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400冊目 宇宙が残した最後の謎
宇宙が残した最後の謎 宇宙が残した最後の謎
南山 宏 (2001/11)
廣済堂出版
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評価:☆☆☆☆


 この宇宙論チックなタイトルに騙されちゃあいけません。れっきとしたオカルト本です。それを分かって読むにはとても楽しい本なのは間違いがなかったりするのだけど、それはちょっと前に流行ったオカルトネタを網羅しているから。

 実に勉強熱心に、東西のオカルトに首を突っ込んではそれを紹介してくれているわけで、信じずに読むなら世界中に変わった人がいるのであるなぁということを教えてくれる貴重な書ともなりうるのだ。

 上記の通り大変な魅力に溢れた本書の目次を見てみよう。

20世紀最大の謎が解けた!!
最新『UFOタイムスペースシップ』仮説

インド・ラーマ超文明と太古核戦争ミステリー

地球と宇宙を結ぶ謎の幾何学パターン



 UFOの不思議な行動は、UFOをタイムスペースシップと仮定すると全て解ける!というのはスゴイ着眼点に違いない。どれほどスゴイかと言うと、今までの謎が全部解けてしまうくらいスゴイのである。多分、解けないのはUFOに遭遇する人はなぜ悉く絵が下手なのかということくらいだろう。

 でも、タイムスペースシップなんて誰も見たことないのに、それを持ち出したら全てが解ける、というのはちょっとアレなんじゃないかなあ。

 次もスゴイ。といっても、これはオカルト観察好きには知られた説なのだけど、ラーマーヤナとかマハーバーラタには古代の核戦争の模様が描かれている!な、なんだってー!!という代物。

 空を翔るヴィマーナ、一帯を焼き尽くす余りの威力に神々すら恐れたという超兵器。見え隠れするジェームズ・チャーチワードの影。俺たちは、なにもかも、遅すぎたんだということを悟らされてしまう。

 問題は、該当する古代の文明がレンガ造りの文明しか持ってないってことなんだよね。たとえば、指数対数微分積分はできるのに一桁の足し算ができない文明が荒唐無稽なように、核兵器を作り、制御するには大変な文明の発展が必要。ところが、そのようなものは一切発見されていない。金属の集積や精錬も見られず、制御に必要な計器類についてもまた同様なのである。それなのに、太古の文献には核兵器と思ってもそんなにすごく外れるわけじゃない記述があるから太古の時代に核兵器があったとはできない。

 地球と宇宙を結ぶ幾何学模様というのはストーンヘンジを含む周辺の遺跡が一つの直線状に乗るとか、ミステリー・サークル(出た!)やらキャトルミューティレーション(出た!!)やらが出現する地点が地球物理的に明らかになるという章。

 これはもう大変な騒ぎで、これが本当ならスピリチュアルな占い師に我が家も地脈が悪くないか見てもらわねばなるまい。もしかしたらそれで私の頭が悪い説明が付くかもしれない。なので、私が頭の悪いことを言っても私のせいではありません。地脈が悪いんです。あるいは宇宙人が私を攫って脳をいじってしまったんです。なんて書くと本当に頭の悪いヒトみたいで大分アレだ。


 さて、この章において日本の古代文明を記したというカタカムナ文献を著者は擁護する。この一般に知られていない文献を世に知らしめたのは楢崎皐月(ならさき・こうげつ)なるこれまた一般に知られていない人物。wikipediaによると、円と直線からなる文字を5年がかりで解読したというのだが、これは不可解に過ぎる。というより、確実に不可能だ。

 一度喪われた文字の解読は極めて困難で、何人もの専門家が取り組んでも解読の端緒すら掴めないものばかりなのである。ロンゴロンゴは未だに解読されていない。

 いや、ヒエログリフはどうしたとの突込みがあるかもしれない。そこで『ロゼッタストーン解読』から天才・シャンポリオンがいかにして解読を成し遂げたか、核心部を引こう。

 シャンポリオンの偉業を生んだ最後の要因は、たくさんの資料を利用できたことだった。(略)
 (略)そこ(パリ;引用者注)にはナポレオンの遠征によってエジプトから持ち帰られたばかりの、まだ手つかずの興味ある資料が大量にあり、また、図書館にはナポレオン軍がヨーロッパ中から略奪した貴重な書物や手稿があふれていた。


 これらを利用できたからこそシャンポリオンは解読にたどり着くことが可能だった。これに加え、ロゼッタストーンという解読に絶大な力を与えた遺物の存在を忘れてはならない。そこには既知の文字とヒエログリフとが、同じ文章で載っているという奇跡があった。

 これほどの僥倖を得ても、1807年には手をつけていた解読作業の報告がなされたのは1822年だった。想像しうる限りの幸運と、天才的なセンス、先人たちの業績が結びついても10年以上を要するとんでもない作業こそ、言語の復活に必要なことである。従って、たかだが数年で未知の文字で書かれた文献を翻訳したなどという戯言に付き合うのは時間の無駄である。

 そのようなものの一つがこの『カタカムナ』であり、ムー大陸の存在を記した古文書である。そもそもムーを主張したチャーチワードは、該当する古文書すら示していない。最も、チャーチワードの場合、元イギリス陸軍大佐を名乗っていはいたがイギリス陸軍にそのような者が存在しなかったことが明らかになっているわけで、まずは自分の身分から示すべきかも知れない。


 とにかく、こんなノリでオカルトネタがごった煮にされていて胃もたれする程なので、寝る前にクスリと笑うために使うというのが正しい読み方。用量、用法をお確かめの上、オカルトを外から眺めるのが好きな方の助言を仰いだ上でご覧ください。

 個人的には楽しかったけど知っているネタが多すぎたのが残念。なんでそんなの知ってるんだという突っ込みは無しの方向で。



 ちなみにこれにて目標とする1000冊から見て4割達成。この手の本を交えてこそ無秩序なブログだと思っていただけると嬉しい。
SF・ファンタジー | 2007/10/30(火) 23:28 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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