![]() | 不思議な少年第44号 (1994/07) マーク トウェイン 商品詳細を見る |
評価:☆
一言で言うなら、理解できん。
中世ドイツの田舎町の印刷所に忽然と現れた不思議な少年。彼は給料は要らないから置いてくれと言って、それを認められるのだが、その日から印刷所には不思議なことが次々と起こるのだった。44号と名乗るこの少年は一体何物なのか―――。
不思議な人物を書くのは難しい。というのは、論理的に非論理的人物を作り上げなければいけないという苦行が付きまとうから。その結果として、キャラが固まっていない。44号は登場当初と後半で同じ人物とは思えないし、また彼の行動原理がどれほど読んでも理解できない。
また、他の登場人物の行動も到底理解できないものである。職長っぽい人は44号に反発し、44号を残すならストライキを決行するといって働かない。いや、それなら分かるのだけど、雇い主を破滅させようとして、それが44号の不思議な力によって回避されると今度は働かなかった間の給料を寄越せとごねる。で、この行動もろくに説明らしき説明がないので困ってしまう。
主要と思われる登場の仕方をして、それっきり出てこないキャラもいれば、宇宙戦艦ヤマトにおけるサナダさんの必殺兵器が如く、唐突な設定が現れる。小説としての出来は最低レベルではなかろうか。晩年の作で、推敲せぬままの原稿だというのを差し置いても、もうちょっとまともな作品を作れるのではないかと思う。オチがまともなのかと期待したのだけど、それも期待はずれ。アメリカだったら意味があるのかもしれないけど。とにかく時間の無駄だった。
って、私如きがマーク・トウェインをそうこき下ろしても説得力は無いな。
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