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417冊目 もう一つの『三國志』 ―「演義」が語らない異民族との戦い―
もう一つの『三國志』  ―「演義」が語らない異民族との戦い―もう一つの『三國志』 ―「演義」が語らない異民族との戦い―
(2007/08/12)
坂口 和澄

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評価:☆☆☆☆



 毎度の事ながら、本書を教えていただいたのはオジオンさんの幻想工房から。紹介記事での詳細な個評を読めば、もうこれは読破せねばなるまいと思わされた。


 三国志といえば、曹操や劉備、孫権らが覇を競い、劉備亡き後は諸葛亮が悲壮な決意で北伐を敢行するストーリーが思い浮かぶ人が大半だろう。かく言う私もそう。しかし、意外なことに三国の興亡を分けたのは相互の争いではなく異民族との攻防だったことを指摘しているのが本書。

 南方の雄、孫権が積極的に魏蜀と事を構えなかったのは国内の異民族対応に手を焼いていたからというのは知っていた。なにせ、呉の戦いと言えば防戦ばかりで、目ぼしい攻撃戦といえば魏と結んで関羽の勢力を荊州から一掃したこと、諸葛亮の北伐と合わせて合肥を攻撃したことくらいである。いずれも単独攻撃は無し。しかも、後者は大敗したものだ。

 その呉だけではなく、三国志に登場する有名部将のほとんど全てが異民族との関係で名を成したというのは知らなかった。

 烏丸、高句麗、鮮卑、羌、氐、匈奴、蛮、西南夷、山越と、言われてみれば四方を異民族で囲まれている以上、争いは避けられないことだろう。ところが、三国志演義は異民族との争いをほとんど取り上げない。詳しいのはせいぜい諸葛亮の南征で触れられる程度であろう。

 だが、争いがあればそこには英雄が居て、興味深い攻防の歴史がある。三国志の登場人物たちも、あるときは異民族の侵入を防ぎ、またあるときは異民族と結んで敵と当たってきた。異民族との関係を知れば、後漢から三国時代を経て晋に至るまでの歴史が見通し良くなるように思った。

 個人的に面白かったのは、蜀の異民族戦のヒーロー張嶷の項。彼こそは隠れた名将だとかねがね思ってきたので、その活躍をゆっくり楽しめた。三国志のストーリーを知っているのであれば、あの戦いにはこんな裏があったのかと感嘆しながら読めるのではなかろうか。

 なお、個評は是非オジオンさんのを参考にしてください(手抜き)。
中国史 | 2007/11/26(月) 23:17 | Trackback:(1) | Comments:(0)

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