全員が死亡するという悲劇に見舞われたことから格好の話題となった。

 本書はそのスコット隊の一員として南極へ赴き、スコットの遺体を発見するメンバーともなったチェリー・ガラードによるスコット隊の記録である。本書にはスコットが死の直前までつけていた日記を始めとして当時の記録から多くの引用を行うことでスコット隊を見舞った悲劇の全貌を明らかにしている。

 本書からは、極地という、まさに生きていくのに極限の努力を強いられる地での探検がいかなるものかが痛いほど伝わってくる。這い出した途端に凍りつく寝袋、クレバスなどの危険地帯、欠乏する食料。人為ミスがほとんど無かったとしても、ほんの些細なことが死につながる。

 スコット隊の最後の生き残りである三名が遂に燃料と食料の欠乏から息絶えたのは、補給地からわずか20キロ、状況が状況ならば一日で辿り着くこともできた、そんな地点だった。ブリザードが彼らの前進を拒み、そして命を奪うことになったのである。最後に息を引き取ったスコットの日記は胸を打たれる名文で、最後の旅を共に過ごした仲間を褒め称えるものだった。

 それにしても、彼らの死を思うとき、心に一抹の寂しさが過ぎるのは避けられない。スコット隊が南極点を目指したのは、彼らの野心や願いからではなかったから、ということを知ってしまったからだ。

 スコット隊の目的は、南極での科学調査だった。スコットの右腕で共に亡くなったウィルソンは皇帝ペンギンの生態を調べるため、他のメンバーも地質学など様々な研究テーマを持っていた。やがて彼らの少なからずが一線級の研究者となったことからもスコット隊の目標が分かる。

 では、なぜスコット隊は南極点を目指したのか。それは、スポンサーを満足させるためだった。

 なんとか研究資金を捻出しようとするスコットは、「世界初の極地制覇」なる、耳に心地よい目的のためならばカネを出すが、科学になど興味が無く資金を出す気も無い人々に頼らざるを得なかった。科学者が科学で食っていけるようになったのは二次大戦後であるため、時代と言えば時代なのだろうが、それが余りに残念でならない。

 南極点到達のみを目的に掲げたアムンセン隊が、誰一人欠くことなく生還したのとは対照的な結果には、狙い自体が正反対だったという原因があったのである。

 また、スコットの遭難に関しては当時から多くの批判が寄せられている。それにガラードが丁寧に反論しているのが興味深い。これを読めば、スコット達がどれほど当時考えられるだけの準備をしていたかがよく分かる。アムンセン隊の生還を知る我々が後出しジャンケン的に好き勝手な批判をすることは、その後の探検隊の利になったとしても、スコット隊を見舞った悲劇を正当に評価することにはならないのだろう。

 統率力に優れた英雄的な個人が率いる形で探検が行われた、ほとんど最後の時代の話ではあるが、いや、むしろそれ故と言うべきか、スコットの旅をこうして記録の上だけでも追体験できたのは貴重な体験だったと思う。
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ノンフィクション | 2008/08/05(火) 22:56 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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540冊目 犬はどこだ
犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)
(2008/02)
米澤 穂信

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評価:☆☆☆☆


 犬捜し専門の調査事務所、紺屋S&R。ところが、開業早々やってきた依頼は犬捜しならぬ人捜し。孫の行方が分からなくなったので捜して欲しいという。いきなり専門外ではあるが、紹介してくれた友人の顔を潰すわけにも行かず、この依頼を引き受けることになる。

 次に現れたのは、高校時代の部活の後輩である半田平吉、略してハンペー。ハンペーはずっと探偵に憧れていたと言い、歩合制で良いから雇ってくれと押しかけてきたのである。折り良くというか悪しくというか、丁度そのときに第二の依頼がやってきたため、ハンペーがこちらの仕事を引き受けることになる。ではハンペーが犬を捜すのかというと、違う。古文書の解読である。

 ぼやきながらも二人は仕事に取り掛かることになる。主人公は犬捜しならぬ人捜しが不本意で、ハンペーは全くハードボイルドっぽくない仕事がイメージに合わずに。

 ところが、ハンペーの前に怪しい男が現れ、依頼を受けるのは辞めた方が良いと忠告するに及んで、なにやら雰囲気がおかしくなる。失踪人の方にも不可解な事実が次々現れる。謎を解く手がかりを求めて図書館やチャットを駆使し、やがて明らかになる失踪の真実。

 という感じで、主人公とハンペーの軽妙な会話に誘われてどんどん物語に引き込まれていくのを感じる。文献からの引用やチャットの場面を入れることで雰囲気が変わっていくのも魅力。主人公よりもハンペーの方がキャラが立っていて面白かったりするが。

 ネタバレ防止のため、以降は続きにて。
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推理小説 | 2008/08/02(土) 22:22 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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