![]() | 変な学術研究 1 (1) (ハヤカワ文庫 NF 320) (2007/05) エドゥアール・ロネ 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆☆
科学にはどこか難しいと言うイメージがあるためか、あまり好まれないようだ。そりゃあ、聞いたことも無いたんぱく質が興味も無い現象をコントロールしていることが分かったとか言われても困る、というのが人情だろう。
しかし、真面目に行われている学術研究の中にも視点を変えてみれば面白くなるネタが混ざっているものである。例えば、ペンギンは空を見上げて転ぶのか。トーストがテーブルから絨毯に落ちるときにはなぜ必ずバターを塗った面が下を向くのか。当人達は真面目に研究している分、面白さが増してくる。
そう、本書のサブタイトル「光るウサギ、火星人のおなら、叫ぶ冷蔵庫」のような、一風変わった研究が実際に行われているのだ。
研究者達の名誉のために言っておけば、これらの研究にもしっかりとした根拠があり、いずれも科学の発展に役立つものである。サブタイトルの中で最も意外な、火星人のおならの研究とはどのようなものか。それは、火星に生物がいるのならば、代謝をしているはずなので代謝の副産物があるはずだ、との考えに基づいている。
例えていうのであれば、地球の大気は自然状態と比べて酸素の量が異常に多い。酸素は極めて反応しやすいため、たちまち他のものと結びついてしまうため、空気中にはほとんど存在しないはずなのだ。ではなぜ地球には酸素が大量に在るのかというと、植物が代謝の副産物として放出しているために他ならない。無機的な条件から外れた大気組成を持つ星には生物がいる証拠だ。
真面目に解説したらどれだけの人の関心を引けるだろうか。ほとんどいないだろう。ところが、それを代謝の代表として「おならの研究」としてしまえば科学に興味を持たない人も読んでみようかとなるのではないか。
本書は、科学の成果や意味などをバッサリと切り落とし、研究内容の面白さにのみ目を向けている。科学は面白いからこれだけの科学者がいるわけだから、このような取り上げ方は有益だと思う。特に専門を決める前の学生諸君にはお勧めしたい。
そして、できればこの研究の裏にどんな意味が隠されているのかを考えてみて欲しい。きっと更に魅力的な世界が広がっているはずだ。
なお、イグ・ノーベル賞受賞の研究も混ざっているので本書を読んで楽しめればこちらもどうぞ。
『イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!』
『もっと!イグ・ノーベル賞』
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