![]() | ナポレオンを創った女たち (集英社新書) (2001/10) 安達 正勝 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆☆
コルシカ島の貧乏貴族の息子として生まれ、フランスの皇帝にまで登り詰めながら最後はエルバ島で毒殺されたナポレオン。
そのナポレオンの生涯を語る上で欠かせない女性が3人いる。一人は母、もう一人はナポレオンが恋焦がれたジョゼフィーヌ、最後の一人は再婚相手のマリー・ルイーズ。本書は3人の女性を通してナポレオンの生涯を眺めることで、その栄光と破滅を描こうとする意欲作である。
ナポレオンが大成するにあって、まずは母の影響が何よりも大きかったことがまず示される。次いで、ナポレオンの栄光の時代にあってジョゼフィーヌの存在がどれほどのものだったのかを解説し、没落の時期に当たるマリー・テレーズとの結婚生活にて本書の幕が降りることになる。
著者が更に踏み込むのは、ナポレオンの定めた女性関係の法律が、実は今も広く影響を与えていること、とりわけ日本でもそうであるということ。男は外で働き、女は家庭にあって家を守れ。そんな家父長的(って古いな)な考えがフランス革命の際に成立し、ナポレオン法典で完成したことは実に興味深い。
女性と社会との関わりという点では、本書は先に挙げた3人以外にも多くの女性を取り上げている。穏健派としてフランス革命に大きな影響を与えながら断頭の露と消えたロラン夫人や、ナポレオンの敵に回った手ごわい女性もいれば、反対にナポレオンに細やかな愛情を注いだ女性もいる。彼女らに焦点を当てることで異色のフランス史になっていて楽しめた。
ただ、新書でフランス革命という複雑な事象を扱った上にナポレオンと女性達の関わりを書くというのは不可能なわけで、この辺りの流れを大まかに知っていなければ楽しみは半減するだろう。そんなわけで136冊目で紹介した『情念戦争』と併せて読むとなお面白いと思う。
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