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406冊目 敵中漂流
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デイモン ゴーズ (2000/07)
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評価:☆☆☆


 太平洋戦争の勃発と同時に日本は南方へ兵力を展開、白人諸国が植民地にしていた地を占領し、日本の植民地へ変えた。

 その際、フィリピンで日本軍から逃れ、なんと日本軍が制海権を握っている上に鮫がうろつく海域を全長6メートルの木造漁船でオーストラリアまで辿り着いた米軍パイロットこそ、著者であるデイモン・ゴーズ。

 事実は小説より奇なり、を地で行く出会いと別れ。木造漁船で台風を凌ぎ、珊瑚礁で船を傷め、日本軍に何度か発見され、鮫に後を付けられる。

 その不屈の精神、強靭な体力と危機にあっても自分を失わない冷静さには敵ながら(?)頭が下がる。冒険記として一流であることは間違いない。

 ただ、日本人としては作中で描かれる日本軍への蔑視観には閉口する。同時代の日本人が欧米人を鬼畜米英と呼びけなしていたのと好対照であるだけなのだろうけど。それでも、著者は何度もフィリピン人達の助力や援助を受け、決して日本に売られなかったことから我々は過去の歴史の一部を垣間見ることができる。白人が圧制を敷いていたのを日本が解放したのだという史観では、なぜゴーズが出会った多くのフィリピン人が積極的にゴーズを助けたのか、理解できないことになるからだ。

 複雑な思いを抱かざるを得ないが、それと読み物として面白いかどうかは別問題。そう割り切れば稀代の冒険譚を楽しめるだろう。
ノンフィクション | 2007/11/08(木) 23:23 | Trackback:(0) | Comments:(2)

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