![]() | 東ゴート興亡史―東西ローマのはざまにて(中公文庫BIBLIO) (2003/04/24) 松谷 健二 商品詳細を見る |
評価:☆☆☆
暗記が苦手な私にとって、社会科は鬼門だった。私が日本史ではなく世界史を選択したのは、なんと言うことは無い、日本史だと漢字まで覚えなければいけないという事態を避けるためだ。私が中国史で挫折に絶望にぶつかったのは言うまでもあるまい。
そんな世界史選択者である私が知るゴートの全ては、そんな名前を聞いたことがある、という程度。その国については時代も分からなければ場所も分からない。
マイナーだから仕方がないかもしれない。しかし、だからこそ読んでみようと思ったわけです。なにせ、知らないならあとは知ることばかり。重複なし。面白いではないか。
と、安易に手に取ったのだが、これがまた実に難しい本だった。なにが難しいって、人名を覚えられない。なぜ人名が覚えられないのか。それは、ゴートがどのような国だったのかをざっと見れば分かる。
地中海に覇を誇ったローマ帝国は東西に分かれるわけだが、その西の方を滅ぼしたのがフン族。フン族は、一説に匈奴の末裔とも、匈奴に追われて西方に移ってきた中央アジアの騎馬民族とも言われている。アッティラは結婚式の夜に鼻血が止まらずに死んだとの俗説で知られる。
アッティラの死後、フン族の覇権はたちどころに失われる。民族同士の抗争が始まり、結局フンの衣鉢を継いだのがゴート族だった。更にこのゴート族が東西に別れ、その東側はついにローマを制するに至る。
しかし、ローマが豊穣の地であることは他者の流入を呼び覚まさずには居られない。結局、100年も経たずしてゴートは東ローマに滅ぼされることになる。
ゴートの興亡の歴史は、抗争の歴史であったわけだ。次々と主役が入れ替わり、脇役が思わぬ活躍をする。躍動感には溢れているのだが、おかげで一つのストーリーとして追いかけるのが難しい。それはファンタジーとは異なる現実の難しさで仕方の無いことなのだろう。ただ、わずか200ページで世界を理解させ、登場人物の生を感じさせるのが困難、ということかもしれない。
前後の時代に興味がある、晋の七王の乱だってちっとも頭に入らない私にとっては難しすぎたか。
それでも滅多に口の端に上ることの無い東ゴートの歴史に触れることができるのは嬉しい。異民族の入り乱れた戦乱の時代について触れられる機会には感謝したい。ただ、もうちょっと文章が分かりやすかったら有難かった。
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