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491冊目 ゾウを消せ----天才マジシャンたちの黄金時代
ゾウを消せ----天才マジシャンたちの黄金時代ゾウを消せ----天才マジシャンたちの黄金時代
(2006/02/11)
ジム・ステインメイヤー

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評価:☆☆☆☆


 ドラマやら映画やらでTRICKを見たことがある人は多いだろう。ご存知、日本科学技術大学の物理学助教授の上田と自称本格派の(売れない)手品師の山田が次々に奇怪な事件に巻き込まれていく物語である。超能力に見せかけたトリックに、物理学者の上田がころりと引っかかるのに、手品師の山田が次々に超能力の正体を暴いていくのであるが、その過程がコミカルで楽しい作品だ。狂言回しとなってしまっている上田の妙な博識さと法螺吹きっぷりも楽しい。

 これを見たときに、「あ、フーディニだ」と思ったものである。

 ハリー・フーディニは手品師で、交霊術がイカサマであることを暴いて回った頼もしい(?)人物である。交霊術などといっても、なんてことはない、手品や手品とも言えないようなテクニックが使われていたのだ。ありとあらゆる類のオカルトにころりと引っかかる、脅威の信じやすさを誇るコナン・ドイルや、科学者たちが次々騙される中で手品師たちがイカサマを暴いてきたというのは中々に面白い。まあ、今もスピリチュアルがどうとかいう低脳な輩が蔓延っているので往時を笑えないが。

 そんなわけで、フーディニの話を探していて本書に巡り合ったのである。

 本書が取り上げているのは、手品の黎明期における天才的マジシャン達の歩んだ道のりである。まず取り上げられるのが、フーディニがゾウを消したマジック。大きな箱の中にゾウを入れ、窓を開けるとあら不思議。ゾウは影も形も無い、というわけだ。

 ところがこの手品、全然ウケなかったらしい。フーディニは引田天工の元祖のような人で、脱出術は広く知られていて人気もあったのだが、手品のやり方はヘタだった、という。見せ方がいかにも稚拙だったこともあり、注目されないままゾウ消しのマジックは歴史の闇に埋もれていった。

 この逸話に始まり、手品師たちがどのように物を消し去ることに挑んできたかが語られている。手品とは巧みな仕掛けや錯覚を織り込んだ芸術品である、とつくづく思わされた。なにせ、これらの公演を見たくて堪らなくなるのだ。

 消失の原理を応用して、かの人体浮遊術や美女の胴体切りといった著名なマジックが生まれては消えていった。その功績が消えていくのは確かに惜しい。舞台裏を知ってしまえば興が醒める、という方には向かないかもしれないが、手品を愛する人々は楽しめるのではないか。
未分類 | 2008/04/10(木) 23:32 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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