![]() | わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) (2005/09/20) 西林 克彦 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆
我々が書物を読み誤るのは、理解できないためではない。本当は理解していないのに、理解したつもりになってしまうことだ。そう著者は喝破する。
意外かもしれない。しかし、実際に小学校の教科書を例に読者に分かったつもりの状態を体験させてから論に入るので説得力がある。実際に、一つ一つの文章は容易に理解できるのだが、読み終わった後に詳細を語ろうとすると途端にそれができないことが分かる。それどころか、明らかに間違った理解をしている場合もあり、驚くことになる。
分かった、という状態が出来上がってしまうと、更に深く読み取ろうという意思が失われてしまうのかもしれない。そう考えれば、確かに読解力がつかないのは理解力の不足ではなく分かったつもりという危険な状態であると感じさせられた。
ただ、どこまで深く読み込むことが必要かは読む本によって異なると思う。例えば小説などでは自分で納得のいく読み方ができればいいのではなかろうか。著者の狙いから離れたことを読み取ってしまったからといってそれが間違った読み方ではないように思う。勿論、著者の主張と正反対のことを読み取ってしまってはそれは悪意のある誤読か読者が余程アレなのだろうけど。
自分が如何にいい加減に文章を読んできたか、ということに気付かせてくれたことには感謝したい。
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