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489冊目 ウマ駆ける古代アジア
ウマ駆ける古代アジアウマ駆ける古代アジア
(1994/03)
川又 正智

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評価:☆☆☆☆


 古より人と共にあり、人の歴史を大きく変えた存在。それがウマである。

 ウマが占めた高い役割から、ウマに関する記録は事欠かない。ある時には有力者の墳墓に埋められ、ある時には戦争の原因ともなり、ある時には諺となってきた。馬氏の五常、白媚最も良し、とか。

 本書では、古代においてウマと人が辿った歴史を大まかに辿っている。具体的に言えば、西暦1年より前の時代である。考古学の成果を頼りに人類のウマ利用の歴史を辿ることで、ユーラシア大陸に跨る人類史を追いかけることになっているのが興味深い。

 ウマが飼育され始めたのは紀元前4000年ほどのことらしい。食肉用として飼われはじめたウマは、やがて馬車を引くようになり、更には騎馬へと進化していった。進化の過程で与えた人類社会へのインパクトの大きさは、本書が説くのが正しいとすると信じ難いほどのものだ。具体的には、遊牧という生活様式を生み出したこと。遊牧というスタイルの完成が持った力は、俄かには信じられないくらいだ、ということだけ指摘したい。

 歴史好きには面白いエピソードがちりばめられているのも魅力である。中国の戦国時代における趙の武霊王による胡服騎射の導入(ただし、騎馬そのものは以前からあったという指摘には自分の思い込みを正された)や、エジプトのラムセス二世とアッシリアの戦争などを読むにつけ、ウマの与えた影響の大きさを実感した次第。

 やや古い本なので手に入りづらいとは思うが、歴史好きなら手にとって損は無いと思う。
その他歴史 | 2008/04/01(火) 23:51 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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